デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.459-466(DK200048k) ページ画像

明治27年6月7日(1894年)

是ヨリ先赤間関商業会議所ヨリ、朝鮮貿易ニ従事セル本邦西洋形船舶ノ出入港手数料ノ軽減ニ付キ、当会議所ニ依頼スルトコロアリ。爾来当会議所運輸部ニ託シ該件ヲ調査中ナリシガ、是日栄一当会議所会頭トシテ、本邦人所有ノ外国通航船ノ出入港手数料ヲ免除センコトヲ大蔵大臣渡辺国武・逓信大臣伯爵黒田清隆ニ建議ス。


■資料

東京商業会議所月報 第一五号・第二頁 明治二六年一一月 【○同月 ○十月十六日…】(DK200048k-0001)
第20巻 p.459 ページ画像

東京商業会議所月報  第一五号・第二頁 明治二六年一一月
○同月 ○十月十六日、赤間関商業会議所ヨリ朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀ノ低減ヲ要スル儀ニ付、照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第一五号・第二―五頁 明治二六年一一月 【参照 十月十六日朝鮮貿易…】(DK200048k-0002)
第20巻 p.459-463 ページ画像

東京商業会議所月報  第一五号・第二―五頁 明治二六年一一月
    参照
 十月十六日朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ノ件ニ付、赤間関商業会議所ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
拝啓、貴所愈御昌盛奉大賀候、陳ハ別冊意見書ノ儀ハ過日神戸市ニ開キタル商業会議所聯合会ノ協議会ニ於テ各委員諸賢ノ御協賛ヲ蒙リ、弊所望外ノ幸栄不過之候、就テハ其決議ノ趣意ニ基キ更ニ貴会議所ノ御賛助ヲ仰キ度候間聊カ本案ヲ提出スルニ至リタル所以ヲ略陳仕候、別記参照明治十六年太政官布告第四十号ニ依リ長崎県下厳原・山口県下下之関及福岡県下博多ノ三港(此外二十三年勅令第五四号ヲ以テ長崎県下対馬国佐須奈及鹿見ノ二港ヲ追加セラル)ハ其地位朝鮮ニ接近シ、其貿易ヲ奨励スヘキ特別ノ事情アルヲ以テ、船舶及貨物ノ出入ニ付テハ朝鮮ニ対スル開港場トナリ、従ツテ其貿易ニ関スル手続等ハ総テ其他ノ諸外国貿易ト同一トナルヲ以テ、別記参照二十三年勅令第二百三号税関規則第一条及第三条ニ依リ出入港ノ手数料合計二十二円ヲ徴収セラルヽノ制ニ有之候、元来政府ニ於テ手数料ヲ二十二円ト定メタル当時ハ完ク今日ノ如キ我国ノ洋形船舶発達ノ有様ヲ予想セラレタルニ非スシテ、単ニ宏大ナル外国船其他ノ巨舶ニ適用スル為メ此標準ヲ立テタルモノニ外ナラスト思考致候、然ルニ我下之関外特別ノ四港ニ於ケル朝鮮国トノ交通ハ恒ニ小量ノ貨物ノ取引頻繁ニシテ、深ク小形汽船ノ利便ヲ感スルモ、如何セン、彼ノ過重ノ手数料ヲ以テ尚ホ漫然此小舶ニ適用セントスルニ依リ、意見書ニ述フルカ如キ大障碍ヲ与フルニ至リタルモノニシテ、追年貿易ノ進歩ト我国汽船ノ発達トハ我商人ヲシテ愈此不便ヲ感シ、其弊ヲ承クルニ耐ヘサラシメ、竟ニ此意
 - 第20巻 p.460 -ページ画像 
