デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
6款 万歳生命保険株式会社
■綱文

第7巻 p.719-730(DK070092k) ページ画像

明治39年11月9日(1906年)

是ヨリ先、藤村義苗他数人ニヨリテ万歳生命保険株式会社ノ設立発起サレ、三十九年八月三十一日ヲ以テ営業ヲ開始ス。是日栄一相談役タルコトヲ承諾ス。


■資料

明治大正保険史料 第三巻第二編・第五八六―五八八頁〔昭和一四年七月〕(DK070092k-0001)
第7巻 p.719-720 ページ画像

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竜門雑誌 第二二二号・第四一頁〔明治三九年一一月二五日〕 ○青淵先生と新会社関係(DK070092k-0002)
第7巻 p.720 ページ画像

竜門雑誌 第二二二号・第四一頁〔明治三九年一一月二五日〕
○青淵先生と新会社関係
○中略
尚左記の三会社に対しても設立後各重役の懇請に依り相談役たることを承諾せられたりといふ
○中略
 一、万歳生命保険株式会社 相談役

(万歳生命保険株式会社)事業報告 第一回〔明治四〇年二月〕(DK070092k-0003)
第7巻 p.720 ページ画像

(万歳生命保険株式会社)事業報告 第一回〔明治四〇年二月〕
    明治参拾九年拾弐月参拾壱日 未払込株金明細表
               株数     払込金額       未払込金額
                           円         円
    男爵 渋沢栄一    一〇〇    二、五〇〇・    七、五〇〇・


中外商業新報 第七四〇五号〔明治三九年八月五日〕 万歳生命保険創立総会(DK070092k-0004)
第7巻 p.720-721 ページ画像

中外商業新報 第七四〇五号〔明治三九年八月五日〕
  万歳生命保険創立総会
 - 第7巻 p.721 -ページ画像 
万歳生命保険株式会社創立総会は予定の如く三日午後三時より銀行集会所に於て開会し、馬越恭平氏議長席に着き、議案を附議して決議を求めたるが、孰れも原案を可決したり、其の要綱左の如し
 第一号 会社創立に関する事項に就き発起人の報告
 第二号 発起人の作成したる定款に訂正を加へ之を確定する事
 第三号 社長・専務取締役・取締役及監査役の報酬を定むる事
 第四号 取締役・監査役の選挙
 第五号 商法第百三十四条の規定に依る調査報告
 第六号 決議書類中に於ける字句の修正並に重大ならざる事項の変更は取締役会の決議に一任する事
 第七号 本店及支店の所在地は定款の規定したる市内に於て取締役会の決議に依り之を定むる事
 第八号 大阪支店は明治四十年十二月末日迄の期間内に於て取締役会の決議に依り之を設置する事
尚ほ取締役及監査役は左の如く当選したり
 取締役 柳谷謙太郎 藤村義苗 大田黒重五郎 内田直三 渡辺亨  藤本清兵衛 益田太郎
 監査役 阿部吾市  上原鹿造 石原卯八   志方勢七
因に互選の結果社長に柳谷謙太郎氏、専務取締役に藤村義苗氏当選就任する事となり、又同社は資本金五十万円なるも追て一百万円に増額することに内定し居る由


竜門雑誌 第二二〇号・第三九頁〔明治三九年九月二五日〕 ○万歳生命保険会社の設立(DK070092k-0005)
第7巻 p.721 ページ画像

竜門雑誌 第二二〇号・第三九頁〔明治三九年九月二五日〕
○万歳生命保険会社の設立 同社は本社特別社員藤村義苗・大田黒重五郎・阿部吾市の諸氏及其他に拠りて創立せられたるものにして、去八月十六日設立認可、同三十一日開業せられたるが、其の保険の種類は左の二種四類に別たれたり

図表を画像で表示--

 養老保険 第一類  一、保険金額百円以上五百円以下    教育保険(生存保険) 第一類  満期前に於て被保険者の生命に万一の不幸有るも掛金全部を返却す           一、条件最も簡易なり      第二類  一、保険金額五百円以上一万円以下              第二類  第一類の条件なし、故に保険料は第一類に比して低廉なり           一、利益配当付にして最も有利なり 



