デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

4章 鉱業
2節 石炭
1款 磐城炭礦株式会社
■綱文

第15巻 p.388-398(DK150047k) ページ画像

明治26年11月24日(1893年)

盤城炭礦社、商法ノ施行ニ依リ磐城炭礦株式会社ト改称ス。是日栄一取締役会長ト為ル。爾来明治四十二年六月六日辞任ニ至ルマデ会長タリ。

翌二十七年十一月嚮ニ浅野総一郎ト共ニ個人トシテ得タル借区特許証ヲ当会社ニ譲渡ス。


■資料

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0001)
第15巻 p.388-391 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
  磐城炭礦株式会社定款
    第一章 総則
第一条 当会社ハ磐城炭礦株式会社ト称ス
第二条 当会社ハ本社ヲ東京市京橋区本湊町九番地ニ、礦業所ヲ福島
 - 第15巻 p.389 -ページ画像 
県磐城国石城郡湯本村宇三函弐百拾六番地ニ設置ス
第三条 当会社ハ石炭ノ採掘運搬及ヒ之レヲ販売スルヲ以テ目的トス
第四条 当会社ノ資本金ハ四拾万円ニシテ之ヲ八千株ニ分チ、壱株ヲ五拾円ト為シ、株主ノ責任ハ其株金高ニ限ル
第五条 当会社ノ営業年限ハ明治廿六年十二月ヨリ満三十ケ年トス、期限満了ノ際株主ノ決議ヲ以テ営業ヲ継続スルコトヲ得
    第二章 株式之事
第六条 当会社ノ株券ハ壱株券・拾株券ノ二種ヲ作リ之ヲ各株主ニ交附ス
第七条 株券ヲ紛失シタル者ハ其事由ヲ詳記シタル請求書ニ証人二名連署シテ代券ノ交付ヲ請求スルコトヲ得、此場合ニ於テハ会社ハ費用ヲ徴シ三日間新聞紙ニ広告シ、三十日ヲ経テ故障ナキトキハ其請求ニ応スヘシ
  但株券ヲ毀損汚穢シタル者ハ株券ニ請求書ヲ添ヘ株券ト交換ヲ請求スルコトヲ得
第八条 第七条ノ場合ニ於テハ請求者ヨリ手数料トシテ株券壱通ニ付金弐拾銭ヲ徴収ス
第九条 当会社ハ株主名簿ヲ備ヘ置キ株式ノ売渡及譲渡ヲ明瞭ニ記載スヘシ
第十条 株式ヲ売買譲渡セントスルトキハ、其株券裏面ニ売買譲渡人記名捺印シ証書ヲ添ヘ名義書換ヲ請フヘシ、会社ハ之ヲ株主名簿ニ記載シ其株券ニ記名捺印シテ株式ノ移転ヲ証スヘシ、此書換料トシテ株券壱通ニ付金五銭ヲ徴収ス
第十一条 株主死去破産ニ因リ又ハ其他法律ノ作用ニ因リ、其株式ノ所有権ヲ得タル者其事実ヲ証明スレハ株主トシテ之ヲ名簿ニ記入スヘシ
第十二条 売渡譲渡若クハ其他ノ方法ヲ以テ株式ヲ取得シタル者ハ、売買記入ノ了リタル時ヨリ従前ノ株主ト同一ノ権利ヲ有シ義務ヲ負フヘシ
第十三条 株主住所姓名ヲ変更スルトキハ必ス会社ニ届出ヘシ
    第三章 取締役及監査役之事
第十四条 当会社ハ通常総会ニ於テ五拾株以上ヲ有スル株主中ヨリ取締役五名、監査役二名ヲ選挙スヘシ
第十五条 取締役ノ任期ハ三ケ年トシ、監査役ノ任期ハ二ケ年トス
  但其任期満了ノ後再選セラルヽコトヲ得
