デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
1節 銀行
6款 択善会・東京銀行集会所
■綱文

第6巻 p.219-233(DK060064k) ページ画像

明治23年9月1日(1890年)

是ヨリ先、当集会所規程改正ノコトヲ建議シ、屡屡委員会ヲ開キテ討議ス。八月十五日改正規程ニヨリ委員ニエラバレ是日委員長ニ推薦セラル。爾来明治二十九年二月迄重任セリ。


■資料

集会録事 従明治十五年第一月(DK060064k-0001)
第6巻 p.219 ページ画像

集会録事 従明治十五年第一月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第六十三回定式集会録事 ○明治一九年三月一五日
委員第三十二国立銀行取締役山中隣之助氏建議シテ曰ク、本会ハ宜シク議事規則ヲ設ケ、議事ノ都合ニヨリ之ニ照準シテ会議スヘキヲ要スト、其多数ノ同意ヲ得タルニ因リ該規則ヲ起草シ、次会ヲ俟テ審議スヘキコトニ決議セリ
右会務畢リ午後九時下会散ス
(別紙)
     第六十三回定式会出席員 ○明治一九年三月一五日
  委員  三井銀行副長      西邑虎四郎 ○外一名氏名略
  会員  第一国立銀行支配人   佐々木勇之助 ○外二〇名氏名略
    ○第六十四回定式集会録事 ○明治一九年五月一五日
又同氏○渋沢栄一ハ本年三月定式集会ノ評議ニ係ル本会議事小則ハ其草按未タ委員中ノ審議ヲ経サルヲ以テ次回ノ会議ニ附スヘキ旨ヲ告ケシニ第百十九国立銀行頭取肥田昭作氏等ハ従前相談会ノ体ニテ事足ルヘシ特ニ議事規則ノ必要ヲ見サルノミナラス却テ実際差支ヲ生スルノ理由ヲ論述セリ、此動議ニ数名ノ賛成モアリタレトモ到底次会ニ於テ之ヲ決スヘキコトト為セリ


会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月(DK060064k-0002)
第6巻 p.219-224 ページ画像

