デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治19年9月11日（1886年）

是ヨリ先、銀行紙幣合同銷却法ノ件ニ付キ、日本銀行ヨリ内議アリシ銷却紙幣記番号明細書廃止ノ事、紙幣消却終期ニ至リ其過不足負担ノ事、及ビ銀行紙幣ヲ兌換券ニ引換ノ事ノ草按ヲ作リテ衆ニ諮リタルニ異議ナキヲ以テ是日大蔵大臣ニ稟請ス。

明治二十一年十二月ニ至リ右ノ中第一項ノミ認可サレタリ。

集会録事　従明治十五年第一月　（東京銀行集会所所蔵）
又同氏○渋沢栄一ハ銀行紙幣合同消却法ノ事ニ関シ、頃日日本銀行ヨリ内議ノ旨趣ヲ告ケ、且ツ該件ニ付意見ヲ陳ヘ、協議ノ上之レヲ次会ノ問題トシテ更ニ熟議スヘキ事ニ決定セリ
　　　○右ハ明治十九年五月十五日ニ開カレタル定式会議ノ録事ナリ。

諸達願並指令綴込　第一号・自明治十一年―明治三十三年
　　　　　　　　　　　　　　　　　（東京銀行集会所所蔵）
＊
　　　消却銀行紙幣記番号明細書廃止之義ニ付伺書
銀行紙幣消却事務御命令書第十一条ニ基キ消却紙幣上納ノ時ニ其紙幣記番号明細書相添上納仕来候処、御省記録局ノ総元帳ヲ消印セラルヽニハ右明細書ニ拠ラス現紙幣ヲ以テ対査相成候順序ニ有之趣、尚且銀行局ニ於テ調査ノ為メ置カレタル元帳ハ今般廃止セラレ候趣承及候間右記番号明細書ハ敢テ要用ノモノニモ無之様存候ニ付以来廃止致候条御許容被下度候、尤各国立銀行ヘハ是迄本行ヨリ右明細書写ヲ以テ通知シ、各銀行ハ之ニ拠テ従前供置有之所ノ割印元帳ヲ消印スル順序ニ有之候得共、曩ニ銀行紙幣ハ合同消却法ヲ定メラレ本行ニ於テ引受消却スルモノト相成候以後ハ各銀行ハ其合同消却割付員額ノ通知ヲ得テ
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発行紙幣ノ債ヲ脱シタル勘定ヲ為スモノニ付、実際其銀行発行ノ紙幣ハ唯其消却済ノ通知ヲ得テ割印元帳ヲ消印スルニ止リ実ハ其現紙幣ノ割印ヲ対査シテ消印スルコトヲ得サルモノナレハ為差効用モ無之義ト存候、就テハ本行ヨリ各銀行ヘ記番号ヲ通知シ、各銀行ニ於テ割印元帳消印スルノ順序モ之ヲ廃シ、更ニ各銀行一般江達セラレ、其割印元帳ヲ御省ヘ御引上相成、御省ニ於テハ之ヲ参考ニ供セラルヽモノニ止メ、保存セラルヽノ御処置御座候様企望仕候、此段相伺候也
　　明治十九年五日　日　　　　　　　　　　　　　総裁
　　　大蔵大臣宛
　＊
　　明治十九年五月定式集会ニ於テ渋沢氏ヨリ報道ノ上相談有之候事

集会録事　従明治十五年第一月　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第六十六回定式集会録事○明治一九年七月一六日
又同氏○渋沢栄一ハ本年五月定式集会ニ於テ協議ヲ経、本会ノ問題ト為リタル銀行紙幣合同消却法ノ事ニ関シ、第一日本銀行ヨリ内議アリシ消却紙幣記番号明細書廃止ノ事、第二紙幣消却終期ニ至リ其過不足負担ノ事、第三銀行紙幣ヲ兌換券ニ引換ノ事等草案成ルヲ告ケ、乃チ其稟請書及廉書ヲ示シ、且之ヲ宣読シ、一同ノ意見ヲ問フニ皆異議ナク速ニ日本銀行ヘ内議シ、異存ナキノ回等ヲ得テ之ヲ全国各国立銀行ヘ照議シ、各銀行ノ同意ヲ以テ大蔵大臣閣下ヘ稟請スヘキ事ニ議決セリ

諸達願並指令綴込　第一号・自明治十一年―明治三十三年
　　　　　　　　　　　　　　　　　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　銀行紙幣合同消却法之儀ニ付大蔵大臣ヘ稟請