同社が自ら生命保険会社の組織中最も善美なるものと云し如く既設生命保険会社に比して種々の特色あるのみならず、其保険料も亦低廉なりと云ふ、而して斯く本社に縁故深き人々の主管せらるゝものなれば本社員に対しては特に便宜の取扱をなすべき旨申越あり、尚同社営業案内は其の組織営業の種類手続保険料其他同社の特色に付きて漏れなく記述せられたるものにして請求次第郵送せらるべしと云ふ



〔参考〕文書類纂 農工商―保険会社・第一巻明治三九年第一種(DK070092k-0006)
第7巻 p.721-729 ページ画像

文書類纂 農工商―保険会社・第一巻明治三九年第一種 (東京府庁所蔵)
 - 第7巻 p.722 -ページ画像 
  万歳生命保険株式会社定款
第一条 当会社ハ万歳生命保険株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ本店ヲ東京市ニ置キ、支店ヲ大阪市ニ置ク、出張所代理店ノ設置ハ之ヲ取締役会ノ決議ニ一任ス
第三条 当会社ノ目的ハ生命保険事業ヲ営ムニ在リ
第四条 当会社営業ノ範囲ハ日本国ノ内外ヲ問ハス、一般公衆ニ対シ左ノ保険契約ヲ締結スルニ在リ
 一養老保険
  年齢九年七ケ月以上六十五年六ケ月以下ノ者ヲ被保険者トスル死亡生存混合保険
 一教育保険
  年齢十六年六ケ月以下ノ幼者ヲ被保険者トスル生存保険
第五条 当会社ノ資本ハ金五拾万円ニシテ、之ヲ株式五千個ニ分チ、一株ノ金額ヲ百円トス
第六条 当会社ノ株式ハ記名式トス
第七条 当会社ノ株券ハ壱株券(甲種)及拾株券(乙種)ノ弐種ニ分チ各株主ニ交付ス
第八条 当会社株金ノ第一回払込ハ一株ニ付金弐拾五円トシ、発起認可ヲ得タル日ノ翌日ヨリ六十日以内ニ払込ミ、其残額ハ必要ニ応シテ払込マシムヘシ、但第二回以後ノ払込金額及期日ハ取締役会ニ於テ決定シ、期日三ケ月以前ニ各株主ニ通知スヘシ
第九条 株主株金払込ノ期日マテニ払込ヲ為サヽルトキハ、其期日ノ翌日ヨリ起算シ払込金額百円ニ対シ一日金四銭ノ割合ヲ以テ遅延利息ヲ支払ヒ、且遅延ノ為メニ生シタル損害ヲ負担スヘシ
第十条 当会社ノ株式ヲ売買授受スルニハ其株券ノ裏面ニ双方記名調印シ、且当会社ノ定ムル書式ニ拠リ双方連署シタル請求書ヲ差出スヘシ、当会社ハ株券ノ裏面ニ取締役記名調印シ、買受人又ハ譲受人ニ交付スヘシ
第十一条 株主ノ死去、相続若クハ遺贈ニ因リ又ハ法律命令ノ結果ニ拠リ当会社ノ株式ヲ取得シタルモノハ、其事実ヲ証明スルニ足ルヘキ書面ヲ差出シ、株券ノ書換ヲ請求スベシ
第十二条 株券ヲ喪失シタル者カ其再交付ヲ請求スルトキハ、当会社ハ請求人ノ費用ヲ以テ五日間公告シ、其最終ノ日ヨリ三週以内ニ異議ヲ申出ツル者無キトキハ更ラニ株券ヲ交付スヘシ
第十三条 株券ヲ毀損シ又ハ株券ノ合併分割ヲ要スル為メ株券ノ再交付ヲ請求スルトキハ、当会社ハ該株券ト引換ニ更ニ株券ヲ交付スヘシ
第十四条 当会社ハ株券ノ再交付ニ対シテハ株券一枚ニ付金弐拾銭、名義其他ノ変更ニ関スル書換ニハ株券一枚ニ付金五銭ノ手数料ヲ徴収ス