第十六条 取締役又ハ監査役ニ不時ノ欠員アルトキハ臨時総会ヲ開キ其補欠員ヲ選挙スヘシ、然レトモ取締役ニ欠員アルトキ現任者ニ於テ事務ニ差支ナク、且ツ法定ノ人員ヲ下ラサル時ハ次回ノ総会マテ補欠セサルモ妨ケナシ
  但補欠員ハ前任者ノ任期ヲ越ユルヲ得ス
第十七条 取締役ハ其所有ノ株式五拾株ヲ会社ニ預ケ在職中ハ之ヲ引出スコトヲ得ス
第十八条 取締役ハ会社一切ノ業務ヲ総括シ之ヲ施行スルノ権ヲ有ス然レトモ法律・命令・定款及総会ノ決議ヲ遵守スルヲ要ス
 - 第15巻 p.390 -ページ画像 
第十九条 取締役ハ同僚中ヨリ取締役会長一名、専務取締役一名ヲ互選スヘシ
  但専務取締役ハ内外ニ向ヒ会社ヲ代表ス
第二十条 監査役ハ取締役ノ業務施行カ法律・命令・定款及総会ノ決議ニ適合スルヤ否ヤヲ監視スヘシ
第廿一条 監査役ハ計算書・財産目録・貸借対照表・事務報告書・利足又ハ配当金ノ分配案ヲ撿査スヘシ
第廿二条 取締役及監査役ノ報酬金ハ総会ニ於テ之ヲ定ム
    第四章 株主総会之事
第廿三条 株主総会ハ通常総会・臨時総会ノ二種トス、通常総会ハ毎年二月八月ニ招集シ、臨時総会ハ取締役又ハ監査役ニ於テ必要ト認ムルトキ又ハ総株数ノ五分ノ一以上ニ当ル株主ノ請求アリタルトキ招集ス
第廿四条 総会ヲ招集スルニハ時日・場所・会議ノ目的及事項ヲ記載シタル書面ヲ以テ、会日ヨリ少クモ七日以前ニ各株主ヘ通知スルコトヲ要ス
第廿五条 株主ヨリ臨時総会ノ招集ヲ請求スルトキハ其目的事項ヲ明記シテ会社ニ差出スヘシ
第廿六条 総会ニ於テハ総株金ノ少クモ五分ノ一ヲ有スル株主ノ出席ヲ要ス
  但委任状ヲ附シタル者モ加算ス
第廿七条 総会ニ於テ出席株主定数ニ満タサレハ仮ニ決議ヲ為シ十五日以内ニ再ヒ総会ヲ招集スヘシ、其通知ニハ第一総会ノ決議ヲ明記シ且ツ第二ノ総会ニ於テ出席株主議決権ノ多数ヲ以テ第一総会ノ決議ヲ認可シタルトキハ之ヲ有効ト為スヘキ旨ヲ明告スヘシ
第廿八条 総会ノ議長ハ取締役会長之ニ任スヘシ、取締役会長差閊アルトキハ取締役代テ議長トナルヘシ、若シ又取締役出席セサレハ株主中ノ一名ヲ推シテ議長ト為スヘシ
第廿九条 株主総会ノ決議ハ出席株主議決権ノ過半数ニ依ル、若シ可否同数ナル時ハ議長ハ自己議決権ノ外決票ヲ為スコトヲ得
第三十条 株主総会ニ於テ其所有株式拾株マテハ壱株毎ニ壱個ノ議決権ヲ有シ、拾壱株以上ハ五株毎ニ壱個ヲ増加スヘシ
第卅一条 株主自カラ総会ニ出席スルコト能ハサルトキハ、委任状ヲ作リ株主中ノ一人ヲシテ代理セシムルコトヲ得
    第五章 計算之事
第卅二条 会社ノ計算期ヲ六月・十二月ノ二季ニ分チ、同期間ニ収入シタル総金額ノ内ヨリ一切ノ雑費及諸償却金・損失金ヲ引去リ、残額ヲ純益金トス
第卅三条 純益金ハ通常総会ノ決議ニ依リ、左ノ割合ヲ以テ準備金及役員賞与金ヲ引去リ、残余ヲ株主ヘ配当スヘシ
  一純益金百分之五以上   準備金
  一同   百分之十以内  役員賞与金
  一残額          株主配当金
  但計算ノ都合ニ依リ純益金ノ内幾分ヲ次ノ計算期ニ繰超《(越)》スコト
 - 第15巻 p.391 -ページ画像 
ヲ得
 明治廿六年十月廿日
   附則 株金払込之件○略ス