明治十六年太政官第十四号御布告ヲ以テ国立銀行条例御改正相成、其追加第百十二条ニ拠リ同年五月十一日御命令之趣旨ニ基キ銀行紙幣消却之義ハ合同法ヲ以テ施行致来リ候処、尚今般右合同法ノ義ニ付各国立銀行一同熟議之上別紙廉書之通稟請仕候間御採納被成下度、此段奉願候也
　　　　　　　　　　　　　　　　　各国立銀行総代
　　明治十九年九月十一日　　　　　　　　　　銀行集会所
　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義殿
（別紙）
　　　　　廉書
第一　消却銀行紙幣記番号明細書廃止ノ事
　　　銀行紙幣記番号割印元張《（帳）》ハ各銀行ニ備置、其発行紙幣ノ存廃ヲ明竅ナラシムルモノニ有之候処、明治十六年銀行条例御改正相成、其追加第百十二条ノ趣旨ニ拠リ銀行紙幣消却ノ義ハ合同法ニヨリ日本銀行ニ於テ担任セラレ候事ニ相成候ニ付、同行ニ於テハ御命令書第十条ニ準シ消却紙幣上納ノ節其記番号明細書相添而シテ各銀行ヘモ右記番号写ヲ以テ通知相成、各銀行ニ於テハ之ニ拠テ割印元帳ヲ消印スルノ順序ニ有之候処、既ニ合同法ヲ以テ日本銀行ヘ委托致シ候上ハ各銀行ハ其合同消印割付金高ノ通知ヲ得テ発行紙幣ノ責任ヲ脱シタル勘定ヲ為スモノニ付、右記番号モ格別ノ要用無之モノト存候、且又御省記録局ノ総元
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帳ヲ消印セラルヽニハ右明細書ニ拠ラス現紙幣ヲ以テ対査可相成候由、而シテ銀行局ニ於テ調査ノ為メ備ヒ置カレタル元帳ハ今般廃止セラレ候ヤニ承及候、果シテ然ラハ是迄日本銀行ヨリ被差出候明細書ハ以来相廃シ、随テ同銀行ヨリ其写ヲ以テ各銀行ヘ通知、各銀行ハ之ニ拠テ割印元帳ヲ消印スルノ順序モ相廃シ度候、尤従前各国立銀行ニ供付有之候発行紙幣割印元帳ハ之レヲ御省ヘ上納可仕候ニ付、御省ニ於テハ之ヲ参考物トシテ永ク保存セラレ、各銀行ニ於テ万一参勘ヲ要スヘキ場合等御座候節ハ閲覧ノ便ヲ得候様仕度候事
第二　合同法ニ拠リ紙幣消却満期ニ至リ、其過不足ハ各銀行ニテ引受申度事
　　　銀行紙幣消却ノ義ハ合同法ヲ以テ各銀行営業年限内ニ於テ悉皆消却可致事ニ御定メ相成居候処、現在流通致居候内万一其贋偽鑑識致シ難キモノ相混シ、終季ニ至リ過剰有之候歟、若クハ水火難等ニ罹リ発行高ヨリ減少ヲ来シ候様ノ場合有之候トキハ、其損益ノ負担ハ各国立銀行発行紙幣高ノ割合ヲ以テ平等ニ負担致度候事
第三　銀行紙幣ヲ兌換券ニ御引換ノ事
　　　銀行紙幣消却方ノ義ハ既ニ前陳ノ通、合同法ヲ以テ一切日本銀行ヘ委托致シ其発行紙幣ヲ以テ通貨ニ引換ヲ望ミ候者ハ改正銀行条例第四十九条ニ拠リ、同行ニ於テ引換可相成筈ニ候処、現在流通ノ紙幣ハ殆ント過半損傷トモ可申程ノ汚染ヲ生シ、逐年廃棄ニ属スヘキ有様ニ候ヘハ右引換ノ手数モ次第ニ繁雑ニ可相成奉存候ニ付、寧ロ現在流通致居候銀行紙幣ヲ以テ本年ヨリ向三ケ年ヲ期シ、便宜日本銀行ノ兌換券ヲ以テ御引換相成候様仕度奉存候、尤其合同消却割合ハ紙幣消却事務御命令書ニ拠リ、日本銀行ト各国立銀行トノ規約ヲ遵守シ、従前ノ計算ヲ以テ毎季償還可仕候
　　　兌換券製造入費之義ハ各国立銀行ト日本銀行トノ間ニ於テ更ニ熟議ヲ経、相当ノ支弁可仕候
　　　又兌換券ト御引換相願候ニ付テハ、其準備金ノ義ハ予テ各国立銀行ヨリ発行紙幣抵当トシテ御省ヘ上納仕置候公償証書《（債）》ヲ抵当トシテ日本銀行ヘ御貸下被成下、而シテ毎季消却紙幣ノ割付勘定相済候上ハ紙幣消却事務御命令書第十二条ニ準シ、消却高ニ相当スル公債証書ヲ順次御還付被成下度候事
（別紙）
大蔵省指令第五四八六号
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　銀行集会所
