公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
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明治7年(1874年)
是年同行、預金制度ノ改善、荷為替取扱規則ノ制定、コルレスポンデンスノ開始等、営業上諸般ノ改善ヲ計ル。
第一国立銀行半季実際考課状 第二回〔明治七年上期〕(DK040015k-0001)
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第一国立銀行半季実際考課状 第二回〔明治七年上期〕
当座預金通帳並小切手帳改正之儀ハ、紙幣寮ヘ伺済ノ上製造更ニ緻密ニイタシ取扱罷在候
当銀行営業向ノ儀、一般通知ノ為メ新聞紙ヲ以定期預金ノコト、当座預金ノコト、為換ノコト、割引貸抵当貸金ノコト、諸手形又ハ公債証書利足等ノ請取方ヲ引受ルコト、諸証書類保護預リノコト、公債証書類ヲ売買スルコト等ヲ委ク条記シ広告イタシ候
○中略
当座預金定期預金利息ノ儀五月二日ヨリ改正スベキ旨 当座ハ金額ノ多寡ニヨリテ利足ヲ附スルト附セザルト定期ハ期限ノ長短ニヨリテ利足ノ歩合ヲ定ムル事 決議イタシ、新聞紙ヲ以テ広告候処預金追々増加イタシ候
大阪支店簿記方法洋式ニ改革ノ儀、四月廿二日ヨリ追々規則相立諸事本店ノ成規ニ傚ヒ取扱罷在候
渋沢子爵家所蔵文書 【明治七年六月廿五日 第一国立銀行発申達】(DK040015k-0002)
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渋沢子爵家所蔵文書
以書翰致啓上候、然者当七月十一日株主方集会可相催、仍而同日午後第一時当銀行ヘ御会同被下度、且御病気又ハ御差支等有之候ハヽ御名代人委任状御持参可被下候右御達申度如斯御座候也
明治七年六月廿五日 第一国立銀行印
渋沢栄一殿
第一国立銀行半季実際考課状 第三回〔明治七年下期〕(DK040015k-0003)
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第一国立銀行半季実際考課状 第三回〔明治七年下期〕
小野組長崎港出店ト〔コルレスポンデンス〕約定ヲ結ヒ互ニ通信シテ為換ヲ振出スノ法 ヲ約定イタシ為換取組罷在候所小野組閉店イタシ候ニ付右約定モ廃止イタシ候
○中略
東京大阪横浜ノ間、荷為換ノ方法ヲ以テ融通相望候者ヘハ其依頼人物品等ノ摸様ニヨリ貸附可致規則相定其方法ヲ以テ取扱可申見込ニ候
第一銀行五十年史稿 巻二・第二三―二四頁(DK040015k-0004)
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第一銀行五十年史稿 巻二・第二三―二四頁
事務の改善他
かく行員の養成に注意すると共に、実務の方面においても一月廿五日には当座預金通帳を改正し、爾来小切手帳と勘定帳とを区別することとなし、なほ此前後に当座預ケ金引出シ方規則、当座預リ金約則に改正を加へ、四月にはまた預金利息をも改正し、従来無利息なりし当座預金にも半季一万円以上の残高には日歩を附するの制を定め、定期預金も其期限は従来三ケ月以上なりしを一ケ月以上となし、期限の長短に従ひて利息を附することとなし、以て之が吸収に努めたり。八月には
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保護預り及び代金取立手形の手数料につきて規約を設け、割引手形の日歩及び手数料をも定め、九月には荷為替取扱規則を制定して之を本店並に大阪横浜両支店の三ケ所に施行せり、此時に際し本行は為替荷為替等の業務を開始したれども、いまだ他店と為替約定を為すの運びに至らざりしが、八月初めて東京大阪の本支店と長崎なる小野組の出店との間にコルレスポンデンスを締結す、これを我国におけるコルレスポンデンスの嚆矢となす。
○中略
翻つて明治七年度における営業成績を見るに上半季には十三万七百余円の純益を得て年利七分の配当を行ひ一万五千七百余円の積立を為し、三万三千七百余円を後季に繰越したるが、下半季には滞貸抵当七万円を引去り、猶ほ九万余円の純益を得て年利六分五厘の配当を行ひ、二万千三百余円を後季に繰越したり、之を前季の成績に比較するに頗る良好なるを知るべし、殊に下半季は大株主にして三井組と共に本行の中枢を為せる小野組の破綻するあり、其影響は直に本行に及びて甚しき困厄の地に陥れるにも係はらず、なほ能く六分五厘の配当を為したるなど寧ろ意外なりと云ふべし。○下略
