公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第18巻 p.598-602（DK180056k） ページ画像
明治20年2月26日（1887年）
是日栄一会頭トシテ定式会ニ於テ明治十九年度収支決算報告並ニ明治二十年度予算案ヲ提出ス。予算案可決セラル。
東京商工会議事要件録 第二三号・第四九―六〇頁 明治二〇年三月二二日刊（DK180056k-0001）
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東京商工会議事要件録 第二三号・第四九―六〇頁 明治二〇年三月二二日刊
第十二定式会 （明治二十年二月廿六日午後四時三十分開会）
会員出席スル者 ○五十六名
○上略
次ニ会長（渋沢栄一）ハ規程第六章第三十条ニヨリ明治十九年度会計収支ノ決算ヲ報告ス
自明治十九年二月至同二十年一月 東京商工会々計収支決算報告
明治十九年二月ヨリ同二十年一月ニ至ル一年間会計収支ノ決算ハ、本会規程第六章第三十条ニ拠リテ、本月ノ定式会ニ於テ報道スヘキモノナルニ付、今其科目ヲ左ニ列記シテ、出入ノ次第ヲ明示スル事左ノ如シ
収入 支出
摘要 金額 摘要 金額
円 円
賦課金八十二名分 二、五四一・二六二 明治十九年二月中仕払 二二三・五七二
同新入会員八名分 一八〇・八〇七 同年三月中同 三二七・九一一
雑入 八五・一四二 同年四月中同 二〇九・八九七
……… 同年五月中同 二一九・四四五
……… 同年六月中同 一六九・九三二
……… 同年七月中同 一六一・二九七
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……… 同年八月中同 一四四・四七五
……… 同年九月中同 一八三・三一五
……… 同年十月中同 二四二・七六八
……… 同年十一月中同 二一一・八三九
……… 同年十二月中同 二九四・二五五
……… 明治二十年一月中同 一五八・二七五
残金 二六〇・二三〇
合計 二、八〇七・二一一 合計 二、八〇七・二一一
毎月収入ノ平均 二三三・九三四 毎月支出ノ平均 二一二・二四八
前表ニ就テ之ヲ見ルニ此一年間本会ノ収入ハ明治十九年二月廿八日ノ定式会ニ於テ議定シタル予算ニ従ヒ会員八十二名ヨリ各金参拾円〇九拾九銭壱厘ヲ徴収シタル賦課金弐千五百四拾壱円弐拾六銭弐厘（予算合計ハ金二千五百四十一円二十七銭三厘ナリシカ之ヲ課収スルニ当リ四捨五入ノ算法ヲ用ヘヒタルガ為メ実際ノ徴収高ニ於テ金一銭一厘ヲ減ズ）同年二月以後新ニ入会シタル者八名（内十九年三月入会三名同四月入会三名同十月入会一名同十一月入会一名ナリ）ヨリ徴収シタル金百八拾円八拾銭七厘及雑入金八拾五円拾四銭弐厘ノ三口ニシテ、合計金弐千八百〇七円弐拾壱銭壱厘ナリ、而シテ其支出ハ明治十九年二月ヨリ同二十年一月迄合計金弐千五百四拾六円九拾八銭壱厘ニシテ、差引金弐百六拾円〇弐拾三銭ハ即チ例ニ依リ本会維持元資トシテ積立ツベキ金高ナリトス、今更ニ此一年間支出ノ内訳ヲ細示シ以テ予算ニ比シ増減ノ理由ヲ説明スル事左ノ如シ
月次 十九年 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 二十年 合計 予算高 予算ト比較増減 二月 三月 四月 五月 六月 七月 八月 九月 十月 十一月 十二月 一月 科目 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 円 書記以下給料 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一〇、五〇〇 