見ノ発表ヲ促シタル儀ニ御座候、右等ノ次第ニ付、貴会議所ニ於テモ至急御詮議ノ上政府ニ該意見ヲ採納相成候様御尽力被成下度、此段御照会仕候也
  明治廿六年十月五日     赤間関商業会議所
                  会頭 伊藤房次郎
    東京商業会議所
      会頭 渋沢栄一殿
  朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ヲ希望スルノ意見書
    趣旨
我赤間関港及朝鮮国間ノ貿易ニ関スル西洋形船舶ノ出入港銀ハ我帝国臣民所有ノ船舶ニ限リ出港手数料金壱円、入港手数料金二円ニ低減セラレンコトヲ希望ス
    理由
処《(虔)》テ案スルニ、我帝国及朝鮮国間ノ貿易ハ年ノ情況如何ニ従ヒ微カノ盛衰ヲ免レスト雖モ、要スルニ累歳進歩発達ノ徴アルハ吾人ノ夙ニ認ムル所ニシテ、将来益其奨励ノ途ヲ講シ、彼我ノ福利ヲ増進スルハ目下ノ急務ナリトス、而シテ我赤間関港ハ実ニ朝鮮交通ノ関門ニ当リ彼ト相隔ツル一葦水ノミ、幾ント内地ト一般ノ感アリテ我商業ノ最大成立部分ヲ形リ、其貿易ノ消長ハ直接ニ我市況ヲ撼揺スル事尤モ著大ナリ、是ヲ以テ本港ト朝鮮国トノ貿易ノ進捗上諸般ノ障碍トナルヘキモノヲ排除スヘキハ、我国家ノ利益ヲ増進スヘキ為メ洵ニ本港ノ責務ニ属スルモノト攷フ
本港ト朝鮮国トノ貿易ハ曩キニ明治十六年太政官第四十号布告ヲ以テ総テ他ノ外国貿易ノ手続ニ依リ日本人所有ノ船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ許可セラレ、日本形船舶ニ限リ出港手数料正金一円、入港手数料正金二円ヲ徴収セラルヽ事トナレリ、是ヲ以テ其他ノ西洋形船舶ハ我帝国臣民及外国人所有ノ如何ニ拘ラス明治二十三年勅令第二〇三号税関規則第一条及第三条ニ依リ、都テ入港手数料十五円、出港手数料七円ヲ納メサルヲ得ス、其懸隔其レ此ノ如ク甚シクシテ本港ヨリ朝鮮ヘ航行スル若クハ朝鮮ヨリ帰港スル船舶ハ縦令小額ノ貨物ト雖トモ一旦積卸ヲナストキハ直チニ一時二十二円ヲ税関手数料トシテ徴収セラル、故ニ苟モ我帝国ノ船舶ニシテ朝鮮ニ航路ヲ有シ毎月二十有余回ノ航通ヲナス日本郵船会社及大阪商船会社ノ如キ、本港ヨリ貿易貨物ノ搭載ヲ依託スルモ其貨物ノ運賃ニシテ若シ出入港銀二十二円ヲ収メテ尚ホ余贏アルニアラサルヨリハ決シテ其運送ヲ肯セス、為メニ我商人ハ或ハ便宜他ノ貨物ノ集マルヲ量リ、適当ナル運賃ヲ支払得ヘキ数量ニ達スルヲ俟チテ次回ノ便船ニ託スルカ、或ハ内国通航船ニ頼リ長崎ニ迂回セシムルノ窮策ヲ執ラサルヲ得ス、又朝鮮国ヨリ本港ニ当テ送出スヘキ貨物モ若シ其額僅少ニシテ少クトモ本港ニ於テ出入港銀ヲ納入シ得ヘキ運賃ニ達セサル間ハ、同シク該地ニ於テ其積載ヲ拒ムノ止ヲ得サルニ至ル、斯ノ如キ大不便ニシテ不利益ノ非常ナル事ハ本港商人ノ痛嘆措カサル所ニシテ、為メニ商機ヲ失シ損害ヲ蒙ル事著シク、或ハ貨物ノ性質ニ依リ再ヒ輸出ニ適セサルニ至ルノ難ヲ免カレス、或ハ従来本港ニ頼リテ出入セシ特種ノ商品モ遂ニ其形跡ヲ止メサルニ至レル
 - 第20巻 p.461 -ページ画像 
