デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.2.19

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第20巻 p.637-691(DK200083k) ページ画像

明治28年12月24日(1895年)

是ヨリ先、農商務省商工局及ビ東京府知事ヨリ当会議所ニ対シ朝鮮事変ノ商工業ニ及ボセシ影響ニ就キ調査ヲ依頼シ来リシガ、是日栄一、右件ニ就キ当会議所会頭トシテ商工局長安藤太郎・東京府知事三浦安ニ答申ス。


■資料

東京商業会議所月報 第二三号・第八頁 明治二七年七月 【○同月 ○六月十四日…】(DK200083k-0001)
第20巻 p.637 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第八頁 明治二七年七月
○同月 ○六月十四日、朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ホス影響調査ノ儀ニ付農商務省商工局長ヨリ照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部第五号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第二三号・第一九―二〇頁 明治二七年七月 【○参照第五号 六月十四日、朝鮮事…】(DK200083k-0002)
第20巻 p.637-638 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第一九―二〇頁 明治二七年七月
○参照第五号
 六月十四日、朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ホス影響調査ノ儀ニ付、農商務省商工局長ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
今回朝鮮事件ノ為メ船舶運輸ノ便利ヲ減殺シ、其他本件ニ原因シテ其市街ノ商工業ニ及ホス影響、就中左ノ事項至急調査ノ上御申報有之度此段及御照会候也
  明治二十七年六月十三日
             農商務省商工局長 若宮正音
 - 第20巻 p.638 -ページ画像 
 東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
   調査事項
  一 商品停滞欠乏ノ情況
   但其数量ヲ知ルヲ得ハ更ニ妙也
  二 価格ニ及ホス影響
  三 金融ニ及ホス影響
  四 工業品ニ及ホス影響
  五 水産物ニ及ホス影響
  六 農作品ニ及ホス影響
  七 鉱業ニ及ホス影響(坑業ヲモ含ム)
   但若シ其地ニ鉱業アラハ
  八 海運以外ノ運輸機関及通信方法ニ及ホス影響
  九 労働者ニ及ホス影響
  十 其他経済上ニ及ホス影響
  追テ本件調査ハ他日経済上ノ影響ヲ考査審断スルニ就テ最モ必要ノ資料トナルベキモノニ候処、此際急速調査致サヽレハ後日ニ至リテハ其材料ヲ失スル儀ニ付、特ニ御注意ノ上至急調査相成度此段切ニ希望候也


東京商業会議所月報 第二三号・第七頁 明治二七年七月 【○同月 ○六月二十三…】(DK200083k-0003)
第20巻 p.638 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第七頁 明治二七年七月
○同月 ○六月二十三日午前十時、本会議所事務所ニ於テ役員会議ヲ開キ農商務省商工局長ノ照会ニ係ル朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ホス影響ノ件其他数件ヲ審議シ、午前十時四十五分閉会ス


東京商業会議所月報 第二三号・第七頁 明治二七年七月 【同月 ○二月二十六日…】(DK200083k-0004)
第20巻 p.638 ページ画像

東京商業会議所月報  第二三号・第七頁 明治二七年七月
○同月 ○六月二十七日午後六時五十五分、本会議所事務所ニ於テ臨時会議ヲ開ク、当日出席会員ハ二十九人ニシテ、左ノ件々ヲ審議シ午后九時閉会ス
 (第一)
  朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ボス影響調査ノ儀ニ付、農商務省商工局長ヨリ照会ノ件(役員会議提出)
本件ハ満場一致ヲ以テ議長ノ指名ニヨリ委員七名ヲ選挙シ之ニ調査ヲ附託スルコトニ決シ、乃チ議長ハ左ノ諸君ヲ指名ス
                    園田孝吉君
                    梅浦精一君
                    加藤正義君
                    関根親光君
                    大倉喜八郎君
                    小松正一君
                    八尾新助君


東京商業会議所月報 第二四号・第六頁 明治二七年八月 【○同月 ○七月二日午…】(DK200083k-0005)
第20巻 p.638-639 ページ画像

東京商業会議所月報  第二四号・第六頁 明治二七年八月
○同月 ○七月二日午後四時、本会議所事務所ニ於テ委員会議ヲ開キ、朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ボス影響ノ件調査委員長ノ選挙ヲ施行シ、且
 - 第20巻 p.639 -ページ画像 
同件調査ノ手続ヲ審議シ、午後五時閉会ス、其選挙ノ結果ハ左ノ如シ
                委員長 園田孝吉君


東京商業会議所月報 第二四号・第七頁 明治二七年八月 【○同月 ○七月二十八…】(DK200083k-0006)
第20巻 p.639 ページ画像

東京商業会議所月報  第二四号・第七頁 明治二七年八月
○同月 ○七月二十八日、朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ボス影響調査ノ儀ニ付、農商務省商工局長ヨリ重ネテ照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第二四号・第七頁 明治二七年八月 【参照 七月二十八日、朝…】(DK200083k-0007)
第20巻 p.639 ページ画像

東京商業会議所月報  第二四号・第七頁 明治二七年八月
    参照
 七月二十八日、朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ボス影響調査ノ儀ニ付、農商務省商工局長ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
本年六月十三日付丁第一四四号ヲ以テ朝鮮事件ノ為メ商工業上ニ及ホシタル影響調査ノ儀及御照会置候処、右ハ既往ノ一時ニ止マラス猶ホ将来此事件存スル間ハ引続キ調査有之度、為念此段及御照会候也
  明治二十七年七月二十八日
             農商務省商工局長 若宮正音
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿


東京商業会議所月報 第二九号・第二頁 明治二八年一月 【○同月 ○明治二七年…】(DK200083k-0008)
第20巻 p.639 ページ画像

東京商業会議所月報  第二九号・第二頁 明治二八年一月
○同月 ○明治二七年一二月十八日、米外四十四品ノ価格高低ノ義ニ付、農商務省商工局長ヨリ照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部第二号ニ掲載ス)
○同月二十日同上ノ件ニ付、農商務省商工局長ヨリ重ネテ照会書ヲ接受ス(照会書ノ全文ハ参照ノ部第二号ニ掲載ス)
○同月二十五日、朝鮮事変ノ為メ商工業ニ及ホシタル影響調査ノ儀ニ付、東京府知事ヨリ令達書ヲ接受ス(令達書ノ全文ハ参照ノ部第三号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第二九号・第三―四頁 明治二八年一月 【○参照第二号 十二月十八日 ○明…】(DK200083k-0009)
第20巻 p.639-640 ページ画像

東京商業会議所月報  第二九号・第三―四頁 明治二八年一月
○参照第二号
 十二月十八日 ○明治二七年及同二十日、米外四十四品ノ価格高低ノ儀ニ付農商務省商工局長ヨリ接受シタル照会書ハ左ノ如シ
朝鮮事変ノ影響調査ノ儀先キニ及御照会置候処、尚別紙ノ物価昂低調査ノ上併セテ御報告有之度、此段及御照会候也
  明治二十七年十二月十八日
             農商務省商工局長 若宮正音
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿
(別紙)
 米・麦・麦粉・大豆・牛肉・鰹節・鶏卵・佃煮・漬物・和洋酒・醤油・味噌・塩・梅干・缶詰・砂糖・麻・藍・油糟・干鰯・搾粕・蝋蝋燭・煙草・金属器・銅・鉛・熟鉄・鋼鉄・錬鉄・石炭・硫黄・石油・薪炭・燐寸・杉板・松板・材木・飼料・和洋小間物・綿・呉服反物・洋服地・毛布
 - 第20巻 p.640 -ページ画像 
曩ニ及御照会候戦時影響調査ニ於ケル米外四十四品物価ノ儀ハ、本年一月ヨリ月ヲ分チ最高・最低相場及其日、並平均相場御掲載相成候儀ト御承知有之度、此段及御通牒候也
  明治二十七年十二月二十日
             農商務省商工局長 若宮正音
    東京商業会議所会頭 渋沢栄一殿


東京商業会議所月報 第二九号・第四―五頁 明治二八年一月 【○参照第三号 十二月二十五日、朝…】(DK200083k-0010)
第20巻 p.640-641 ページ画像

東京商業会議所月報  第二九号・第四―五頁 明治二八年一月
○参照第三号
 十二月二十五日、朝鮮事変ノ為メ商工業ニ及ホシタル影響調査ノ儀ニ付、東京府知事ヨリ接受シタル令達書ハ左ノ如シ
                    商業会議所
朝鮮事変ノ商工業ニ及ホシタル影響調査ヲ要スルニ付、本年六月以降現今ニ至ル迄ノ状況別紙例式ニ照シ詳細取調ヘ、来ル明治廿八年一月三十一日限当庁ニ報告スヘシ
 但明治廿八年二月以後同事件ノ継続スル間ハ引続キ取調ヘ三ケ月毎ニ当庁ニ報告スヘシ
  明治二十七年十二月二十四日
                 東京府知事 三浦安
第一 戦時影響ニ関シ特別調査ヲ要スル業名左ノ如シ
   一絹織物業・木綿織物業・洋紙業・和紙業・玻璃器業・燐寸業
    右ハ主トシテ内国商業及工業ノ二点ヨリ観察スル事
   一皮革業・革細工業
    右ハ主トシテ内国商業及工業ノ二点ヨリ観察スル事
   一洋傘業・石鹸業
    右ハ主トシテ内国商業上ヨリ観察スル事
   一造船業・機械業・印刷業
    右ハ主トシテ工業上ヨリ観察スル事
第二 前項ニ掲ケタル各業ニ付取調ヲ要スル事項略左ノ如シ
  一工業ニ関スル事項
   一事業繁閑盛衰ノ状況、廃業及開業ノ多寡・増減、製品産額又ハ仕上代金ノ増減概略ノ歩割
     但製品産額ニ付テハ絹織物・木綿織物ハ内国向・欧米向・支那朝鮮向ヲ区別スルヲ要ス
   一資本融通ノ便否、金利高低ノ状況
   一原料・燃料其他事業用品供給ノ過不足、価格ノ変動、運搬ノ便否其他該品ニ関スル各般ノ変動
   一職工ニ及ホス影響、殊ニ賃金及労働時間ノ変動、職工ノ需要並供給ノ増減、是等ノ変動ニ依テ職工ノ生計上ニ及ホス影響
  二内国商業ニ関スル事項
   一価格ノ変動、需要ノ増減、売捌ノ難易
   一運搬ノ便否、運賃ノ高低、運搬方法ノ変更、商品停滞欠乏ノ状況及倉敷料ノ昂低
   一資本融通ノ便否、金利昂低ノ状況
 - 第20巻 p.641 -ページ画像 
    一仕入地又ハ仕向地ノ変更其他各搬ノ変動
第三 右ノ外尚左ノ事項ニ付調査スルヲ要ス
  一既設商事会社ニ及ホス影響
   一事業ノ伸縮変更
   一資本残部払込ノ状況及変更、社債募集ノ状況及変更
     但株式会社ニ関係スル事項ニシテ主務省ニ届出済ノ分ハ之ヲ除ク
  二設立準備中ニ係ル商事会社ニ及ホス影響
   一予定事業ノ伸縮計画ノ変更、開業時期ノ変更
   一資本払込ノ状況及変更
     但株式会社ニ関係スル事項ニシテ主務省ヘ届出済ノ分ハ之ヲ除ク
調査上ノ注意
 盛衰・増減・昂低・変動・便否等ノ文字ヲ掲ケタルモノニ付テハ可成計数ヲ挙ケテ実例ヲ示スヲ要ス
 調査ハ可成月ヲ分チ其変遷ノ状況ヲ示スヲ可トス、変動ノ事件ニシテ朝鮮事変以外ヨリモ影響シタル事由アラハ之ヲ附記スヘシ
  但工業ニ関スル事項ハ取調ノ出来得ル限度ニ於テ調査スル事


東京商業会議所月報 第三〇号・第一頁 明治二八年二月 【○一月二十二日、本会…】(DK200083k-0011)
第20巻 p.641 ページ画像

東京商業会議所月報  第三〇号・第一頁 明治二八年二月
○一月二十二日、本会議所事務所ニ於テ第四十一回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
  ○出席者二十五人、氏名略ス。
   特別会員
 阿部泰蔵君  荘田平五郎君
午後五時四十五分開議、会頭渋沢栄一君病気ニテ欠席ニ付、副会頭大江卓君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ審議シ、午後七時十分閉会ス
 一、朝鮮事変ノ商工業ニ及ボシタル影響調査ノ儀ニ付東京府知事ヨリ令達ノ件
本件ハ全会一致ヲ以テ其調査ヲ、兼テ設置中ノ朝鮮事件ノ為メ商工業ニ及ボス影響ノ件調査委員ニ附託スルコトニ決ス


東京商業会議所月報 第三二号・第一二―一三頁 明治二八年四月 【○三月四日、本会議所…】(DK200083k-0012)
第20巻 p.641-642 ページ画像

東京商業会議所月報  第三二号・第一二―一三頁 明治二八年四月
○三月四日、本会議所事務所ニ於テ第五回定期会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
 益田克徳 ○外三十七名氏名略
午後五時開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ午後八時四十分閉会ス
○中略
    一、各委員補欠選挙ノ件
本件ハ満場一致ヲ以テ会頭ニ其指名ヲ託スルコトニ決ス、依テ其後会頭ハ左ノ如ク指名ヲ為シタリ
○中略
  朝鮮事件影響調査委員七名ノ内欠員二名
 - 第20巻 p.642 -ページ画像 
                   岡部広君
                   雨宮綾太郎君


