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序文a 当資料の刊行は前掲の明石照男氏の序文に詳記されてある通りの経緯と内容とを以て昭和十八年に岩波書店から第一巻を刊行され、その後時勢の影響を受けて中絶の已むなきに至つた大計画を継承して之を完遂しようという事業である。 但し此度の企画に於ては、新たに竜門社から独立した渋沢栄一伝記資料刊行会という機関を設けてこの事業に専念させることとし、且つその体裁様式等を新たにした為、再び第一巻から版に附することとなつた。 刊行会の発足に当り図らずも不肖若輩の身を以て会長の大任を命ぜられ、その重責に日夜痛心せざるを得なかつたが、幸にして渋沢敬三氏を始め竜門社役員其他の諸先輩の御援助と、第一銀行の至れり尽せりの御後援との御陰を以て順調に進展し、戸井鉄哉氏総攬の下に事務担当諸氏の美事な一致協力と印刷責任者仙台市笹気幸助氏の熱心と相俟つて、玆に第一巻の誕生を見るに至つたことは誠に慶びに耐えない。 ★★01013★ 然し乍ら、この事業たるや今後撓まず努めて尚且つ十年に近い長日月を要するかと目される未曽有の大出版である。若し幸にして恙なくこの世界に比類なしとまで称される大伝記資料の刊行を完遂し、この貴重な近代日本誕生期の文化資料を世に贈ることを得れば、聊かなりとも青淵先生の御偉業を顕彰し御偉徳に報いる所以であり、且つ土屋教授永年の御苦心にも応える途であると信じ、之が完成の為に宏く江湖各位の御支援御鞭撻を冀つて序言とする次第である。
昭和三十年四月 渋沢栄一伝記資料刊行会 会長 矢野一郎 DK010000b 1/1
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