第十五条 株式ノ移転ハ所有者ノ氏名ヲ株券及ヒ株主名簿ニ登記スルニ非サレハ当会社ニ対シテ効力ヲ有セス
第十六条 株主住所氏名ヲ変更シ又ハ改印シタルトキハ其都度之ヲ当会社ヘ届出ツヘシ、之カ懈怠ニ対シテハ該株主其責ニ任スヘキモノ
 - 第7巻 p.723 -ページ画像 
トス
第十七条 当会社ハ公告ヲ為シテ定時総会前三十日以内株券ノ名義書換ヲ停止ス
第十八条 当会社ニ取締役三人以上五人以下及ヒ監査役三人以下ヲ置ク
第十九条 取締役及ヒ監査役ハ当会社ノ株主総会ニ於テ株主中ヨリ之ヲ選挙ス、但取締役ハ当会社ノ株式五拾株以上ヲ所有スルモノニ限ル
第二十条 取締役ハ互選ヲ以テ社長及ビ専務取締役ヲ定ム
第二十一条 取締役ノ任期ハ三ケ年、監査役ノ任期ハ一ケ年トス
第二十二条 取締役又ハ監査役ニ欠員ヲ生シタルトキハ臨時総会ヲ開キテ補欠選挙ヲ行フ、補欠員ノ任期ハ次回ノ改選期ニ至ルマテ、但法定人員ニ不足セサル時ハ次期改選ノ時迄補欠選挙ヲ為サヽルコトヲ得
第二十三条 取締役ハ其所有株式五拾個ヲ就任ト共ニ監査役ヘ供託スヘシ、此株券ハ取締役退任セル場合ト雖トモ、其年度ノ計算ニ付株主総会ノ承認ヲ経タル後ニ非サレハ之ヲ返附セサルモノトス
第二十四条 当会社ノ業務ハ社長之ヲ執行シ、社長事故アルトキハ専務取締役之ニ代ルモノトス
第二十五条 取締役ハ毎月一回以上当会社ノ本店ニ集会シ、社長及ヒ専務取締役ト社務ヲ協議スヘシ
   ○第二十六条・第二十七条略ス。
第二十八条 株券ヲ毀損シタル故又ハ株券ノ種類ヲ変更スル故ヲ以テ新株券ノ交付ヲ申出ツル時ハ、当会社ハ○アト欠
第二十九条 当会社ノ定時株主総会ハ毎年六月中ニ之ヲ開キ、前年度ニ対スル財産目録・貸借対照表・営業報告書・損益計算書ノ承認並ニ諸準備金・賞与金・株主配当金ノ決議ヲ為ス
第三十条 総会ニ於テハ予メ通知シタル事項ノ外他議ニ渉ルコトヲ得ス
第三十一条 株主ニシテ代理人ニ依リ議決権ヲ行ハントスルトキハ、法定代理人ヲ以テスル場合ノ外其代理人ハ当会社ノ株主ニ限ル
第三十二条 株主総会ノ議長ハ社長之ニ任シ、社長事故アルトキハ専務取締役又ハ他ノ取締役中ノ一人之ニ任ス
第三十三条 株主総会ノ決議録ニハ議長及ビ出席株主二名以上記名調印シテ当会社ニ保存スヘシ
第三十四条 当会社ノ設立費用ハ初年度ノ終ニ於テ其全部ヲ償却ス
第三十五条 各年度ノ収入保険料、諸利息其他ノ雑益ニ前年度末ニ於ケル責任準備金・支払備金及ヒ繰越金ヲ加ヘタル合計ヨリ支払保険金・解約払戻金・責任準備金・支払備金・営業費其他ノ雑損ヲ控除シタル残額ヲ利益金トシ、左ノ如ク配当ス
  一法定積立金               利益金ノ百分五以上
  一利益分配付保険ニ対スル利益分配準備金  同百分十以上
  一別途積立金               便宜之ヲ為スコトヲ得
  一役員賞与金               利益金ノ百分十以下
 - 第7巻 p.724 -ページ画像 
  一株主配当金               利益金ノ内ヨリ以上ノ金額ヲ控除シタル残
  一次年度繰越金