一一二、五〇〇 一、三二八、〇〇〇 一、三二六、〇〇〇 増 二、〇〇〇 筆墨用紙 五、〇四〇 二、一〇〇 三、一〇〇 七六〇 二、四一〇 一三〇 二、八四五 …… 四、三三五 一、四二〇 一、〇五六 二、三三〇 二五、五二六 二八、一三八 減 二、六一二 瓦斯 三〇〇 一、八〇〇 …… 四、四〇〇 …… 六〇〇 …… …… 二、一〇〇 …… 二、一〇〇 …… 一一、三〇〇 一四、九二〇 減 三、六二〇 薪炭油茶 七、〇二五 四、二五〇 一、九九五 一、三六五 一、〇二〇 二、〇六五 一、六七五 一、四二〇 二、七八〇 六、七六〇 七、六四五 八、五七六 四六、五七六 四三、六四〇 増 二、九三六 印刷代 三三、八一〇 四〇、九八六 五二、四八二 二五、五七三 一七、六二八 一七、六二八 一九、二〇九 六〇、八九七 三一、一二二 二二、四五九 二七、四八九 一八、二二八 三六七、五一一 四四一、二七八 減 七三、七六七 郵便税 二、五〇〇 二、〇〇〇 四、五〇〇 二、五〇〇 三、〇〇〇 三、六〇〇 二、六五〇 二、〇〇〇 二、五〇〇 一、〇〇〇 二、〇二〇 二、五〇〇 三〇、七七〇 四一、五三五 減 一〇、七六五 弁当代 三、二八〇 一一四、五〇〇 一四、〇〇〇 二、九〇〇 一、五〇〇 二、八五〇 一、五〇〇 一、五〇〇 九、六五〇 八、〇〇〇 一、五〇〇 一、五〇〇 一六二、六八〇 二三四、六〇〇 減 七一、九二〇 人力車代並雇人足 六、八九〇 六、九四〇 五、八七五 二、五九〇 二、三一〇 四、七一〇 一、七一〇 二、六七〇 九、〇八〇 七、四四〇 三、五九〇 四、五七〇 五八、三七五 八四、七一七 減 二六、三四二 営繕費 二七、四一〇 一四、六七〇 …… 五九、三九五 九、五六〇 …… …… …… 六〇、〇七五 …… 六九〇 …… 一七一、八〇〇 一九、九一九 増 一五一、八八一 什器買入代 一七、九六七 四、二二〇 三、一〇五 …… 一五〇 八二〇 …… …… …… 九三〇 五、六二〇 …… 三二、八一二 二七、二九二 増 五、五二〇 書籍新聞買入代 二〇〇 一三、七八〇 七、二四〇 四、二〇〇 九、九五〇 五、八〇〇 八五〇 二五〇 六、五七〇 三〇〇 二、五五〇 二、二〇〇 五三、八九〇 三七、〇二七 増 一六、八六三 以下p.600 ページ画像 臨時雇給並手当 一、七五〇 一、〇〇〇 二、五〇〇 …… …… …… …… …… …… …… 一二五、二五〇 五〇〇 一三一、〇〇〇 一六六、一〇〇 減 三五、一〇〇 雑貨 六、九〇〇 一一、一六五 四、六〇〇 五、二六二 一一、九〇四 一二、五九四 三、五三六 四、〇七八 四、〇五六 五三、〇三〇 四、二四五 五、三七一 一二六、七四一 七六、一〇七 増 五〇、六三四 計 二二三、五七二 三二七、九一一 二〇九、八九七 二一九、四四五 一六九、九三二 一六一、二九七 一四四、四七五 一八三、三一五 二四二、七六八 二一一、八三九 二九四、二五五 一五八、二七五 二、五四六、九八一 二、五四一、二七三 増 五、七〇八
一書記以下給料ノ一項ニ於テ金二円ヲ増シタルモノハ二十年一月ヨリ筆生給料ヲ増給セシニヨル
一筆墨用紙・瓦斯代・印刷代・郵便税・弁当代・人力車並雇人足ノ各項ニ於テ何レモ多少ヲ減シタルモノハ要スルニ開会ノ度数予定ヨリ少カリシニヨル
一薪炭油茶ノ一項ニ於テ金二円余ヲ増シタルモノハ十九年年末ヨリ薪炭ノ代価騰貴セシニヨル
一営繕費ノ一項ニ於テ金百五拾壱円余ヲ増シタルモノハ、傍聴席ヲ取拡ゲ及在来ノ供待所中ヘ新ニ物置ヲ取設ケタル等要スルニ臨時ノ営繕費ヲ要シタルニヨル