モノアリ、今試ニ最近ノ調査ニ拠リ郵船会社及商船会社ノ船舶ガ定期朝鮮航通ノ際本港ニ寄港セルモ、貨物運賃ノ港銀二十二円ニ達セザルニ依リ全ク積卸ヲ謝絶セルモノヲ見ルニ、郵船会社ニ於テ廿五年八月ヨリ二十六年七月ニ至ル一ケ年間入港船数百〇一ニシテ揚荷ヲナセルモノ僅ニ三十三、出港船数百〇二ニシテ積荷ヲナセルモノ五十四、此レヲ通算スルニ二百〇三艘ノ出入アルニ対シ我ハ僅々其八十七艘ヲ利用シ得タルニ過キス、商船会社ノ如キニ至リテハ更ニ酷シキモノアリ客年七月ヨリ本年六月ニ至ル一年間ニ於テ本港ヨリ朝鮮航行ノ船数四十九ニシテ積荷ヲナセルモノ寥々五艘ノミ、嗚噫其余ハ皆本港ニ於テ全ク貨物ノ積卸ヲ拒絶シタルモノニシテ、至竟出入港銀ノ比較的ニ多額ヲ要スルニ起因シ敢テ委託貨物ノ皆無ナルニアラサルハ、二会社ノ亦常ニ惜ンテ同情ヲ表セル所ナリトス、斯ノ如キ不便アルニ依リ、我商人ハ安全堅牢ニシテ且ツ迅速ナル西洋形船ノ定期寄港スルアルモ毎次必ス其貨物ヲ搭載セラルヽ確信ヲ有スル事能ハスシテ、朝鮮国ヨリノ輸入モ亦期日ノ予定ヲ得ルコト難ク、終ニ忍ンテ日本形船運賃ノ低廉ナルヲ利シ、時日ノ遷延ト危険トヲ甘受シ之ヲ輸送スルモノ多キニ至ル、之ニ依リテ朝鮮航通ハ日本形船ノ跋扈スルコト特ニ甚シクシテ或ハ窃ニ名ヲ修繕ニ仮リ新タニ五百石以上ノ船舶ヲ建造スル者アラントスルニ至ル、果シテ此ノ如クナレハ明治十八年七月布告第十六号五百石以上ノ日本形船舶製造禁止令ノ精神或ハ貫徹セラルヽコト能ハサランカヲ恐ル、而シテ彼ノ西洋形船港銀ノ過大ナル為メニ生スル一層著シキ弊害ハ、彼我両国間ニ盛ニ行ハルヽ密航密商ニ在リトス、抑モ密貿易ノ貨物ハ概ネ日本形船舶ニ依テ転送セラルヽモノニシテ、既ニ前述ノ如ク日本形船ヲ利用スルモノ多々ナルニ於テハ従テ密航密商ヲ媒介スルコト倍々多キハ固ニ其所ナリ、且ツヤ其密貿易ニ従事スル者ト雖モ全然予メ悪意ヲ有シ危険ヲ冒シ法網ヲ脱スルコトヲ謀ルモノノミニ非ス、若シ本港ニ寄港スル西形形船ニシテ定期毎次ニ積荷ヲ為スノ保信ヲ有スルトキハ、本港附近ノ貨主ハ必ス其貨物ヲ本港ニ輸送シテ迅速ニ其目的地ニ送達スルヲ得ヘシ、爰ソ自ラ苦ンテ峻厳ナル法令ニ触ルヽノ痴愚ヲ学ハンヤ、然レトモ敢テ之レヲ以テ全然西洋形船港銀ノ過重ナルニ帰スヘカラスト雖モ、大抵其貨物転送ノ急速ヲ要スルヨリ積荷ノ便ノ確保ナキ本港ヘ回送スルヨリハ寧ロ直チニ該国ヘ航スルノ優レルニ如カスト為シ、遂ニ法令ヲ犯ス者多キハ彼等実際ノ情状ナルヲ知レハ蓋シ思半ニ過クルモノアラン、然リ而シテ本市及朝鮮国間ノ貿易品ノ主要ナルモノヲ撿スルニ、輸入品ニ於テハ獣皮・牛骨・干鰮・薬材等ノ如キ有税品ハ其額較ヤ多カラスシテ、穀物等ノ如キ無税品ハ其大部分ヲ占メ、輸出品ニ至テハ其有税ナルモノ殆ント見ル可カラスシテ食塩・石油・醤油・酒類・陶器・木材・煙草等ノ如キ無税品ノミ、之ヲ本港関税総額ニ徴スルニ、廿五年度ニ於テ輸出税額五百〇八円九拾参銭壱厘、輸入税額四千四百十二円拾銭四厘ニシテ、合計四千九百二十一円〇三銭五厘ナリ、而シテ之ニ対スル出入港銀ハ亦実ニ通計四千百円トナス、是レ幾ント悉ナ朝鮮貿易ニヨリ収ムル所ノ出入港銀ニシテ関税総額ト相匹敵スルノ奇観ヲ呈セリ、凡ソ貿易品ノ関税ヲ免除スル所以ハ各々無税トシテ其出入ヲ容易ニスルノ利益必要ア
 - 第20巻 p.462 -ページ画像 