明治十九年九月十一日付消却銀行紙幣記番号明細書廃止其他二項出願ノ件左ノ通リ心得ヘシ
　　明治廿一年十二月廿七日
　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義大蔵大臣之印
　　第一項　発行紙幣記入帳ヘ消却紙幣記入方及ヒ番記号明細書廃止ノ義ハ認可ス最モ同記入帳ノ義ハ各国立銀行ニ備置キ損傷紙
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幣交換ノ際従前ノ通記入スヘシ
　　第二項・第三項、目下何分ノ詮議ニ及ヒ難シ

集会録事　従明治十五年第一月　（東京銀行集会所所蔵）
明治十九年九月二十一日委員会ヲ開キ、九州銀行同盟会ヨリ委員トシテ出京シタル長崎第十八国立銀行頭取松田源五郎氏、馬関第百十国立銀行支配人草刈隆一氏ヲ招致シ、且其協議員トシテ我カ同盟銀行中重立タル七八行ノ頭取トヲ会集シテ九州同盟会幹事ヨリ照議シタル銀行紙幣合同消却法ノ事ニ関シタル意見ヲ報告シ、且ツ其第十五号・第十六号議案ヲ朗読セシメ、右九州同盟会委員ノ説明ヲモ聞キ、各位ノ意見ヲ問フ、山中隣之助氏曰ク、今九州同盟会ノ意見各我々国立銀行ニ取リテハ実ニ好都合ニシテ共ニ希望スヘキコトナレトモ、我政府ニ於テ独リ国立銀行ヲ庇保スルニノミ厚キヲ加フルヲ許サレサルヘシ、如何トナレハ、全国々民ノ収ムル租税ヲ以テ之レニ与ヘサルヘカラサレハ、局外者ヨリ之レヲ何トカ謂ン、我輩其事ノ甚タ難キヲ見ルナリ、故ニ宜シク之レヲ渋沢君ニ托シ、其筋ノ内意ヲ探リ、其事ノ行ハルヘキ模様ヲ認メ然ル後更ニ協議アランコトヲ欲スルナリ
渋沢氏曰ク、山中君ノ説、誠ニ然リ余モ亦同案ナリ
松田氏曰ク、生亦、此議案ニヨリ甘シテ其意ヲ好シトスルモノニアラス、然シ明治十六年大蔵省ノ予算ニ拠リ今月ハ意外ノ懸隔タルヲ以テ先ツ第十五号議案ヲ根拠トシテ之レヲ試ミ、若シ拒却サレタルニ於テハ更ニ第十六号議案ニヨリテ之ヲ助ケ、以テ営業満期ニ至リ紙幣消却済ノ計算ニ於テ最前発行紙幣アリシトキト同様ノ実力アリテ彼ノ準備金額丈ケハ各銀行ノ手許ニ全ク還付アランコトヲ欲シテナリ
第百十九銀行三村君平氏曰ク、生カ思フ処ハ今日ノ公債相場ハ何ソ十年先迄モ同様ノ価格ヲ保ツヘシト思ンヤ、如何トナレハ商業ノ有様ハ昨今ノ不景気ヲ以テ常トスヘキニアラサレハナリ、夫レ然リ然ラハ則漸次商工業ノ隆起ニ随ヒ、金利モ亦如斯低度ニアルモノナラサルヘシ已ニ金利ノ高キヲ加フレハ公債相場モ今日ノ価格ニアラスシテ百円以内ニ減却スルコトモアルヘシト思ハル、故ニ本案ノ如キハ少シク過慮ナルヘシト思考セルカ如何
渋沢氏曰ク、然リ本案ノ如ク二億万ノ公債カ十年後一億万ニ減シ、供給ニ不足ヲ告クルカ如キニ至リテハ過慮ナリト云ハサルヘカラス、已ニ該議案調査ノ後モ海軍公債ノ募集アリ、再来国勢ヲ惟ミレハ日進ノ気運ニ際会シ、早晩内地雑居ノ事モアルヘキモノナレハ、国家ノ為メ必要ナル事業モ起リ、或ハ府県債ヲ募リ、或ハ起業銀行ノ創説等モアリテ漸次新公債募集ノコトモナシト云フ可カラサルナリ、又商工ノ業モ漸次勃興シテ金融モ亦今日ノ如キ緩慢ニアラサルヘシ、已ニ起色アレハ利子ノ騰貴スル期スヘキモノニシテ公債モ下落スヘシト雖トモ、明治十一年ヨリ十三年頃迄ノ如キコトニハ至ラサルヘシ、故ニ今本案十年ノ後公債払底ニ杞憂スルハ余リ案シ過コシタルモノト云ニ至リテハ余モ亦同按ナリ
松田氏曰ク、我カ輩ノ望ム所頗ル自由ケ間敷ハ自カラ知ル処ナリト云ヘトモ、如何セン最前ノ予算ハ正ニ準備金ニハ手ヲ付スシテ公債証書