東京日日新聞 第九〇九号〔明治八年一月一七日〕 第一国立銀行第一期の決算(DK040015k-0005)
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東京日日新聞 第九〇九号〔明治八年一月一七日〕
第一国立銀行第一期の決算
当銀行株主ノ集会ハ本月○一月十一日ヲ以テ相催シ昨明治七年下半季ノ総勘定ヲ以テ報告セリ右報告提要左ノ如シ
半季実際報告 第一国立銀行
円 銭
株金 二、五〇〇、〇〇〇〇〇
貯蓄金 三九、〇三六九二
明治七年七月一日ヨリ同十二月三十一日迄施行ノ事務及諸勘定ヲ当任ノ頭取取締役ヨリ衆株主ヘ公示スル第三回報告
今株主ヘ公示スル前半季ノ諸般事務報告及差引勘定表ハ、前ノ半季純益金ノ中ヨリ当季ヘ繰越シタル高三万三千七百七拾五円六拾八銭ヲ合シテ、当季ノ純益金拾五万三千八百六拾三円七拾弐銭ナルコトヲ示スナリ、但此高ハ諸役員ノ月給旅費及諸雑費利払損失等ヲ引去リ、且滞貸等ノ準備ハ予メ引去リタル高ナリ
右純益金ノ内定則ノ通リ諸役員ヘノ配当金壱万八千〇拾弐円九拾六銭ヲ引去リ、金壱万弐千〇〇八円七拾四銭ハ別段積金トシ、金弐万千五百九拾弐円〇弐銭ヲ後半季ヘ繰込、今配当スベキハ金拾万弐千弐百五拾円ナリ
右ノ割賦金ハ一株ニ付金四円〇九銭ノ割ヲ以テ各其株高ニ応ジ、東京本店ニ於テ一般ニ分賦可致候也
明治八年一月十一日 東京ニ於テ
会長渋沢栄一
明治七年七月一日ヨリ同十二月三十一日迄、半季分第一国立銀行総勘定書、及差引表(表中横線ヲ置クハ円位ト円以下ノ少数ヲ分界スルナリ、又数字ノ傍ニ、点ヲ加フルハ千ト百万トヲ指示スモノナリ)
渡シ方(銀行ノ負債義務ニ属スル分)
以下p.155 ページ画像 本社紙幣流通高 四六〇、七九六|〇〇 定期預金 四八三、八三七|一九 当座預金 七四一、三〇二|三四 振出手形 九一、四八一|六一 別段預金 一、七七八、五九二|一四 御用準備預金 一、九九一、九八二|二六 御用振出手形 八三四、一五二|六一 官省札及損札引替元 二八、三二五|〇〇 仕払銀行手形 九九、〇六五|七二 為替借 六、三七六|〇三 外国貨幣 九二、四六〇|九九 仕払未済賞金 一八、〇一二|九六 仕払利足抵当 二一、〇〇〇|〇〇 利戻抵当 四、〇〇〇|〇〇 右公借全数 六、五八八、三八四|八五 株金 二、五〇〇、〇〇〇|〇〇 貯蓄金 三九、〇三六|九二 滞貸抵当 七〇、〇〇〇|〇〇 後半季へ繰込 二一、五九二|〇二 割賦金 一〇二、二五〇|〇〇 右株主へ借リ 二、七三二、八七八|九四 総計 九、三二一、二六三|七九
受ケ方(銀行ノ資産権利ニ属スル分)
紙幣抵当本位貨幣 三〇七、五〇〇|〇〇 預リ金抵当通貨 二二九、五三〇|〇〇 雑貨 三、〇四九、三五五|〇〇 他店切手 七〇、〇〇〇|〇〇 地金銀 三五、三四二|六三 通計 三、七〇九、七二七|六三 紙幣抵当公債証書 一、五〇〇、〇〇〇|〇〇 預リ金抵当公債証書 一二〇、〇〇〇|〇〇 新旧公債証書 七一七、六九三|〇四 営業用 一六二、二三三|五〇 貸附金 二、八一三、七九三|〇九 商業元 二九七、八一六|五三 通計 五、六一一、五三六|一六 総計 九、三二一、二六三|七九
損益勘定
益ノ部
各種公債証書利足 九一、四七四|五〇 貸附利足 一三一、九七一|一三 手数料 二六、七五四|九六 割引 一、〇九三|二五 地金及公債証書売買益 四、七三八|二二 交換打歩及雑益 四、三四二|〇〇 通計 二六〇、三七四|〇六 前半季繰越 三三、七七六|三五 前半季繰越滞貸抵当 二二、九三〇|〇〇 総計 三一七、〇八〇|四一
損ノ部
仕払利足 三八、六五一|一六 仕払手数料 一、七七九|九二 以下p.156 ページ画像 損失 一、七八五|二二 諸雑費 一二、四一〇|六一 役員月給旅費 一三、五八九|七八 通計 六八、二一六|六九 滞貸及利戻抵当 九五、〇〇〇|〇〇 純益金 一五三、八六三|七二 総計 三一七、〇八〇|四一
右貸借勘定表並損益勘定表ノ儀ハ検査ノ上確実ナルヲ保証致シ候也
検査掛 斎藤純造
明治八年一月十一日
第一国立銀行
頭取 三井八郎右衛門
副頭取 三野村利左衛門
取締役 三井三郎助
同 永田甚七
○新聞「あけぼの」附録(明治八年一月一七日)ニモ掲載セリ。