リテナリ、然ルニ本港ノ朝鮮貿易ノ如キ幾ント無税品ノミヲ以テ成立ツ所ニ於テ、一方ニハ出入港銀ノ斯ク多額ニ上ルトスレハ之レニ頼リテ更ニ異質ノ関税ヲ課スルカ如キノ結果ヲ来シ、或ハ賦課ノ権衡其当ヲ失ハサルヤヲ疑フナリ、是ヲ以テ本会議所ノ切ニ政府ニ希望スル所ハ、本港ト朝鮮国トノ貿易ニ関シテハ西洋形船舶ト雖トモ、我帝国臣民所有ノモノニ限リ日本形船舶ト同額ニ、前趣旨ニ陳フルカ如ク出入港銀ヲ低減セラルヽニ在リ、今ヤ朝鮮貿易ハ大ニ進歩ノ好望ヲ有シ、我西洋形船舶航通ノ拡張セル今日、此両形船舶間ニ其等差ヲ立ツルノ必要果シテ那辺ニカアル、況ンヤ該国トノ諸般ノ交通ハ殆ント既ニ内地ト一般ノ便宜ヲ与ヘラレタルモノアルオヤ、郵便取扱上ノ手続等ノ如キ此レ其一例ナリ、若シ夫レ之ヲシテ常ニ大額ノ貨物ヲ流転スル他ノ開港場若クハ外国船ニ適用スルモノナラシメハ或ハ不可アラン、然レトモ本港ノ如キ絶ヘス少額ノ貨物ノ取引頻繁ナル所ニアリテハ又特殊ノ途其間ニ存セサルヲ得ス、本港年々百万円内外ニ達スル貿易ハ皆此少額ノ貨物ヲ積算シテ得タルモノナリ、仮リニ以上ノ支障ナシトスレハ其額ノ増加更ニ見ルヘキモノアリシナラン、以上ノ理アルニ依リ幸ニシテ鄙見ノ容レラルヽアレハ、本港ノ定期寄港船ハ毎次貨物積卸ノ手続ヲ了シ、集散序ヲ紊ラス其額由テ以テ倍蓰シ、我商人モ期ヲ失ハスシテ安シテ其業務ニ従事スルコトヲ得、従ツテ朝鮮貿易ハ一層ノ進捗開発ヲ促カシ、港銀ノ収入遂ニ或ハ従前ト大差ナキニ至ルヘク、而シテ之ニ随伴スル諸種ノ弊害ヲ除キ、日本形船濫用ノ危険ヲ防キ、密航密商ノ悪習ヲ矯ムル等積極的・消極的ノ利益ハ蓋シ愈較著ナラント信スルナリ
 参照
 太政官布告第四拾号 明治十六年十二月七日
 明治十七年二月一日ヨリ明治九年十月第百弐拾九号布告ヲ廃止候条、朝鮮国トノ貿易ハ総テ他ノ外国貿易ノ手続ニ依ルヘシ
  但当分ノ内各開港場ノ外長崎県下対馬国厳原、山口県下長門国下ノ関、福岡県下筑前国博多ノ三港ニ限リ、朝鮮国貿易ニ関スル日本人所有ノ船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ許シ、日本形船舶ニ限リ出港手数料トシテ正金壱円、入港手数料トシテ正金弐円ヲ徴収ス
  (参着)《(看カ)》明治九年十月第百弐拾九号布告
  自今朝鮮貿易品ハ輸出入品トモ日本国内地ニテ諸物品ヲ運送スルト同様ニ相心得、輸出セント欲スル物品ハ開港場ハ税関、其他ハ出船地ノ区務中ヨリ荷物送リ状ニ撿印申受、朝鮮国開港場派出ノ日本管理官ヘ右送リ状差出、朝鮮地方ヘ輸入済ノ撿印ヲ申受、日本国ヘ帰着ノ後最前出船セシ元地ヘ右送リ状可届返候、朝鮮国ヨリ輸出シ来ル物品ハ送状ヘ管理官ノ撿印申受、日本国各地ヘ陸揚セントスル節右撿印有之送リ状ヲ其地税関又ハ区務所ヘ差示シタル上陸揚ケ可致候、此旨布告候事
 税関規則 明治廿三年九月 勅令第二百三号
 第一条 外国通航船入港シタルトキハ、其船長ハ入港ノ時ヨリ四十八時内ニ入港届書及積荷目録ヲ税関ニ差出ト同時ニ、船籍証書・船舶登記証書・船鑑札及仕出港ノ出港免状若クハ之ニ代ルヘキ証
 - 第20巻 p.463 -ページ画像 
憑書類ヲ税関ニ預ケ、入港手数料拾五円ヲ納ムヘシ、但貨物ヲ積卸セスシテ入港ノ時ヨリ四十八時内ニ出港スル者ハ此手数ヲ為スニ及ハス
 第三条 外国通航船出港セントスルトキハ其船長ハ出港ノ時ヨリ二十四時前ニ出港届書ヲ税関ニ差出シ、出港手数料七円ヲ納メ第一条ニ依リ税関ニ預ケタル船籍証書・船舶登記証書・船鑑札及証憑書類ヲ受戻シ、出港免状ヲ受クヘシ