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ノ利子ヲ以テ発行紙幣ヲ消却シアルノ事ト思ヒ、所謂先入主トナリ一都ニ之ニ熱心シタルモノナリ
渋沢氏曰ク、準備金ヲ全フシ置クノコトハ条例改正以前、小生及原六郎・安田善次郎三名、加藤銀行局長ノ宅ニ於テ其相談ニ与カリシコトアル様覚ヘ居レリ
右ノ如ク種々談話ノ後到底渋沢君ヲ以テ其筋ノ内意ヲ測知シ、更ニ協議ヲ為スヘキニ付、松田・草刈両氏ヨリモ早々大蔵大臣ヘ伺候シ、相談アランコトヲ約シ、於此一同散会、時ニ午後十時三十分ナリ
　　明治十九年九月二十一日
　臨時会員　第一国立銀行頭取　　　　　　　　　渋沢栄一○外一五名氏名略
　客員　　　弓町万屋方寓第十八国立銀行頭取　　松田源五郎○外二名氏名略
　　　　　但第十五銀行及第七十四銀行ハ不参断
　　　　○第六十七回定式集会録事
明治十九年十月十日、同盟第六十七回ノ定式集会ヲ兼ネ秋季懇親宴会ヲ紅葉館ニ開キタリ、当日委員ノ招請ニヨリ来会セラレタルハ東京府書記官、日本銀行理事、第十五国立銀行柏村信、九州（銀行）同盟会委員、長崎第十八国立銀行頭取松田源五郎、馬関第百十国立銀行支配人草刈隆一等ノ諸君ト我同盟銀行ノ各員ヲ合セテ六十六名ナリ、是日開宴ノ前定式集会ヲ開キ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ左ノ報告ヲセラレタリ
嘗テ協議セシ所ノ銀行紙幣合同消却法ニ関スル事柄ハ各国立銀行ヘ照会シ、都テ同意ノ回答アルヲ以テ尚日本銀行ニ照議ヲ経、九月十一日大蔵大臣閣下ヘ進達セリ、然ルニ其廉書第三項紙幣消却年限、及其消却方、抵当公債証書ノ処置、兌換券交換場所等ノコトヲ以テ尋問セラレタルニ因リ、委員ノ評議ヲ以テ毎項答明セリ
又、銀行紙幣合同消却法ノ事ニ関シ、九州銀行同盟銀行ヨリ照議アリ並ニ同会委員トシテ松田・草刈ノ両氏出京セラレタルニ因リ、去月二十一日我委員及外数行ノ頭取ト共ニ会同ヲ開キ、審議詳問ヲ経、尋テ当路ニ内稟セシカ目今行ハレ難キ事状アルヲ以テ尚ホ時機ヲ待ツヘキ事ニ決定セリ
　　　　○第九十回定式集会録事
明治廿二年一月七日、例ニ依リ同盟銀行賀新ノ礼ヲ兼ネ、第九十回定式集会ヲ開ク、是日来会スルモノ四十六名ナリ　○中略
来会者坐定マルニ及ンテ、委員ヨリ報告及協議決定スル所左ノ如シ
一銀行紙幣合同消却法ニ関シ、明治十九年九月十一日、各国立銀行総代ヲ以テ大蔵大臣ヘ稟請ニ対シ客月廿七日其第一項消却紙幣記番号明細書ヲ廃止スヘキ事ハ允准シ、其第二項紙幣消却満期ニ至リ、万一流通高ニ過不足ヲ生シタルトキハ、其損益ヲ各国立銀行ノ負担ニ帰セシムルヲ要スルコト、及其第三項銀行紙幣ヲ兌換券ニ交換スルヲ要スルノ二項ハ目下詮議ニ及ヒ難キ旨ヲ指令セラレタリ

明治財政史　第一三巻・第三七三―三八五頁〔昭和二年一一月二〇日〕
明治十九年九月○十一日東京銀行集会所ハ全国各国立銀行ヲ代表シテ銷却銀行紙幣記番号明細書廃止外二件ニ付大蔵省ニ願出テタリ
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○中略
本月十一日銀行紙幣合同銷却法ノ事ニ関シ稟請書進達仕候処、右廉書第三項中御尋問ノ条件左ニ答申仕候
　　第一　抵当公債証書ハ従前ノ通其儘御省ヘ御預リ置キ相成、更ニ各国立銀行ノ為メ日本銀行ヨリ発行可相成兌換券ニ対シ、其準備銀貨ノ抵当ニ御振替相願候見込ニ御座候
　　第二　従来ノ銀行紙幣ヲ以テ兌換券ニ御引換ノ手続キハ公然御布達等ニ不相成、御省ト日本銀行トノ御手心ニ任セ便宜御交換相願度旨意ニ有之候、例令ハ現在流通ノ銀行紙幣参千万円ト看做シ、此内参百万円ハ本年十二月迄其七百万円ハ二十年中其壱千万円ハ二十一年中其壱千万円ハ二十二年中ニ御引換相成度見込ニ御座候、且ツ本文三箇年ト申上候ハ其大数ヲ挙ケ候儀ニテ、果シテ此三箇年間ニ於テ悉ク引換ヲ為シ尽スヘキトノ意味ニハ無之候