東京商業会議所月報 第四一号・第二頁 明治二九年一月 【○同月 ○明治二八年…】(DK200083k-0013)
第20巻 p.642 ページ画像

東京商業会議所月報  第四一号・第二頁 明治二九年一月
○同月 ○明治二八年一二月十二日午後五時、本会議所事務所ニ於テ委員会議ヲ開キ、朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響調査ノ件ヲ審議シ、午後八時閉会ス


東京商業会議所月報 第四一号・第一―二頁 明治二九年一月 【○十二月 ○明治二八…】(DK200083k-0014)
第20巻 p.642 ページ画像

東京商業会議所月報  第四一号・第一―二頁 明治二九年一月
○十二月 ○明治二八年二十三日本会議所事務所ニ於テ第四十九回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者ハ左ノ如シ
 益田克徳君 ○外二十三名氏名略
午後五時四十分開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ件々ヲ議事ニ附シ、午後八時七分閉会ス
○中略
 一、朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響調査報告ノ件(委員提出)本件ハ全会一致ヲ以テ原案ニ可決ス


東京商業会議所月報 第四一号・第二頁 明治二九年一月 【同月 ○明治二八年…】(DK200083k-0015)
第20巻 p.642 ページ画像

東京商業会議所月報  第四一号・第二頁 明治二九年一月
○同月 ○明治二八年一二月二十四日、朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響調査ノ儀ニ付、農商務省商工局長及東京府知事ヘ答申書ヲ差出ス(答申書ノ全文ハ本号月報ノ附録ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第四一号附録・第一―四三頁 明治二九年一月 朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響ノ件ニ付農商務省商工局長及東京府知事ヘノ答申書(DK200083k-0016)
第20巻 p.642-691 ページ画像

東京商業会議所月報  第四一号附録・第一―四三頁 明治二九年一月
    朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響ノ件ニ付農商務省商工局長及東京府知事ヘノ答申書
嘗テ御依頼有之候朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響調査ノ件、其後篤ト遂取調候処其結果ハ別冊ノ如クニ有之候間、左様御承知相成度此段御回報申上候也
  明治二十八年十二月廿四日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    農商務省商工局長 安藤太郎殿
                   (各通)
    東京府知事    三浦安殿
(別冊)
  朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響
朝鮮事件ノ商工業ニ及ホシタル影響ハ其範囲極メテ広ク、従テ等シク影響ヲ受ケシモノニ在テモ厚薄遅速ノ差ナクンハアラス、之ヲ査覈シテ其真相ヲ究ムルコトハ頗ル難事ナリト雖トモ、今且ラク大綱ヲ
  第一 商業ニ及ホシタル影響
  第二 工業ニ及ホシタル影響
  第三 運輸ニ及ホシタル影響
  第四 金融ニ及ホシタル影響
ニ分チ、明治二十七年六月即チ事変ノ起リシ当初ヨリ同年十二月末日ニ至ル間ニ於テ東京市場ニ及ホセシ諸般ノ影響ヲ明カニスルコト下ノ
 - 第20巻 p.643 -ページ画像 
如シ、但タ事体ノ前後関聯シテ截断ス可ラサルハ或ハ説テ廿八年中ニ及ヒシ者ナキニ非ス、又調査区域ノ如キモ東京市場ヲ主トセシニ関ラス其事柄ニヨリ間々全国ニ亘リテ観察ヲ下セシモノアリ、之ヲ綜合シテ大体ヲ通観スレハ事変ノ甚タ大ナリシニ関ハラス、戦争ニ伴フテ必ス起ルヘキ経済世界ノ混乱ハ意外ニ其度ヲ低フシ、為メニ実業ノ発達ヲ阻廃スルカ如キコト無クシテ止ミシニ似タリ、是畢竟事局ニ処スル者ノ操縦其機宜ヲ錯ラサリシニ由ルヤ論ナシト雖トモ、亦本邦商工業ノ著シク進歩セルコトヲ証セスンハアラサルナリ
    第一 商業ニ及ホシタル影響
朝鮮事件ノ稍ヤ世人ノ耳目ヲ惹キタルハ明治二十七年六月下旬出師準備トシテ日本郵船会社其他有力ナル回漕会社ノ船舶ヲ徴用セラレタル時ニアルヲ以テ、商業上其影響ヲ感シタルモ亦此時ニ起リタルカ如シ蓋シ商品ノ出盛リ季節ニ際セル此時ニ於テ海陸運輸ノ便梗塞ヲ来シタルカ故、多数ノ商品空シク産地ニ堆積シテ市中ハ其供給ノ欠乏ヲ感スルノ姿ヲ呈シ相場概ネ騰進セリ、殊ニ軍需品ハ日ヲ追フテ倍々其需要ヲ増加スルニ反シ、之カ供給ハ愈々減少スルノ状態ナリシヨリ、市場ノ趨勢頗ル活溌ヲ来シ、中ニハ非常ノ暴騰ヲ来セルモノ少カラサリキ同年春来金利ノ騰貴、銀価ノ下落等ノ諸因湊合シテ諸商品ノ相場概シテ漸々騰貴ノ勢ヲ催シタルコトナレハ、当時物価ノ騰貴セルモノ独リ軍事ノ影響之ヲ然ラシメタリトハ云フヘカラサルモ、事変ノ余響ニヨリ運搬ノ便梗塞シ、在荷ノ欠乏ヲ告ケタルモノアリ、又其欠乏ヲ見ルニ至ルヘシト予想シテ其売行ノ良否ヲ問ハス買進ミシモノアレハ、物価騰進ノ勢ヲ強メタル大原因ハ固ヨリ戦争ノ影響ニ在リト云ハサルヘカラス、即チ其騰貴ノ最モ著シキモノヲ挙クレハ鉛・石炭・飼料・毛布・鰹節・漬物・梅干・大麦・大豆等ニシテ、鉛ノ如キハ事変前ニ於テ和百斤六円五六拾銭位ナリシモ、戦時禁制品ナルヲ以テ其輸入杜絶シタルニ際シ需要益々増加シ、遂ニ九月ニ至リ拾四円五拾銭ニ激騰シ又石炭(唐津及豊筑上炭)ノ如キハ事変前ニハ平均三十一円内外ナリシモ、九月ニハ忽チ四十八円ノ新高直ヲ現ハシ、鰹節・漬物・梅干ノ如キハ凡五割或ハ六割ノ激騰ヲ示シ、飼料・毛布・大麦・大豆ノ如キハ三割或ハ四割ノ昂騰ヲ呈シタル等其騰貴頗ル甚シキモノアリキ、蓋シ此等ノ品ハ多クハ軍需品ナルト、又大豆ノ如キハ朝鮮・支那牛荘地方ノ輸入杜絶セルトニ因リ斯クノ如キ騰貴ヲ来シタルモノナレトモ、其他ノ品ニ至テモ六月ノ相場ト十一月頃ノ相場トヲ比較スレハ概シテ一割乃至一割五分前後ノ騰進ヲ示サヽルハナカリシ、而シテ品ニヨリ六月ヨリ十月ニ至ル間ニ於テ最モ騰貴シタルモノアレトモ、其多数ハ十一月若クハ十二月ニ於テ最高点ニ達シタル者ノ如シ、斯クノ如ク其価格ハ騰進セルモノアリト雖トモ、軍需品ノ外ハ其取引高却テ減少シ従テ価格騰貴ノ割合程ニハ実際好況ニアラサリシモノモ亦少カラサルカ如シ、然リト雖トモ、陶器ノ如キ、洋傘ノ如キ、絹織物ノ如キ、其用途幾分カ日用必需品ニ遠キモノ、若クハ昆布ノ如キ事変ノ為メ其販路ヲ杜絶セラレタルモノ等ハ頗ル不景気ヲ来シ、其価格概シテ低落ヲ免カレザリシ、又此際深ク影響ヲ感セサリシカ如キ観アルモノハ醤油味噌・石油ノ類及ヒ欧米輸出向ノ貿易品等ナリシカ如シ、然リ而シテ
 - 第20巻 p.644 -ページ画像 
此間最モ困難ヲ感シタルハ運搬ノ渋滞ニシテ、其甚シキ時ニ当リテハ地方ニ依リ十五日乃至二十日間ノ遅滞ヲ来シ、稍ヤ開通ノ便ヲ得タルノ日ニ於テモ尚往々十日間内外ノ渋滞ヲ免カレス、為メニ発着其期ヲ誤リ商機ヲ失シ、商業ノ活動ヲ害スルコト甚タシカリシモ、是レ元ト軍国多事ノ年柄ニ於テ已ムヲ得サルノ数ナルヘシ、金融ノ如キモ開戦以後暫時ノ間ハ前途ヲ警戒スルニ切ナル為メ頗ル渋滞ヲ感シタル処アリタリト雖トモ、之ヲ運搬渋滞ノ困状ニ比スルニ大ニ軽キモノアリシカ如シ、其後八九月ノ交ヨリ金融緩和シテ稍ヤ融通ノ円活ヲ得タル折柄、平壌・黄海等ノ戦捷ニヨリ一般ノ人心其堵ニ安ンシ、一時萎縮シタル諸商業モ玆ニ活気ヲ復シ其売行モ追々恢復シ、十一月ニ入リテハ曩ニ大不便ヲ感ジタル運輸モ大ニ開通シタルヲ以テ、彼此相待ツテ商勢頓ニ回復ノ勢ヲ呈スルニ至レリ
之ヲ要スルニ軍国ノ常トシテ商品ノ種類ニヨリテハ頗ル不振ノ景況ヲ呈セシモノアリト雖トモ、全般ノ商況ヲ通観スルニ概シテ寧ロ好況ヲ見ハシタルモノアルニ似タリ、尚左ニ各重要品ニ就キ其景況ヲ略記シテ影響ノ如何ヲ明ニスヘシ
米 本品ハ朝鮮事変以前ニハ其相場八円台ニアリシニ、朝鮮事件ノ警報アルヤ俄然商況一変シ農商トモ挙テ強人気トナリ、之ト同時ニ多数ノ船舶御用船トナリテ運輸上大不便ヲ来シタルヨリ、相場益々上進シテ七月九日ニハ遂ニ九円ヲ超ユルニ至レリ、斯クテ其後朝鮮事件ヨリ延テ日清間ノ交渉問題トナリ終ニ砲煙弾雨ノ間ニ相見ルニ至リタレハ、物情騒然従テ又多クノ船舶更ニ其筋ノ徴発スル所トナリ内地ノ海運ハ殆ント杜絶ノ姿トナリ、各地ヨリ東京ヘ輸入ノ米穀皆無ノ姿トナリシヨリ、深川ノ在米ハ漸次減少シテ十一月上旬ニハ遂ニ二十余万俵ノ少数トナリ、生産地ノ相場ハ頻リニ下落スルニ引換ヘ需用地ノ相場ハ益々騰貴シ、其極遂ニ同月六日ニ於テ正米十円三十九銭ノ高価ヲ示スニ至レリ、是レ実ニ二十七年中ノ最高価ナリキ是ニ於テ日本郵船会社ハ船繰ノ都合ヲ付ケ土佐丸其他数隻ノ汽船ヲシテ前後相踵テ伏木・新潟・酒田・荻浜・四日市等ノ各港ヘ廻航セシメ、地方ニ停滞シタル夥多ノ米穀ヲ一時ニ東京ヘ回漕シ来リタルヨリ、十一月下旬ニハ深川ノ在米高頓ニ増加シテ六十万俵以上トナリ、歳末ニハ八十万俵ニ垂ントシ、各問屋ニテハ為メニ倉庫ノ欠乏ニ困ムニ至リ、一時十円以上ニ飛騰シタル米価モ漸次低落シテ歳末ニハ九円近クニ落着クニ至レリ、蓋シ米価ヲシテ右ノ如ク騰貴セシメタルモノハ天災モ亦原因ノ一部タルニ疑ヒナシト雖トモ、其最大ノ原因ハ軍事ノ為メ運輸ノ壅塞シタルニ在リト謂フ可シ、今運輸壅塞ノ為メ運賃騰貴ノ状況ヲ見ルニ、十一月船便杜絶ノ際佐渡国ヨリ風帆船積ヲ以テ積取リタルモノヽ如キ、米百石ニ付金百二十円ノ運賃ヲ払ヒタルモノアリ、又一時東京高直ノ為メ大坂ヨリ汽車便ニ託シテ米穀ヲ輸送シ来ルモノアルニ至リシカ如キ、其最モ顕著ナル事例トス、従テ運賃騰貴ノ度ハ実ニ非常ニシテ多キハ事変前ノ三倍ニ達シ、少ナキモ亦二倍近クニ及ヘリ、今マ東京廻米問屋組合ノ報告ニ拠リ重ナル米穀輸出港ヨリ東京ニ至ル運賃百石ニ対スル高低ヲ比較スレハ凡左ノ如シ
 - 第20巻 p.645 -ページ画像 
   航路    二十七年最低  同 最高   二十七年八月  二十六年八月
            円       円       円       円
  東京神戸間   一六・〇〇   五〇・〇〇   三二・〇〇   一八・〇〇
  東京四日市間  二〇・〇〇   三七・〇〇   二三・〇〇   二〇・〇〇
  東京酒田間   三〇・〇〇   七〇・〇〇   五八・〇〇   三七・〇〇
  東京新潟間   三五・〇〇   九〇・〇〇   六〇・〇〇   三八・〇〇
  東京伏木間   四〇・〇〇  一〇五・〇〇   六〇・〇〇   四〇・〇〇
  東京馬関間   三二・五〇   七五・〇〇      ……   三二・五〇
 而シテ東北地方及地廻リ米ノ如キモ軍事ノ為メ鉄道運搬ノ梗塞ヲ来タシ、亦タ其輸送上ニ不便ヲ感シタル所アリシ
 米価ノ騰貴セルハ其主因運輸ノ壅塞ニアルコト前述ノ如クナレトモ開戦以来軍用トシテ白米ノ買上ケアリシニ引続キ、十月ニ至リ清国ヘ輸送ノモノハ海面結氷以前ニ運搬ヲ要スル為メ俄然一時大阪・神戸ニ於テ買上ケアリ、尚ホ不足ナリシヲ以テ東京迄モ買収手配アリシ如キハ亦当時米価ノ騰貴ヲ助成シタル一事情タリキ
 朝鮮事件ノ正米ニ及ホシタル影響ハ略ホ以上ニ述ヘシ所ノ如シ、更ニ其ノ定期米ニ及シタル影響如何ヲ観ルニ一時ハ大ニ市場ヲ動揺セシメタリト雖トモ、始終ヲ通シテ之ヲ言フトキハ其動揺ハ畢竟一時ニ止マリ、大勢上深ク事変ノ影響ヲ蒙ラサリシ者ノ如シ、今定期米市場ノ状況ヲ述ヘントスルニ当テハ勢ヒ事変前ノ概況ヲ一言セサル可ラス、抑モ明治二十七年ノ米価ハ鶏林ノ警報ヲ伝ヘサル以前ヨリシテ騰貴ヲ来シ既ニ非常ノ高位ヲ支持シタリキ、而シテ此騰貴ヲ促シタル素因ハ一ニシテ足ラサルヘシト雖モ、外国為替相場ノ低落ハ即チ其主因ニシテ、前年収穫ノ不足ナリシト東西中央市場ニ於テ前途ニ大思惑ヲ立テヽ同盟聯合買ヲ為シタルモノアリシトハ其助因ナリシカ如シ、現ニ二十七年五月東京米穀取引所ノ七月期米ハ九円五十銭以上ニ激騰シ、前年同時ノ最高価ニ比シ二円以上ノ高位ニ上リ従テ其売買高モ亦多額ヲ見ルニ至レリ、又各地取引所モ之ニ準シ騰貴シタルヲ以テ米持筋ハ集散市場ニ向テ陸続輸送シタル為メ、勢ヒ地方ノ貯米ニ払底ヲ告ケ所謂正米出越ノ結果ヲ示セリ、此等ノ事情ヨリ米価益々騰貴ニ傾キ売買上不穏ノ状ヲ顕シ、遂ニ東京米穀取引所ハ一時売買ヲ停止スルニ至リシカ、暫時ニシテ売買双方トモ総テ解合ヒ、爾来市場ノ人気稍ヤ落付キ多少低落ヲ来シタルモノ是レ事変前ニ於ケル趨勢ナリ、然ルニ六月五日ニ至リ忽然鶏林ノ警報ニ接シタルヨリ、早クモ価位ハ奔騰シテ九円以上ノ高直ヲ現ハセリ、然レトモ影響ハ僅カニ四五日ニ止リ漸次亦下落シテ竟ニ八円五十七八銭ノ低価ヲ現ハスニ至リタリ、蓋シ同年ハ春来ノ気候農作物ノ成育ニ適シ、其収穫ノ見込先ツ十分ナリト唱フル状況ナリシガ、入梅中雨量甚タ少ク実ニ天保以還ノ旱魃ト称シ、暑熱極メテ高ク稀有ノ年柄ナリシカバ、七月発会ノ九月期米ハ九円五銭ノ高直ヲ現ハシ、八月ノ発会ニハ十月期九円四十八銭ノ高直ヲ示セリ、然レトモ爾後ハ漸次下向キ八円台ニ押込ミ、気勢沈静売買亦活溌ナラサリシ、爾来差シタル変動ナク一浮一沈皆小波瀾ニ過キザリシガ、影響ノ最モ顕著ナリシハ十一月期米昂騰ノ有様ナリキ、廿七年ノ農作タル概シテ豊穣ニシテ各地在米ノ潤沢ナルハ掩フ可ラサル事実タルニモ拘ハラ
 - 第20巻 p.646 -ページ画像 
ズ、当時軍事徴発ノ為メ海陸共ニ運輸ノ梗塞ヲ告ケ、陸ニ於テハ三陸米ノ東京ヘ輸入スヘキ大動脈タル東北鉄道ハ同月下旬ヨリ普通貨車ノ便ヲ停止セラレ、海ニ於テハ日本郵船会社ノ諸船一斉ニ御用船ニ徴用セラレタル結果トシテ深川倉庫ノ正米ハ日々減額シ、其九日ニハ遂ニ二十四万余俵ニ降リ、加フルニ其中凡八万俵ハ已ニ或ル者ノ所有ニ帰シ市ニ零売セントスルノ風説アリ、又凡四万俵ハ陸軍省納米ノ予約ニ係リ、其残ルモノハ僅カニ十二万俵ニ過キサルニ至レリ、是ニ於テカ米商界ノ常態トシテ将来更ニ一層ノ空乏ヲ告ケン事ヲ気構ヘ、猛然買進ミタルヨリ十月来漸次昂進ノ一方ニ傾キ十一月一日ニ於ケル十一月期米ハ九円九銭ノ新高直ヲ呈シ、漸ク騰貴シテ遂ニ其九日ニ於テ十円五銭ノ最高直ヲ示シ、之ヲ大坂同期相場ニ比スルニ実ニ一円三十銭ノ商差ヲ見ルニ至リ、市場ノ光景甚タ活溌ヲ極メタリ、斯クノ如キ暴騰ハ大ニ市場ノ秩序ヲ乱シ其結果延テ正米ノ暴騰ヲ誘致スヘキヲ恐レ、其翌十日ニ於テ取引所ハ十一月期米ニ限リ当分其売買ヲ停止スルニ至レリ、蓋シ是海陸運輸ノ便一時杜絶セルノ結果ナレハ、十一月上旬鉄道ノ便其旧ニ復シ、尋テ日本郵船会社ノ船運常ニ復シ、東北米ノ如キ、尾・濃・勢各古米ノ如キ、陸続廻着シテ同月廿二日深川倉庫ノ在米三十六万俵以上ニ増加スルニ及ヒ、其廿四日ニ於テ売買ヲ解キタルニ爾来ハ相場大ニ低落シ市場常ニ平穏無事ニ経過シタリ、由此観之、事変ノ影響タル其初メニ在テハ市場ノ耳目ヲ聳動スル頗ル鋭敏ニシテ、一戦一捷ノ報アル毎ニ一時多少ノ動揺ヲ感ジ、其極遂ニ他ノ原因ト綜合シテ十一月初旬ノ暴騰ヲ呈シタリシモ、其影響ハ一時ノ動揺ニ止マリシモノヽ如シ
  東京米穀取引所定期米相場及出来高(但先物即チ三ケ月先ノ約定相場ナリ)