東京商業会議所月報 第一六号・第三頁 明治二六年一二月 【○同月 ○一一月十三…】(DK200048k-0003)
第20巻 p.463 ページ画像

東京商業会議所月報  第一六号・第三頁 明治二六年一二月
○同月 ○一一月十三日午前十時、本会議所仮事務所ニ於テ運輸部会ヲ開キ朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ノ件ヲ審議シ、且ツ同部会規則第五条ニ依リ幹事ノ選挙ヲ施行シ、午後十二時三十分閉会ス、其選挙ノ結果ハ左ノ如シ
                 幹事 益田克徳君


東京商業会議所月報 第二二号・第二頁 明治二七年六月 【○同月 ○五月二十一…】(DK200048k-0004)
第20巻 p.463 ページ画像

東京商業会議所月報  第二二号・第二頁 明治二七年六月
○同月 ○五月二十一日午前十時、本会議所仮事務所ニ於テ運輸部会ヲ開キ、朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ノ件ヲ審議シ、午前十一時二十分閉会ス


東京商業会議所月報 第二三号・第六頁 明治二七年七月 【○六月五日午後六時、本会議所事…】(DK200048k-0005)
第20巻 p.463 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第六頁 明治二七年七月
○六月五日午後六時、本会議所事務所ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員三十三人ニシテ、左ノ件々ヲ審議シ、午後十時四十分閉会ス
○中略
 (第五)
  朝鮮貿易ニ関スル西洋形船舶出入港銀低減ノ儀ニ付調査報告ノ件(運輸部提出)
本件ハ全会一致ヲ以テ原案ニ可決ス


