デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治32年4月10日（1899年）

是日、横浜在留外人ニ依リテ組織セラレタル改正条約実施準備会ハ横浜オリエンタル・ホテルニ宴会ヲ開ク。栄一出席シテ一場ノ演説ヲナス。

銀行通信録　　第一六二号・第七九四頁　明治三二年五月
　　　　○改正条約実施準備会の宴会
横浜在留外国人の組織せる改正条約実施準備会の委員は、山県総理大臣・青木外務大臣始め我朝野の貴顕紳士及商工業社会の有力者を招待し、四月十日午後七時十五分より横浜居留地オリエンタル・ホテルに宴会を開きたるに、来会者は内外人を通して無慮百三十名にして宴酣なる頃商業会議所会頭ロビンソン氏は起て、我　天皇陛下の万歳を祝し、次に山県総理大臣は立て締盟各国統治者の万歳を唱へ、夫れより山県総理大臣は三橋外務書記官の通訳を以て一場の演説をなし、次にロビンソン氏は当日の挨拶に続て将来に関する希望を述へ、次に青木外務大臣の英語演説、横浜商業会議所役員ホルム氏の独逸語演説、ナツフ氏の仏語演説あり、次に渋沢栄一氏邦語にて一場の演説をなし、又大谷嘉兵衛氏は岡田猛熊氏の通訳に依りて演説する所あり、外に目賀田種太郎・有賀長雄の諸氏交々演説し、午後十時三十分散会せり