デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
2款 東京商工会
■綱文

第19巻 p.396-401(DK190049k) ページ画像

明治23年8月15日(1890年)

是日栄一、当会会頭トシテ米価騰貴、糖価低落ノ原因ニ就キ沖縄商法会議所ニ回報ス。


■資料

東京商工会議事要件録 第四六号・第二―六頁 (明治二三年九月)刊(DK190049k-0001)
第19巻 p.396 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号・第二―六頁 (明治二三年九月)刊
  第二十五定式会
           (明治二十三年八月二十六日開)
  第四十二臨時会
    会員出席スル者 ○二十八名
会長(渋沢栄一)ハ開会ノ趣旨ヲ報ジ先ヅ定式会ヲ開クベキ旨ヲ告ゲ規程第五章第二十二条ニ拠リ明治二十三年上半季間定式事務ノ成跡ヲ報告ス
  自明治二十三年一月至同年六月 半季間東京商工会事報務告
○中略
    会外ノ諮問   一件
○米価騰貴並ニ糖価低落ノ儀ニ付沖縄商法会議所ヨリ問合ノ件
  明治二十三年二月九日附ヲ以テ沖縄商法会議所ヨリ米価騰貴並ニ糖価低落ノ儀ニ付問合セアリタルニ付、爾後篤ト市場ノ成行ヲ観察シ、且ツ各当業者ニ就キ夫々見込ヲ問合セタル上同年八月十五日附ヲ以テ同会議所ヘ回報シタリ


東京商工会議事要件録 第四六号・第二〇頁 (明治二三年九月)刊(DK190049k-0002)
第19巻 p.396 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号・第二〇頁 (明治二三年九月)刊
  第二十五定式会
           (明治二十三年八月二十六日開)
  第四十二臨時会
    会員出席スル者 ○二十八名
○上略
次ニ会長(渋沢栄一)ハ是ヨリ臨時会ヲ開クベキ旨ヲ告ゲ本議ニ先ダチ左ノ諸件ヲ報告ス
 一本年九月二日附《(二月九日)》ヲ以テ沖縄商法会議所ヨリ米価騰貴並ニ糖価低落ノ原因等ニ就キ問合アリタルニ付其後各当業者ニ就キ調査ヲ遂ゲ本月十五日附ヲ以テ同会議所ヘ回報シタリ(往復ノ書面ハ参考部第一号及第二号ニ掲グ)
○下略

 - 第19巻 p.397 -ページ画像 

東京商工会議事要件録 第四六号・第甲三三―四三頁 (明治二三年九月刊)(DK190049k-0003)
第19巻 p.397-401 ページ画像

東京商工会議事要件録  第四六号・第甲三三―四三頁 (明治二三年九月刊)
○参考部
(第一号)
    ○(米価騰貴並ニ糖価低落ノ原因等ノ義ニ付沖縄商法会議所ヨリ照会書)
貴所各位益御清栄奉賀候、陳ハ甚唐突ノ至ニ御座候得共現今米価ノ高貴ナルト、糖価ノ低落トハ其当ヲ得ザルガ如シ、今ヤ米穀ノ高貴ナルト砂糖ノ低落ナルハ何レニ原因セリヤ、本県ハ波濤遠隔ノ地方ニシテ其理由了知スルヲ得ズ、然ルニ今日既ニ砂糖輸出ノ頭初ナルヲ以テ大ニ関係シ、当地商人ノ大ニ苦慮スル処ニ候、就テハ甚御手数恐縮ノ至ニ候得共、前件ノ条理何卒御示諭被下度謹テ御依頼仕候也
  明治廿三年二月九日    沖縄県那覇西村百拾五番地
               沖縄商議所長
                      田代静之助
    東京商工会議所
           御中
追伸当商議所事務ノ都合ニ依リ今般西村百十五番地ヘ移転候ニ付御案内申上候、猶不相替御引立ノ程ヲ奉願候也
(第二号)
    ○(右ニ付回答書)
先般米価ノ高貴ト糖価《(低落脱カ)》ノ原因等御問合有之候ニ付、爾後篤ト市場ノ成行ヲ観察シ且ツ当業者ノ見込ヲモ相叩キ候処、右ハ頗ル緊要ノ問題ニシテ詳密ノ調査ヲ遂グルニアラザレバ精確ノ意見ヲ附シ難ク存候得共先ヅ別紙記載ノ見解ハヤヽ相当ト被存候、依テ此段別紙相添乍延引及御回報候也
  明治二十三年八月十五日    東京商工会々頭
                      渋沢栄一
  沖縄商議所長
    田代静之助殿
   (別紙)
昨年以来米価ト糖価トノ関係如何ヲ考察スルニ当リ先ツ玆ニ春来米価ト諸物価ト如何ナル方針ヲ以テ高低シタルヤヲ明示スベシ、即チ本年一月ヨリ六月ニ至ル半ケ年間東京府下ニ於ケル米及二三日用品ノ平均相場ヲ対比スレバ

