デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
2節 手形
2款 東京手形交換所
■綱文

第7巻 p.373-375(DK070050k) ページ画像

明治34年1月1日(1901年)

組合銀行集会ニ於テ、百円未満ノ当座預金ニハ利息ヲ附セザルコトニ決シ、是日ヨリ実施ス。栄一此議ニ与ル。


■資料

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月(DK070050k-0001)
第7巻 p.373-375 ページ画像

会議録 第一号 従明治廿四年二月至同卅五年十二月 (東京手形交換所所蔵)
    ○東京交換所第五十二回定式集会録事
明治三十三年十月五日午後五時ヨリ、組合銀行第五十二回定式集会ヲ開キ、来会シタル銀行二十四行其出席会員二十五名ナリ、渋沢委員長会長席ニ着キ
○中略
夫レヨリ、会長ハ五十円以下ノ当座預金ニ利子ヲ付セサル事及代理交換加入ニ制限ヲ設クヘキ事ニ付協議会ヲ開キ、且ツ本件提議ノ理由ハ池田謙三氏ヨリ説明スベキ旨ヲ告ケ、引続池田氏ヨリ之レカ理由ヲ詳述セリ、其要旨ニ曰ク
 一五十円以下ノ預金ニ利子ヲ付セサルコトニ致シ度シト云フハ、畢竟近来小額ノ当坐取引ヲ開クモノ次第ニ増加シ、随テ其振リ出高ノ小ナルハ勿論、其出入モ亦頻繁ニシテ、小切手ヲ多ク使用セラルヽカ為メ徒ラニ手数ニ渉ルノミナラス、小切手調製ニモ六七厘ヨリ壱
 - 第7巻 p.374 -ページ画像 
銭位ノ費用ヲ要スレハ、銀行者ニ取リテハ実ニ不引合ト云フヘキナリ、米国ニ於テハ五十弗以下ノ当座預金ニハ利子ヲ付セサル例ナリシモ、我邦今日ノ情態ニテハ迚モ米国ニ倣フ事能ハザルベケレハ、先ツ五十円位ノ処適当ナルベシト思惟セリ、尤モ小切手ヲ用ヒス通帳ヲ以テ出入スル貯蓄ノ性質ヲ有スル預金ニ対シテハ、仮令小額タリトモ是迄ト変ルコトナシ、右ハ去ル二十一年ニ円位以下ノ預金利子ヲ付セサル事並三十年ニ厘位切捨ヲ実施シタルカ如ク、同業者共同均一ノ歩調ニ拠リ賛成セラレンコトヲ希望ス
○中略
右二件ノ協議問題ニ対シテハ次会ニ於テ熟議スヘキニ付、委員ノ考案ヲ以テ相当ノ方法ヲ提示セラレンコトヲ希望シ、委員モ亦之レヲ諾シテ退会セリ
          当日出席者
              第一      渋沢栄一
              同       西脇長太郎
              第三      河東田経清
              十五      成瀬正恭
              二十七     安藤三男
              第百      池田謙三
              三井      池田成彬
              鴻池      久田益太郎
              浪速      河村民之輔
              帝商      大谷登喜雄
              川崎      杉浦甲子良
              東海      笹井慎次郎
              七十七     成瀬武之
              第七十八    松尾謹次
              中井      菅沼慶蔵
              百十三     古山数高
              八十四     山田丈太郎
              東商      杉本清風
              新潟      高山信爾
              第十      小藤安胤
              三十五     鈴木金平
              第十九     内藤尚
              四十      根岸盛太郎
              伊藤      岸田常三郎
              正金      川島忠之助
              監事      山中譲三
    ○東京交換所第五十三回定式集会録事
明治三十三年十一月八日、組合銀行第五十三回定式集会ヲ銀行集会前ニ開キ、来会シタル銀行二十五行其出席会員二十七名ナリ、委員池田謙三会長席ニ就キ
○中略
 - 第7巻 p.375 -ページ画像 
次ニ小切手ヲ使用スル五十円以下ノ当座預金ニ対シ利子ヲ廃スル件ニ付種々討議スル処アリシカ、結局百円未満トノ修正説出テ全会一致ヲ以テ之レニ決シ、而シテ其実施日限ハ本年下半季当坐勘定決算ノ翌日ヨリトノ説モアリシカ、組合銀行一般同日ニシタル方可然トノ説大多数ヲ占メ、依テ来三十四年一月一日ト定メ、追テ当交換所銀行連名ヲ以テ新聞紙ニ広告スヘキ事ニ議決セリ
  ○是日栄一欠席ス。
    ○東京交換所第五拾四回定式集会録事
明治三十三年十二月五日午後五時ヨリ、銀行集会所ニ於テ、組合銀行第五拾四回定式集会ヲ開キ、来会シタルモノ二十七行其出席会員弐拾七名ナリ、委員池田謙三会長席ニ着キ
○中略
一前会ニ於テ決定シタル百円未満当坐預金利息廃止広告文案ヲ協議シタルニ、全会一致原案ニ可決セリ
  但組合銀行名称ハ四号活字ヲ用ヒ、其新聞紙ハ五種位ニシテ、各紙三日間ノ事
      広告文
    当坐預金百円未満利息廃止広告
  来ル三十四年一月一日ヨリ小切手ヲ使用スル当坐預金利子計算法ヲ改正シ、百円ヲ単位トシ、百円未満ノ端数ニハ利子ヲ積算セサル事ニ決定致候ニ付、此段広告候也
   但小口当坐・特別当坐等ノ如キ通帳ヲ以テ出入スルモノハ従前ノ通
    明治三十三年十二月         組合連名
  ○明治二一年七月一日以降、当座預金及ビコルレスポンデンス勘定壱円以下ノ端数ニハ利子ヲ附セザリキ。東京銀行集会所明治二一年四月一五日ノ項(第六巻第一六〇頁)参照。
  ○厘位廃止ノ決議ハ明治三〇年九月一五日行ハレタリ。東京銀行集会所同日ノ項(本書第六巻第四二一頁)参照。