会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
  明治二十三年三月二十八日 (印)
    委員栄一印(印)
去ル二月二十五日定式集会並本月五日十八日ノ臨時集会録事別冊供廻覧候也
二十三年二月二十五日、同盟第百一回定式集会ヲ開キ来会スル者二十五名ナリ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ本月例会ノ延期シタル事理ヲ告ケ、次ニ一議案ヲ提出シテ曰ク、従来此同盟会ハ実際ニ当リ能ク協議ヲ尽クシテ事務ヲ処シ、創立以来其裨益スル所少ナカラサリシカ、本月十三日委員会同ニ於テ従前ノ規程ヲ改正シ、更ニ銀行会議ナルモノヲ起シテ益会務ヲ暢達セシメントノ目的ヲ以テ其考案ヲ起草シタルニ付、本席之ヲ議スヘキ旨ヲ述ヘ其議案ヲ発セリ、各位之ニ対シ意見ヲ陳ヘ或ハ此会議ハ集会所内別ニ設クルモノヽ如キ見解ヲ下シ或ハ其可否ヲ論弁セシカ、畢竟従前ノ定式月次会ニ代ユルニ此会議ヲ起スヘキノ解釈アルニ因リ、其大躰ニ於テハ皆同意ヲ表シ、次テ其規程改正案四十二ケ条ノ逐条会議ヲ開キ、第十七条迄経過シテ晩餐ニ就キ、晩餐ノ後又第十八条ヨリ審議ヲ始メ、種々弁論討議シテ修正ヲ加ヘ、尋テ会議規則案三十一ケ条ノ逐条審議ニ移リシカ、其会員ヲ区別
 - 第6巻 p.220 -ページ画像 
スルノ件其他二三ノ条件ニ対シ議論大ニ起リ、第十条ニ至リシ時ハ既ニ十二時ニ及ヒタルヲ以テ議ヲ止メ、次会ハ三月五日午後五時ヨリ開クヘキコトヲ期セリ、本日会議ニヨリ修正シタル条件ハ左ノ如シ
○規程改正案
  第一条  異議ナシ
  第二条  〃
  第三条  〃
  第四条  〃
  第五条  〃
  第六条  五日ヲ(十一日)ニ改ム
   但書末文之ヲ伸縮云々ヲ(其翌日ニ開会スルモノ)ト修正
  第七条  異議ナシ
  第八条  〃
  第九条  〃
  第十条  〃
  第十一条 〃
  第十二条 〃
  第十三条 退会ノ手続少ク重キニ失スルトノ説アリタレトモ取引上ノ都合モアルヘケレハ左ノ意ニ修正
    同盟中云々月番委員ニ告ケ「月番委員ハ同僚廻議ノ上速カニ同盟中ヘ輪札シテ其取引関係ノ有無ヲ問合ノ上差支ナシト認ムルニ於テハ之ヲ承諾スヘシ」然レトモ云々
  第十四条 異議ナシ
  第十五条 (商業上ノ)四字ヲ刪除ス
  第十六条 前条ノ二字ヲ(第十五条)ト改メ告知二人以上ノ二人ヲ(二行)ト修正
  第十七条 冒頭ニ(第十六条ノ場合ニ於テ)ノ十字ヲ冠シ下文(ニ於テ)ノ三字ヲ刪除ス
  第十八条 異議ナシ
  第十九条 〃
  第二十条 〃
  第二十一条 同盟(中ヨリ云々以下)ヲ刪除シ同盟(銀行支配人以上ヨリ五名ヲ撰挙スヘシ)ト改正
  第二十二条 異議ナシ
  第二十三条 〃
  第二十四条 〃
  第二十五条 〃
  第二十六条 〃
  第二十七条 〃
  第二十八条 〃
  第二十九条 〃
  第三十条  〃
  第三十一条 一時ニ之ヲ出金(スヘシ而シテ云々以下)刪除シ(一時ニ之ヲ出金セシムルモノトス)ト修正シ其割合ハ二十二年三月改正ノ通ニ改ム
 - 第6巻 p.221 -ページ画像 
     一資本金廿五万円迄ハ       金壱百円
     一同廿五万円ヲ超ヘ五十万円迄ハ  金弐百円
     一同五十万円ヲ超ヘ七十五万円迄ハ 金参百円
     一同七十五万円ヲ超ヘ壱百万円迄ハ 金四百円
     一同壱百万円ヲ超ヘ弐百五十万円迄 金五百円
     一同弐百五十万円ヲ超ヘ五百万円迄 金七百五十円
     一同五百万円以上 金壱千円
  第三十二条 前条ノ二字ヲ(第三十一条)ト修正
  第三十三条 異議ナシ
  第三十四条 月費金ノ三字ヲ(経費)ト改メ其但書ヲ刪除シテ本支店平等ニ負担スヘ(キ)事
  第三十五条 異議ナシ
  第三十六条 七項ノ雑誌ノ二字ヲ(銀行通信録)ト修正
  第三十七条 異議ナシ
  第三十八条 〃
  第三十九条 〃
  第四十条  〃
  第四十一条 雑誌ノ二字(銀行通信録)ト修正
  第四十二条 異議ナシ
○会議規則案
  第一条 銀行会議以下ヲ刪除シ(第七条ニ基キ開設スルモノトス)ト修正
  第二条 異議ナシ
  第三条 〃
  第四条 臨時会員ヲ(特志会員)ト修正
  第五条 正会員トハ本行ヲ代表(シテ其責ニ任)ノ六字ヲ刪除シ臨時ヲ(特志)ト改ム
  第六条 臨時ノ二字(特志)ト修正
  第七条 十日ヲ(二十一日)ト改メ左ノ但書ヲ増補ス
       但日曜大祭日ニ当ルトキハ其翌日開会スルモノトス
  第八条 異議ナシ
  第九条 〃
  第十条 〃
明治二十三年三月五日、午後五時ヨリ同盟銀行臨時集会ヲ開キ来会スル者二十二名ナリ、委員渋沢栄一氏ハ二月二十五日ノ会議ヲ継キ銀行会議規則草按第十一条以下逐条審議ヲ要スヘキ旨ヲ告ケ、乃チ之ヲ衆議ニ付セシニ高田小二郎氏ハ此規程ヲ改正シ、会議規則ヲ設ケテ業務上ノ利害得失ヲ研究スルハ固ヨリ望ムトコロナレトモ、殊ニ会議規則ヲ編成シ、幹事ヲ置キ、其経済ヲ別カチ、会員ヲ区別スルカ如キハ却テ繁冗ニ失スルノ恐アルヲ以テ、会議ノ順序ハ極メテ之ヲ簡約シテ規程中ニ増補スヘキヲ論シ、豊川良平氏此動議ヲ賛成シ、且曰ク、今世間ノ例ニ徴スルニ凡ソ実業社会ノ会同ニシテ殊ニ会議規則ノ設ケアル如キハ未タ之ヲ聞知セス、況ヤ我集会所ハ本ヨリ会議ヲ主トシテ設置シタルモノナレハ別ニ会議規則ヲ設クルノ要ナシ、但タ手形交換