(盤城炭礦株式会社) 考課状 第一八回明治二七年二月(DK150047k-0002)
第15巻 p.391 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 考課状 第一八回明治二七年二月
    ○取締役及監査役撰挙ノ事
一十一月廿四日株主臨時総会ニ於テ、取締役及監査役ノ撰挙投票ヲ開札シタルニ、点数多数ヲ以テ左ノ通上任各自承諾セラレタリ
      取締役           渋沢栄一
      同             浅野総一郎
      同             渡辺治右衛門
      同             真中忠直
      同             白井遠平
      監査役           川崎八右衛門
      同             佐久間精一
一上任ノ取締役中互撰ヲ以テ渋沢栄一ヲ取締役会長トシ、承諾セラレタリ
    ○願伺ノ事
一十二月一日農商務大臣ヘ当会社定款改正ノ義ヲ出願シ、同月十五日許可セラレタリ


(盤城炭礦株式会社) 考課状 第二〇回明治二八年二月(DK150047k-0003)
第15巻 p.391 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 考課状 第二〇回明治二八年二月
    願伺届ノ事
明治廿七年十一月五日浅野総一郎・渋沢栄一両名ヨリ当会社ヘ、盤城国盤前郡内郷村鉱業特許証第二四一九号・第二四二〇号・第二四二一号・第二四二二号及同年十一月十五日同郡好間村鉱業特許証第二五三八号・同郡岩崎村鉱業特許証第二〇五号ニ対スル採掘権譲渡ノ手続ヲ了シ、特許証書換方農商務大臣ヘ出願ノ処、孰レモ同年十二月十七日付ヲ以テ本証書換下付セラレタリ


(盤城炭礦株式会社) 考課状 第二四回明治三〇年二月(DK150047k-0004)
第15巻 p.391 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 考課状 第二四回明治三〇年二月
    重役撰挙ノ事
定款第十五条ニ基キ、現任取締役ノ任期満了ニ付、其改撰ヲ行ヒタルニ、何レモ従前ノ通重任ノコトトナリタリ


(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第三六回明治三五年一二月(DK150047k-0005)
第15巻 p.391 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第三六回明治三五年一二月
    株主総会
一明治三十五年六月廿八日定時及臨時総会ヲ東京本社ニ開キ同年上半季間ノ業務報告ヲ為シ利益金分配ノ事ヲ議決シ、引続キ臨時総会ニ於テ取締役並監査役任期満了ニ付改撰候処何レモ重任ニ決シ、尚取締役会長ニ男爵渋沢栄一氏、専務取締役ニ浅野総一郎氏各就任セリ


(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第四八回明治四一年一二月(DK150047k-0006)
第15巻 p.391-392 ページ画像

(盤城炭礦株式会社) 営業報告 第四八回明治四一年一二月
    株主総会
 - 第15巻 p.392 -ページ画像 
一明治四十一年六月二十六日本社ニ於テ株主定時総会並臨時総会ヲ開キ、同年上半季間ノ業務報告及利益金分配ヲ議決シ、次テ臨時総会ニ於テ取締役及監査役任期満了ニ付改撰ノ処、前任者何レモ再撰重任セリ


渋沢栄一 日記 明治三二年(DK150047k-0007)
第15巻 p.392 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三二年        (渋沢子爵家所蔵)
二月廿四日 雨
○上略 午餐後日本鉄道会社重役会ニ列ス、議事畢テ後久米良作氏ト共ニ磐城炭坑会社ノコトニ関シテ曾根社長《(曾我)》ニ意見ヲ陳述ス ○下略
  ○中略。
三月十六日 暴風雨
○上略 午後 ○中略 唐崎恭三来リテ岩城炭坑会社ノコト及長門無烟炭会社ノコトヲ話ス、且唐崎身上ノコトニ関シ請求アレトモ承諾シ難キニ付拒絶ス ○下略
  ○中略。
四月十二日 曇
○上略 午後磐城炭坑会社重役会ニ列席ス ○下略
  ○中略。
十二月二日 晴
此日ハ磐城炭坑会社ニ於テ開坑ノ祝宴アルヲ以テ、午後ノ滊車ニテ出発ノ約アリシモ、昨来ノ風邪気全愈セサルヲ以テ、出張ヲ見合セタリ
○下略