東京商業会議所月報 第二三号・第八頁 明治二七年七月 【○同月 ○六月七日、…】(DK200048k-0006)
第20巻 p.463 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第八頁 明治二七年七月
○同月 ○六月七日、本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料免除ヲ要スル儀ニ付、大蔵大臣及逓信大臣ヘ建議書ヲ進達ス(建議書ノ全文ハ参照ノ部第一号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第二三号・第八―一〇頁 明治二七年七月 【○参照第一号 六月七日、本邦人所…】(DK200048k-0007)
第20巻 p.463-465 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第八―一〇頁 明治二七年七月
○参照第一号
 六月七日、本邦人所有ノ外国通港船出入港手数料免除ヲ要スル儀ニ付、大蔵・逓信両大臣ヘ進達シタル建議書ハ左ノ如シ
    本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料免除ヲ要スル儀ニ付建議
謹テ明治二十三年九月六日勅令第二百三号ヲ以テ公布セラレタル税関規則ヲ案スルニ、其第一条及第三条ニ左ノ規定アリ
 第一条 外国通航船入港シタルトキハ、其船長ハ入港ノ時ヨリ四十八時内ニ入港届書及積荷目録ヲ税関ニ差出ト同時ニ、船籍証書・
 - 第20巻 p.464 -ページ画像 
船舶登記証書・船鑑札及仕出港ノ出港免状若クハ之ニ代ルベキ証憑書類ヲ税関ニ預ケ、入港手数料拾五円ヲ納ムベシ、但貨物ヲ積卸セスシテ入港ノ時ヨリ四十八時内ニ出港スル者ハ此手数ヲ為スニ及ハズ
 第三条 外国通航船出港セントスルトキハ、其船長ハ出港ノ時ヨリ二十四時前ニ出港届書ヲ税関ニ差出シ、出港手数料七円ヲ納メ、第一条ニ依リ税関ニ預ケタル船籍証書・船舶登記証書・船鑑札及証憑書類ヲ受戻シ、出港免状ヲ受クベシ
此規定ニ拠ル時ハ、本邦人所有ノ外国通航船カ各開港場ニ於テ貨物ヲ積卸スル時ハ、其積量ノ多少ヲ問ハス総テ入港手数料拾五円、出港手数料金七円ヲ納メサルヲ得ス、此規定ハ要スルニ外国貿易ノ発達ヲ阻害スルノ結果アリト信スルニ付、本会議所ハ玆ニ本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料ヲ免除スルノ意見ヲ具シ、敢テ閣下ニ建議スル所アラントス
蓋シ外国通航船ガ貨物ヲ積卸スルニ当リ之ニ出入港手数料ヲ課スルトキハ、之カ為メ其貨物ノ運賃ヲ増シ以テ市価ヲ高ムルノ結果ヲ生スルノミナラス、此手数料タル積卸貨物ノ積量如何ヲ問ハス均一ニ徴収スルノ規定ナルヲ以テ、此等ノ船舶カ各開港場ヘ寄航スルニ当リ偶々其寄航地ノ商業者ヨリ外国ヘ輸出スベキ貨物ノ積載ヲ委託セラルヽコトアルモ、若シ其貨物少量ニシテ其運賃ガ手数料ヲ支弁スルニ足ラサルトキハ船主ハ不得止其委託ニ応セサルニ至ル、是レ貨主ガ特ニ困難ヲ感スル所ナリ、今試ニ其一例ヲ挙ケンニ、現ニ山口県下長門国下ノ関ノ如キハ明治十六年十二月七日太政官布告第四十号ニ依リ、朝鮮貿易ニ関スル本邦人ノ所有ニ係ル船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ特許セラルヽノ港ニシテ、日本郵船会社又ハ大阪商船会社所有ノ船舶