　　第三　毎季合同銷却ニ充ツヘキモノハ、前陳御引換高御内定額ノ外当時流通致居候紙幣ヲ以テ之ニ充テ、而シテ右流通紙幣額追々減少シテ毎半季銷却ニ不足スル時ハ、政府御発行ノ紙幣ヲ流用シテ成規ノ銷却ヲ為シ、而シテ其兌換券ハ日本銀行自店用ニテ発行セシモノトシテ其振替勘定ヲ為シ、各国立銀行ノ責ヲ脱シ候様可仕見込ニ御座候
　　第四　御引替場所ハ日本銀行本支店及ヒ同行地方代理店等ニテ便宜取扱相成度奉存候
　　右ノ外詳細ノ取扱手続ハ御指令相済候上、尚ホ日本銀行ヘ打合各国立銀行ヘモ協議ノ末更ニ申上候様可仕候也
　　　明治十九年九月十七日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　銀行集会所
　　　銀行局
　　　　　常務課御中
前記請願中廉書第二項並ニ第三項ノ如キハ国立銀行管理上極メテ重大ノ事件ナルカ故ニ当局者ハ直ニ之ニ向テ指令ヲ与フルコトヲ為サス、徐ニ審議スル事トセリ、唯第一項記番号明細書ノ廃止ハ監督上別ニ支障之ナキヲ以テ黙許ノ姿ニ経過セシカ、明治二十一年七月七日ニ至リ更ニ復日本銀行ヨリ之カ公許ヲ願出テタルニヨリ、銀行局長ハ曩ニ銀行集会所ヨリ提出シタル願意ヲ質シ、同年十一月三十日其処分ノ決裁ヲ大蔵大臣ニ仰ケリ、以上関係ノ書類左ノ如シ
　　銀行紙幣銷却事務命令書第十一条ニ基キ、銷却紙幣上納ノ時々其紙幣記番号明細書相添ヘ上納可仕ノ処、右手続キ相廃シ度旨去ル十九年七月中同盟銀行熟議ヲ以テ、当本行ヘモ協議ノ上銀行集会所ヨリ閣下ヘ及稟請候趣モ有之、其已来銷却銀行紙幣上納ノ節ハ其旨ヲ添申シ記番号明細書ハ添付不仕義ノ処、右ハ銀行集会所稟請ノ通リ御省記録局ニ於テ総元帳ヲ消印セラルヽニハ、右明細書ニ依ラス現紙幣ヲ以テ対査相成、尚ホ且ツ銀行局ニ於テ調査ノ為メ備ヘ置カレタル元帳ハ先般廃止セラレ候趣ニモ御座候間、本行ヨリ銷却銀行紙幣上納ノ節添付スヘキ記番号明細書ハ、去ル十九年六月已来ノ分及ヒ右記番号各銀行ヘ通知之義モ同様相廃シ度候
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条、右許可被成下度此段相願候也
　　　　　　　　　　　　　　　　日本銀行総裁
　　　明治二十一年七月七日　　　　　　　　　富田鉄之助
　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義殿
　　去ル十九年九月十一日、各国立銀行総代ヲ以テ銀行紙幣合同銷却法ノ儀ニ付出願仕候処、右廉書第一項銀行紙幣記番号廃止ノ件ハ合同銷却法ニ係リタル節ノ取扱ノミニ止ル義カ、又ハ損傷紙幣交換相願候節モ亦同様記番号ヲ用ヒサルトノ旨意カ申出判然不致ニ付、御尋問ノ趣敬承仕候則チ左ニ申上候
　　本項ハ専ラ合同銷却法ニ就キ出願仕候次第ニ御座候得共、条例第五十一条ニ拠リ損傷紙幣御交換相願候節モ是迄ノ如ク発行紙幣記入帳ニ登記シ、其記番号ノ明細書ヲ添付仕候儀ハ均シク相廃シ、合同銷却紙幣取扱ト同様総テ記番号ハ相用ヒサル様仕度精神ニ有之候此段答申仕候也
　　　明治二十一年七月十二日　　　　　　　　銀行集会所
　　　　　銀行局
　　　　　　　常務課御中
　　（銀行局長大野直輔ノ伺書）
　　各国立銀行発行紙幣記入帳同番記号明細書廃止ノ件、合同銷却法満期ニ於ケル流通紙幣過不足高負担之件、現流通高ヲ兌換銀行券ト交換スルノ件、別紙銀行集会所請願ノ趣篤ト考按仕候ニ