渋沢栄一 日記 明治三三年(DK150047k-0008)
第15巻 p.392 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三三年          (渋沢子爵家所蔵)
六月二十三日 曇
○上略 午前浅野総一郎氏来ル、磐城炭坑会社専務取締役身上ニ付テ内話アリ、午後西園寺・佐久間二氏来リ同シク、其処分ノコトヲ協議セラル ○下略
  ○中略。
六月二十五日 晴
午前浅野総一郎来ル、磐城炭坑会社ノコトヲ談ス ○下略
  ○中略。
六月廿七日 晴
○上略 午後一時磐城炭坑会社株主総会ニ出席ス ○下略
六月廿八日 晴
○上略 夜十一時兜町ニ帰宿ス、此夜磐城炭坑会社ノコトニ関シ唐崎恭三氏来ル、辞表提出ノコトヲ諭示ス ○下略
  ○中略。
七月三日 曇
○上略 午後 ○中略 磐城炭坑会社ノ重役諸氏来リ、唐崎氏処分ノコトヲ内議ス ○下略


渋沢栄一 日記 明治三五年(DK150047k-0009)
第15巻 p.392-393 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三五年          (渋沢子爵家所蔵)
二月九日 晴
○上略 浅野総一郎来ル、磐城炭坑会社技師解任《(雇)》ノ件、鑿井部ニ関スル近
 - 第15巻 p.393 -ページ画像 
況及硫黄採掘ニ付テノ意見ヲ述ヘラル ○下略


渋沢栄一 日記 明治三八年(DK150047k-0010)
第15巻 p.393 ページ画像

渋沢栄一 日記 明治三八年          (渋沢子爵家所蔵)
九月十八日 雨 秋冷
○上略 午後二時磐城炭坑会社ニ抵リ、重役会ニ列シ、坑内出水現状ヲ聴聞ス、種々ノ評議ヲ決シテ ○下略
  ○中略。
九月二十五日 晴 秋冷
○上略 午前八時総野総一郎氏来リ、北海道炭山開坑ノコト及磐城炭山ニ関スル運輸計画ヲ談ス、熟考ノ上回答スヘキコトヲ約ス ○下略