          二十七年                       二十六年
        相場          全月出来高      相場          全月出来高
     最高    最低               最高    最低
      円     円            石   円     円            石
 一月  八・二五〇 八・〇四〇   五八一、九四〇  六・九八〇 六・七七〇   四六九、四七〇
 二月  八・三八〇 八・一四〇   六六三、三四〇  七・一〇〇 六・八八〇   四六〇、七一〇
 三月  八・八九〇 八・五〇〇   九〇九、八一〇  七・一六〇 六・九二〇   五二二、〇八〇
 四月  九・〇六〇 八・四六〇   八二四、一二〇  六・九一〇 六・七六〇   四九二、三二〇
 五月  九・五二〇 八・四一〇 一、二〇三、二七〇  七・二〇〇 六・八五〇   五二三、二八〇
 六月  九・〇九〇 八・五二〇   六四九、七四〇  七・五五〇 七・一三〇   六五二、七七〇
 七月  九・七七〇 八・八三〇   九一四、二七〇  八・〇五〇 七・五三〇   九二五、六五〇
 八月  九・四八〇 八・五九〇   七九五、七一〇  八・二九〇 七・八〇〇 一、一五四、七五〇
 九月  八・七一〇 八・二七〇   八一三、一四〇  七・八九〇 七・一八〇 一、〇二三、一九〇
 十月  九・〇〇〇 八・五七〇   七八〇、四九〇  八・〇九〇 七・九八〇 一、三九九、五二〇
 十一月 九・〇一〇 八・六六〇   五八六、九三〇  八・四三〇 八・五七〇   八七五、三八〇
 十二月 八・八九〇 八・二五〇   五三七、一〇〇  八・二八〇 八・〇三〇   九〇一、二七〇

雑穀 雑穀中最モ影響ヲ蒙リタルハ大豆ニシテ、朝鮮・支那牛荘地方ヨリノ輸出杜絶セシ為メ殆ント供給ノ欠乏ヲ告クルニ至リ、相場ノ昂騰最モ甚シク非常ノ影響ヲ被リタリ、次ニ大麦ハ各師団ニ於テ軍隊馬糧ノ為メ一時ニ多数ノ需用アリシヨリ漸次騰貴ノ一方ニ傾キ、特ニ十月以来買上高俄ニ巨額ニ達シタレハ、十一月ニハ遂ニ最高四円七八十銭(一円ニ付二斗一升)ニ騰貴シタリ、斯クテ爾後買上ケノ噂モ止ミ
 - 第20巻 p.647 -ページ画像 
テ漸次下落ニ傾キ、歳末頃ニハ三円六十銭台ニ下リタリ、其他多少ノ影響ヲ被リタルモノアリト雖トモ大豆・大麦ノ如ク著シキコトアラザリシニ似タリ
清酒 此事件起リシ当時ハ孰レモ前途ヲ警戒シテ買扣勝ナリシカ、愈愈軍隊ノ輸送トナリ一般ノ運輸一時ニ其便ヲ欠クヤ、殆ント輸入杜絶ノ姿トナリシヲ以テ漸々在荷払底ニ傾キ、其結果俄ニ買気ヲ現ハシ益々買煽リタルヨリ相場非常ニ昂進シタリ、尋テ十一月ニ入リ運輸開通ノ時ニ於テモ尚相場ヲ維持シ、差シタル下落アラサリシカ、歳末ニハ産地ノ在荷多数ナルヲ気構ヘ遂ニ十駄ニ付四、五円方下落シタリ、右ノ如ク相場ハ昂進シタレトモ売捌高ハ却テ二割方減少シタルカ故、軍事ノ為メ本品ニ及ホセル影響ハ寧ロ良好ナラサルモノノ如シ
西洋酒 開戦以来上等ノ葡萄酒ハ稍ヤ売行鈍ク、又最下等ブランデーハ北海道ニ於ケル労働者ノ需用トシテ年々輸送シ来リシガ、此事起リシヨリ昆布業ノ衰頽甚シク自然労働者ノ需用減殺シタルニ因リ同酒ノ注文皆無トナリタリ、然レトモ洋酒商業ノ全般ヨリ観ルトキハ軍事ノ為メ売行ノ減少シタルハ二、三ノ品種ニ止マリ、其影響頗ル微々タルハ勿論、麦酒ノ如キハ却テ売行ヲ増加シタル事情アレハ、概シテ之ヲ言フトキハ其影響良好ナリシ迹ナキニアラス
醤油・味噌 本品ニハ更ニ朝鮮事件ノ影響ヲ感ジタリト認ムヘキ事情ナキカ如シ
砂糖 此事件ノ起リタル際ハ恰モ本品ノ需用季節ナリシヲ以テ取引上尠ナカラサル影響ヲ蒙ムレリ、初メ此事ノ起ルヤ清商ハ前途ノ機運ヲ察シ孰レモ投売ヲ試ミタリシカ、内商ハ此機ニ乗シ尚一層低買セント気構ヘタルト、且ツハ金融ノ逼迫セルトニヨリ此投売品ヲ買取ルモノ少ク、加フルニ内商間ノ売買ニ於テモ季節柄ニ拘ハラス此余勢ヲ受ケ、内外糖トモ売買高非常ニ減少シ頗ル不活溌ナリシ、又価格ニ於テモ例年此季節ハ品ニヨリ三、四十銭方騰貴スベキニ、当時ハ却テ三十銭乃至五十銭方下落ヲ来シタリ、然ルニ其後連戦連捷ノ報ニ接シ一般ノ人気大ニ引立チタル為メ本品ノ商勢モ稍々活気ヲ現シタリシガ、地方ノ仕入ニ於テハ此事件ヲ気構ヘ依然買控勝ニシテ売行極メテ鈍ク、特ニ年末ニ際シテハ一層甚シカリシモノヽ如シ、要スルニ本品ハ悪影響ヲ被ムリタルモノヽ一ニ数フベキナリ
油 本品ハ此事変ノ為メ好影響ヲ蒙リタル者ノ一ニシテ、就中水油中白絞ハ其筋ニ於テ戦時諸機械洗滌用トシテ巨額ノ買上アリタルヲ以テ日々上騰シ、九月ニ至リ其極点ニ達シ事変前ニ比シテ四円方ノ高価ヲ現ハシ(一樽ニ付十五円)殆ント品払底ヲ告クルニ至リタリ、白絞ノ気配斯クノ如ク好況ナリシヲ以テ其他ノ水油ニシテ白絞ト稍ヤ質ヲ同フスルモノハ勿論、桐油・綿白ノ如キ其質ノ同シカラサルモノト雖トモ一、二割方騰貴シタリ、斯クノ如ク各種類トモ騰貴シタルハ朝鮮事変ノ影響素ヨリ其主因ナルヘシト雖トモ、製産地ニ於テ近時麦価ノ騰貴著キ為メ菜類ノ植付ヲ廃シテ麦作ニ代フルニ至リタルモ亦其助因ナルヘシ、石油ノ少シク格高ナリシハ米国石油ノ減量ト、米・露石油業者間ニ於ケル合併説トヲ気構ヘ引上ケタルモノニ
 - 第20巻 p.648 -ページ画像 
シテ、戦争ニ付テハ格別ノ影響ヲ蒙ラサリシモノヽ如シ
西洋紙 本品ニ於ケル此事変ノ影響ハ概シテ好景気ノ方ナリシ、初メ七月頃ハ気配甚タ悪シク売捌方鈍カリシカ、爾来十月頃ヨリ気配頗ル宜シク、就中新聞紙ノ需用高増加シタル為メ普通印刷紙ノ如キハ最モ盛況ヲ極メタリ、又価絡ハ漸々上向キ十二月ニハ舶来紙凡二割以上、和製紙一割方昇騰シタリ、尤モ舶来紙ノ騰貴ハ此事変ノ影響素ヨリ主因ナルヘシト雖トモ、亦外国為替相場ノ変動ニヨリ我商人ノ外国注文ヲ多少控ヘタル為メ、品払底ヲ来シタルニモ因ルナルヘシ、此間困難ヲ感シタルハ運輸ノ不便ニシテ府下ハ勿論各地トモ需用日々増加スルニ拘ハラス、商品ハ空シク途中ニ停滞シテ一時ハ需供其調和ヲ失ヒタル観アリキ、是亦多少価格ノ騰進ヲ促カシタル助因トシテ見ルヘシ、右ノ如ク普通印刷紙ノ如キハ其需要増加シ、随テ其販売高モ著シク増加シタリト雖トモ、上等印刷紙類ハ販路ヲ減少シ気配沈静ノ傾キアリタレハ、全躰ノ売高ニハ多額ノ増加ヲ呈セサリシモノヽ如シ、尚ホ左ニ王子製紙株式会社ニ於ケル各種製紙販売数量ノ廿七年前半期ト其後半期トノ比較ヲ表示シテ以テ大勢ヲ窺フノ一証トナス