　　第一項　合同銷却銀行紙幣ニ係ル記入帳及ヒ番記号明細書廃止ノ件ハ銀行条例第五十一条ニ矛盾スルモ、同条ノ義ハ損傷銀行紙幣ヲ交換スルノ際処分スルノ手続ヲ示シタルモノニシテ、合同銷却紙幣ノ義ハ条例第百十二条ニ拠リ処分スヘキハ必然タリ、尤モ該条中第五十一条ノ手続云々ト有之ハ、単ニ焼棄ノ手続ヲ示シタルモノナレハ、合同紙幣銷却ニ添付シテ上納シ来リシ明細書及ヒ合同紙幣銷却ノ番記号記入ヲ廃止スルハ敢テ差障リモ之レナク、加之現今合同銷却紙幣ノ上納高毎月平均拾万円内外ノ巨額ニシテ、一々之ヲ帳記ナスハ実ニ容易ノ事業ニアラス、殊ニ合同銷却紙幣ニアリテハ右帳記ヲナスカ故ニ、日本銀行ハ毎月銷却高ノ番記号ヲ謄写シテ各国立銀行ヘ送付スルノ手数ヲ執ラサルヲ得ス、其煩累モ亦実ニ容易ナラサル義ニ之レアリ、亦右帳記ノ義ハ爾時ノ流通高銷却高其他銷却満期ニ於ケル散失高等参考照査ヲ要スルノ場合ニ於テ多々必要可有之義ニ候得共右等ノ場合ニ際シテハ記録局主管ノ元帳ニ照合セハ、一々明瞭詳悉シ得ヘキ筈ニテ実際強テ差支ナキ義ト思量候間、右記入帳ヘ銷却紙幣記入ノ義及ヒ番記号明細書添付ノ義日本銀行ヨリ各国立銀行ヘ同表添付ノ義ハ請願ノ通リ認可セラレ候様致シ度、尤モ該記入帳ノ義ハ開業以来現ニ各自ノ発行高ヲ記載シアル而已ナラス、今後損傷紙幣ノ代リトシテ新タニ領収スル処ノ新紙幣ヲモ夫々記載スヘキ筈ニ候ヘハ、前陳銷却ノ帳記ヲ廃止スルニモ不拘、今後尚ホ必要欠ク可カラサルモノニ付、該簿冊ハ従前ノ儘各国立銀行ヘ備ヘ置キ損傷紙幣交換ノ記入ニ供シ候様御
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決定相成度候
　　第二項　流通高過不足負担ノ件ヲ按スルニ、該紙幣ノ性質タル流通上ヨリ論スルモ銀行ノ信用如何ニアラス、一ニ政府ノ威信ニ依リテ行ハルヽモノニ有之、又引換義務ノ点ヨリ云フモ改正条例ニ拠レハ、人民ノ通貨ト引換ヲ請フ場合一般流通高銷却ノ場合、皆日本銀行ノ負担処弁ニ帰シ候儀ニ候ヘハ、其銷却満期ノ時ニ生スル利益ノ如キ、元ヨリ政府ノ所得ニ帰セシメ当然ノ義ト存候、殊ニ今仮リニ請願ノ通リ許可セラルヽモノトスルモ、右ノ利益ハ独リ満期存在銀行ノ所得ニ帰シ、其前事故アリ鎖店解散セシ銀行ニアリテハ之カ分配ヲ受ケ得サルノ筋ニテ、到底各銀行平等均一ノ所得トナスヲ得サル儀ニ有之候間、本件ハ断然政府ノ所得トナシ願意認可セラレサル様致度候
　　第三項　現流通高交換ノ件ハ同抵当公債証書ヲ売却シ、之カ基金ニ充ツルノ外元ヨリ他ニ当然ノ銷却方法ナキ義ニ有之、況ンヤ兌換銀行券ヲ以テ引換ヲナスカ如キハ、該銀行券発行額ノ上ニ関係アル義ニシテ、本年七月勅令第五十九号同条例改正条項ノ規定ニ対シ、到底御詮議難相成義ト存候
　　右之三件ニ対スル処分ノ見込ハ、以上陳述スル通ニ有之候処第二項・第三項ノ如キハ国立銀行管理上極メテ重大ノ事件ニシテ、且ツ目下至急ニ指令ヲ与ヘサル可カラサル必要モ無之ニ付、今一応篤ト考按ヲ尽シ度存候間、左按ノ通リ銀行集会所及ヒ日本銀行ヘ御指令相成、且ツ合同銷却法ニ付曾テ日本銀行各国立銀行ヘ御下付相成居候命令書中御改正相成度、且ツ本年第七十三号勅令諸公債証書条例中条項ノ改正刪除及ヒ元金償還其他取扱手続等変更ノ件ニ拠レハ、日本銀行ヘノ命令書第十一条中及ヒ各国立銀行ヘノ命令書第十一条中ニ有之「東京府庁ヨリ受取リ之ヲ以テ」ノ十三字モ此際同一ニ刪除致シ度、依テ左按之通リ御達相成候様致シ度此段相伺候也
　　（達示案略ス）
右ノ稟伺ハ大蔵省議ノ決定スル所トナリ、翌月二十七日銀行集会所及ヒ日本銀行ニ向テ左ノ指令ヲ与ヘラレタリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　銀行集会所