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0011)
第15巻 p.393-394 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
    磐城炭礦株式会社臨時総会決議書
明治卅年四月十二日東京市京橋区本湊町九番地磐城炭礦株式会社ニ於テ株主臨時総会ヲ開ク
定款第廿八条ノ規程ニ依リ取締役真中忠直議長席ニ就ク
 議長ノ報告
  取締役会長渋沢栄一氏差支欠席ニ依リ拙者議長ノ代理ヲ為ス、御承知アランコトヲ、本会社資本金ノ総額ハ金四拾万円ニシテ其株数八千株此権理数弐千五株主人員六拾壱人《(個脱カ)》、内出席株主人員参拾壱人此権利数千四百八拾参個其株金高参拾弐万百円、欠席株主参拾人此権理数五百弐拾弐個其株金高七万九千九百円、即チ之レヲ対照スルニ何レモ過半数ナルヲ以テ開会スル旨報告セリ
    臨時株主総会議案
第一号議案
 一内郷及好間礦区開鑿ノ件
  (内郷村好間村ニ跨ル大礦区ヲ云フ)
  当会社石炭礦区小野田礦区五拾六万坪余・内郷及好間礦区弐百八拾六万坪余ノ弐ケ所ニシテ、小野田ハ目下起業ヲ竣リ専ラ営業ニ移リタリト雖トモ、内郷及好間礦区ハ今其試錐ニ着手セルヲ以テ之ニ続テハ坑道ノ掘鑿器械ノ装置附属建造物ノ建築及日本鉄道株主会社鉄道水戸岩沼線《(式)》ニ接続ノ運炭鉄道(約壱哩半)布設等一大工事ニシテ、今ヨリ着手速成ヲ期スルモ四年間ヲ費スヘキ所ナリ而シテ目下石炭ノ商況ヲ図ルニ需用ハ漸時増進シ、供給ハ其需用ニ満足ヲ与フル克ハサル現況ニシテ、四五年ノ後本礦区ヨリ一ケ年弐拾万噸内外ノ石炭ヲ採出スルモ販路ニ支障ナキノミナラズ、却テ尚ホ不足ヲ感スルノ時機ニ至ルベシ、加之本礦区ノ事業ハ当会社ノ将来最モ主眼トスル所ナルヲ以テ之ヲ開鑿シ、従来ノ小野田礦区ノ事業ト併セ執行セハ、全然営利ノ途ヲ得ルヤ明瞭ナリトス、仍テ今ヨリ本礦区ノ開鑿事業ニ着手シ当会社ノ目的ヲ全カラシメントス
第二号議案
 一資本増額ノ件
  当会社従来ノ資本額ハ金四拾万円ナリト雖モ、是レ全体ノ礦区代
 - 第15巻 p.394 -ページ画像 
ト小野田礦区ノ整備トニ充テシヲ以テ、今後ノ事業ニ対シ更ニ増資ヲ要スルガ故ニ第一号議案ニ係ル興業費予算金弐拾五万円(精算上竪坑位置ノ変更等ニ依リテハ差違アルベシ)及運転資金拾五万円ヲ合セテ金四拾万円ヲ増シ、当会社株数ヲ二倍シテ資本ヲ金八拾万円ト為シトス
第三号議案
 一増額資本募集ノ件
  第一項 第二号議案ノ増資ハ、明治卅年七月五日当会社現在株主持株壱株ニ付新株壱株ヲ割当テ募集スルモノトス
  第二項 新株ノ収得権者ハ取締役会議ノ決議ヲ以テ会社ヨリ通知スル一定ノ期日迄ニ、証拠金トシテ一株ニ付金弐円ヲ添ヘ新株ノ申込ヲ為シ之ヲ引受クヘシ、然シ期日迄ニ其申込ヲ為サヽルトキハ新株収得ノ権理ヲ抛棄シタルモノトス
  第三項 前項ノ新株収得権理ヲ抛棄シタルモノアルカ又ハ其引受ヲ望マサルモノアルトキハ、其株式ハ競売ニ附シ其益金ハ会社ノ所得トス
  第四項 新株式ニ対スル払込方法ハ総テ定款附属ニ依ルモノトス
  但第二項ノ証拠金ハ株式払込金ニ併算スヘシ
第四号議案
 一定款修正ノ件
  第一号乃至第三号議案決議ノ上ハ当会社定款ヲ左ノ如ク修正ス
   第一項定款第四条ノ四拾方円ヲ(八拾万円)トシ八千株ヲ(壱万六千株)ト修正ス
   第二項 定款附属第一条ノ明治卅年十二月迄ニトアルヲ(明治卅三年十二月迄ニ)ト修正ス
  以上原案之通可決ス
右決議シタル事ヲ確証ス、依テ左ニ署名捺印スルモノナリ
  明治卅年四月十二日      取締役  真中忠直
                 株主総代 角地藤太郎



〔参考〕第六課文書類別 農商・鉄道十明治三十年第一種(DK150047k-0012)
第15巻 p.394-395 ページ画像

第六課文書類別 農商・鉄道十明治三十年第一種 (東京府庁所蔵)
福島県石城郡ニ於テ当会社礦業鉄道敷設之儀客年六月五日附ヲ以逓信大臣之御免許ヲ蒙リ該工事竣功仕候ニ付テハ、別紙届書差出候間直チニ御進達相成候様奉願候、尤モ本件ハ当会社福島県石城郡ニ本社ヲ設ケ居候際出願ニ係ルモノニ有之候得共、其後本社ヲ東京市ニ移候ニ付今般ハ貴庁ヲ経由候次第ニ有之候、此段奉願上候也
   会社之印 東京市京橋区本湊町九番地
               磐城炭礦株式会社
                 専務取締役  唐崎恭三(印)
  明治三十年一月廿五日
    東京府知事 侯爵 久我通久殿

(別紙)
    鉄道敷設竣工届
福島県石城郡ニ於テ当会社礦業鉄道敷設之儀客年六月五日付ヲ以テ御
 - 第15巻 p.395 -ページ画像 
免許ヲ蒙リ施功候処、今般該工事線路ノ全部竣功仕候、就テハ至急運輸開始仕度候間、御監査之上運輸免許状御下付被成下度、御命令書ニ依リ此段御届申上候也
   会社之印 東京市京橋区本湊町九番地
               磐城炭礦株式会社
                 専務取締役  唐崎恭三(印)
  明治三十年一月廿五日
    逓信大臣 子爵 野村靖殿