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    種類   玄米中米一石ニ付   砂糖[img図]〓黒一貫目ニ付   繰綿大坂大入一円ニ付   水油伊勢水一樽ニ付   下リ酒中等一駄ニ付 年次        円         銭厘                    匁           円            円 二十三年一月   七・五七      二六七                  六一〇          九・九一         八・五〇 同二月      八・二五      二六一                  六一〇          九・八一         八・四〇 同三月      八・六七      二六一                  六三〇          九・四一         八・四〇 同四月      八・九八      二五〇                  六三〇          八・九六         八・四〇 同五月      九・二五      二四六                  六四〇          九・〇九         八・四〇 同六月     一〇・八五      二五五                  六三〇         一〇・三九         八・五〇 




ニシテ今前記各品ノ相場ニ就キ更ニ其高低ノ方針ヲ表示スル時ハ左ノ如シ○表欠ク
 - 第19巻 p.398 -ページ画像 
前表ニ就テ之ヲ見ルニ米ハ本年一月中ノ平均相場金七円五拾七銭ナリシニ爾後漸々騰貴シテ終ニ六月ニ至リ拾円八拾五銭ニ達シ即チ之ヲ一月ニ比スレバ凡四割三分強ノ騰貴ナリトス、然ルニ他ノ諸品ニ至リテハ一月以来四月ニ至ル迄其価漸次低落ノ一方ニ傾キ五六月ノ交ニ至リヤヽ其価ヲ復シタルモノアレトモ要スルニ之ヲ一月ニ比スレバ何レモ多少ノ下落ヲ見ザルハナシ(但シ水油ハ六月ニ至リ俄ニ其価ヲ騰貴シ一月ニ比スルニ凡五分ノ騰貴ナリ)是実ニ春来米価ノ諸物価ニ対スル関係ノ実況ナリ、今翻テ明治十年ヨリ同二十二年ニ至ル既往十三年間前記各品ノ価ガ如何ナル方針ヲ保持シタルヤヲ見ルニ其景況左ノ如シ


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    種類   玄米中米一石ニ付   砂糖[img図]〓黒一貫目ニ付  繰綿大坂大入一円ニ付   水油伊勢水一樽ニ付   下リ酒中等一駄ニ付 年次        円         銭厘                    匁            円           円 明治十年     五・三三六     三〇一                  七五六          一一・二二        六・二五 同十一年     六・三八五     三三二                  七九九          一二・三〇        六・一五 同十二年     七・九五五     三七六                  七五五          一〇・一六        五・六五 同十三年    一〇・五七一     四二七                  六七三           九・九二        八・三〇 同十四年    一〇・五九三     四七七                  四七五          一四・一九       一一・三五 同十五年     八・八一〇     五〇九                  四五二          一四・〇六       一〇・二五 同十六年     六・三〇九     四二七                  七七〇           九・五一        七・六五 同十七年     五・二八八     三三六                  八二二           七・四一        八・四五 同十八年     六・六〇九     二八六                  七〇五           七・七一        七・七〇 同十九年     五・九九〇     二五二                  七八八           七・四七        八・二〇 同二十年     四・九四〇     二七二                  七九六           七・三三        九・一〇 同二十一年    五・〇二五     二五五                  七一一           七・六五        八・一〇 同二十二年    五・九九〇     二五二                  六五三           八・三九        七・六〇 