             二十七年前半期        同  後半期      前半期ニ比シ
                封度            封度          封度
  上等印刷紙    五四、二五七・五〇     四二、四九一・〇〇 減 一一、七六六・五〇
  普通印刷紙 四、二九一、八九三・二〇  四、三三二、〇三六・〇〇 増 四〇、一四二・八〇
  雑紙      一三三、一一二・八五    一二二、二九二・〇〇 減 一〇、八六〇・八五《(二)》
   計    四、四七九、二六三・五五  四、四九六、八一九・〇〇 増 一七、五五五・四五

日本紙 本品一般ノ売行ハ平年ト異ナラサリシト雖トモ、品ニヨリ軍需トシテ巨額ノ売行アリタルモノアレハ平年ニ比シ却テ好気配ヲ見タルモノヽ如シ、而シテ相場ハ事変ノ影響トシテ運搬ノ不便ナリシト紙漉職工賃銀ノ増額シタルトニ因リ一般ニ騰進ヲ来セリ、殊ニ仙果紙ノ如キハ防寒服製造用ノ為メ一時多額ノ使用アリタルヨリ平均五円三十銭(事変前ハ四円位)ノ高価ヲ現ハシ、塵紙ハ戦地ヘノ輸出巨額ニ達シタル為メ一割五分方騰貴シ、伊予奉書紙ノ如キハ絵双紙ノ需用一時ニ増加シタル結果トシ三割方ノ騰貴ヲ来シ、遂ニ二円六十銭ノ高価ヲ呈セリ、尤モ地方ヘ向ケ輸出スル品ハ其割合ニ騰貴セサリキ、之ヲ要スルニ本品ノ如キハ大体上却ツテ好影響ヲ感シタルモノヽ如シ
呉服 開戦以来ノ人気警戒ニ専ラナリシ為メ、七月ヨリ九月ニ掛ケ売行捗々シカラス渋リ勝ノ商況ナリシ、尤モ価格ノ騰貴シタル為メ売上金額ニ於テハ差シタル異同ヲ見サレトモ数量ニ於テハ概シテ一割方ヲ減シタリ、而シテ十月頃ヨリハ連戦連勝ノ結果トシテ気配少シク引直リ漸々回復ノ兆ヲ現ハシ、十一・十二月ニ及テ稍ヤ平時ノ商況ニ復シタリ、又価格ニ於テ一割乃至一割五分方騰貴シタルハ主トシテ生糸ノ高価ナリシト近時絹織物ノ輸出盛大ニ赴キシトニ因ルモノナリ、要スルニ開戦ノ当時ハ人気引立タス沈滞ノ商況ナリシモ、漸次回復シタルヲ以テ著シキ影響ヲ蒙ルコトナクシテ已メリ
木綿 此事変ノ為メ一般ニ好況ヲ呈シ頗ル活溌ニシテ内国向ノ売行高ニ於テ二、三割方増加シ、又朝鮮向ノ輸出数量モ著シク増加シタリ
 - 第20巻 p.649 -ページ画像 
殊ニ十月頃ニ至リ紀州産紋巴ノ如キハ軍事防寒用トシテ戦地ヘノ需用多ク一時ハ三割方騰貴シ、又尾州紺織ノ如キモ軍夫被服用トシテ需要アリシニ由リ一時ハ非常ノ高価ヲ現ハシ殆ント四割方ノ騰貴ヲ為セリ、而シテ取引上ニ於テ最モ困難ナリシハ運搬不便ニシテ随テ運賃ノ二割方騰貴セシニアリテ、之レカ為メ一体ノ価格ヲ騰貴セシメシノミナラス、売捌上大ニ商機ヲ誤ル所アリシ
ブランケツト 本品ノ如キ軍需品ナルヲ以テ其需用頓ニ増加シ、従テ価格ノ如キモ三、四割方ノ騰貴ヲ現ハシタリ、年末ニ至リ稍ヤ下落シタリト雖トモ、尚二割方ノ騰貴ニシテ売行頗ル活溌ナリシ
貿易雑貨品 販路ハ概ネ欧米諸国ニ在リテ清国及朝鮮ノ内地ニハ需要者殆ント皆無ナルヲ以テ概シテ其影響ヲ感ゼサリシ、初メ此事件ノ起リタル当時ハ売行凡一割方減シタルコトアリト雖トモ、相場ニ変動ヲ生スルニ至ラス、又小売ノ如キハ其減少ヲ見サリシヲ以テ事変ノ為メ影響ヲ感シタルノ度ハ極メテ微々タリキ
西洋小間物 本品ノ中肩掛類ノ如キ贅沢ニ属スル物品ハ事変ノ影響トシテ其売行渋滞シタルハ勿論、其他ノ物品モ八月頃迄ハ概シテ不振ノ姿ヲ呈シ、一時ハ当業者ヲシテ前途如何ヲ憂慮セシメタルモノアリシカ、九月前後ヨリ靴下・襟巻・シヤツノ如キ毛織製品ノ類ハ従軍者防寒用ノ為メ盛ニ其売行ヲ増加シ、十月末頃ニ至ルニ及テハ品払底ヲ告クルニ至リシモノアリ、去レハ商店ニ因テハ不景気ヲ嘆チタル向モアレトモ、又従来ノ持荷ヲ売リ切リテ大ニ好況ヲ来セルモノモアリ、大体ヲ通シテ之ヲ観ルトキハ其物品ノ商販上軍国多故ノ年柄トシテハ案外好結果ヲ収メタルモノヽ如シ
洋傘 開戦以来清国ヘノ輸出殆ント皆無トナリ、加フルニ内国各地方ヘノ運搬不便ヲ来セル為メ、地方ニヨリテハ物品ノ輸送平時ニ比シ三十日間位ノ延着ヲ見タルコトアリテ、商売上困難ヲ感セルコト少ナカラス、而シテ価格ハ傘骨ニ於テ五分方騰貴シタルト雖トモ、甲斐絹ヲ除キ其他ノ切レ地ハ稍ヤ下落シタルヲ以テ、大体ニ於テハ差シタル変リアラサリキ、要スルニ本品ノ如キ売行案外減少シ、事変ノ為メニ不景気ヲ感シタルモノヽ一ナリキ
陶器 本品ハ事変ノ影響トシテ運搬ノ不便ヲ来シ、随テ運賃ノ騰貴ヲ招キタルヨリ価格著シク昂進シ、之レカ為メ売行ニ二、三分方ノ減少ヲ来セリ、殊ニ贅沢向ノモノ即チ植木鉢・花瓶ノ如キハ大ニ其売行ヲ害スル所アリシハ已ムヘカラサルモノナルヘシ
金物類 鉛ハ戦時禁制品ナルヲ以テ価格暴騰シ、事変前ハ百斤七円内外ナリシモ九月ニ至リ十四円五十銭ノ高価ヲ現ハシ、各地トモ品払底ニ苦シミタリ、塊鉄ノ如キモ其筋ヘ買上ノ多量ナル折柄戦時禁制品トナルヘシトノ風説アリシ為メ、俄ニ三、四割方ノ高価ヲ現シタリシカ、爾来引続キ輸入アリタルヨリ事変前ノ価格ニ復シタリ、銅及針金ハ時々買上アリタルヲ以テ漸次騰貴シテ銅ハ一割五分方、針金ハ二割方騰貴シタリ、又車輛ニ用ユル角鉄ノ如キハ品切トナリ丸鉄ヲ以テ代用スルニ至レリ、価格殆ント一定ノ標準ヲ得ル能ハサル程ノ騰貴ナリシ、独リ洋針類ハ売行鈍ク価格頓ニ下落シタリ、之ヲ要スル金物類ハ概シテ好影響ヲ受ケシモノヽ如シ
 - 第20巻 p.650 -ページ画像 
石炭 東京ニ於テ消費スル石炭ノ額ハ明治二十五、六両年ノ消費高ニ依リ考フルニ一ケ年ノ需要額ハ凡ソ二億七、八千万斤ニ下ラサルヘシ、而シテ此両年ニ於ケル価格ハ通常良炭ト称スル唐津及ヒ豊筑上炭平均一万斤ニ付品川沖渡三十五円位ノ相場ナリシカ、開戦以来甚シク騰貴シ四十七、八円ノ高価ヲ現ハシタリ、蓋シ二十六年来海外ニ於ケル石炭ノ好況ノ為メ頓ニ海外輸出ヲ奨励シ、其増加スルニ従ヒ内地ノ炭価ヲ騰貴セシメタルニ、一方ニ於テハ銀価下落ノ影響トシテ運送船等ノ多数ハ不利ナル内国航海ヲ捨テ外国航海ニ従事スルニ至リ、船舶ノ欠乏ハ運賃ニ波及シ、其上騰ハ延テ炭価ニ及ホセルヲ以テ、石炭ノ相場ハ大ニ上進ノ気勢アルニ際シ朝鮮事件ノ起ルアリ、汽船其他ニ於テ需要スル額俄ニ増加シタルト、内国航海ノ船舶多ク御用船トナリ運送船ノ欠乏ヲ極メタルトニ依リ、前記ノ如ク終ニ非常ノ高価ヲ現ハスニ至レルナリ
薪炭 本品ノ中薪ハ開戦以来出兵ノ為メ東京地方人員ヲ減スルノ結果トシテ需用ヲ減スヘシトノ見込ニテ、産地ニテ仕出方ヲ控ヘタルヨリ入荷ノ数頓ニ減少シ、殆ント平年ノ半ハヲ減スルニ至リタルヨリ冬期ニ至リ供給ヲ欠キ売行捗々シカラサルニモ拘ハラス相場大ニ気勢ヲ増セリ、而シテ特ニ事変ノ影響トシテ見ルヘキハ汽車便ニ依リ運搬シ来ル東海道筋及野州・奥州ノ薪炭運送不便ノ為メ其入荷ヲ減少シタル事ニシテ、野州土釜炭ノ如キハ毎月其価格ヲ昂進シ、十一十二月頃トナリテハ開戦前ノ相場ヨリ凡二割前後ノ高直ヲ現ハスニ至レリ、然レトモコハ右ノ如ク入荷減少ノ結果タルニ外ナラスシテ本業ノ全体ヨリ見ルトキハ概シテ不景気ノ状況ナリキ
材木 七月ヨリ年末マテノ商況ヲ通観スルニ市内普通ノ売行ハ頓ニ減少シ平年ノ半ニ過キサリシ、是開戦以来孰レモ家屋土蔵等ノ新築ヲ見合セタルニ因ルモノニシテ、彼ノ震災ノ為メ土蔵修繕ニ要スル足場ノ用材等一時ノ修繕ニ用フル木材ハ弗々売行アリタルヲ以テ、先ツ辛フシテ平年ノ半ニ達シタル位ナレハ市内ノ売行ハ頗ル不振ヲ極メタリ、之ニ反シ弾薬・銃丸ノ包箱及ヒビスケツトノ箱ニ用フル木材類ハ売行頗ル活溌ニシテ、従テ価格大ニ昂進シタリ、之ニ次テ陸海軍省ニ於テ馬小屋・物置仮小屋等ヲ各所ニ新設セラレタルヨリ是亦可ナリノ売行アリタレハ、此等ノモノヲ通ジテ木材全般ノ売行高ヲ見ルトキハ平年ト略ホ同様ナルヘキ歟、又相場ハ船舶ノ徴発ニ拠リ一時運搬ノ便欠乏シタル為メ、在荷稍ヤ不足ヲ現ハシ大ニ昂進シタルカ、其後運搬ノ便開通スルニ及ンテモ山方ハ当市ノ高価ヲ気構ヘテ高直ヲ唱ヘ容易ニ切出サヽルニ、山方ノ人夫等ハ兵役軍夫トナリテ稍ヤ人少ナノ有様ヲ呈シ、其在荷モ割合ニ多カラサリシヨリ益益荷不足ヲ感シ年末ニ至ルマテ高直ヲ支持シタリ、且朝鮮ニ向テ木材ノ輸出アリタルト、此事件発生以来木材ハ重ニ大坂地方ヨリ広島地方ニ集マル傾キアリタルコトモ亦相場昂進ノ一因タリシモノヽ如シ、之ヲ要スルニ本品ハ事変ノ為メニ其売行ハ捗々シカラサリシト雖モ、価格ハ却テ昂進シタレハ不利ノ影響ヲ受ケシモノト謂フ可ラサルカ如シ
塩 此事件起リシヨリ船舶欠乏シ運賃ノ騰貴シタルニ拘ハラス、価格
 - 第20巻 p.651 -ページ画像 
ハ元浜収穫ノ増加ヲ気構ヘ左シタル影響ヲ見ス、且売行モ一時ノ需要ヲ充タス補ヒ買ヒニ過キスシテ多額ノ取引アラサリシカ、九月頃ニ至リ在荷薄ラキ稍ヤ上向キタル折柄漸次船運欠乏ノ度ヲ高メ、従来塩積ヲ主トシタル船舶モ勢石炭積ニ使用スルニ至リ、且ツ十月下旬ニハ遂ニ塩積ノ船舶皆無ノ姿トナリタルヲ以テ相場上進ノ勢自カラ備ハリタル際、延期売買ニ於テ新斎田ヲ買煽リタル影響ニヨリ各種トモ相場激騰シタリ、去レトモ十一月下旬頃ヨリ船運稍ヤ旧態ニ復シ、続々多額ノ輸入アリタルヲ以テ在荷潤沢ヲ告ケ相場大ニ下落シタリ、蓋シ本品ノ如キハ事変ノ為メニ船運不便ノ影響ヲ受ケタリト雖、大体売行ノ上ニハ差シタル変化ヲ呈セサリシモノヽ如シ
塩物 此事件起リシヨリ以来北海航行ノ船舶大ニ不足ヲ告ケ、一時各品共払底ナリシ為メ品ニヨリ凡一割乃至五分方上進シタリ、而シテ一時非常ノ高価ヲ現ハシタルハ室鰺ノ干物(伊豆七島ノ内新島・神津島ニテ漁ス)及鮭ニシテ、就中室鰺ノ干物ハ年末ニ至リ多量ノ買上アリタル為メ非常ニ騰貴シタリ、又鮭ハ船便不足ノ折柄稀有ノ不漁ニテ其漁獲ハ二十六年ニ比シ三割方減少シタルヨリ価格モ従テ騰貴シタリ、自余ノ品類ハ戦事ノ為メ直接ノ影響ヲ受ケシモノナク、著シキ変動ヲ生スルニ至ラサリシ
昆布 戦争ノ影響ヨリ唯一ノ花主タル支那ヘノ輸出杜絶シタル為メ営業者ノ困難実ニ名状ス可ラサルモノアリキ、之カ為メ北海道産地ノ漁業者ハ過半廃業スルニ至リ、当市ノ如キハ常ニ在荷嵩ノ状況ヲ呈シ、随テ価格ハ平年ヨリ五割方低落シタリ、蓋シ本品ノ如キハ事変ノ為メ最モ不利ノ影響ヲ受ケタルモノヽ一ナリトス
朝鮮事件ノ重要諸商品ニ及ホシタル影響ハ以上略述セル所ノ如シ、尚明治二十七年中ニ於ケル米外四十余品ノ相場昂低表ヲ左ニ附添シテ参案ニ資ス
        二十七年中相場昂低表