ノ如キハ朝鮮ヘ定期通航ノ際此ニ寄航スルコト毎月二十回以上ニ及フト雖モ、出入港手数料ノ規定存スルカ為メ貿易上ニ之ヲ利用スルヲ得スシテ、為メニ非常ノ不便ヲ感スルト云フ、夫レ長門国下ノ関ノ如キハ朝鮮交通ノ要衝ニ当リ、将来本邦ト朝鮮国トノ貿易上最モ属望スベキノ土地ナルニ拘ハラス、其貿易未ダ充分ノ発達ヲ為サヽルモノハ、要スルニ本邦人所有ノ外国通航船ヨリ出入港手数料ヲ徴収スルノ結果タラズンハアラス、以テ此出入港手数料ノ規定ガ外国貿易ノ発達ヲ阻害スルノ一端ヲ証スルニ足レリ
且ツ夫レ此規定ハ単ニ実際上ニ於テ外国貿易ノ発達ヲ阻害スルノ結果アルノミナラス、猶道理上ニ於テモ大ニ其当ヲ得サル者アリ、抑モ税関規則中本邦人所有ノ外国通航船ニ出入港手数料ヲ課スルノ規定ハ安政年間本邦ト欧米各国トノ間ニ締結セル貿易規定中「噸税ハ日本各開港場ニ於テ取立ツル事ナシ、但入港手数料十五弗、出港手数料七弗ヲ運上所ニ差出スヘシ」トノ約款ヲ標準トシテ之ヲ制定セラレタルモノナラン、蓋シ各港ヲ出入スル船舶ヨリ此種ノ手数料ヲ徴収スル所以ノモノハ、畢竟之ヲシテ港内ノ浚渫修築若クハ沿岸各地ニ設置シタル航路標識等ノ費用ヲ負担セシムルノ主旨ニ外ナラズシテ、現ニ本邦人所有ノ船舶ガ外国ノ各港ヲ出入スルニ際シテハ通常ノ出入港手数料ハ勿論、猶灯台税・噸税若クハ碇泊料等ノ名義ヲ以テ課税セラルヽコト殆
 - 第20巻 p.465 -ページ画像 
ト其常例ナレハ、今噸税ノ負担ヲ免ルヽ外国人所有ノ船舶ガ本邦ノ各港ヲ出入スルニ際シ此種ノ手数料ヲ徴収スルハ固ヨリ当然ノ規定ナルヘシト雖モ、本邦人所有ノ船舶ハ既ニ明治十六年四月太政官布告第十三号船税規則ニ依リ毎年積量百噸ニ付西洋形滊船ハ十五円、同帆船ハ十円ノ船税ヲ上納スルヲ以テ既ニ充分ノ責務ヲ尽シタルモノナレハ、之ニ出入港手数料ヲ課スルハ豈其当ヲ得タルモノナランヤ、況ンヤ本邦ノ如キ海国ニ在リテハ特ニ海運ヲ保護奨励シテ以テ外国貿易ノ発達ヲ助長スルノ必要アルニ於テオヤ、由是観之本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料ヲ免除スルハ道理上最モ適当ノ処置ナリト信スルナリ
以上陳述スルカ如キ理由ナルヲ以テ、仰キ願ハクハ閣下本建議ノ趣旨ヲ採納シテ税関規則ニ相当ノ改正ヲ加ヘラレ、本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料ヲ免除セラレンコトヲ、然リ而シテ明治十六年十二月七日太政官布告第四十号並ニ明治二十三年三月二十七日勅令第五十四号ニ拠レハ、長崎県下対馬国厳原・佐須奈・鹿見、山口県下長門国下ノ関、福岡県下筑前国博多等ノ諸港ニ於テ朝鮮貿易ニ関スル本邦人所有ノ船舶ノ出入及貨物ノ積卸ヲ特許セラレ、而シテ日本形船舶ニ限リ出港手数料正金壱円、入港手数料正金弐円ヲ徴収セラルヽノ規定ナリト雖モ既ニ税関規則ヲ改正シテ本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料ヲ免除スベシトスル以上ハ、此等日本形船舶ノ出入港手数料モ亦此趣旨ニヨリテ全然之ヲ免除セラレンコトヲ望ム、此段本会議所ノ決議ニ依リ建議仕候也
  明治二十七年六月七日
             東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    大蔵大臣    渡辺国武殿
                  (各通)
    逓信大臣 伯爵 黒田清隆殿