 - 第6巻 p.222 -ページ画像 
所ノ如キハ別ニ規定スル処ナカルヘカラスト、渋沢氏曰ク、元来集会所規程ナルモノハ其組織ト処務ノ要領トヲ規定シタルモノニシテ、之ヨリ流派スル所ノ会議規則ナレハ別ニ之ヲ設クルモ差支ナカルヘシ、若此動議ノ如クセハ畢竟従前ニ比シ大同小異ナルノミ、又実業社会普通ノ例ニヨレハ別ニ会議規則ノ必要ナキモ、此集会所ノ如キハ他ニ比シ一等加フル所アルモ不相当ナラサルニ付会議規則ヲ設クルモ不可ナルナシト弁論シ、遂ニ其動議ニ賛成スルモノヲ起立ニ問ヒシニ十三名ニ対シ九人ノ少数ニテ動議遂ニ倒レ、原按ニ可決セリ、是ニ於テ衆皆晩餐ニ就キ、畢テ又会議規則第二章ヨリ逐条審議ヲ開キ、其幹事職務云々ヲ会長副会長云々ト改メ、十一条ニ委員ハ幹事ヲ兼ル事ヲ得ルノ但書ヲ加フヘキ説アリタレトモ少数ニテ成ラス、却テ同条ニ委員ハ幹事ヲ兼ヌル事ヲ得ストノ反対説起リ多数ノ同意者アリテ之ニ決セリ、其他修正ヲ加ヘタル所左ノ如シ
  第十一条 (但委員ハ幹事ヲ兼ヌルコトヲ得ス)ノ但書ヲ加フ
  第十二条 異議ナシ
  第十三条 (但時宜ニヨリ正会員中ヨリ指名シテ当日ノ議長タラシムルコトアルヘシ)ノ但書ヲ加フ
  第十四条 異議ナシ
  第十五条 〃
  第十六条 〃
  第十七条 〃
  第十八条 〃
  第十九条 正会員十分ノ六ヲ(三分ノ二)ト修正
  第二十条 異議ナシ
  第二十一条 〃
  第二十二条 〃
  第二十三条 〃
  第二十四条 〃
  第廿五条 相談ノ下(会)ノ字ヲ加フ
  第廿六条 異議ナシ
  第廿七条  〃
  第廿八条 (臨時)ノ二字刪除
  第廿九条 長字ノ下(等)ノ字ヲ加フ
  第三十条 異議ナシ
  第三十一条 〃
右修正ハ委員ニ於テ字句ヲ訂正シ之ヲ印刷シテ各位ニ送付シ、更ニ確定議ニ付シ、然後大蔵大臣ノ認可ヲ得テ実施スヘキコトニ議決セリ
○中略
      出席者
  委員   第一国立銀行頭取   渋沢栄一 ○外三名氏名略
  会員   第三国立銀行頭取   安田善四郎 ○外一七名氏名略
   但第二・第六・第十九・第卅三・第卅五・第七十四・第八十九・第九十・第百四十七・川崎・三井・久次米ノ十二行ハ差支アリ参会セス
 - 第6巻 p.223 -ページ画像 
三月十八日午後五時ヨリ同盟銀行臨時会同ヲ開キ来会スルモノ二十一名ナリ、委員ハ前会ノ例ニヨリ同盟総員三分ノ二ニ達セサルヲ以テ開会ノ可否ヲ衆議ニ付セシカ、其僅カニ一名ノ不足ナルヲ以テ開会スヘキコトニ決議シ、則晩餐ノ後七時四十分議ヲ開キ、委員渋沢栄一氏ハ前会逐条審議ヲ経タル規程及会議規則改正案ハ爾後字句ヲ修正シテ各位ニ送付シタレハ已ニ熟読セラレタルナラン因テ尚意見アラハ更ニ修正ヲ加ヘテ確定スヘキ旨ヲ告ケタリ、佐々木慎思郎・高田小二郎ノ二氏ハ本会ハ確定議ノコトナレハ独字句ノ修正ニ止マラス仮令前会ニ於テ一旦通過シタル章条ト雖、其精神又ハ組織上ニ於テ各自ノ意見考案アラハ更ニ遡テ之ヲ討議スルモ敢テ差支ナキヤトノ質議ヲ発シ、委員安田善次郎氏ハ之ニ対ヘテ前会既ニ起立ニ問ヒ多数ノ同意ヲ以テ決定シタルモノナレハ再議スルノ必要ナシ、若シ再参之ヲ議スルヲ得ハ今後一事ヲ議スルニ当リ論議反覆シテ際限ナカルヘシトノ説ヲ作シ是ニ於テ諸論紛起シ、高田氏曰ク、本案ハ尚協議ヲ了セス、末タ確定ヲ経サルモノニ係レハ各自更ニ意見ノ在ル所ヲ陳ルハ即本案ヲ鄭重ニ処理スル所ナリ、且此集会所ハ業務上ノ利害得失ヲ討議スルヲ以テ本旨トスレハ、其要簡便ヲ計リ、煩冗ノ方法ヲ求ムヘカラス、若シ強テ原案ヲ執テ同意セシメントスルハ此改正ニ於テ取ラサル所ナリト、安田氏大ニ之ヲ駁セシカ豊川良平・肥田景之・佐々木慎思郎・安藤浩等ノ諸氏モ亦皆高田氏ノ説ヲ賛成シ、安田氏ハ尚前説ヲ主張シ論議益々沸騰セリ、此ニ此テ渋沢氏ハ各位ニ向ヒ本案ヲ提出シタル事由ヲ陳テ曰、当初此規程ヲ改正スルノ議有ルニ際シ、小生ハ療痾ノ為メ大磯ニ在リシカ、当時原六郎君・佐々木勇之助君ヨリ其大略ヲ聞知シ、後二月十三日ノ委員会ニ出席シ、安田氏ノ考按ニ対シ大ニ不同意ヲ論セシカ、又其二十日ノ会同ニ於テ更ニ同意ヲ表シ、及ヒ小子ノ注意ヲモ加ヘ、其原案ヲ裁定シテ其廿五日臨時集会ニ之ヲ提出シテ諸君ト其可否ヲ議定シ、以テ今日ニ及ヒタル者ナレハ、尚諸君ニ於テ再討議スル所アラントセハ敢テ之ヲ抑止スルニハアラサレトモ願クハ前会ニ於テ決議シタル部分ハ之ヲ存置セント欲ス、然レトモ今諸君ノ説モ大ニ条理アルヲ以テ、寧ロ其説ニ従ヒ、修正委員ヲ設ケ、其校訂ヲ求メテ更ニ協議ニ付スルモノハ如何ト、各位皆此説ニ同意セリ、因テ委員ハ修正委員五名ヲ指名シ、並修正ノ要点ヲ示ス、其当撰ヲ承諾シタル氏名及要点ハ左ノ如シ
    修正委員
         第百十九国立銀行頭取  豊川良平
         第百国立銀行頭取    高田小二郎
         第五国立銀行支配人   肥田景之
         第二十国立銀行支配人  佐々木 慎思郎
         川崎銀行支配人     安藤浩
    修正ノ要旨
一別冊ヲ以テ会議規則ヲ設クルヲ止メ、只タ其手続ヲ規程中ノ一科目ニ増補スヘキコト
一会議ニ幹事ヲ置カス従前ノ委員ニ於テ経理スルコト
一会員ノ区別ヲ廃シ其決議法ハ銀行ノ数ニヨルヘキコト
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一会議ノ経済ヲ集会所一体トナスヘキコト
右議竣テ十時下一同散会セリ