第三十六条 株主配当金ハ毎事業年度末日現在ノ株主ニ之ヲ配当ス
第三十七条 当会社ノ公告ハ当会社本店所在地ノ管轄登記所カ商事公告スル新聞紙ヲ以テ之ヲ為ス
    以上
            発起人
   ○「明治大正保険史料」第三巻第二編、第五八〇―五八一頁ニ万歳生命保険株式会社定款(抄)収録セラレアリ。
      ○
  万歳生命保険株式会社事業方法書
    第一章 養老保険
      第一節 保険ノ種類及ヒ保険金額ノ制限
第一条 当会社ニ於テ営ム養老保険ノ種類ハ十年満期・十五年満期・二十年満期・二十五年満期・三十年満期・三十五年満期及ヒ四十年満期ノ七種ニシテ、契約保険金額ノ多寡ニ因リテ各之ヲ二類ニ分ツ
第二条 第一類ニ於テ契約スル被保険者一人ニ対スル保険金額ハ契約ノ回数ニ拘ハラス合計金壱百円以上金五百円以下トス
第三条 第二類ニ於テ契約スル被保険者一人ニ対スル保険金額ハ契約ノ回数ニ拘ハラス合計金五百円以上金壱万円以下トス
第四条 一人ノ被保険者ニ対シテ第一類及第二類ノ最高保険金額ヲ併セ契約スルコトヲ得、又孰レノ場合ニ於テモ金百円以下ノ端数アル保険金額ヲ契約セサルモノトス
第五条 養老保険契約ハ被保険者カ契約満期ニ達シテ生存セル場合並ニ其以前ニ何時死亡スルモ保険金ノ支払ヲ為スモノトス
      第二節 被保険者ノ年齢
第六条 被保険者ノ契約当時ニ於ケル年齢ハ十歳以上六十五歳以下トス
  但六十一歳以上ノ被保険者ハ十五年満期ヨリ長キ種類ヲ契約スルヲ得ス、五十六歳以上ノ者ハ二十年満期ヨリ長キ種類ヲ、五十一歳以上ノモノハ二十五年満期ヨリ長キ種類ヲ、並ニ四十六歳以上ノモノハ三十年満期ヨリ長キ種類ヲ契約スルヲ得サルモノトス
第七条 被保険者ノ年齢ハ満年ヲ以テ算シ、六ケ月以下ハ切捨テ七ケ月以上ハ繰上ケテ一年トス
      第三節 保険契約ノ手続
第八条 保険契約ヲ為サント欲スル者ニハ当会社所定ノ保険申込書ニ所要ノ事項ヲ記載シ署名捺印ノ上、当会社本支店・出張店又ハ代理店ヘ差出サシメ、当会社ハ其医員又ハ嘱托医ヲシテ被保険者ノ身躰ヲ診査セシム、保険申込書ノ様式ハ別紙ノ通リトス
第九条 前条身躰診査ノ結果当会社ノ本店ニ於テ契約ノ諾否ヲ決シ、之ヲ保険契約者ニ通知シ、其承諾ノ分ニ対シテハ保険契約者ヨリ直チニ第一回保険料ヲ払込マシムルモノトス
第十条 当会社カ第一回保険料ヲ受取リタルトキハ、速ニ保険証券ヲ
 - 第7巻 p.725 -ページ画像 
作リテ之ヲ保険契約者ニ交付スヘシ、保険証券ノ様式ハ別紙ノ通リトス
      第四節 保険料
第十一条 保険料ハ毎一ケ年分ヲ前払セシムルヲ本則トスルモ、保険契約者ノ希望ニ依リテ第一類ニ在リテハ毎月払、毎三ケ月払又ハ毎半ケ年払ト為シ、第二類ニ在リテハ毎三ケ月払及ビ毎半ケ年払ト為スコトヲ得、是等ノ場合ニ於ケル保険料ハ左ノ方法ニ拠リテ算出シ厘位ハ四捨五入スルモノトス
 (一)毎半ケ年払ハ年払ノ保険料額ニ百分ノ四ヲ加ヘ之ヲ二分シタルモノ
 (二)毎三ケ月払ハ年払ノ保険料額ニ百分ノ八ヲ加ヘ之ヲ四分シタルモノ
 (三)毎月払ハ年払ノ保険料額ニ百分ノ十二ヲ加ヘ之ヲ十二分シタルモノ
      第五節 年金交付
第十二条 保険契約ノ満期ニ達シタルトキ被保険者カ保険金ヲ受取ラスシテ年金ノ交付ヲ望ム場合ニハ、之ニ年金証券ヲ交付スヘシ、年金証券ノ様式ハ別紙ノ通リトス
      第六節 利益分配