    御請書
磐城炭礦会社湯本小野田間運輸開始免許状  壱通
 右御請仕候也
  明治三十年二月廿三日
   会社之印 東京市京橋区本湊町九番地
               磐城炭礦株式会社
                 専務取締役  唐崎恭三(印)
    東京府知事 侯爵 久我通久殿



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0013)
第15巻 p.395 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
    鉄道建設之義ニ付願
福島県磐城国石城郡ニ於テ当会社礦業鉄道敷設致度、別紙逓信大臣ヘ御進達被成下度、此段相願候也
               東京市京橋区本湊町九番地
               磐城炭礦株式会社
       
  明治卅一年三月廿一日     専務取締役  唐崎恭三(印)
    東京府知事 子爵 岡部長職殿
(別紙)
    礦業鉄道建設願
今般福島県磐城国石城郡内郷村ニ在ル当社炭礦開鑿ニ着手仕候ニ付、其産出石炭及之ニ要スル諸機械物品ヲ日本鉄道株式会社磐城線ニ聯結シテ運搬ノ為メ、右炭礦口ト磐城線ノ綴停車場トノ間礦業専用鉄道建設致度候間至急御認可被成下度、別紙目論見書・工事方法書・図面類及日本鉄道株式会社ノ承諾書共相添此段相願候也
               東京市京橋区本湊町九番地
               磐城炭礦株式会社
        
  明治卅一年三月廿一日     専務取締役  唐崎恭三(印)
    逓信大臣 男爵 末松謙澄殿



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0014)
第15巻 p.395-396 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
    磐城炭礦株式会社礦業鉄道建設目論見書
第一 本会社ハ磐城炭礦株式会社ト称ス、其本社ハ東京市京橋区本湊町九番地ニ、支店ハ礦業所ト称シテ福島県磐城国石城郡湯本村字三函二百十六番地ニ在リ、而シテ本会社ノ資本金目下ハ金四拾万円株数八千株ニシテ壱株ノ金額五拾円ナリト雖モ、事業拡張ノ為メ該資
 - 第15巻 p.396 -ページ画像 
本ヲ倍額ニ増加シ、総額金八拾万円株数壱万六千株トセントシ、明治卅年四月十二日株主臨時総会ヲ開キ之ヲ決議シ直チニ新株ノ申込人ヲ募リ其株主確定シアリ、別紙定款及株主臨時総会決議書ノ高《(写カ)》ヲ添付ス
第二 此鉄道ハ本会社ノ営業上産出ノ石炭及之ニ付附随スル需用ノ諸機械物品ヲ、日本鉄道株式会社ノ磐城鉄道線ニ聯絡シテ運搬スルヲ目的トス
第三 此鉄道線路ハ日本鉄道株式会社ノ磐城線綴停車場ヲ起点トシ、福島県磐城国石城郡内郷村字宅地内《(宮)》ノ本会社炭礦坑口線ニ到ル弐哩参鎖ニシテ、軌道幅員ハ三呎六吋トス
第四 此鉄道ノ運転ハ日本鉄道株式会社ノ機関車及貨車ヲ借受ケ之レヲ為ス
第五 鉄道建設費用ノ概算ハ左ノ如シ
  一金八万円    鉄道建設費総額
    内訳
  金参百円            測量費
  金弐千円            工事監督費
  金六千八百参拾五円九拾銭    用地費
  金壱万九千拾六円六拾銭     土工費
  金壱万四千九百円        橋梁費
  金千円             コルベルト費
  金千円             伏樋費
  金弐万七千五百三拾円五拾銭   軌道費
  金弐千弐百四拾円        停車場費
  金千弐百五拾円         諸建物費
  金弐百五拾円          電信線架設費
  金参千六百七拾七円       運送費器具費総経費及予備費等
  〆
第六 壱ケ年間線路保存費及運輸費ノ概算ハ左ノ如シ
  一金千百円           線路保存費
  一金三千百円          運輸費
  〆
第七 鉄道建設費ハ本会社ノ資本額ヲ以テ支弁シ、別ニ鉄道ノ資金トシテ募集ヲ要セス
右之通ニ候
  明治卅一年三月 磐城炭礦株式会社