会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月(DK060064k-0003)
第6巻 p.224 ページ画像

会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第百三回同盟銀行定式集会録事 ○明治二三年七月一五日
次ニ前会以来数回討議ヲ経タル規程改正案ノ確定議ヲ開キ、第廿一条外二三ケ条ニ字句ノ小修正ヲ加ヘ、第三十五条ノ次ニ臨時(委員会ハ)委員長又ハ二名以上ノ委員ニ於テ必要ト認ムルトキハ之ヲ開クモノトス」ノ一条ヲ増補シ、其他異議ナク修正案ニ可決セシニ因リ、速ニ大蔵大臣ニ稟請シ允准ヲ得テ委員撰挙ヲ施行スヘキコトニ決議セリ
  明治二十三年七月十五日
   定式集会出席人名
     第一国立銀行   渋沢栄一 ○外一三名氏名略


中外商業新報 ○第二五二六号 〔明治二三年八月二一日〕 東京銀行集会所規程(DK060064k-0004)
第6巻 p.224-225 ページ画像

中外商業新報
 ○第二五二六号 〔明治二三年八月二一日〕
    東京銀行集会所規程
客年初冬以来暫らく餅に搗きたる京浜同盟銀行の規約改正案も漸く客月の月次定式会に於て之を審議決了し、引続き其改定したる規程をば大蔵大臣に届出て、愈々来月一日より実施することになりしが其箇条中之れを従前のものに比して大に変更したる廉もあれは、左に掲載す
東京銀行集会所規程
  第一章 総則
○第一条 東京銀行集会所は諸銀行会同の為めに設くる者なり○第二条 東京銀行集会所の会場は東京日本橋区阪本町四十番地に設置す○第三条 此会同の要旨は同業者の交誼を厚ふし、利害を商議し、以て営業の宜きを得るに在り○第四条 此会同に加盟したる銀行を同盟銀行と称す○第五条 同盟銀行は其加盟の際東京銀行集会所へ入社金を納付する者とす、其手続は第六章に於て之を定む○第六条 同盟銀行の会同に於ける権利は加盟の先後入社金の多寡に依らす皆均一なりとす、但東京銀行集会所の資産即ち同盟銀行共有財産に関する一切の権利は必入社金額に準するものとす○第七条 同盟銀行は東京銀行集会所に会同し、建議案を提出し、又は考案意見等を陳述するを得○第八条 同盟銀行会議の方法は第三章に於て之を定む○第九条 同盟銀行の投票撰挙を以て同盟銀行より委員五名を撰挙し、其互撰を以て委員長一名を置く、其規程は第四章に於て之を定む○第十条 東京銀行集会所委員たるへき者、同盟銀行会議に参列すへき者、及東京商工会々員として東京銀行集会所より撰出すへき者は各銀行支配人以上の重役に限るへし○第十一条 同盟銀行間の取引上若し紛議を生する時は、之を調停する為め、同盟銀行の投票を以て二名以上の仲裁委員を第十条の資格有る者より撰挙して其調停を委任することあるへし○第十二条 委員会の意見又は議事の結果を以て臨時取調を要する事件有れば委員より指名又は同盟銀行より投票して其取調委員を撰挙することあるべし○第十三条 東京銀行集会所内に於て別に規程を設け、手形交
 - 第6巻 p.225 -ページ画像 
換所を開き毎日定時手形交換の事務を取扱べし○第十四条 東京銀行集会所に於て毎月一回銀行通信録を発行す、其規程は別に之を定む○第十五条 東京銀行集会所より発する諸般の文書は特に委員長の名印を要する者を除くの外は総て東京銀行集会所の名印を用ゆべし○第十六条 東京銀行集会所委員は其事務を処理する為に書記を撰任す、其職務は第五章に於て之を定む○第十七条 東京銀行集会所会計の順序は第七章に於て之を定む
  第二章 加盟除盟
○第十八条 東京銀行集会所に加盟を請ふ銀行は書面を以て委員へ申込へし、委員は次回の同盟銀行会議に提出し四分の三以上の同意を得て之れを許諾すへし○第十九条 既に加盟の許諾を得たる者は第四十一条の入社金額に照らし、其金員を東京銀行集会所へ納付し、此規程の末尾に署名捺印し以て同盟たるを証す○第二十条 同盟銀行中退盟せんとする者は書面を以て委員に申込べし、委員に於て差支なしと認むるときは之を許諾し、其旨を同盟銀行へ報告すべし○第二十一条 同盟銀行は同盟中危険の営業に従事するか、又は取引先に対し大に其信用を欠くの行為ありて銀行の躰面を汚し、同盟中の妨害たるへきことを聞知するときは速に委員に告知すへし、委員は其告知を信実なりと認むれは委員全数の意見を以て其事実を査明し、軽重に応し或は忠告を加へて矯正せしめ、或は同盟銀行会議を開き出席代表者四分の三以上の同意を以て除名することあるへし○第廿二条 第二十条の退盟第二十一条の除名に当る者は均しく東京銀行集会所共有財産に係る権利を失ひ其入社金を取戻すことを得す (以下次号)