第十三条 第二類ノ保険契約ニ対シテハ保険金受取人ヘ当会社利益金ノ一部ヲ分配スルモノトス、会社利益ノ幾部分ヲ利益分配ニ充ツルヤハ定款ニ於テ之ヲ定ムト雖トモ、之カ支払時期ハ各保険契約カ満期ニ達シタル時ニシテ、其分配額ハ其前事業年度ノ終ニ於テ決定シ其時ニ於ケル第二類保険ニ対スル総責任準備金額ヲ以テ総利益分配準備金額ヲ除シ、其得数ニ次年中ニ契約満期ニ達スヘキ第二類保険契約ニ対スル責任準備金額ヲ乗シタルモノトス
      第七節 保険証券担保貸金
第十四条 当会社ハ第二類ノ保険契約ニ限リ、保険契約者及ヒ保険金受取人連帯ノ請求ニ依リ、解約価格ヲ超過セサル金額ヲ貸附クルコトアルヘシ
    第二章 教育保険
      第一節 保険ノ種類及ヒ保険金額ノ制限
第十五条 教育保険ノ種類ハ十七歳受取、二十歳受取及ヒ二十三歳受取ノ三種ニシテ被保険者死亡ノ場合ニ於ケル保険料返還ノ有無ニ依リテ各之ヲ二種ニ分ツ
第十六条 被保険者一人ノ保険金額ハ金百円以上トシ、且ツ金百円以下ノ端数アル保険金額ヲ契約セサルモノトス
第十七条 保険金ハ被保険者カ契約満期ニ達シテ生存セル場合ニ於テ之カ支払ヲ為スモノトス
 但被保険者カ契約満期ニ達セサル以前ニ於テ死亡シタル場合ニ於テハ、第一類ノ保険契約ニ限リ、其既ニ払込ミタル保険料ノ元金額(利子ヲ附セス)ヲ返還ス可シト雖トモ、第二類ノ保険契約ニ在テハ一切之ヲ返還セサルモノトス
      第二節 被保険者ノ年齢
 - 第7巻 p.726 -ページ画像 
第十八条 被保険者ノ契約当時ニ於ケル年齢ハ十六歳迄トス
 但十七歳受取ニ於テハ十一歳以上二十歳受取ニ於テハ十四歳以上ノ者ヲ契約セス
第十九条 被保険者ノ年齢ノ算出ハ第七条ニ拠ル
 但出生後六ケ月未満ノ者ハ特ニ之ヲ一歳トシテ算ス
      第三節 保険契約ノ手続
第二十条 保険契約ヲ為サント欲スル者ハ当会社所定ノ保険申込書ニ所要ノ事項ヲ記載シ署名捺印ノ上、第一回保険料ヲ添ヘ、当会社本支店、出張店又ハ代理店ニ差出スヘシ
第二十一条 第十条ノ規程ハ教育保険ニモ之ヲ準用ス
      第四節 保険料
第二十二条 保険料払込ノ方法ハ第十一条ニ於ケル養老保険第二類ノ規程ヲ準用ス
   第三章 収支予算
      第一年 収入ノ部
一金九万五千円 収入保険料
 内訳
  一金八万円      養老保険金額百万円ニ対スル分(保険金百円ニ付四円ノ割)
  一金壱万五千円    教育保険金額参拾万円ニ対スル分(保険金百円ニ付五円ノ割)
 一金七千九百拾七円   諸利息及ヒ配当金
 内訳
 一金千六百拾七円    養老保険収入保険料ノ三分ノ一ニ四朱ノ利子ヲ得ルト見做ス(当座預金トス)
 一金六千円       資本金拾弐万五千円中拾万円ニ対スル年六朱ノ利子(定期預金有価証券等トス)
 一金六百円       資本金中壱万五千円ニ対スル四朱ノ利子(当座預金トス)
 収入計金拾万弐千九百拾七円
     第一年 支出ノ部
一金参千円        中数契約金額百万円ニ対スル千分ノ三ノ死亡支払保険金
一金四万五千七百円    営業費
 内訳
 一金弐万五千円     社費
 一金弐千八百円     養老保険ニ対スル代理店手数料(収入保険料ノ二分ノ一即チ四万円ノ七分)
 一金参百円       教育保険ニ対スル代理店手数料(収入保険料ノ二分ノ一即チ七千五百円ノ四分)
 一金壱万四千円     養老保険紹介手数料(契約成立高百円ニ対シ七拾銭ノ割ニテ二百万円ニ対スル分)
 一金六百円       教育保険紹介手数料(契約成立高百円ニ対シ弐拾銭ノ割ニテ参拾万円ニ対スル分)