前表ヲ撿スルニ米価ハ十年以来益々騰貴シテ十三四年ノ交ニ至リ其極点ニ達シ爾後二十年ニ至ル迄漸々下落シタルヲ見ルベシ、而シテ此間他ノ諸物価ガ米価ニ対シ如何ナル関係ヲ有セルヤヲ察スルニ其高低ノ度ハ固ヨリ年度ニヨリテ同ジカラズト雖トモ要スルニ其大勢ニ至リテハヤヽ米価ト同一ノ方針ヲ保持スルモノヽ如シ、然ルニ本年一月以来ノ景況ハ全ク之ニ反シ米価独リ騰貴シテ他ノ諸物価ハ単ニ之ニ追随シテ騰貴セザルノミナラズ却テ低落ノ傾向ヲ示スモノハ抑モ何ゾヤ、蓋シ明治十三四年ノ交米価ノ騰貴シタルハ要スルニ貨幣制度ノ然ラシムル所ニシテ即チ明治十年以来政府ガ多額ノ紙幣ヲ増発セラレ為メニ通貨ノ貨物ニ対スル価位漸ク減少シタルノ結果ナリトス、故ニ其米価ハ爾後政府ガ兌換制度ノ方針ヲ取ラレ通貨漸ク其価ヲ復スルニ従ヒ亦漸ク下落ノ兆ヲ呈セリ、之ヲ約言スレバ当時米価ノ高低ハ敢テ特殊ノ原因アルニアラズシテ貨物ノ通貨ニ対スル権衡上ヨリ生ジタルノ現象ニ過ギス、是ヲ以テ米価ノ騰貴スルヤ諸物価之ニ随テ騰貴シ其低落スルヤ諸物価亦之ニ従テ低落セリ、然ルニ昨年末以来米価ノ騰貴シタルハ是全ク特殊ノ原因ニヨルモノニシテ即チ米其物ノ他品ニ対スル権衡上ヨリ来リタルモノナリ、是諸物価ガ米価ト同一ノ方針ヲ保持セザル所以ニシテ今日糖価ガ米価ト一致セザルハ蓋シ亦此理由ニ外ナラザルベシ、然ラバ昨年末以来米価ノ騰貴シタルハ果シテ如何ナル原因ニヨルヤト云フニ是頗ル重大ノ問題ニシテ充分ノ調査ヲ遂グルニアラザレバ
 - 第19巻 p.399 -ページ画像 
固ヨリ精確ノ解答ヲ附シ難シト雖トモ、想フニ近来海外輸出高ノ益々増加シタルガ上ニ昨年ノ米作凶歉ニシテ之ガ為メ市場ノ供給漸ク欠乏ヲ告ゲタル事蓋シ其主因ナルガ如シ、今試ニ明治十二年ヨリ同二十二年ニ至ル十一ケ年間我国米ノ生産高並ニ其ノ海外輸出高ヲ挙示スレバ実ニ左ノ如シ


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     項目 生産高          海外輸出高 年次              石          石 明治十二年  三二、四一八、九二四     五四、三八九 同 十三年  三一、三五九、三二六     二七、二八〇 同 十四年  二九、九七一、三八三     四二、六二四 同 十五年  三〇、六九二、三二七    二六〇、三八〇 同 十六年  三〇、六七一、四九二    一七四、一六一 同 十七年  二六、三四九、八八三    四五四、八二四 同 十八年  三四、一五八、一六九    一二七、一一二 同 十九年  三七、一九一、四二四    五五五、一五三 同 二十年  三九、九九九、一九九    三五七、二八七 同二十一年  三八、六四五、五八三  一、三二五、三五三 同二十二年  三三、〇〇五、〇〇〇  一、三一〇、八五二 