中外商業新報 ○第二五二七号 〔明治二三年八月二二日〕 東京銀行集会所規程(承前)(DK060064k-0005)
第6巻 p.225-227 ページ画像

 ○第二五二七号 〔明治二三年八月二二日〕
    東京銀行集会所規程(承前)
  第三章 会議
○第廿三条 同盟銀行集会所は定式会議臨時会議の二種に別つ○第廿四条 定式会議は毎月十五日を以て之を開き、日曜、大祭祝日等休業日に当る時は翌日に順延す○第廿五条 臨時会議は委員に於て必要と認むる時、又は同盟銀行五行以上の要求有る時之を開くものとす○第廿六条 会議は第十条の資格ある者一行三名を限り皆出席して議事に与かるを得ると雖、各行の代表者たるべきものは一行一名と定む○第二十七条 会議は同盟銀行半数以上出席するにあらざれば開会することを得ず○第二十八条 会議の会長は委員長之に任ず、委員長事故あるときは出席委員の互撰を以て会長を撰挙し、当日の議事を整理せしむるものとす○第二十九条 会議の決議は第十八条及第二十一条の場合を除くの外、出席代表者三分の二以上の同意を以て之を決すべし○第三十条 会議は相談会の躰に基くを以て敢て厳法を要せすと雖も、其議事に当り私語対話を為すことを得す○第三十一条 会議の要領は簡明正確に議事録に記載し、当日の会長之に撿印する者とす
  第四章 委員
○第三十二条 委員長及委員は均しく同盟銀行の委任を受け、東京銀行集会所一切の事務を処理す○第三十三条 委員は毎年一月定式集会に於て投票撰挙の多数に因り就任し、其任期を一ケ年と定め重任する
 - 第6巻 p.226 -ページ画像 
も妨げなし○第三十四条 委員の互撰を以て委員長一名を撰挙し、東京銀行集会所同盟銀行の代表者と為す○第三十五条 委員長は毎月五日東京銀行集会所に定式委員会を開き、一切の事務を商議す○第三十六条 臨時委員会は委員長又は二名以上の委員に於て必要と認むるとき之を開くものとす○第三十七条 委員会は委員長を併せ三名以上出席するにあらざれば之を開くことを得ず○第三十八条 委員は東京銀行集会所の庶務会計を分担監督す○第三十九条 委員欠員ある時は最近の定式集会に於て補欠撰挙を行ふへし
  第五章 書記
○第四十条 書記は定員なし、其首坐たる者を書記長と為す○第四十一条 書記長及書記は均しく委員に属し、書記長は他の書記を督率して一切の事務を整頓するの責に任す○第四十二条 書記は諸文案を草し、会議の議事を筆し、銀行通信録を編輯し、金銭の出納収支の計算を分掌すべし
  第六章 入社金
○第四十三条 入社金は本条に定むる所の割合に従ひ、加盟の許諾を得たる日より一週日以内に東京銀行集会所へ納付すへし、但支店は其半額とす
 一資本金二十五万円迄            金一百円
 一同廿五万円を超へ五十万円迄        金二百円
 一同五十万円を超へ七十五万円迄       金三百円
 一同七十五万円を超へ一百万円迄       金四百円
 一同一百万円を超へ二百五十万円迄      金五百円
 一同二百五十万円を超へ五百万円迄      金七百五十円
 一同五百万円以上              金一千円
○第四十四条 入社金は東京銀行集会所の基本金と為し、地所家屋と共に同盟銀行の共有財産に算入す○第四十五条 東京銀行集会所基本金は委員会に於て保存方法を定め、同盟銀行の決議を経て委員之を管理する者とす、但基本金より生する利息は東京銀行集会所経費の内に補充するを得
  第七章 会計
○第四十六条 東京銀行集会所収支予算は毎年二季(一月・七月)委員に於て之を調査し、同盟銀行の議決を経て其支出に係るものは各銀行本支店とも平等に割合、東京銀行集会所へ前納するものとす、但集会費は出席人員に割合ひ徴収すへし○第四十七条 予算に拠り支出すへき経費は左の項目となし、臨時の費用は毎時会議の議決を経て支弁すべし
 一定式・臨時会議費
 一定式・臨時委員会費
 一諸税並家屋修繕及庭園費
 一書記以下給料並慰労金
 一郵便電信印紙税
 一書籍新聞紙買入代
 一器具及消耗品
 - 第6巻 p.227 -ページ画像 
 一銀行通信録刊行費
○四十八条 東京銀行集会所収支決算は毎年二季(一月・七月)委員に於て之を精査し、其月の定式集会に於て報告するものとす
右七章四十八条は明治二十三年七月十五日同盟銀行定式会議に於て改正する所なり、因て此に各行署名捺印す、今後同盟する者は之に做ひ順次其名印及年月日を記載すへし
  明治二十三年七月十五日


会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月(DK060064k-0006)
第6巻 p.227 ページ画像

会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第百四回定式集会録事
明治廿三年八月十五日第□《(百脱)》四回同盟定式集会ヲ開ク、来会スルモノ二十名ナリ、第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ前会ノ決議ニ従ヒ当集会所改正規程ヲ大蔵大臣ニ稟候シタリシカ、去月三十日銀行局ヨリ本件ハ認可スヘキ性質ノモノニアラサル旨ヲ達セラレタルニ付、即日更ニ開申トシテ進達シタリ、因テ同規程第九条ニ拠リ委員五名ヲ新ニ選挙スヘキ旨ヲ報道シ、乃チ匿名投票ヲ行ヒ其高点ヲ以テ左ノ諸氏当選シ、皆承諾就職セリ
          第一国立銀行頭取      渋沢栄一
          三井銀行副長        西邑虎四郎
          横浜正金銀行頭取      園田孝吉
          安田銀行監事        安田善次郎
          第三十二国立銀行取締役   山中隣之助
    ○第百五回定式会議録事草按
明治二十三年九月五日午后五時ヨリ同盟銀行定式会議ヲ開キ、来会スル者二十六名ナリ
     委員  横浜正金銀行   園田孝吉 ○外二名氏名略
     会員  第一国立銀行   佐々木勇之助 ○外二二名氏名略
右列席ノ上安田善次郎氏会長席ニ就キ、起テ各員ニ揖シテ曰ク、同盟銀行定式会議ハ来ル十五日開会ノ筈ナレトモ頃日緊急ノ議案アルヲ以テ本日ニ繰上ケタル旨ヲ述テ、先ツ左ノ条件ヲ報道セリ
○中略
 又七月十五日委員選挙会ニ於テ当撰シタル渋沢栄一・園田孝吉・西邑虎四郎・安田善次郎・山中隣之助ノ五氏皆承諾就職シタルヲ以テ本月一日臨時委員会ヲ開キ、本日提出ノ議案ヲ協議シ、且其互撰ニ依リ渋沢栄一氏ヲ委員長ニ推選シ、並書記山中譲三氏ヲ書記長ト為シタリ
   ○銀行集会所ノ事務ハ従来委員之ヲ処理シ委員長ヲ置カザリシガ明治二十三年七月十五日ノ定式集会ニ於テ規程ヲ改正シテ委員ノ互選ニヨリ委員長ヲ置クコトトセリ。
   ○明治二十三年八月二十二日及ビ明治二十九年三月十六日ノ項参照。