　　明治十九年九月十一日附銷却銀行紙幣記番号明細書廃止其他二項出願ノ件、左ノ通心得ヘシ
　　第一項　発行紙幣記入帳ヘ銷却紙幣記入方及ヒ番記号明細書廃止ノ義ハ認可ス、最モ同記入帳ノ義ハ各国立銀行ニ備ヘ置キ損傷紙幣交換ノ際従前ノ通リ記入スヘシ
　　第二項・第三項　目下何分ノ詮議ニ及ヒ難シ
　　　　明治二十一年十二月二十七日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本銀行
　　明治二十一年七月七日附、第三七二号銷却銀行紙幣記番号明細書廃止ノ件認可ス
　　　明治二十一年十二月二十七日
 - 第6巻 p.137 -ページ画像 
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
又同時ニ大蔵省ハ銀行紙幣合同銷却ニ関スル命令書ニ拠リ、日本銀行ヨリ政府及ヒ国立銀行ヘ通知スヘキ記番号及ヒ明細書ヲ廃止スルコトトシ、日本銀行及ヒ各国立銀行ヘ向テ左ノ達ヲ発セリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本銀行
　　銀行紙幣合同銷却法ニ付明治十六年五月十一日下付セシ命令書第十一条中「之ニ其紙幣ノ種類記号番号員額等ヲ記載シタル明細表ヲ添付シテ」之二十九字及ヒ「東京府庁ヨリ受取リ之ヲ以テ」之十三字ヲ刪除シ「此明細表ノ写ヲ以テ」之十字《（九）》ヲ「其銷却高ヲ」之五字ニ改メ候条此旨相達ス
　　　但本件ニ付別紙写ノ通リ各国立銀行ヘ相達候条此旨心得ヘシ
　　　　明治二十一年十二月二十七日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
　　（別紙）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　各国立銀行
　　銀行紙幣合同銷却法ニ付キ、明治十六年五月十一日下付セシ命令書第十条中「之ニ其紙幣ノ種類、記号、番号、員額等ヲ記載シタル明細表ヲ添付シテ」之二十九字及ヒ「東京府庁ヨリ受取リ之ヲ以テ」之十三字ヲ刪除シ「此明細表ノ写ヲ以テ」之九字ヲ「其銷却高ヲ」之五字ニ改メ候此旨相達ス
　　　明治二十一年十二月二十七日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
越エテ明治二十二年四月銀行局長ハ尚ホ銷却紙幣ノ種類員数ヲ区別シテ大蔵省ニ上納セシムルコトヲ命令書中ニ明記スルノ必要ヲ認メ、具案決裁ヲ経テ同月十六日合同銷却ニ関スル命令書追加ノ件ヲ各銀行ヘ達シタリ、当時ニ於ケル銀行局長ノ稟議及ヒ各銀行ヘノ達ハ左ノ如シ
　　合同銷却法ニ拠リ日本銀行ヨリ当省及ヒ各国立銀行ヘ通知スヘキ番記号明細表廃止ノ義ハ、客年十一月中別冊御決議相成同命令書改正ノ義、日本銀行及ヒ各国立銀行ヘ夫々御達相成居候処、右改正以来ハ日本銀行ヨリ各国立銀行ヘ対シ、啻其金額而已ヲ通知シ種類内訳ケヲ報知不致、為メニ各国立銀行ニ於テ取扱上差支居候趣、然ルニ右改正ノ義ハ要スルニ番記号調書記載スルノ手数ヲ省略スルニ止リ、種類員額ヲ区別スルノ如キハ現ニ右改正後ニ至リテモ当省ニ対シテハ其時々内訳書ヲ添ヘ上納仕来リ候得共、合同銷却法ニ付、日本銀行ヘ命令書第十一条中及ヒ各国立銀行ヘ命令書第十条中其明文無之時ハ、往々間違ヲ醸生スルノ恐レモ有之候間、今般右両条中別紙朱書ノ通増補致シ置キ候ハヽ、後来日本銀行ニ於テモ其都度各国立銀行ヘ通知可致様相成候間、日本銀行並ニ各国立銀行ヘ御達ノ義左ニ相伺候也