 - 第7巻 p.727 -ページ画像 
 一金八千円       医師報酬(養老保険一人ノ被保険者ニ対スル平均保険金額ヲ三百円トシ募集高弐百四拾万円ニ対スル八千人ノ診査費用一人平均壱円ノ割)
一金参千円        設立費用全部償却
一金四万七千五百五拾円  責任準備金
 内訳
 一金参万弐千円     養老保険ノ分(収入保険料ノ四割ニ当ル)
 一金壱万五千五百五拾円 教育保険ノ分(収入保険料ノ三分ノ一ヲ未経過保険料トシ三分ノ二ニ年五朱五厘ノ利子ヲ附加シ保険料積立金トス)
 支出計金九万九千弐百五拾円
      第一年 収支残金処分
 一金参千六百六拾七円   利益金
 之ヲ処分スルコト左ノ如シ
 一金百八拾参円参拾五銭 法定積立金(利益金ノ百分ノ五)
 一金参百六拾六円七拾銭 利益分配準備金(利益金ノ百分ノ十)
 一金百八拾参円参拾五銭 役員賞与金(利益金ノ百分ノ五)
 一金弐千九百参拾参円六拾銭 次年度繰越金
      第二年 収入ノ部
一金弐千九百参拾参円六拾銭  前年度繰越金
一金四万七千五百五拾円    前年度責任準備金
一金弐拾壱万八千円      収入保険料
 内訳
 一金拾万円       養老保険新契約弐百五拾万円ニ対スル分
 一金壱万円       教育保険新契約弐拾万円ニ対スル分
 一金九万円       養老保険前年度ノ契約百八拾万円(死亡解約ニ因スル消滅ヲ一割トス)ニ対スル分(保険金百円ニ付五円ノ割)
 一金壱万八千円     教育保険前年度ノ契約参拾万円ニ対スル分(保険金百円ニ付六円ノ割)
一金壱万弐千五百六拾円  諸利息及ヒ配当金
 内訳
 一金弐千八百五拾参円  責任準備金ニ対スル年六朱ノ利子
 一金六千円       資本金中拾万円ニ対スル六朱ノ利子
 一金八百円       資本金中弐万円ニ対スル四朱ノ利子
 一金弐千九百七円    収入保険料ノ三分ノ一ニ対スル四朱ノ利子
 収入計金弐拾八万壱千四拾参円六拾銭
      第二年 支出ノ部
一金壱万弐千弐百円   養老保険中数契約額参百五万円ニ対スル千分ノ四ノ死亡支払高
一金七万弐千五百拾四円 営業費
 内訳
 一金参万五千円    社費(代理店設置スル為メ前年ニ比シ遥ニ多額ヲ要ス)
 一金八千八百六拾七円 養老保険代理店手数料(収入保険料ノ三分ノ二ノ七分)
 一金七百四拾七円   教育保険代理店手数料(収入保険料ノ三分ノ二ノ四分)
 一金壱万七千五百円  養老保険紹介手数料(新契約弐百五拾万円ノ千分ノ七)
 - 第7巻 p.728 -ページ画像 
 一金四百円      教育保険紹介手数料(新契約弐拾万円ノ千分ノ三)
 一金壱万円      養老保険申込者壱万人ニ対スル医師報酬
一金拾六万弐千九百参拾五円 責任準備金
 内訳
  一金拾壱万七千五百円   養老保険分(前年度末ノ金額ヘ本年度収入保険料ノ四割五分ヲ加フ)
  一金四万五千四百参拾壱円 教育保険分(前年度末ノ金額ニ其五朱五厘ヲ加ヘタルモノ及ヒ本年収入保険料ヲ其三分ノ二丈ケ五朱五厘ヲ以テ増殖シタルモノ)
 支出計金弐拾四万七千六百四拾九円
      第二年 収支残金処分
一金参万参千参百九拾四円六拾銭  利益金
 之ヲ処分スルコト左ノ如シ
 一金千六百六拾九円七拾参銭   法定積立金(百分ノ五)
 一金六千六百七拾八円九拾弐銭  利益分配準備金(百分ノ二十)
 一金九千弐百六円四拾九銭    別途積立金(百分ノ二十七ノ五)
