デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

1編 在郷及ビ仕官時代

2部 亡命及ビ仕官時代

4章 民部大蔵両省仕官時代
■綱文

第2巻 p.418-420(DK020096k) ページ画像

明治三年庚午七月十三日(1870年)

民部省改正掛ノ立案ニ基キ蚕卵紙ノ濫製品ヲ鑑ス可キヲ各地方ノ養蚕場ニ諭告ス。栄一改正掛長トシテ之ニ与ル。


■資料

大蔵省沿革志 租税寮第三・第五一―五二丁(明治前期 財政経済史料集成 第二巻・第二七六頁〔昭和七年六月〕)(DK020096k-0001)
第2巻 p.418-419 ページ画像

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法令全書 明治三年・第二六四―二六六頁 第四百六十三 七月十三日(民部省)(DK020096k-0002)
第2巻 p.419-420 ページ画像

法令全書 明治三年・第二六四―二六六頁
第四百六十三 七月十三日(民部省)
蚕種ノ儀ハ御国第一ノ産物ニテ国用ハ勿論外国貿易上ニモ洪益有之候品ノ処、近来製造濫雑ニ相成夏蚕合セ夜附又ハ糊付其他様々如何ノ製シ方イタシ私慾ヲ謀リ衆人ヲ欺キ候者共モ有之哉ノ趣相聞ヘ、以ノ外ノ事ニ候、畢竟養蚕ハ原蚕卵ニ係リ候儀ノ処、未熟ノ者ハ原蚕卵ノ善悪ヲ不弁、徒ニ下直ノ蚕卵ヲ求ムルヨリ右様濫製ノ品ヲ以被相欺、遂ニ翌年ノ産業ヲ誤リ候次第ニ立至リ甚以無謂事ニ候、殊ニ本年ハ蚕種殊ノ外違作ニテ此儘打捨置候テハ来歳ノ養蚕一般ノ衰微ニ可至ハ必然ニ付、其管内養蚕ノ者共ヘ別紙ノ通不洩様懇ニ暁諭オヨヒ、且ツ最寄養蚕熟練ノ者、又ハ村役人等厚ク為申合、前条濫製ノ蚕卵ヲ以未熟ノ者ヲ欺キ候様ノモノ有之候ハヽ、屹度取押ヘ相当ノ咎可申付、将蚕種売買ノ者共右諭告ノ主意相弁ヘ互ニ実意ヲ以テ取引イタシ候様、且亦従来蚕卵ヲ製スル者共ヘモ丁寧ニ説諭イタシ、一時ノ利ニ而已不泥、精良ノ原蚕卵御国内ニ相残リ、将来ノ生産培殖相成候様世話可行届候事
  諭告
蚕卵紙ノ儀ハ御国産第一ノ品ニテ其豊凶ニヨリテハ御国内ノ損益ノミナラス貿易上ニモ差響キ内外ノ人民商業ノ盛衰ニ拘ル程ノモノナレハ、是迄度々厚ク御世話モ被成遣ル所今年ハ諸国トモ稀ナル違作ニテ、来年養蚕ノ元種普ク可行届哉モ難計候間、商人トモ一時目前ノ利益ヲ得ルタメ随意ニ輸出イタシ候ハヽ、自然夏蚕再出蚕夜附等ノ粗悪ノ品ノミ相残リ、好キ元種尽果可申ハ勿論ニテ、貿易モ自然ニ相衰ヘ国内ノ損失不少、内外人民商業繁昌ノ道モ源ヲ塞キ根ヲ絶ツニ均シク尤可憂事トイフヘシ、今国民商業ノ利益ヲウケ貿易永続繁昌セシメント志スモノ、盛衰ノ理ヲ弁ヘ損得ノ分ケヲ考ヘ、国内用ニ残サハ外国ヘ売渡スヨリ利益少シトイフトモ、今日一己丈ケノ小損ハ来歳全国中ノ大利トナリ、一時目前ノ小利ハ後日意外ノ大損トナル、随テ貿易モ衰微ニ至ラハ国ノ安寧人ノ康福ヲ保ツヘカラサル道理ヲ暁リ、私欲ニ溺ルヽコトナク国ノ産物年ニ増加シ、製造月ニ精良ニ至リ人ノ交際日ニ厚ク国異リ域隔ツトモ人ト人トノ間共ニ利益ヲ同シテ永ク安寧康福ヲ保ツコトヲ謀ルヘシ、元来蚕ノ豊凶ハ元種ノ善悪ニ帰スル訳ナレハ、養蚕ノモノハ仮令案外ノ高価トイヘトモ可成丈精良ノ元種ヲ求メ、生産繁殖シ、東洋第一宝品ノ名ヲシテ虚シカラサラシムル事肝要也、サレハ各民銘々眼前ノ小利ニ迷ハス来歳ノ利根ヲ培養シ、全国将来ノ大益ヲ心懸ケ蚕種製造ノ者ハ可成精良ノ品ヲ撰ミ、国内用ニ売出シ
 - 第2巻 p.420 -ページ画像 
又コレヲ買入ルヽ者ハ其価ノ貴キヲ厭ハス専ラ精良ノ品ヲ撰ムヘシ、是実ニ人民ノ職業ヲ盛ニシ、生産繁昌ノ基本ヲ謀ルタメナレハ篤ト右ノ御趣意ヲ奉シ心得違無之様イタスヘシ
   庚午七月