明治廿三年度決議綴(DK060064k-0007)
第6巻 p.227-228 ページ画像

明治廿三年度決議綴             (東京銀行集会所所蔵)
  明治二十三年七月三十一日               書記(印)
  委員(印)
  月番
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去ル十五日定式集会ニ於テ確定相成候改正規程之儀ハ其十八日大蔵大臣ヘ認可相成度旨稟請仕候処、昨三十日銀行局ヨリ召喚ニテ右規程ハ大臣ヨリ認可ヲ与フヘキモノニアラサレハ、更ニ上申可致様談示ニ付即日書面引直シ進達仕候、就テハ該規程ニ準シ委員選挙ノ上経費予算等ヲ御評議可相成筈ニ付、同盟中ヘ左案ニ通牒相成可然乎、此段御廻議申上候也
七月十五日、定式集会ニ於テ確定相成候改正規程早速大蔵大臣ヘ稟請致候処、其三十日銀行局ヨリ召喚之上該規程ハ大臣ヨリ認可スヘキ性質ノモノニアラサレハ改正ノ旨上申可致置様談示ニ付、即日引直進達取計申候、就テハ来ル 日午前十一時改正規程第九条ニ指定シタル委員選挙会執行可致候ニ付、右刻限迄ノ内当集会所ヘ向ケ投票御送致相成度、依之同第十条ノ被撰権者姓名表及改正規程壱部差出候間、御査収可被下候也
 但当日ハ月番両行ノ立会ヲ以テ開票致シ、追テ御報道可申上候
 投票用紙御適宜ノ事
  明治二十三年七月十一日 書記(印)
  委員(印)
本年上半季考課状草按供通廻覧候也
 (附箋)
 規程及及姓名表ハ当時印刷中(印)
      ○
  明治二十三年九月十三日 書記(印)
  委員長(印)
  委員(印)
 当集会所及委員長印章彫刻出来致候ニ付、大蔵大臣ヘ御届按御廻議申上候也
今般当銀行集会所規程改正ニ付、委員改撰致候処、左ノ五名当撰就職致シ、更ニ其互撰ヲ以テ渋沢栄一ヲ委員長ニ推挙致候間、別紙委員長印鑑相添、此段御届申上候也
         第一国立銀行頭取     渋沢栄一
         横浜正金銀行頭取     園田孝吉
         三井銀行副長       西邑乕四郎
         安田銀行監事       安田善次郎
         第三十二国立銀行取締役  山中隣之助
  明治二十三年九月 日 東京銀行集会所
    大蔵大臣宛
今般当銀行集会所規程改正ニ付、従前ノ印章ヲ廃シ更ニ調製仕候ニ付別紙印鑑相添此段御届申上候也
  明治二十三年九月 日 東京銀行集会所
    大蔵大臣宛


集会録事 自明治二十四年一月至明治二十五年十二月(DK060064k-0008)
第6巻 p.228-229 ページ画像

集会録事 自明治二十四年一月至明治二十五年十二月 (東京銀行集会所所蔵)
    ○第百九回定式会議録事
明治二十四年一月五日同盟銀行第百九回定式会議ヲ兼ネ内山下町帝国
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ホテルニ於テ新年賀筵ヲ開キ、来会スルモノ委員園田・安田・山中ノ三氏ヲ首メ、出席総員二十八名ナリ、是日日本銀行ヨリ客員トシテ三野村理事臨席セラレタリ
○中略
次ニ当銀行集会所委員ノ改選ヲ執行セシ処、従前ノ諸氏重任スベキコトニ議決シ、乃チ其互選ヲ以テ渋沢氏ヲ委員長ニ選挙シ、諸氏之ヲ承諾セリ
      委員長  第一国立銀行頭取        渋沢栄一
      委員   横浜正金銀行頭取        園田孝吉
      同    三井銀行副長          西邑虎四郎
      同    安田銀行監事          安田善次郎
      同    第三十二国立銀行東京支店取締役 山中隣之助
○中略
右会事畢リテ晩餐シ午後八時散会セリ
    第百九回定式会議出席人名
        日本銀行   三野村利助 ○外二八名氏名略
    ○第百十九回定式会議録事 ○明治二五年一月六日
次ニ当銀行集会所規程第十条「東京銀行集会所委員タルヘキ者同盟銀行会議ニ参列スヘキ者及東京商工会々員トシテ東京銀行集会所ヨリ撰出スヘキ者ハ各銀行支配人以上ノ重役ニ限ルヘシ」トアリシカ、法律上ノ効果ニ依リ商工会ハ廃止シ、商業会議所ノ創設セシニヨリ右明文モ不用ニ属スルヲ以テ以上二十六字ヲ刪除シ、更ニ「東京銀行集会所委員タルヘキ者及同盟銀行会議ニ参列スヘキ者ハ各銀行支配人以上ノ重役ニ限ルヘシ」ト修正ノ事ヲ協議シテ之ニ決セリ
○中略
次ニ委員改選ノ投票ヲ開キ其結果左ノ如シ、即従員《(前カ)》ノ諸氏重任
 二十六点 第一国立銀行頭取渋沢栄一氏
 二十五点 横浜正金銀行頭取園田孝吉氏
 二十五点 第卅二国立銀行取締役山中隣之助氏
 二十四点 安田銀行監事安田善次郎氏
 十五点  三井銀行副長西村虎四郎氏
右会事卒リ新年賀筵ヲ開キ、午後九時退散セリ当日出席員左ノ如シ
      日本銀行   客員 山本達雄
      第一銀行      渋沢栄一 ○外三五名氏名略
     以上三十六名