 一金参千参百参拾九円四拾六銭  役員賞与金(百分ノ十)
 一金壱万弐千五百円       株主配当金(年一割)
    第二年度末ニ於ケル会社ノ状態
一保険金額     金四百四拾弐万四千円
 内訳
  一養老保険   金参百九拾弐万四千円(初年ニハ一割二年目ニハ七分ノ死亡解約アリトス)
  一教育保険   金五拾万円
一払込資本金額   金拾弐万五千円
一責任準備金額   金拾六万弐千九百参拾五円
一法定積立金額   金千八百五拾参円八銭
一利益分配準備金額 金七千四拾五円六拾弐銭
一別途積立金    金九千弐百六円四拾九銭
      第三年 収入ノ部
一金拾六万弐千九百参拾五円 前年度責任準備金
一金参拾参万六千弐百円 収入保険料
 内訳
  一金拾万円      養老保険新契約弐百五拾万円ニ対スル分
  一金壱万円      教育保険新契約弐拾万円ニ対スル分
  一金拾九万六千弐百円 養老保険契約参百九拾弐万四千円ニ対スル分
  一金参万円      教育保険旧契約五拾万円ニ対スル分
一金弐万六百八拾参円 諸利息及ヒ配当金
 内訳
  一金壱万六千弐百円  資本金諸準備金合計弐拾七万円ニ対スル年六朱ノ利子(参万六千四十円余ハ利子ヲ生セサルモノト見做セリ)
  一金四千四百八拾参円 収入保険料ノ三分ノ一ニ対スル四朱ノ利子
 収入計金五拾壱万九千八百拾八円
      第三年 支出ノ部
一金参万六千弐百拾八円  養老保険中数保険金五百拾七万四千円ノ
 - 第7巻 p.729 -ページ画像 
千分ノ七ノ保険金支払高
一金八万七千七百八拾八円 営業費
 内訳
  一金四万五千円      社費
  一金壱万参千八百弐拾弐円 養老保険代理店手数料(収入保険料ノ三分ノ二ノ七分)
  一金壱万七千五百円    養老保険申込者壱万人ニ対スル医師報酬
  一金千六拾六円      教育保険代理店手数料(収入保険料ノ三分ノ二ノ四分)
  一金四百円        教育保険紹介手数料(新契約弐拾万円ノ千分ノ二)
一金参拾五万四千九百九拾七円 責任準備金
 内訳
  一金弐拾六万五千六百円  養老保険ニ対スル分(前年度末ノ金額ヘ本年収入保険料ノ五割ヲ加ヘタルモノ)
  一金八万九千参百九拾七円 教育保険ニ対スル分(前年度末ノ金額ニ五朱五厘ヲ加ヘタルモノ及ヒ本年収入保険料ヲ其三分ノ二丈ケ五朱五厘ヲ以テ増殖シタルモノ)
支出計金四拾七万九千参円
      第三年 収支残金処分
一金四万八百拾五円    利益金
 之ヲ処分スルコト左ノ如シ
 一金弐千四拾円七拾五銭 法定積立金(百分ノ五)
 一金八千八百六拾参円  利益分配準備金(百分ノ二十)
 一金壱万壱千五百弐拾九円七拾五銭 別途積立金(百分ノ二十八ノ二)
 一金四千八拾壱円五拾銭 役員賞与金(百分ノ十)
 一金壱万五千円     株主配当金(年一割二分)
      第三年度末ニ於ケル会社ノ状態
 一保険金額      金六百六拾参万弐千八百円
  内訳
   一養老保険    金五百九拾参万弐千八百円(初年ニハ一割、二年目ニハ七分、三年目ニハ五分ノ死亡解約アリトス)
   一教育保険    金七拾万円
一収入保険料額     金参拾参万六千弐百円(本年度分)
一責任準備金額     金参拾五万四千九百九拾七円
一利益分配準備金額   金壱万五千弐百八円六拾弐銭
一法定積立金額     金参千八百九拾参円八拾参銭
一別途積立金額     金弐万七百参拾六円弐拾四銭
  以上