図表を画像で表示二十七年中相場昂低表

     米(中米)                    一石ニ付        麦(本邦大麦)                  一石ニ付       麦粉(本邦製) 叺入二個(三十二貫目)ニ付銀六十匁ヲ以テ一円ニ算ス        最高          最低           全月平均        最高           最低          全月平均      最高             最低          平均             円             円       円             円             円       円                匁             匁       匁 一月   卅一日   七・六一〇   廿四日   七・五四〇   七・五六〇   五日    三・二三〇   十二日   三・二〇〇   三・二一〇          三八五・〇         三七五・〇   三八〇・〇 二月   廿八日   七・九九〇   一日    七・七〇〇   七・七八〇   十三日   三・二八〇   一日    三・一八〇   三・二四〇          三八五・〇         三八〇・〇   三八二・五 三月   七日    八・二五〇   一日    八・〇五〇   八・一三〇   十七日   三・四六〇   一日    三・二八〇   三・三七〇          四〇〇・〇         三八五・〇   三九二・〇 四月   二日    八・三七〇   廿六日   八・一八〇   八・二九〇   一日    三・三九〇   廿二日   三・二二〇   三・二九〇          三九五・〇         三八五・〇   三九〇・〇 五月   廿二日   八・七〇〇   五日    八・一四〇   八・四一〇   廿四日   三・七〇〇   十日    三・一七〇   三・三二〇          三八五・〇         三八五・〇   三八五・〇 六月   廿八日   八・六〇〇   十八日   八・二三〇   八・三八〇   一日    三・五七〇   三十日   二・八六〇   三・一八〇          三八五・〇         三八五・〇   三八五・〇 七月   廿七日   九・六六〇   二日    八・七三〇   九・二四〇   廿八日   三・四六〇   一日    二・九〇〇   三・一〇〇   一日ヨリ   四二〇・〇         三九〇・〇   四〇五・〇                                                                              十二日マテ  以下p.652 ページ画像  八月   十一日   九・六三〇   八日    九・二八〇   九・四七〇   四日    三・五七〇   廿八日   三・二八〇   三・四七〇          三八五・〇         三八〇・〇   三八二・五 九月   廿九日   九・四六〇   一日    九・二〇〇   九・三五〇   廿八日   三・六三〇   一日    三・四六〇   三・五六〇          三八〇・〇         三七五・〇   三七七・五 十月   十九日   九・八三〇   二日    九・四九〇   九・六八〇   廿一日   四・三五〇   二日    三・六三〇   三・九四〇          三七五・〇         三七〇・〇   三七二・五 十一月  六日   一〇・三九〇   廿七日   九・八一〇  一〇・一二〇   十五日   四・八三〇   一日    四・三四〇   四・五六〇          三七〇・〇         三七〇・〇   三七〇・〇 十二月  一日    九・八一〇   廿五日   九・一五〇   九・六五〇   二日    四・四一〇   廿一日   三・六三〇   三・九四〇          三七〇・〇         三七〇・〇   三七〇・〇     麦粉(輸入品)   四袋(二百英斤)ニ付(一枚ヲ一弗トス)        大豆(仙台)                   一石ニ付       牛肉                           百斤ニ付        最高          最低            平均         最高           最低          全月平均       和牝牛           和牡牛        雑牝牛            枚 分厘          枚 分厘    枚 分厘毛          円             円       円                円           円        円 一月         五・九五          五・八〇    五・八七五   十四日   五・三五〇   四日    五・二一〇   五・二九〇          九・五〇〇         六・五〇〇    八・五〇〇 二月         五・七五          五・五〇    五・六二五   二十日   五・三二〇   廿七日   五・一三〇   五・二四〇          九・五〇〇         七・〇〇〇    八・五〇〇 三月         五・八〇          五・六〇    五・七〇〇   六日    五・三五〇   一日    五・〇八〇   五・二一〇          九・五〇〇         七・〇〇〇    八・五〇〇 四月         六・二五          五・八〇    六・〇二五   三日    五・三二〇   廿六日   五・七六〇   五・〇三〇          〇・〇〇〇         七・五〇〇    九・〇〇〇 五月         六・〇〇          五・九五    五・九七五   一日    四・七六〇   十七日   四・六三〇   三・六九〇         一〇・五〇〇         八・〇〇〇    九・五〇〇 六月         六・一〇          六・〇〇    六・〇五〇   廿六日   四・九〇〇   五日    四・七六〇   四・八三〇         一〇・五〇〇         八・〇〇〇    九・五〇〇 七月         五・九五          五・八五    五・九〇〇   卅一日   五・九五〇   四日    四・八三〇   五・四七〇         一〇・〇〇〇         七・五〇〇    九・〇〇〇 八月         六・一〇          五・九〇    六・〇〇〇   二十日   五・八一〇   六日    五・四一〇   五・六二〇         一〇・五〇〇         七・〇〇〇    九・〇〇〇 九月         六・五〇          六・二〇    六・三五〇   十七日   五・六八〇   六日    五・四四〇   五・五六〇         一一・〇〇〇         九・〇〇〇   一〇・〇〇〇 十月         六・四五          六・三〇    六・三七五   三日    五・六八〇   十一日   五・五六〇   五・六二〇         一一・五〇〇        一〇・〇〇〇   一〇・〇〇〇 十一月        六・三〇          六・二〇    六・二五〇   十七日   六・二五〇   八日    五・八八〇   六・〇六〇         一一・〇〇〇         九・五〇〇   一〇・〇〇〇 十二月        六・二〇          六・一〇    六・一五〇   一日    六・一七〇   廿四日   五・四一〇   五・七五〇         一一・〇〇〇         九・〇〇〇   一〇・〇〇〇     鰹節(房総鰹節)                 十貫目ニ付        鶏卵                         十貫目ニ付        佃煮(蛤)                  一貫目ニ付        最高            最低          平均          最高            最低            全月平均      最高            最低          全月平均             円             円        円              円              円        円             円             円       円 一月        一五・五〇〇        一四・〇〇〇   一四・七五〇   七日     九・二〇〇   廿二日    八・三〇〇    八・五〇〇         一・四七〇         一・四二〇   一・四四〇 二月        一四・五〇〇        一三・五〇〇   一四・〇〇〇   二日     九・〇〇〇   七日     八・〇〇〇    八・五〇〇         一・六七〇         一・五二〇   一・五九五 三月        一五・〇〇〇        一三・五〇〇   一四・二五〇   二日     九・〇〇〇   廿七日    七・八〇〇    八・三〇〇         一・八二一         一・四五七   一・六三九 四月        一五・〇〇〇        一四・〇〇〇   一四・五〇〇   十二日    八・五〇〇   廿二日    七・五〇〇    八・一〇〇         一・六七〇         一・四五七   一・五六三  以下p.653 ページ画像  五月        一六・〇〇〇        一四・五〇〇   一五・二五〇   十七日    九・五〇〇   二日     八・〇〇〇    八・四〇〇         一・四五七         一・三七一   一・四一四 六月        一六・五〇〇        一三・〇〇〇   一四・七五〇   十七日   一〇・二〇〇   二日    一一・五〇〇    九・三〇〇         一・三七〇         一・二二一   一・二九五 七月        一三・〇〇〇        一一・五〇〇   一二・二五〇   廿七日   一一・五〇〇   二日     九・五〇〇   一〇・二〇〇         一・三七〇         一・二二一   一・二九五 八月        一四・〇〇〇        一二・五〇〇   一三・二五〇   二日    一三・〇〇〇   廿七日   一〇・八〇〇   一一・七〇〇         一・三七〇         一・二二一   一・二九五 九月        一七・五〇〇        一六・五〇〇   一七・〇〇〇   廿七日   一三・〇〇〇   七日    一〇・三〇〇   一一・四〇〇         一・三七〇         一・二二一   一・二九五 十月        二三・〇〇〇        二一・五〇〇   二二・二五〇   七日    一三・五〇〇   廿七日   一一・〇〇〇   一二・四〇〇         一・三七〇         一・二二一   一・二九五 十一月       二四・五〇〇        二三・〇〇〇   二三・七五〇   廿七日   一二・八〇〇   十二日   一一・〇〇〇   一一・八〇〇         一・四五七         一・三七一   一・四一九 十二月       二四・〇〇〇        二三・〇〇〇   二三・五〇〇   十七日   一二・五〇〇   廿七日   一〇・八〇〇   一二・一〇〇         一・四五七         一・三七一   一・四一九     佃煮(ハゼ)                   一貫目ニ付        漬物(沢庵大根漬)          一樽(四斗)ニ付        清酒                      十駄(二十樽)ニ付        最高           最低           全月平均        最高          最低          全月平均         最高            最低           全月平均             円             円       円             円             円       円               円               円         円 一月         一・五七〇         一・二七〇   一・四二〇          ・七五〇          ・七〇〇    ・七二五         一二一・〇〇〇         一二〇・〇〇〇   一二〇・五〇〇 二月         一・五七〇         一・二七〇   一・四二〇          ・七〇〇          ・六五〇    ・六七五         一一八・〇〇〇         一二〇・〇〇〇   一二〇・五〇〇 三月         一・三五〇         一・二二六   一・二八八          ・六八〇          ・六三〇    ・六五五         一一九・〇〇〇         一二〇・〇〇〇   一二〇・五〇〇 四月         一・三五〇         一・一四〇   一・二四五          ・六二〇          ・五二〇    ・五七〇         一二〇・〇〇〇         一二〇・〇〇〇   一二〇・五〇〇 五月         一・三五〇         一・一四〇   一・二四五          ・六八〇          ・六〇〇    ・六四〇         一二一・〇〇〇         一一五・〇〇〇   一一八・〇〇〇 六月         一・三五〇         一・一四〇   一・二四五          ・七〇〇          ・六五〇    ・六七五         一一五・〇〇〇         一一四・〇〇〇   一一四・五〇〇 七月         一・四四二         一・二七〇   一・三五六          ・九〇〇          ・八〇〇    ・八五〇         一一三・〇〇〇         一一一・〇〇〇   一一二・〇〇〇 八月         一・四四二         一・二七〇   一・三五六         一・〇五〇          ・九五〇   一・〇〇〇         一一一・〇〇〇         一一〇・〇〇〇   一一〇・五〇〇 九月         一・四四二         一・二七〇   一・三五六         一・二五〇         一・〇五〇   一・一五〇         一二六・〇〇〇         一一〇・〇〇〇   一一〇・五〇〇 十月         一・四四二         一・二七〇   一・三五六         一・一五〇         一・〇〇〇   一・〇七五         一三〇・〇〇〇         一二八・〇〇〇   一二九・〇〇〇 十一月        一・五七〇         一・三五五   一・四六二         一・〇五〇         一・〇〇〇   一・〇二五         一三九・〇〇〇         一三七・〇〇〇   一三八・〇〇〇 十二月        一・五七〇         一・三五五   一・四六二          ・九〇〇          ・八〇〇    ・八五〇         一三四・〇〇〇         一三三・〇〇〇   一三三・五〇〇     葡萄酒(仏蘭西)                                ストックビール                          ベルモット(伊太利品)        最高             最低           全月平均                              平 均                              平 均              円              円        円                                円                                円 一月         三五・〇〇〇         三三・〇〇〇   三四・〇〇〇                            九・一〇〇                            六・〇〇〇  以下p.654 ページ画像  二月         三五・〇〇〇         三三・〇〇〇   三四・〇〇〇                            九・一〇〇                            六・〇〇〇 三月         三五・〇〇〇         三三・〇〇〇   三四・〇〇〇                            九・一〇〇                            六・〇〇〇 四月         三六・〇〇〇         三五・〇〇〇   三五・五〇〇                            九・三〇〇                            六・三〇〇 五月         三六・〇〇〇         三五・〇〇〇   三五・五〇〇                            九・三〇〇                            六・三〇〇 六月         三六・〇〇〇         三五・〇〇〇   三五・五〇〇                            品切                               六・三〇〇 七月         三六・〇〇〇         三五・〇〇〇   三五・五〇〇                            品切                               六・七〇〇 八月         三六・〇〇〇         三五・〇〇〇   三五・五〇〇                            九・五〇〇                            六・七〇〇 九月         三八・〇〇〇         三六・〇〇〇   三七・〇〇〇                            九・五〇〇                            六・七〇〇 十月         三八・〇〇〇         三六・〇〇〇   三七・〇〇〇                            九・五〇〇                            七・〇〇〇 十一月        三八・〇〇〇         三六・〇〇〇   三七・〇〇〇                            九・八〇〇                            七・〇〇〇 十二月        三八・〇〇〇         三六・〇〇〇   三七・〇〇〇                            九・八〇〇                            七・五〇〇     醤油                      一円ニ付      味噲                       一円ニ付       塩 赤穂                   一円ニ付       最高           最低          全月平均       最高           最低         全月平均       最高            最低       平均            樽分厘毛         樽分厘毛   樽分厘毛          貫             貫       貫             俵分厘          俵分厘    俵分厘 一月         ・八〇〇         ・八二〇   ・八一〇         六・五〇〇         六・七〇〇   六・六〇〇   廿二日   三・八八   十六日   三・九二   三・九〇 二月         ・八二〇         ・八四〇   ・八三〇         六・五〇〇         六・八〇〇   六・六五〇   廿八日   三・七九   廿二日   三・八四   三・八一 三月         ・八〇〇         ・八二〇   ・八一〇         六・四〇〇         六・七〇〇   六・五五〇   廿八日   三・七〇   十日    三・七九   三・七四 四月         ・八〇〇         ・八四〇   ・八二〇         六・三〇〇         六・六〇〇   六・四五〇   廿二日   三・七〇   四日    三・七二   三・七一 五月         ・八四〇         ・八五〇   ・八四五         六・四〇〇         六・七〇〇   六・五五〇   廿八日   三・三九   四日    三・五九   三・四九 六月         ・八五〇         ・八五〇   ・八五〇         六・四〇〇         六・七〇〇   六・五五〇   四日    三・四八   廿二日   三・九二   三・七〇 七月         ・八五〇         ・八五〇   ・八五〇         六・四〇〇         六・六〇〇   六・五〇〇   四日    三・八八   廿八日   四・〇八   三・九八 八月         ・八一〇         ・八三〇   ・八二〇         六・四〇〇         六・七〇〇   六・五五〇   廿二日   三・九八   四日    四・一四   四・〇六 九月         ・七九〇         ・八二〇   ・八〇五         六・四〇〇         六・七〇〇   六・五五〇   廿二日   三・九四   四日    四・〇六   四・〇〇 十月         ・八三〇         ・八四〇   ・八三五         六・三〇〇         六・五〇〇   六・四〇〇   廿八日   三・六〇   四日    三・九二   三・七六 十一月        ・八五〇         ・八六〇   ・八五五         六・二〇〇         六・四〇〇   六・三〇〇   廿八日   三・五四   十日    三・七四   三・六四 十二月        ・八四〇         ・八七〇   ・八五五         六・三〇〇         六・四〇〇   六・三五〇   四日    三・五七   廿八日   三・九〇   三・七三  以下p.655 ページ画像      塩(新斎田)                   一円ニ付     梅干小樽詰(約五升入)            一個ニ付      缶詰(牛肉大和煮)   一封度入一打ニ付       最高           最低            平均        最高         最低        全月平均                    平均            俵 分厘         俵分厘    俵 分厘         円            円      円                        円 一月   廿二日   六・八六   十日    六・九三   六・八九         ・六〇〇         ・五八〇   ・五九〇                    一・九五〇 二月   十日    七・〇〇   廿八日   七・〇〇   七・〇〇         ・六〇〇         ・五八〇   ・五九〇                    一・九五〇 三月   十六日   七・〇〇   廿八日   七・〇〇   七・〇〇         ・六〇〇         ・五八〇   ・五九〇                    一・九五〇 四月   廿八日   六・八七   十日    七・〇七   六・九七         ・六〇〇         ・五八〇   ・五九〇                    一・九五〇 五月   廿八日   六・四二   四日    六・八七   六・六四         ・五八〇         ・五〇〇   ・五四〇                    二・〇〇〇 六月   四日    六・六〇   廿二日   六・九二   六・七六         ・五〇〇         ・四五〇   ・四七五                    二・一五〇 七月   四日    六・八〇   廿八日   七・〇〇   六・九〇         ・四八〇         ・四〇〇   ・四四〇                    二・三〇〇 八月   廿八日   六・五四   四日    六・八六   六・七〇         ・六〇〇         ・五五〇   ・五七五                    二・四〇〇 九月   廿八日   六・三六   四日    六・七三   六・五四         ・六三〇         ・六〇〇   ・六一五                    二・四五〇 十月   廿八日   五・五一   四日    六・三〇   五・九〇         ・六五〇         ・六二〇   ・六三五                    二・四五〇 十一月  廿八日   四・八九   四日    五・七六   五・三二         ・七五〇         ・六八〇   ・七一五                    二・三五〇 十二月  四日    五・二二   廿八日   六・八二   六・〇二         ・七八〇         ・七三〇   ・七五五                    二・二〇〇     和白砂糖(初雪)               一貫目ニ付      舶来白砂糖(車糖)             一貫目ニ付      舶来赤砂糖(台湾玉板・呂宋玉板糖ヲ平均ス) 一貫目ニ付        最高           最低         全月平均       最高          最低        全月平均     最高           最低         全月平均            円            円      円            円            円      円            円            円      円 一月   二日    ・四八三   十七日   ・四八〇   ・四八二   二日    ・五五〇         ・五五〇   ・五五〇   二日    ・三〇七   十七日   ・二九〇   ・二九七 二月   十五日   ・四九〇   一日    ・四七五   ・四八二   一日    ・五五〇         ・五五〇   ・五五〇   十七日   ・二九五   七日    ・二九二   ・二九二 三月   廿一日   ・五一七   一日    ・四八三   ・五〇〇   廿日    ・五八二   一日    ・五五〇   ・五六七   十八日   ・三二二   五日    ・二九三   ・三〇五 四月   一日    ・五一七   十六日   ・五〇八   ・五一三   十六日   ・五九〇   三日    ・五八八   ・五八九   十六日   ・三一三   一日    ・二九二   ・三〇三 五月   十六日   ・五一〇   廿二日   ・四九七   ・五〇六   一日    ・五八七   廿三日   ・五八五   ・五八六   一日    ・三一三   廿日    ・三〇三   ・三〇七 六月   十一日   ・五〇八   一日    ・五〇〇   ・五〇四   十六日   ・六〇八   一日    ・五八七   ・六〇〇   廿八日   ・三〇四   一日    ・三〇〇   ・三〇三 七月   一日    ・五二五   十八日   ・五一七   ・五二一   十六日   ・六〇〇   一日    ・五九七   ・六〇〇   一日    ・三〇〇   廿六日   ・二八三   ・二九二 八月   一日    ・五二五   廿日    ・五〇八   ・五一七   廿五日   ・六〇五   六日    ・六〇〇   ・六〇三   十六日   ・三〇〇   一日    ・二八三   ・二九二 九月   八日    ・五一七   十六日   ・五〇〇   ・五〇八   一日    ・五九七   十七日   ・五八三   ・五九〇   四日    ・三〇八   廿二日   ・二九〇   ・三〇〇  以下p.656 ページ画像  十月   一日    ・五三三   十日    ・五〇七   ・五二五   五日    ・五七五   廿三日   ・五四二   ・五五八   二日    ・二八三         ・二八三   ・二八三 十一月  二日    ・五一七   廿日    ・五〇〇   ・五〇九   十一日   ・五四二   廿一日   ・四八〇   ・五〇七   一日    ・二八三   廿八日   ・二八〇   ・二八一 十二月  一日    ・五〇〇   廿二日   ・四八七   ・四九四   八日    ・五一三   十七日   ・四八三   ・四九五   一日    ・二八三   十一日   ・二七五   ・二八〇      麻(真縄束上)            三十貫目ニ付        藍玉                         一駄ニ付       干鰯(本場寒引上又ハ鹿島)           一円ニ付                              平均          最高            最低           全月平均       最高           最低         平均                                円              円              円        円            杯 合勺         杯 合勺   杯 合勺 一月                           四六・〇〇〇         五八・〇〇〇         五三・〇〇〇   五五・五〇〇   五日    三・七五         三・七五   三・七五 二月                           四八・〇〇〇         五八・〇〇〇         五四・五〇〇   五五・〇〇〇   〃     二・八〇         二・九三   二・八四 三月                           四八・〇〇〇         四六・二五〇         四一・五〇〇   四四・六二五   廿五日   二・七五   五日    二・八三   二・七九 四月                           四八・〇〇〇         四七・五〇〇         四二・五〇〇   四五・〇〇五   五日    二・七〇   廿五日   二・七五   二・七五 五月                           四八・〇〇〇         四二・五〇〇         三九・六二〇   四一・〇〇〇   〃     二・七五   〃     二・七五   二・七五 六月                           五〇・〇〇〇         四一・二五〇         三八・五〇〇   四〇・〇〇〇   〃     二・七〇   〃     二・四八   二・〇〇 七月                           五〇・〇〇〇         五四・〇〇〇         四八・〇〇〇   五二・〇〇〇   〃     二・四八   〃     二・四八   二・四八 八月                           五〇・〇〇〇         五〇・八三〇         四五・〇〇〇   四八・〇〇〇   廿五日   二・三〇   五日    二・四八   二・四二 九月                           四七・〇〇〇         四一・六六六         三五・〇〇〇   三八・五〇〇   五日    二・三〇   廿五日   二・七〇   二・四三 十月                           四七・〇〇〇         四〇・〇〇〇         三五・五〇〇   三八・〇〇〇   十五日   二・五〇   五日    二・六〇   二・七五 十一月                          五〇・〇〇〇         三八・〇〇〇         三四・五〇〇   三六・二五〇   五日    二・三〇   廿五日   二・三〇   二・三〇 十二月                          五三・〇〇〇         四一・五〇〇         三九・〇〇〇   三九・〇〇〇   〃     二・三〇   〃     二・三〇   二・三〇      鯟粕                     一円ニ付      搾粕(内海大羽粕)             一円ニ付        生蝋(中等)                 一円ニ付        最高           最低         平均        最高           最低        平均        最高           最低         全月平均             貫            貫      貫            貫            貫      貫            貫            貫       貫 一月   五日    四・五〇   廿五日   四・五〇   四・五〇   廿五日   三・九〇   十八日   四・〇〇   三・九五   五日    一・三二〇   五日   一・三二〇   一・三二〇 二月   廿五日   四・三〇   五日    四・四五   四・四〇   〃     三・七〇   五日    三・八〇   三・七三   一日    一・三二〇   十日   一・三四〇   一・三三〇 三月   〃     四・一八   〃     四・三〇   四・二六   〃     三・六〇   〃     三・六五   三・六二   十六日   一・二九〇   一日   一・三四〇   一・三一五 四月   五日    四・一八   廿五日   四・二五   四・二二   五日    三・六〇   廿五日   三・六五   三・六三   一日    一・二九〇   十日   一・二二〇   一・三〇五 五月   〃     四・三五   〃     四・四五   四・四二   十五日   三・七〇   十五日   三・七〇   三・六八   一日    一・三二〇        一・三二〇   一・三二〇 六月   廿五日   四・六五   五日    四・八〇   四・六七   廿五日   三・八〇   五日    三・九〇   三・八三   三日    一・三二〇        一・三二〇   一・三二〇  以下p.657 ページ画像  七月   五日    四・六〇   廿五日   四・八〇   四・七〇   五日    三・九五   十五日   四・〇〇   三・九九   三日    一・三二〇        一・三二〇   一・三二〇 八月   〃     四・七七   十五日   四・八〇   四・七九   廿五日   三・九〇   十八日   四・〇〇   三・九七   一日    一・三二〇        一・三二〇   一・三二〇 九月   廿五日   四・六〇   五日    四・六五   四・六二   〃     三・七〇   五日    三・八〇   三・七七   五日    一・三二〇        一・三二〇   一・三二〇 十月   〃     四・四〇   〃     四・五〇   四・四五   〃     三・六五   十五日   三・七〇   三・六九   一日    一・三一〇        一・三一〇   一・三一〇 十一月  〃     四・一〇   〃     四・三五   四・二三   〃     三・四五   五日    三・六〇   三・五二   五日    一・三一〇   廿五日  一・三四〇   一・三二五 十二月  五日    四・一〇   〃     四・一五   四・一三   〃     三・四五   廿五日   三・六〇   三・五二   一日    一・三四〇   十九日  一・三六〇   一・三五〇      蝋燭                                和製葉煙草(奥州松川)           十六匁玉百斤ニ付        錬鉄                      和百斤ニ付         最高           最低        全月平均      最高            最低           全月平均        最高           最低          全月平均            円            円       円              円             円        円             円             円       円 一月   上旬   三・一〇〇   上旬   二・九〇〇   三・〇〇〇         一六・五〇〇         四・二〇〇   一一・三〇〇         三・八五〇         三・八二〇   三・八三五 二月   上旬   三・一〇〇   下旬   二・九〇〇   三・〇〇〇         一六・〇〇〇         四・〇〇〇   一〇・五五〇         三・八四〇         三・八二〇   三・八三〇 三月   中旬   三・一五〇   上旬   三・〇〇〇   三・〇〇〇         一五・五〇〇         四・〇〇〇   一〇・〇〇〇         三・九〇〇         三・八五〇   三・八七五 四月   下旬   三・一五〇   上旬   三・〇〇〇   三・〇七五         一五・五〇〇         四・二〇〇   一〇・二五〇         三・八九〇         三・八七〇   三・八八〇 五月   上旬   三・一五〇   下旬   三・〇〇〇   三・〇七五         一七・〇〇〇         四・五〇〇   一〇・三〇〇         三・九二〇         三・九〇〇   三・九一〇 六月   下旬   三・二五〇   上旬   三・〇〇〇   三・一二五         一八・〇〇〇         四・五〇〇   一一・五〇〇         三・九〇〇         三・八五〇   三・八七五 七月   上旬   三・二五〇   中旬   三・一五〇   三・一二五         一七・〇〇〇         四・二〇〇   一二・〇〇〇         三・九一〇         三・八五〇   三・八八〇 八月   下旬   三・四五〇   上旬   三・三五〇   三・四〇〇         一六・五〇〇         四・〇〇〇   一一・一〇〇         三・九二〇         三・八八〇   三・九〇〇 九月   上旬   三・六〇〇   中旬   三・四五〇   三・五五〇         一五・〇〇〇         四・〇〇〇   一〇・〇〇〇         三・九五〇         三・九〇〇   三・九二五 十月   上旬   三・七五〇   中旬   三・四〇〇   三・六二五         一四・八〇〇         四・〇〇〇   一〇・〇〇〇         三・九九〇         三・九八〇   三・九八五 十一月  上旬   三・七五〇   下旬   三・四〇〇   三・六〇五         一五・〇〇〇         四・〇〇〇    九・八〇〇         四・二〇〇         三・九八〇   四・〇九〇 十二月  上旬   三・六五〇   下旬   三・四〇〇   三・五七〇         一四・五〇〇         四・〇〇〇    九・七〇〇         四・一九〇         四・一六〇   四・一七五      鉛                      和百斤ニ付       鋼鉄                       和百斤ニ付     丁銅                         和百斤ニ付         最高           最低         全月平均       最高            最低          全月平均     最高            最低            全月平均            円            円        円             円             円       円              円              円        円 一月        六・二五〇        六・一五〇    六・二二〇         四・一三五         四・〇六五   四・二〇〇         二二・八〇〇         二一・七五〇   二二・三二〇 二月        六・三〇〇        六・二〇〇    六・二三〇         四・二六五         四・二〇〇   四・二一〇         二二・〇〇〇         二一・八〇〇   二一・八八〇 三月        六・三〇〇        六・二〇〇    六・二六〇         四・四六五         四・四〇〇   四・四四〇         二三・二〇〇         二二・〇〇〇   二二・六五〇  以下p.658 ページ画像  四月        六・三五〇        六・二八〇    六・三〇〇         四・六〇〇         四・五三五   四・五七〇         二三・三〇〇         二一・五〇〇   二二・一五〇 五月        六・三五〇        六・三〇〇    六・三四〇         四・五三五         四・五三五   四・五三五         二二・〇〇〇         二一・七〇〇   二一・九〇〇 六月        六・三〇〇        六・二〇〇    六・二五〇         四・四六五         四・四〇〇   四・四一〇         二一・七〇〇         二一・六〇〇   二一・六三〇 七月        六・七〇〇        六・三五〇    六・五七〇         四・四六五         四・四六五   四・四六五         二一・八〇〇         二一・五〇〇   二一・六五〇 八月       一一・〇〇〇        六・八五〇    八・五〇〇         四・五三五         四・四六五   四・四八〇         二二・二〇〇         二一・四〇〇   二一・九〇〇 九月       一四・五〇〇       一一・二〇〇   一三・四〇〇         四・六〇〇         四・五三五   四・五七〇         二二・七〇〇         二一・六〇〇   二二・三〇〇 十月       一〇・〇〇〇        九・五〇〇    九・八〇〇         四・六六五         四・五三五   四・六一五         二三・三〇〇         二二・六〇〇   二二・九〇〇 十一月       八・五〇〇        八・三五〇    八・四八〇         四・六六五         四・六六五   四・六六五         二四・〇〇〇         二三・二〇〇   二三・八〇〇 十二月       八・四〇〇        八・二五〇    八・三五〇         四・六六五         四・五三五   四・六三〇         二四・三〇〇         二三・六〇〇   二三・九〇〇      熟鉄                     和百斤ニ付       石炭                    各種平均一万斤ニ付        石油(ホーキ)        一函ニ付        最高             最低        全月平均       最高           最低            全月平均                       平均             円            円       円              円              円        円                         円 一月         五・三三五        五・三三五   五・三三五         三〇・五〇〇         三〇・〇〇〇   三〇・四〇〇                     一・八二八 二月         五・四五〇        五・四五〇   五・四五〇         三三・八〇〇         三二・五〇〇   三三・五〇〇                     一・七三九 三月         五・六五〇        五・六〇〇   五・六二五         三三・八〇〇         三三・〇〇〇   三三・五〇〇                     一・七六九 四月         五・八五〇        五・八一〇   五・八二〇         三三・五〇〇         三二・八〇〇   三二・二五〇                     一・七八一 五月         五・八一〇        五・七〇〇   五・七七〇         三三・〇〇〇         三一・五〇〇   三二・五〇〇                     一・七六四 六月         五・八一〇        五・七〇〇   五・七七〇         三六・五〇〇         三五・〇〇〇   三四・五〇〇                     一・七三七 七月         五・八一〇        五・八一〇   五・八一〇         四七・五〇〇         四五・五〇〇   四六・五〇〇                     一・七六九 八月         六・〇八〇        五・九五〇   六・〇〇〇         四三・三〇〇         四二・〇〇〇   四二・五〇〇                     一・七七三 九月         六・二〇〇        六・〇八〇   六・一五〇         四三・五〇〇         四一・三〇〇   四二・〇〇〇                     一・八一七 十月         六・三〇〇        六・二五〇   六・二五〇         四〇・〇〇〇         三九・五〇〇   四〇・〇〇〇                     一・八〇三 十一月        六・五五〇        六・五五〇   六・五五〇         四三・五〇〇         四二・〇〇〇   四二・五〇〇                     一・七五七 十二月        六・六五〇        六・六五〇   六・六五〇         