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本銀行
　　銀行紙幣合同銷却法命令書第十一条中、別紙朱書ノ通リ追加候条此旨相達ス
　　　明治二十二年四月十六日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
 - 第6巻 p.138 -ページ画像 
　（別紙）
　合同銷却法ニ付日本銀行ヘ命令書抄録
　　第十一条　第二条・第三条及ヒ第七条ニ記載スル公債証書ノ利子ハ、毎季日本銀行ニ於テ直チニ之ヲ以テ各国立銀行ノ発行紙幣ヲ引換ヘ、之ニ消印ヲ為シ而シテ毎月五日マテニ前月分ノ銷却高ヲ取纏メ〔其種類員額ヲ区分シテ《朱書》〕之ヲ大蔵省ニ上納シ且ツ其銷却高〔及ヒ其種類内訳ケ《朱書》〕ヲ右期限迄ニ各国立銀行ニ通知スヘシ、而シテ各国立銀行ニ於テ此通知ヲ受ケタルトキハ、直ニ之ヲ大蔵卿ニ届出テシムルモノトス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　国立銀行
　銀行紙幣合同銷却法命令書第十条中、別紙朱書ノ通リ追加候条此旨相達ス
　　明治二十二年四月十六日
　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
　（別紙）
　合同銷却ニ付キ各国立銀行ヘ命令書抄録
　　第十条　前第二条・第三条及ヒ第六条ニ記スル公債証書ノ利子ハ、毎季日本銀行ニ於テ直チニ之ヲ以テ其銀行ノ発行紙幣ヲ逓減銷却シ、毎月五日迄ニ前月分ノ銷却高ヲ取纏メ〔其種類員額ヲ区別シテ《朱書》〕之ヲ大蔵省ニ上納シ、且ツ其銷却高〔及ヒ其種類内訳ケ《朱書》〕ヲ右期限迄ニ其銀行ニ通知スルモノトス、而シテ右通知ヲ得タルトキハ其銀行ヨリ直チニ之ヲ大蔵省ニ届出ツヘシ
尋テ明治二十三年十一月大蔵省ハ各国立銀行発行紙幣銷却高届出ニ関シ繁文ヲ省略スルコトヽシ左ノ達ヲ発シタリ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　国立銀行
　　発行紙幣銷却高ノ義、本年十月分以降当省及ヒ日本銀行ヘ届出ツルニ及ハス、依テ銷却法命令書第十条五行目而シテ以下、並ニ合同銷却法第五条ヲ削除ス
　　　明治二十三年十一月四日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　日本銀行
　　別紙ノ通、国立銀行ヘ相達候条其行ヘ下付セシ銷却法命令書第十一条五行目而シテ以下、並ニ合同銷却法第五条モ削除候条此旨相心得ヘシ
　　　明治二十三年十一月四日
　　　　　　　　　　　　　　大蔵大臣　伯爵　松方正義
右達ニ関スル省議ハ以テ其理由ヲ明ニスヘキヲ以テ左ニ之ヲ掲ク
　　銀行紙幣銷却割付高届出之義ハ、日本銀行及ヒ各国立銀行ヨリ届出、尚ホ各国立銀行ハ日本銀行ヨリ銷却高ノ通知ヲ得テ更ニ其金額ヲ掲ケ、発行紙幣元高控除ノ旨同行ヘ通知スルノ規定ニ有之、依テ勘考候処右双方ヨリノ届出ニ対シテハ、其要スル所単ニ彼我計数ノ対照ヲ見ル位ノ事ニ有之、就テハ諸事整頓ノ今日ニ於テ其同一ナル届書ヲ双方ヨリ差出サシメルモ、事務上毫モ支障ノ廉無
 - 第6巻 p.139 -ページ画像 
之且ツ日本銀行ニ於テモ其通知ヲ受ケサルモ聊カ差閊ヘ無之趣ニ付、以後国立銀行ヨリ差出スヘキ該届書、及ヒ日本銀行ヘノ通知ハ之ヲ相廃申度、尤モ本議御決裁ノ上ハ銀行紙幣銷却法命令書、及ヒ合同銷却法中各国立銀行ヨリ該届書差出ニ関スル条項ハ渾テ削除致度尤モ日本銀行及ヒ各国立銀行ヘノ御達案相添ヘ此段相伺候也