前表ヲ案ズルニ明治二十年以来二十二年ニ至ル迄一方ニ於テハ米ノ生産高漸ク減少シ、一方ニ於テハ其海外輸出高漸ク増加シタルハ争フベカラザルノ事実ニシテ、之ニ加フルニ春来気候不順ニシテ世人ガ漸ク警戒ノ念ヲ生ジ一般ニ之ヲ売惜ミタル事亦幾分カ其原因ヲ助成シタルモノヽ如シ
蓋シ米ハ我国人常食品ノ主位ヲ占ムルガ故ニ其価騰貴スル時ハ需用者ハ自ラ其生計費ニ不足ヲ生ズルノ情況アリ、左レバ斯ノ如ク米価騰貴ノ際ニ当リテハ需用者ハ勢他ノ日用品ヲ節約シテ其不足ヲ補充セザルベカラズ、是他ノ日用品ノ価ガ単ニ米価ニ追随セザルノミナラズ却テ低落シテ其販売上一般ニ不振ヲ来シタル所以ナラン、然リ而シテ砂糖ノ如キ亦是日用品ノ一ニ数ヘラルヽモノナルガ故ニ此大勢ヲ免カルヽ事能ハザルハ蓋シ当然ナルノミ、以上陳述スル所ニ由リテ之ヲ観ルニ昨年末以来米価ノ騰貴シタルハ特殊ノ原因ニヨルト雖トモ、糖価ノ低落シタルハ敢テ特殊ノ原因アルニアラズシテ只米価騰貴ノ為メ他ノ日用品ト同シク全般不景気ノ影響ニヨリテ然ルモノナリト推断セザルベカラズ
今終ニ臨デ特ニ黒砂糖ノ製造ニ就キ聊カ注意スベキモノアリ、何ゾヤ、黒砂糖ハ従来ノ製造法ニ改良ヲ加ヘザル時ハ、将来市場ニ於テ其販路ヲ縮小スルノ恐ナキヤノ問題是ナリ、蓋シ近来我国ニ於テ砂糖ノ需用年々増加シタルハ著明ノ事実ニシテ、就中精良品ノ需用特ニ増加ノ傾向アルハ亦蔽フベカラザルノ事実ナリトス、今試ニ明治十三年ヨリ同二十二年ニ至ル既往十年間、各種舶来砂糖ノ輸入高ヲ挙グレバ左 ○第四〇〇頁ノ表ノ如シ
前表ヲ撿スルニ各種舶来砂糖ノ輸入高ハ明治十三年ニハ合計三百六拾余万円ニ過ギザリシニ、爾後年々増加シ同二十一二年ノ交ニハ其高六百余万円ニ達シ僅々十年間ヲ出デザルニ殆ド二倍ノ増加ヲ呈セントス
 - 第19巻 p.400 -ページ画像 

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     種類 赤砂糖          白砂糖           氷砂糖        精製砂糖       糖蜜及糖水      合計 年次              円             円          円          円          円             円 明治十三年  二、四八〇、五七九・七九  一、〇四三、四七二・四五  九四、九七〇・五七  一一、五九四・一六  …………       三、六三〇、六一六・九四 同十四年   二、二八七、一五八・〇三  一、四二〇、四八五・二六  八五、三九一・五一  二三、九四八・九〇  …………       三、八一六、九八三・七〇 同十五年   二、八八七、八八七・九三  一、五四五、八二二・九六  八三、八四三・二九  一二、〇八五・二〇  …………       四、五二九、六三九・三八 同十六年   二、五八一、六三八・八〇  一、七九九、六六三・八〇  七一、九八七・六四  一一、〇四二・八四  一二、〇一五・五二  四、四七六、三四八・六〇 同十七年   二、九一七、〇三二・四三  二、四三六、四三三・七九  七二、三二六・〇五  一六、〇八一・七二  三三、二二一・〇八  五、四七五、〇九五・〇七 同十八年   二、一四四、二九一・三一  二、五〇九、八七六・六〇  四二、一一六・〇八  一七、二九〇・九八  二七、六〇四・四四  四、七四一、一七九・四一 同十九年   一、九二八、六九七・六二  三、六二八、三一五・〇五  三三、四二八・四三  一二、九一〇・七九  三六、九八一・六〇  五、六四〇、三三三・四九 同二十年   二、四一八、八九七・六九  三、二九六、四一五・四二  一五、五一九・五六  二二、〇八七・七四  二六、三〇五・四〇  五、七七九、二二五・八一 同二十一年  二、四二八、六〇八・二二  四、四二四、七七五・八三   六、〇五二・〇〇  二六、九〇五・二二  六八、九四四・六一  六、九五五、二八五・八八 同二十二年  二、〇七八、一三八・六三  四、一二七、〇七八・一一  一一、八七八・九六  二四、二七七・六四  五一、一一九・七四  六、二九二、四九三・〇八 