集会録事 明治二十六年一月(DK060064k-0009)
第6巻 p.229-230 ページ画像

集会録事 明治二十六年一月
    ○第百二十九回会議録事
明治廿六年一月六日、新年賀筵ヲ兼ネ同盟銀行第百廿九回定式会議ヲ開キ、渋沢委員長・園田・安田・山中委員ヲ首メ来会スルモノ総員四十名ナリ
渋沢委員長ハ会長席ニ着キ、昨年下半季当銀行集会所収支決算ヲ報告シ、並ニ本年上半季経費収支予算ヲ協議ニ付シ、原案ノ如ク可決セリ次ニ当集会所委員ノ改選ヲナシ、多数ヲ以テ左ノ諸氏当選シ、其互選
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ヲ以テ渋沢栄一氏ヲ委員長ニ推選セリ
                 委員長 渋沢栄一
                 委員  園田孝吉
                 委員  安田善次郎
                 委員  中上川彦次郎
                 委員  山中隣之助
右会事畢リ、新年宴会ヲ開キ、午後八時退散セリ
    ○第百三十九回定式会議録事
明治二十七年一月六日午後四時ヨリ同盟銀行第百三十九回定式会議ヲ兼ネ新年会ヲ開キ、来会スルモノ渋沢委員長首メ総テ三十五名ナリ
渋沢氏ハ会長席ニ着キ、昨二十六年下半季当集会所収支決算ヲ報道シ次テ本年上半季収支予算ヲ協議ニ付シ、異議ナク原案ニ可決セリ
次ニ当集会所委員ノ改選ヲ執行シタルニ、渋沢・豊川・山中・山本四氏ノ外安田・園田・中上川ノ三氏同点ナリシヲ以テ、更ニ其三氏ニ就キ決選投票ヲ行ヒシニ、遂ニ多数ヲ以テ安田氏当選セリ、其結果左ノ如シ
   二十七点 第一国立銀行頭取    渋沢栄一
   二十五点 第百十九国立銀行頭取  豊川良平
   二十三点 第三十二国立銀行頭取  山中隣之助
   十六点  第十五国立銀行支配人  山本直成
   十四点  安田銀行監事      安田善次郎
右会事畢リ、更ニ賀筵ヲ開キ、同八時退散セリ
    ○百四十八回定式会議録事
明治二十八年一月九日午後四時ヨリ同盟銀行第百四十八回定式会議ヲ兼ネ新年会ヲ開キ、来会スルモノ総テ三十九名ナリ
委員山中隣之助氏ハ会長席ニ着キ、第百十二国立銀行取締役北村英一郎氏今般退会シ、更ニ取締役池上仲三郎氏自今会員トシテ出席ノ事、又昨年下半季銀行集会所経費決算ヲ報告シ、尋テ本年上半季当銀行集会所予算ヲ協議シタルニ、皆異議ナク原案ニ可決セリ
○中略
次ニ当銀行集会所規程第三十三条ニ依リ委員改選ヲ挙行スヘキ旨ヲ告ケシニ、皆其重任ヲ望ミタルヲ以テ乃チ従前ノ委員重任スヘキコトニ決セリ
右会事畢リ、晩餐ノ後同七時三十分退会セリ



〔参考〕中外商業新報 ○第二三七〇号 〔明治二三年二月一八日〕 同盟銀行月次定式会(DK060064k-0010)
第6巻 p.230-231 ページ画像

中外商業新報
 ○第二三七〇号 〔明治二三年二月一八日〕
    同盟銀行月次定式会
阪本町なる銀行集会所に於て開会する京浜同盟銀行の月次定式会は是迄毎月十五日を以て其の開会の期日と為し居りしとのことなりしかども客臘の同会に於て其の期日を早め五日と定めては奈何との説多数なりしとかに略ぼ其の義に決したりしやに承りし、然るに其の実未だ左様取極りたる場合にも立至らざるとのことにて本月の開会も延び延び
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となり既に今日に至りしが、彼の渋沢第一銀行頭取の病気全快の暁を待ち掛け篤と協議を遂げたる後同会の評議に附せんとせし同盟銀行集会所規則改正案及手形交換規約修正の箇条等に就き同委員中にて彼是下相談に日子を費やし、且つ渋沢頭取も先頃大磯より帰京後は多用勝にて差支へありしため、寄り寄り其の相談のありしも兎角其の纏りの捗々しからざる折柄、同業中なる六十銀行の椿事に関し今回の規則改正及規約修正の箇条に又々多少の加除を要する義も出来したりしより右修正委員は其の手数を施し其の修正をば来る十九日同盟銀行委員の下相談に掛け、尚ほ来る二十四日午後四時より同定式会の協議に附すべき筈なりと承りしが、又々同日は相談柱なる肝心の渋沢頭取が生憎の所用湧き出でたりと云ふより多分二十五日に延引するならんと聞く

〔参考〕中外商業新報 ○第二三七四号 〔明治二三年二月二二日〕 同盟銀行委員会(DK060064k-0011)
第6巻 p.231 ページ画像

 ○第二三七四号 〔明治二三年二月二二日〕
    同盟銀行委員会
同盟銀行委員なる渋沢栄一・原六郎・西村虎四郎・安田善二郎《(安田善次郎)》・原善三郎・山中隣之介《(山中隣之助)》の諸氏(川村伝衛氏は欠席)には一昨二十日午後五時より阪本町銀行集会所に集合し、此程脩正中なりし同盟銀行規約脩正の箇条及新規編製に係れる同議事規則に就き協議する処あり、尚ほ手形交換の規約も多少修正する筈なりしかども、彼の六十銀行の椿事より彼是法学士の意見をも叩き居れる一条も出来したるを以て、先つ其の意見の定るまては姑らく措置くこととし、夫れより定式会の日取を相談したりしに、日外《いつぞや》の本紙上に報道せし如く来る廿五日午后四時より開会し、右協議せし規約修正の箇条と議事規則を衆議に附すべしと云ふことに決し、各自退散したるは同十時三十分頃なりしと云ふ