〔参考〕本邦生命保険業史 会社及統計篇 第二二五頁〔昭和八年九月〕(DK070092k-0007)
第7巻 p.729-730 ページ画像

本邦生命保険業史 会社及統計篇 第二二五頁〔昭和八年九月〕
  万歳生命保険株式会社 日華生命に合併し日華万歳生命となる
 万歳生命保険株式会社は当時大日本麦酒会社取締役たりし、藤村義苗、大阪北浜銀行頭取岩下清周及渡辺亨の諸子が主唱者となり、明治
 - 第7巻 p.730 -ページ画像 
三十七年十月頃より発起計画を樹て、粟津清亮氏は依嘱されて、事業方法書をつくり、続いて柳谷謙太郎・藤本清兵衛・岡松忠利氏等十九名の関東・関西の実業家を発起賛成人に加へ、三十八年八月二十五日初めて発起人会を開き、藤村義苗氏を発起人総代となし、仮創立事務所も藤村氏宅なる京橋区明石町六十一番地に設けて創立準備を急いだ三十九年漸くその成案を得て資本金三十万円とし、同年二月二十八日東京府庁を経て主務省に出願した。然るに資本金僅少の故を以て訂正を命ぜられ、発起人相談の上これを五十万円に改めて再申請し、同年六月十八日その認可を得、本社を日本橋区室町一丁目十番地に移して八月三十一日より営業を開始した。初め社長に柳谷氏、専務に藤村氏就いたが僅か一ケ月後の九月末には既に百三十万円からの新契約申込みがあり、開業早々から好調を示した。これは株式が多数有力者に均等に分配せられた為で各株主が大口契約の申込をなしたるに由る。されば発起人及び発起賛成人の申込が中絶するや同社業績も急転激減し、その後は目覚ましき進展もなく創業二年度の四十年末に於ては二百余万円の保有契約高であつた。而して一方創立当時の持株平均主義も僅か二ケ年にして崩れ、資本金倍額増資(一百万円となる)を契機に株主間に変動があつて、岩下清周氏当社株式を多数買収して主権を握る事となつた。所で四十三年に阪神地方に銀行取付あり、当社に関係浅からぬ藤本ビルブローカー銀行の破綻は、岩下清周・藤本清兵衛両氏の退却を余儀なくせしめ、両氏所有の株式は実業界の重鎮古河虎之助氏に譲渡され、氏は当時、浮動株を買収しつゝ株主となつた島徳蔵氏と共に、大株主となり当社経営に参与することになつた。而して其後島氏は益々所有株式を集め、遂には取締役にも就任し、阪神方面には相当の活躍をなした。この期間は相当長く続いたがあまりの専断は氏の失脚を速め、大正五年七月三十日所有株は古河家に売却せられて島氏は退いた。一方この間東京本社に於ても業績挽回を計り、柳谷社長は平取締役に下り、藤村氏社長となつたが、何しろ生存保険のみで前途発展の余地もないのに鑑み、古河氏大株主となつてゐる博愛生命買収が企図され、大正五年九月十五日、臨時株主総会を開き我が国最初の保険契約包括移転が行はれ、同時に資本金は一百五十万円(五十万円増資)に増加せられた。
 併しこの頃は既に川崎家の勢力下にあり、昭和四年八月には更に日華生命に併呑されて行つた。
   ○栄一相談役辞任後モ株主トシテ関係アリ、大正四年ニ至リ所有株式ヲ渋沢同族株式会社ニ移管ス。