第四回東京商業会議所事務報告 第一―二頁 明治二八年四月(DK200048k-0008)
第20巻 p.465 ページ画像

第四回東京商業会議所事務報告  第一―二頁 明治二八年四月
一本邦人所有ノ外国通航船出入港手数料免除ヲ要スル儀ニ付、大蔵・逓信両大臣ヘ建議ノ件
 本件ハ前回ニ報告シタル如ク第二回商業会議所聯合会ノ決議事項ニ係リ、兼テ運輸部ニ於テ調査中ノ処其後同部ニ於テ審議ノ末、凡本邦人所有ノ船舶出入港手数料ハ全然免除スベシト決シタル旨ヲ以テ大蔵・逓信両大臣ヘノ建議書案ヲ添ヘ報告シタルニ付、明治二十七年六月五日第三十四回ノ臨時会議ノ可決ヲ経、同月七日附ヲ以テ左ノ如ク渡辺大蔵大臣及ヒ黒田逓信大臣ヘ建議シタリ
   ○建議文ハ月報所載ノモノト同一ニツキ略ス。



〔参考〕明治財政史 同史編纂会編 第七巻・第七一―八五頁 明治三七年一一月刊(DK200048k-0009)
第20巻 p.465-466 ページ画像

明治財政史 同史編纂会編  第七巻・第七一―八五頁 明治三七年一一月刊
 ○ 第六編 第二章 第二項 明治二十三年以後ノ沿革
     第一目 明治二十三年発布ノ税関法規
明治二十二年二月十一日ヲ以テ帝国憲法発布セラレ諸制度整備ノ期ニ際シ、税関ニ関スル規則モ亦制定セサルヘカラサルヲ以テ、玆ニ税関規則ヲ編纂シ、明治二十三年五月一日之ヲ閣議ニ提出シタリ、其編纂ノ要旨ハ、本邦ノ外国貿易ハ逐年旺盛ニ赴キ、随テ内地人民通商航海
 - 第20巻 p.466 -ページ画像 
ノ業ニ従事スル者日ニ多キヲ加ヘ復往年ノ比ニアラス、然ルニ従来外国貿易ニ関シテハ内外人ノ別ナク渾テ貿易章程ノ条項ニ遵依セシメ、船舶ノ出入、貨物ノ積卸ヨリ其罰例ニ至ル迄一ニ之ヲ適用シ来レリ、抑々貿易章程ハ内地人民ノ未タ海外通商ノ業ニ従事セサルノ時ニ成レルモノナレハ、往々内地人民ニ対シ適合セサル事項尠カラス、加之世運亦曩日ニ異ナリ諸制度漸ク整備ニ至ラントスルノ時ナルヲ以テ、此際適当ノ規則ヲ制定シ内地人民ヲシテ之ニ遵依セシムルハ最モ緊要ノ事項ナリトス、然レトモ外国貿易ノ事タル各国条約ト彼此関聯セルヲ以テ、縦令内地人民ニノミ適用スヘキ法規ト雖モ、現行条約ノ存スル間ハ之ト権衡ヲ保持セシメサルヲ得ス、故ニ税関規則ハ現行ノ貿易章程ニ逕庭セサルヲ旨トシ、之ヲ編纂セサルヲ得ス、従テ之カ完備ヲ期スルヲ得サリシナリ、而シテ該規則ハ明治二十三年九月六日法律第八十号ヲ以テ公布セラレ同年十一月一日ヨリ施行セラル、又同法ノ発布ト同時ニ同法施行ニ関スル税関規則ヲ公布シ、関税法ノ施行期日ト同時ニ施行セラレタリ、右税関法及税関規則ハ左ノ如シ
○中略
外国ニ通航スル内国船舶ハ税関規則第一条及第三条ニ依リ入港ニハ拾五円、出港ニハ七円ノ手数料ヲ税関ニ納ムヘキモノナルヲ以テ、日本形船ト雖モ朝鮮貿易ニ関スル明治十六年第四十号布告但書ノ特例ニ依ルモノヽ外ハ西洋形船ト同額ノ手数料ヲ納メサルヘカラス、而シテ明治十六年第四十号布告但書ニ於テ朝鮮貿易ニ従事スル日本形船ノ入港手数料ヲ弐円ニ、出港手数料ヲ壱円ニ軽減セラレタルハ畢竟日本形船ヲシテ過重ノ負担ヲ免レシメ以テ朝鮮国トノ貿易ニ便利ヲ与ヘタルニ外ナラス、然ルニ日本形船ノ外国ニ通航スルハ独リ朝鮮国ノミナラス露領沿海州等ニモ亦航行スルモノナレハ等シク東洋貿易ニ従事スル日本形船ニシテ其仕向国ニ由リ入出港手数料ヲ異ニスルハ其当ヲ得タルモノニ非ルヲ以テ、日本形船ノ入出港手数料ハ其仕向国ノ如何ニ拘ラス総テ入港手数料ヲ弐円ニ、出港手数料ヲ壱円ニ軽減シ、東洋貿易ニ従事スル日本形船ノ負担ヲ均一ナラシメンコトヲ閣議ニ提出シ、明治二十九年十月二十六日勅令第三百五十号ヲ以テ左ノ如ク公布アリタリ
 帝国臣民所有ノ日本形船ニ限リ、明治二十三年勅令第二百三号税関規則第一条ノ入港手数料ハ弐円、第三条ノ出港手数料ハ壱円トス
 本令ハ明治二十九年十一月一日ヨリ施行ス