四三・五〇〇         四二・五〇〇   四二・六〇〇                     一・七六六      薪炭(下総水海道辺堅大束上)一円ニ付    燐寸      一噸ニ付(六百打)        木材                 平均相場一円ニ付                     平均                    平均            檜二間尺角       杉 同上        松 同上  以下p.659 ページ画像                        束                     円            分 厘         分 厘         分 厘 一月                  一七・〇                      ――         一・七         三・八         三・〇 二月                  一七・五                  一三・〇五〇         一・七         三・五         三・〇 三月                  一七・五                  一三・〇五〇         一・七         三・五         三・〇 四月                  一七・五                  一二・八〇〇         一・七         三・五         三・〇 五月                  一七・五                  一三・一〇〇         一・七         三・五         三・〇 六月                  一七・五                  一三・〇〇〇         一・七         三・五         三・〇 七月                  一六・五                      ――         一・七         三・五         三・〇 八月                  一六・五                  一二・二五〇         一・七         三・七         三・〇 九月                  一五・五                  一三・〇〇〇         一・七         三・七         三・〇 十月                  一四・五                  一三・〇〇〇         一・七         三・七         三・〇 十一月                 一四・五                  一三・三〇〇         一・七         三・五         三・〇 十二月                 一四・五                  一二・九〇〇         一・六         三・五         三・〇      木材      平均相場一円ニ付        木材       平均相場一円ニ付                 飼料(藳)        百貫目ニ付      杉 二間一寸板   杉 大貫   杉 中貫   杉 四分尺板   杉 六分尺板   樅 六分尺板   杉屋根板   藳       秣      大麦(一石ニ付)      枚 分        丁       丁      枚       枚        枚        把      円      円        円 一月   三・一       七・〇    一六・五   一二・〇    一一・五     一五・〇      四・六    二・〇〇〇   四・〇〇〇   三・三三〇 二月   三・二       七・五    一七・五   一三・〇    一二・〇     一五・〇      四・六    二・〇〇〇   四・〇〇〇   三・三三〇 三月   三・三       八・〇    一八・〇   一七・〇    一二・〇     一五・五      四・三    二・〇〇〇   四・〇〇〇   三・三三〇 四月   三・三       八・〇    一八・〇   一七・〇    一三・〇     一五・五      四・三    二・二〇〇   四・〇〇〇   三・〇〇〇 五月   三・二       七・八    一七・〇   一五・〇    一一・〇     一五・五      四・二    二・二〇〇   四・〇〇〇   三・〇〇〇 六月   三・一       七・八    一六・五   一五・〇    一一・〇     一五・五      四・二    二・二〇〇   四・〇〇〇   三・〇〇〇 七月   三・一       七・八    一六・五   一五・〇    一一・〇     一五・五      三・九    二・五〇〇   四・〇〇〇   四・三六〇 八月   二・七       七・五    一六・五   一五・〇    一一・〇     一五・五      三・五    二・五〇〇   四・〇〇〇   四・三六〇 九月   二・五       七・〇    一六・五   一五・〇    一一・〇     一四・五      三・四    二・五〇〇   四・〇〇〇   四・三六〇 十月   二・三       六・〇    一六・〇   一五・〇    一一・〇     一三・〇      三・三    二・五〇〇   四・〇〇〇   四・二〇〇 十一月  二・一       六・〇    一五・〇   一五・〇    一一・〇     一二・八      三・三    一・五〇〇   四・〇〇〇   四・二〇〇  以下p.660 ページ画像  十二月  二・二       六・〇    一五・〇   一五・〇    一一・〇     一二・八      三・五    一・五〇〇   四・〇〇〇   四・二〇〇      綿              平均相場一円ニ付   呉服                   糸目百目付一反ニ付    木綿(知多晒)                 一反ニ付        唐白袋入            大阪大入      最高           最低         全月平均      最高           最低         全月平均              目           目          円             円       円            円            円      円 一月         八八五         七三五         六・四六〇         六・二一〇   六・三四〇         ・二〇八         ・二〇六   ・二〇八 二月         八七五         七二〇         六・三四〇         六・三四〇   六・三四〇         ・二一二         ・二〇七   ・二一〇 三月         八六〇         七一五         六・二八〇         六・二一〇   六・二四〇         ・二一七         ・二〇九   ・二一四 四月         八五〇         七一五         六・三四〇         六・一八〇   六・二六〇         ・二一六         ・二一四   ・二一五 五月         八五〇         七一五         六・〇九〇         六・〇二〇   六・〇五〇         ・二一〇         ・二〇六   ・二〇八 六月         八四〇         七一五         六・二一〇         六・〇九〇   六・一五〇         ・二一七         ・二〇五   ・二一一 七月         八三〇         七一五         六・三四〇         六・二一〇   六・二八〇         ・二二二         ・二一六   ・二一九 八月         八三〇         七二五         五・六四〇         四・六一〇   五・一二〇         ・二一五         ・二〇〇   ・二〇七 九月         八五〇         七四五         五・一二〇         四・七四〇   四・九三〇         ・二〇二         ・一九五   ・一九九 十月         八八〇         七四五         五・九六〇         五・五一〇   五・七三〇         ・二〇三         ・一九八   ・二〇〇 十一月        九〇〇         七四五         六・七五〇         六・〇二〇   六・三八〇         ・二〇〇         ・一九三   ・一九七 十二月        九〇〇         七三〇         六・五一〇         六・三八〇   六・四四〇         ・二〇四         ・一九八   ・二〇二      羅紗                       平均相場一碼ニ付         毛布                     一斤ニ付       乾鰮(本場寒引上或ハ鹿島)       小尺・白尺・大羽一円ニ付          舶来五号軍艦絨        紺三番軍艦絨         濃紺地印絨     最高           最低         全月平均       最高          最低         全月平均             円             円             円            円            円      円             抔 合勺         抔 合勺   抔 合勺 一月         一・七五〇         一・四〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   五日    三・七五         三・七五   三・七五 二月         一・七五〇         一・四〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   〃     二・八〇         二・九三   二・八四 三月         一・七五〇         一・五〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   廿五日   二・七五   五日    二・八三   二・七九 四月         一・七五〇         一・五〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   五日    二・七五   廿五日   二・七五   二・七五 五月         一・七五〇         一・五〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   〃     二・七五   〃     二・七五   二・七五 六月         一・七五〇         一・五〇〇         三・一〇〇         ・五四〇         ・五三〇   ・五三五〇   〃     二・七〇   〃     二・四八   二・五五 七月         一・七五〇         一・五〇〇         三・一〇〇         ・五八〇         ・五五〇   ・五六五〇   〃     二・四八   〃     二・四八   二・四八 八月         一・八五〇         一・六五〇         三・二五〇         ・六〇〇         ・五七〇   ・五八五〇   廿五日   二・三〇   五日    二・四八   二・四二  以下p.661 ページ画像  九月         一・九五〇         一・七五〇         三・三五〇         ・六二五         ・六〇〇   ・六一二五   五日    二・三〇   廿五日   二・七〇   二・四三 十月         二・〇〇〇         一・七五〇         三・三五〇         ・七〇〇         ・六七五   ・六八七五   十五日   二・五〇   五日    二・六〇   二・七五 十一月        二・一〇〇         一・八五〇         三・四五〇         ・七二五         ・七〇〇   ・七一二五   五日    二・三〇   廿五日   二・三〇   二・三〇 十二月        二・三〇〇         一・九五〇         三・六〇〇         ・七七五         ・七五〇   ・七六二五   〃     二・三〇   〃     二・三〇   二・三〇      〆粕(内海大羽粕)                 均相場一円ニ付      〆粕(南部仙台中羽或ハ腰長粕)      平均相場一円ニ付    〆粕(八戸大中羽或ハ腰長粕)      平均相場一円ニ付         最高           最低              全月平均      最高           最低        全月平均      最高           最低        全月平均             貫            貫            貫            貫            貫      貫            貫            貫      貫 一月   廿五日   三・九〇   十八日   四・〇五         三・九五   五日    四・二〇   廿五日   四・五〇   四・四〇   四日    四・五〇   十五日   四・六〇   四・五七 二月   〃     三・七〇   五日    三・八三         三・七三   廿五日   四・〇〇   五日    四・三一   四・一三   十五日   四・四〇   五日    四・五〇   四・四六 三月   〃     三・六〇   〃     三・六五         三・六二   十五日   三・九〇         不明     三・九七   〃     四・二五   〃     四・三〇   四・三六 四月   五日    三・六〇   廿五日   三・六五         三・六三   五日    四・〇〇         〃      四・〇三   五日    四・二五   十五日   四・三〇   四・二九 五月   〃     三・六五   十五日   三・七〇         三・六八   〃     四・〇五         〃      四・〇八         品ナシ 六月   廿五日   三・八〇   五日    三・九〇         三・八三         品ナシ                              〃 七月   五日    三・九五   十五日   四・〇〇         三・九九         〃                                〃 八月   廿五日   三・九〇   十八日   四・〇〇         三・九七         〃                          五日    四・七〇   廿五日   四・七〇   四・七〇 九月   〃     三・七〇   五日    三・八〇         三・七七         〃                          〃     四・七〇   十五日   四・七〇   四・七〇 十月   〃     三・六五   十五日   三・七〇         三・六九   廿五日   四・三五   五日    四・五〇   四・四三   〃     四・四五   廿五日   四・七〇   四・五九 十一月  〃     三・四五   五日    三・六〇         三・五二   〃     四・一五   〃     四・三〇   四・二二   廿五日   四・二五   五日    四・四〇   四・三二 十二月  五日    三・四五   廿五日   三・六〇         三・五二   五日    四・一五   十五日   四・二〇   四・一八   五日    四・二五   廿五日   四・三〇   四・三〇      〆粕(新樽粕)               平均相場一円ニ付   〆粕(樽前粕)              平均相場一円ニ付    〆粕(鯟粕)                平均相場一円ニ付          最高          最低       全月平均       最高           最低        全月平均      最高           最低        全月平均                                              貫            貫      貫            貫            貫      貫 一月         品ナシ                        廿五日   四・五〇   五日    四・五〇   四・五〇   五日    四・五〇   廿五日   四・五〇   四・五〇 二月         〃                          〃     四・三〇   〃     四・四五   四・三八   廿五日   四・三〇   五日    四・四五   四・四〇             貫            貫      貫 三月   十五日   四・八〇   廿五日   五・〇〇   四・九三   〃     四・二五   〃     四・三〇   四・二七   〃     四・一八   〃     四・三〇   四・二六 四月   五日    五・〇〇   〃     五・四四   五・一七   五日    四・二五   十五日   四・三〇   四・三八   五日    四・一八   廿五日   四・二五   四・二二 五月   〃     五・四二   〃     四・五〇   五・四七   〃     四・三〇   廿五日   四・四〇   四・三七   〃     四・三五   〃     四・四五   四・四二  以下p.662 ページ画像  六月   廿五日   五・一三   五日    五・三七   五・二一   廿五日   四・三五   五日    四・四〇   四・三七   廿五日   四・六〇   五日    四・八〇   四・六七 七月   五日    五・二三   廿五日   五・二七   五・二六   五日    四・四〇   廿五日   四・五〇   四・四七   五日    四・六〇   廿五日   四・八〇   四・七〇 八月         品ナシ                        〃     四・五〇   〃     四・五〇   四・五〇   〃     四・七七   十五日   四・八〇   四・七九 九月         〃                          廿五日   四・四五   五日    四・五〇   四・四八   廿四日   四・六〇   五日    四・六五   四・六二 十月         〃                          〃     四・三〇   〃     四・三五   四・三三   〃     四・四〇   〃     四・五〇   四・四五 十一月        〃                          廿五日   四・一〇   〃     四・二五   四・一七   廿五日   四・一〇   〃     四・三五   四・二三 十二月        〃                          五日    四・一〇   廿五日   四・一五   四・一〇   五日    四・一〇   廿五日   四・一五   四・一三      和牝牛      和牡牛      洋牝牛     洋牡牛      雑牝牛     雑牡牛     犢牛      綿羊      豚       馬 ◎印ハ牡 △印ハ牝      百斤ノ価      同上      同上      同上       同上      同上      十斤ノ価    同上      百斤ノ価    同上       円        円        円       円        円       円       円       円       円 一月   九・五〇〇    六・五〇〇    八・五〇〇   六・五〇〇    八・五〇〇   六・〇〇〇   一・二五〇   二・五〇〇   六・〇〇〇        ――                                                                                    円 二月   九・五〇〇    七・〇〇〇       ――   七・〇〇〇    八・五〇〇   六・五〇〇   一・二〇〇   二・五〇〇   六・〇〇〇   ◎ 三・〇〇〇 三月   九・五〇〇    七・〇〇〇       ――      ――    八・五〇〇   六・五〇〇   一・〇〇〇   二・五〇〇   六・五〇〇   △ 三・五〇〇                                                                                 ◎ 三・〇〇〇 四月  一〇・〇〇〇    七・五〇〇       ――      ――    九・〇〇〇   六・五〇〇   一・二〇〇   二・五〇〇   六・五〇〇   ◎ 二・五〇〇 五月  一〇・五〇〇    八・〇〇〇       ――      ――    九・五〇〇   七・五〇〇   一・〇〇〇   二・五〇〇   六・〇〇〇   △ 三・五〇〇 六月  一〇・五〇〇    八・〇〇〇       ――      ――    九・五〇〇   七・五〇〇   一・〇〇〇   二・五〇〇   六・〇〇〇        ―― 七月  一〇・〇〇〇    七・五〇〇       ――      ――    九・〇〇〇   七・〇〇〇   一・〇〇〇   二・五〇〇   六・〇〇〇        ―― 八月  一〇・五〇〇    七・〇〇〇       ――      ――    九・〇〇〇   六・〇〇〇   一・〇〇〇   二・五〇〇   六・〇〇〇        ―― 九月  一一・〇〇〇    九・〇〇〇   一〇・〇〇〇   八・〇〇〇   一〇・〇〇〇   八・〇〇〇   一・〇〇〇      ――   六・〇〇〇        ―― 十月  一一・五〇〇   一〇・〇〇〇       ――   八・〇〇〇   一〇・〇〇〇   九・〇〇〇   一・〇〇〇      ――   六・〇〇〇        ―― 十一月 一一・〇〇〇    九・五〇〇       ――   八・〇〇〇   一〇・〇〇〇   九・〇〇〇   一・〇〇〇      ――   六・〇〇〇        ―― 十二月 一一・〇〇〇    九・〇〇〇       ――      ――   一〇・〇〇〇   八・〇〇〇   一・〇〇〇      ――   六・〇〇〇   ◎ 二・五〇〇 平均  一〇・四五〇    八・〇〇〇    九・二五〇   七・五〇〇    九・二九二   七・二五〇   一・〇五四   二・五〇〇   六・〇八三   ◎ 二・七五〇                                                                                 △ 三・五〇〇 