一什器買入代ノ一項ニ於テ金五円余ヲ増シタルモノハ、非常用ノ為メ用水桶及附属品其他卓掛ケ等ヲ新調シタルニヨル
一書籍新聞買入代ノ一項ニ於テ金拾六円余ヲ増シタルモノハ、条約改正取調其他ノ参考用トシテ欧文雑誌及ヒ書籍等ヲ購求シタルニヨル
一雑費ノ一項ニ於テ金五拾円余ヲ増シタルモノハ会員中神久右衛門経費未納残金七円余ヲ補充シ、及十九年十一月一日会員懇親会ヲ開キタル節会費不足補充金四拾余円ヲ支出シタレトモ、予算ニ其費目ナキカ為メ此項中ニ繰込ミタルニヨル
又本会維持元資金ノ収支ヲ示セバ左ノ如シ
一金四百五拾四円三拾九銭壱厘 明治十八年度決算余剰額
一金四拾九円 自明治十九年一月至同六月 半季分公債利子
是ハ十九年五月十一日受取即チ元資金中ヘ繰込ム
合計金五百〇参円三拾九銭壱厘
内
金四百三拾壱円弐拾銭 七分利附金禄公債証書
額面四百円
是ハ十九年九月十六日第一国立銀行ヘ依頼シテ買入ル但シ其相場額面百円ニ付金百七円八十銭ナリ
差引金七拾弐円拾九銭壱厘
外ニ
金六拾三円 自十九年七月至同十二月 半季分公債利子
是ハ十九年十一月十三日日本銀行ヨリ受取元資金中ヘ繰込ム
金弐百六拾円〇弐拾三銭 明治十九年度決算余剰額
合計金三百九拾五円四拾弐銭壱厘
前表ニ示スガ如ク現今本会ノ元資金ハ金禄公債証書額面千八百円、並ニ金三百九拾五円四拾弐銭壱厘ヨリ成立ツモノトス、而シテ此現金ハ追テ金禄公債証書ヲ買入レ前例ニ依リ之ヲ日本銀行ヘ保護預トスルノ
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見込ナリ
次ニ会長（渋沢栄一）ハ是ヨリ規程第五章第二十一条ニヨリ明治二十年度本会経費ノ予算ヲ議スベキ旨ヲ告ゲ書記ヲシテ議案ヲ朗読セシム
（第一号議案）
明治二十年度東京商工会経費予算
一金弐千六百〇六円 明治二十年度経費
但シ一ケ月凡金弐百拾七円余ノ見積リ
内訳
金壱千三百五拾円 書記以下給料
但シ是ハ書記両人筆生一人探訪掛一人小使一人ノ給料一ケ月金百拾弐円五拾銭ノ見積リ
金三拾円 筆墨用紙
但シ一ケ月金弐円五拾銭ノ見積リ
金弐拾四円 瓦斯代
但シ一ケ月金弐円ノ見積リ
金五拾円 薪炭油茶
但シ一ケ月金四円余ノ見積リ
金四百円 印刷費
但シ一ケ月凡金三拾三円余ノ見積リ
金三拾六円 郵便税
但シ一ケ月金三円ノ見積リ
金弐百弐拾円 弁当代
但シ是ハ議員弁当代九拾円外ニ委員弁当代及宴会費用ヲ合セ百三拾円ヲ見込ミ一ケ月凡金拾八円余ノ見積リ
金六拾六円 人力車代並諸雇人足賃
但シ一ケ月金五円五拾銭ノ見積リ
金百円 営繕費
但シ一ケ月凡金八円余ノ見積リ
金五拾円 什器買入代
但シ一ケ月凡金四円余ノ見積リ
金六拾円 新聞書籍買入代
但シ一ケ月金五円ノ見積リ
金百弐拾円 臨時諸雇給並手当準備
但シ一ケ月金拾円ノ見積リ
金百円 諸雑費
但シ一ケ月凡金八円余ノ見積リ
以上
右予算合計金弐千六百〇六円ヲ現在会員七十二名及新ニ入会ヲ請求シタル者十一名合八十三名ニ割当ツル時ハ、一名ニ付凡金三拾壱円余トナルベシ、蓋シ本年度ノ予算ハ頗ル切誥《（詰）》メタルモノニシテ殊ニ営繕費ノ如キハ近来全体ノ建物漸ク破損ヲ来シタルガ為メ、本年度ニ在リテ建物内外ノ壁塗リ替ヘ屋根ノ修覆天井ノ張リ替ヒ等ノ為メ少クモ三百余円ノ支出ヲ必要トスレトモ、賦課金ノ増加ヲ厭ヒ仮ニ之ヲ百円ト見積レリ、但シ目今会員増募中ニシテ本年度ニ於テ新ニ本会ヘ加盟スベ
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キ者前記十一名ノ外猶凡二十名アル見込ニ付、此等ノ入会者アルニ於テハ其賦課金ノ収入ヲ以テ営繕費ノ不足ヲ補充スルノ見込ナリ
右ハ衆議ノ上全会異議ナク原案ニ可決ス