〔参考〕中外商業新報 ○第二三七七号 〔明治二三年二月二六日〕 同盟銀行月次定式会(DK060064k-0012)
第6巻 p.231 ページ画像

 ○第二三七七号 〔明治二三年二月二六日〕
    同盟銀行月次定式会
兼て本紙上に報道したる如く昨二十五日午後五時より阪本町銀行集会所に於て京浜同盟銀行の月次定式会を開きたりしが渋沢・原・西村・安田等の諸氏を始め総員二十七名来会し、先頃中屡々同委員の協議を遂げたりし同集会所規程四十二ケ条を審議し、尚ほ同会議規則三十一条の逐条議を為し夫より引続き第六十銀行除名の一議をも協議する処ありしが、何分斯く箇条の多数なりしをも以て中途晩餐を喫し、又た議事に取り掛りし等、ために非常に時間を要し各自の退散したるは殆んど十時頃なりし、尚ほ其の詳細の摸様は次号に掲載する処あるべし

〔参考〕中外商業新報 ○第二三七八号 〔明治二三年二月二七日〕 同盟銀行月次定式会続聞(DK060064k-0013)
第6巻 p.231 ページ画像

○第二三七八号 〔明治二三年二月二七日〕
    同盟銀行月次定式会続聞
昨日の本紙上にも報道したる如く阪本町銀行集会所に於て渋沢・原・西村・安田等の諸氏を始め都合二十七名の同盟銀行員集会し、此程中屡々同委員の協議を経たりし同集会所規程四十二ケ条の逐条審議を遂げたりしが多少の修正説もありて遂に可決し、次で又た同所会議規則を逐条議に附したるも、其の前議並に晩餐等のため非常に時間を要したるより、同規則全体の三十一ケ条中第一章の部分十ケ条のみを審議し、其の十一ケ条よりは来月五日午後五時より開会する月次定式会の協議に附することとし、其他手形取引のことに関する一二ケ条の件をも相談して各自退散せしは同夜十二時二十分過頃なりと云ふ
 - 第6巻 p.232 -ページ画像 

〔参考〕中外商業新報 ○第二三八五号 〔明治二三年三月七日〕 同盟銀行月次定式会(DK060064k-0014)
第6巻 p.232 ページ画像

 ○第二三八五号 〔明治二三年三月七日〕
    同盟銀行月次定式会
取敢へず前号の本帋上に報道したりし如く同盟銀行月次定式会は一昨五日午後五時より阪本町銀行集会所に於て開会し、渋沢・原・西村・安田の諸氏を始め総員二十二名参集し、前会に於て議し残したる同銀行集会所会議規則第十一条より逐条審議に取掛り、第三十一条まで削除修正を行ひ種々討議を尽したる末遂に該規則案を議了したり、然るに前会既に議決せし同集会所規程及同会議規則とを合せて一の規定と為さんとの動議頻りに起りたりしかども、遂に少数なりしを以て其の議行はれず矢張規程と会議規則とを区別することに決したり、去れど斯く一応は其審議を遂げたるも未だ全く完備せしものなりと云ふべきにあらざれば、近々其の第二読会を開会し、尚ほ充分討議を尽したる上大蔵省に開申して其の認可を請ひ、而して実際に適用することと為さんと全会一致し、各自退散したるは殆んど同十時過頃なりしと云ふ

〔参考〕中外商業新報 ○第二三九六号 〔明治二三年三月二〇日〕 同盟銀行臨時会の摸様(DK060064k-0015)
第6巻 p.232 ページ画像

 ○第二三九六号 〔明治二三年三月二〇日〕
    同盟銀行臨時会の摸様
前号の本紙上にも一寸記し置きたる如く渋沢・原(六郎)・西村・安田等の諸氏を始め同盟銀行員廿一名は、一昨十八日午後五時三十分より坂本町なる銀行集会所に参集して同臨時会を開きたり、其の議事案は前々会より引続き協議を遂げたりし同集会所規程四十二ケ条と同会議則三十一ケ条との総体確定議を開きしに、其の動議両派に分かれ、一方は同規程と同会議則とを区別して議事体を採用実施せんとするの旨を主張し、即ち原案維持説を唱へ、又た一方は其の規程と議則とを区別するを要せず依然相談体を維持せんとするの意を縷述し、即ち原案破棄説を唱へ、両々相弁難攻撃し、其の可否の孰れに決するやを知らず、各自討論審議する処ありしも遂に其の帰着するの色なかりしを以て、其の局外に立つべき意見を抱ける二三の人々より調査委員を撰定して其の中庸を採用せしめ、之れを後会に附し、而して其の採否を決せんとするの議多数の賛成者ありしかば、次で衆員皆豊川良平(第百十九銀行)高田小二郎(第百銀行)肥田景之(第五銀行)佐々木慎思郎(第二十銀行)安藤浩(川崎銀行)の五氏に同委員の任を托し、各自退散したるは殆んど同十時過る頃なりしと云ふ

〔参考〕中外商業新報 ○第二四五一号 〔明治二三年五月二四日〕 京浜同盟銀行委員会(DK060064k-0016)
第6巻 p.232-233 ページ画像

 ○第二四五一号 〔明治二三年五月二四日〕
    京浜同盟銀行委員会
修正委員に於て調査中なりし同盟銀行規定は已に修正を了りたるに付一昨二十三日午後五時頃より阪本町銀行集会所に委員会を開き、修正委員より之を報告せり、当日の出席者は常委員にて渋沢・原・西村・安田・山中の五氏、修正委員は豊川良平・高田小治郎・佐々木勇之助・安藤浩の四氏にて、同規定の修正せし箇条を報告し逐条議となしたるに、唯字句の修正ありたる位にして敢て別段の異論もなく可決し、午後十一時二十分頃一同散会せりといふは尤も同日は商法取調の委員を撰定する方法等に就き協議を遂る筈なりしも、此事たる商工会に於ても同様に委員を撰定することなれば其摸様を見て後に挙行することに決し、尚規定を確定することに就て近々同盟銀行員の総会議を開く筈
 - 第6巻 p.233 -ページ画像 
なりといふ