デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治19年4月17日（1886年）

向島八百松ニ於テ開カレタル春季懇親会ニ出席ス。

集会録事　従明治十五年第一月　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○春季宴会録事
明治十九年四月十七日、例ニ依リ同盟銀行春季懇親宴会ヲ嬉ノ森八百松ニ開キ、参会スルモノ六拾壱名ナリ、是日委員ノ招請ニヨリ松方大蔵大臣・郷大蔵次官・高崎東京府知事・富田日本銀行副総裁其外数名来臨セラレ、主客歓ヲ罄シテ午後八時下会散セリ
附録　是日開宴ノ前定式集会ヲ開キ、銀行学講習所維持方法ニ関スル議事ヲ了スヘキ筈ナリシカ、開宴ノ時刻已ニ至ルヲ以テ之ヲ措キ、後更ニ輪札廻議ヲ以テ議定セリ、今此ニ其要領ヲ略叙ス蓋銀行学講習所ナル者ハ明治□年中大蔵省ノ創設ニ係リ、爾来今日ニ至ルマテ同省ノ管理ナリシカ、今回政府ノ改正ニ因リ文部省ノ所轄ニ属スヘキヲ以テ、当路者以為ク、此ノ如クナル時ハ同省経費ノ事情ニ従ヒ、或ハ従来ノ学科ヲ維持スヘカラサルモ計ルヘカラスト、遂ニ之ヲ日本銀行外六行ノ重役ニ商議セラレタルニ因リ、七行重役ノ評議ヲ以テ日本銀行第十五国立銀行及我カ同盟中ノ有志者ヨリ若干金ヲ醵集シテ之ヲ上納シ、此醵金ニ依リ従来ノ学科ヲ維持スヘキ議案ヲ設ケ、同盟銀行ニ求議セシニ多数ノ賛成ヲ得テ基金額五千余円ニ上リタルニ因リ、有志者連署シテ之ヲ大蔵大臣ニ上申シ、文部大臣ニ転稟セラレンコトヲ稟請セシニ請ノ如ク採納セラレタリ

　明治十九年四月十八日春季懇親会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松方大蔵大臣
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　郷大蔵次官
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　上床書記官
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高崎東京府知事
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　銀林同書記官
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　富田日本銀行副総裁
 - 第6巻 p.128 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　飯田〃理事
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三野村〃理事
　　　○以上八名
　同盟銀行出席員
　　　　　　　第一国立銀行　　　渋沢栄一○外六八名氏名略
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山中譲三
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　富岡滝麿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　古屋仙二
　総計七十二名