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0015)
第15巻 p.396-397 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
    磐城炭礦株式会社綴宮間炭礦用鉄道線路工事方法書
本鉄道ハ日本鉄道株式会社磐城線綴停車場ヲ起点トシ、福島県石城郡内郷村大字宮地内炭礦ニ達スル延長弐哩参鎖軌隔三呎六吋ノ線路ニシテ、専ラ石炭運搬ノ用ニ供ス
一土工
 築堤ノ基面幅員ハ拾四呎ニシテ左右勾配各壱割五分トス、但シ高サ
 - 第15巻 p.397 -ページ画像 
七呎以下ハ壱割トス、切取ノ基面幅員ハ土砂ニ於テハ拾九呎ニシテ左右勾配各壱割五分トスト雖モ、岩石柔岩石ニ於テハ基面幅員拾六呎六吋乃至拾九呎ニシテ、勾配各二分五厘乃至壱割トス
一橋梁及コルベルト
 橋梁ハ新川外五箇所ニシテ其橋台橋脚ノ構造ハ別紙図面ニ示スガ如シ、之レニ架設スル鋼鉄プレイトガーダーハ曩ニ鉄道局ニ於テ御設計ニ相成リタルモノト同一ニシテ、別紙図面ニ示スガ如クコルベルトモ亦別紙模範図ニ示スガ如シ
一車輛
 本鉄道ハ日本鉄道株式会社所有ノ機関車及貨車ヲ借受ケ炭塊ノ運搬ニ供スルガ故ニ、其形状及重量ハ敢テ玆ニ記サス
一軌条
 軌条ノ形状ハ別紙図面ニ示スガ如クニシテ、重量一ヤード六十一封度半ナリ
一停車場
 内町及宮両停車場ハ別紙図面ニ示ス如クニシテ、別ニ説明ヲ要セザルニ由リ之ヲ省ク
 日本鉄道株式会社磐城線綴停車場ニ於テハスウイツバックニテ待避線ニ入リ其接合点及同構内側線布設並ニポイント位置変更等ハ同会社ト協議済ナレドモ、費用ハ其幾分ヲ負担スヘキヤ又ハ同会社ニ於テ支払フヘキヤ未定ニ付其予算ヲ設ケス、尤モ費用分担ノ節ハ予備費ノ内ヨリ支弁スベシ
                  主任技術者
                      長谷川謹介
  ○本工事方法書ニ附属セル別紙図面略ス。



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0016)
第15巻 p.397 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
(朱書)

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 送    甲方一〇六五号      明治卅一年三月十八日 



拝啓陳ハ今般福島県磐城国石城郡内郷村ニ在ル貴社炭礦開鑿ニ御着手ニ就テハ、其産出石炭及之ニ要スル諸器械物品ヲ弊社磐城線ニ聯絡シ運搬ノ為メ、該炭坑口ト綴停車場トノ間礦業専用鉄道御建設ノ上、其運輸ハ貴社小野田湯本間鉄道ノ例ニ依リ、弊社機関社及貨車《(車)》ヲ以テ取扱之件、並ニ綴停車場ニ於テ線路接続法御照会之趣拝聞仕候、尤モ設計等詳細ノ義ハ、追テ契約書ヲ以取極メ候様仕度、右御答迄如此御坐候也
  明治卅一年三月十八日
        日本鉄道株式会社印
            日本鉄道株式会社
                社長  小野義真
    磐城炭礦株式会社
    専務取締役 唐崎恭三殿



〔参考〕文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種(DK150047k-0017)
第15巻 p.397-398 ページ画像

文書類纂 農工商鉄道会社第一明治卅一年第一種 (東京府庁所蔵)
 - 第15巻 p.398 -ページ画像 
鉄第一〇三〇号
                     磐城炭鉱株式会社《(礦)》
明治三十一年三月廿一日付出願ニ係ル其社所有ノ鉱区内ヨリ採掘ノ石炭並其鉱業用物品ヲ運搬スル為メ、日本鉄道株式会社ノ磐城線綴停車場ヨリ福島県磐城国石城郡内郷村ニ至ル鉄道敷設ノ件認可ス
 但本線ニ付テモ明治二十九年六月五日付湯本磐崎間鉄道敷設ニ関シ命令シタル条件ヲ遵守スヘシ
  明治三十一年十月五日    逓信大臣 林有造
(以下朱書)
第五課長(印)
          (印)
  十一月六日受  主任(印)
第四弐経由印押捺送付書留郵便
施行済ノ上ハ完結
      十一月六日施行