然リ而シテ特ニ注意スベキハ此等各種ノ中赤砂糖ノ如キ粗雑品ノ輸入ハ毫モ増加スル事ナクシテ白砂糖精製砂糖ノ如キ精良品ニ至リテハ其輸入著シク増加シタル事即チ是ナリ、抑モ斯ノ如ク方今精良品ノ需用逐年増進スルノ際ニ当リ黒砂糖ノ如キ粗雑品ノ製造ニ甘ンズルハ製産者ノ為メニ策ノ得タルモノニアラザルベシ、蓋シ黒砂糖ノ如キ維新前ニ在リテハ其需用頗ル多ク現ニ当時毎年江戸ヘ入津セル高ノミニテモ無慮十万樽ニ下ラザリシガ、維新後舶来砂糖ノ輸入漸ク増加スルニ従ヒ其需用次第ニ減少シ今日ニ於テハ従来黒砂糖ヲ需用シタル者モ多クハ地製黒砂糖(台湾糖ノ類ヲ我国ニテ再製スルモノ)ヲ需用スルニ至レリ、今試ニ明治十八年ヨリ同二十二年ニ至ル既往五ケ年間東京府下ヨリ内国各地ヘ輸出シタル黒砂糖並ニ地製黒砂糖ノ高ヲ対比スレバ左ノ如シ

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     項目    [img図]〓黒砂糖         地製黒砂糖           量       価            量          価 年次           樽            円         樽           円 明治十八年    八、四四九   四一、九二三・〇二〇    九六、七六五    五一九、四一九・五四二 同 十九年    九、五三五   四八、六四五・八七〇   一〇八、九三六    六〇四、五七三・七一〇 同 二十年    一、五二五    七、二四二・〇八〇   一二五、三七八    六二五、四〇〇・九四〇 同二十一年   一八、二七九   九一、六五八・三八〇   一〇三、三八二    五〇九、五一三・四六〇 同二十二年    二、九八四   一五、七三五・五四二   一三一、一三五    六九三、二二五・九五四 合計      四〇、七七四  二〇五、二〇四・八九二   五六五、五九六  二、九五二、一三三・六〇六 




前表ヲ撿スルニ既往五ケ年間黒砂糖ノ輸出高ハ合計四万〇七百七拾四樽、地製黒砂糖の輸出高ハ合計五拾六万五千九百九拾六樽ニシテ、
 - 第19巻 p.401 -ページ画像 
即チ此二者ヲ対比スレバ黒砂糖一ニ対シ地製黒砂糖殆ド十四ノ割合ナリ、若シ此儘ニシテ之ヲ放任スル時ハ或ハ恐ル黒砂糖ハ今後数年ヲ出テズシテ遂ニ全ク地製黒砂糖ノ為メニ市場ヲ駆逐セラレン事ヲ、蓋シ近来需用者ガ漸ク黒砂糖ヲ嫌フニ至リタル所以ハ其製造宜ヲ得ズシテ、例ヘバ僅ニ一樽ノ中ニテモ上部ハ黒色ヲ帯ビ中部ハ赤色ヲ帯ビ、下部ハ更ニ復タ黒色ヲ帯ブルト云フガ如ク、要スルニ地製黒砂糖ノ如ク其品質ノ一定セザルニ在リ、故ニ今黒砂糖製産ノ為メニ図ルニ今後粗雑品ノ製造ハ全ク之ヲ廃シ、白砂糖ノ如キ精良品ノ製造ヲ勉ムル事蓋シ百年ノ長計ナルベシト雖トモ、若シ斯ノ如キ方法ハ容易ニ実施シ難シトセバ従来ノ製造法ニ相当ノ改良ヲ加ヘ、セメテハ地製黒砂糖ノ如ク其品質ヲ一定ニセン事ヲ望ム、今ヤ米価ト糖価トノ関係如何ヲ考察スルニ当リ聊カ玆ニ卑見ヲ附シテ黒砂糖製造者ノ一考ヲ煩ハス