   備考 本表中全月ニ亘リテ平均セシモノハ特ニ全月平均ト記シ、最高・最低ヲ平均シタルモノハ単ニ平均ト記セリ
    第二 工業ニ及ホシタル影響
朝鮮事変ノ為メ工業ニ及ホシタル影響如何ヲ観ルニ、開戦ノ当初ニ於テハ世人何レモ前途ヲ警戒シタルヨリ各種ノ需要稍ヤ減殺セラレ、随テ一般ノ工業衰頽ノ兆ヲ現ハシタルヲ以テ一時勃興セントシタル新事
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業ハ殆ント中止ノ姿ヲ呈シ、既設ノ工業ニ於テハ既ニ企図シタル新計画ノ規模ヲ縮少シタルカ如キコト亦之ナキニアラスト雖トモ、平壌・黄海ノ戦捷以後ハ人気一般ニ恢復シタル所アリ、且ツ其工業ノ多クハ軍需品ト関係ヲ有スル製造業ナルヲ以テ、全般ニ渉リテ通観スレハ寧ロ好結果ヲ来シタル迹アリト云フヲ得ヘシ、即チ造船・製絨・製革・木綿織物業ノ如キハ其最ナルモノナリ、加フルニ二十七年中ニ於ケル外国貿易ノ盛運ハ大ニ輸出ノ増加ヲ来タシ、就中絹織物ノ如キハ内国向キニ於テ製造高二・三割ヲ減シタルニ係ハラス、輸出増加ノ為メ平年ニ比シ寧ロ良好ノ結果ヲ収メシモノヽ如シ、又此機ニ乗シ不測ノ幸ヲ得タルハ燐寸業ニシテ、従来該品ヲ外国ニ商販スルニハ清商ノ手ニ介セシヲ以テ其取引上種々ノ弊害アリシト雖トモ、戦争ノ結果端ナク其関係ヲ減却シ進ンテ印度商人ト直接取引ヲ為スモノ増加スルニ至リ大ニ将来ノ利源ヲ啓キタリ
以上記スル如ク全体ニ於テハ其影響良好ナリシト雖トモ、運搬ノ不便ナリシ為メ時々事業ヲ渋滞セシメ、特ニ製紙業ノ如キ原料ノ荷嵩ナル為メ其影響ヲ蒙ルコト最モ甚キヲ致シ、且ツ石炭ノ価格非常ニ昂騰シタルカ為メ其製造費ヲ増加シタル等操業上困難少ナカラサリキ、次ニ職工ニ就テ観ルニ開戦以来最モ多忙ナルハ軍事ト密着ノ関係ヲ有スル職工ニシテ、就中鉄冶工・葉鉄工ノ如キハ大ニ其賃金ノ騰貴ヲ来シ、又労働者中従軍人夫トナリタルモノ多カリシカ為メ労働社会ハ大ニ供給ニ不足ヲ告ケ、大工・石工・壁職工等ノ如キハ建築工事ノ縮小シタルニモ拘ハラス其賃金騰貴シ、其他印刷職工等ノ如キ賃金ニ於テ増加セサルモ執業時間ヲ延シタル為メ其得ル所大ニ増加シタル等、概シテ職工ノ生計ニ余裕ヲ与ヘタルモノヽ如シ、今重要ナル工業ノ概況ヲ摘記シテ影響如何ヲ明ニスレハ左ノ如シ
紡績業 紡績業ハ開戦以来製糸ノ売行大ニ減少シ、八月ニ入リ最モ不振ナリシ、而シテ価格モ低落ノ一方ニ偏シ、四月頃製糸三百斤入一個ニ付八十七円ナリシカ、八月ニハ下落シテ八十三円トナレリ、斯クテ九月下旬ニ至リ清国ヘノ輸出杜絶シテ皆無トナリ、加フルニ内地ニ於ケル売行頗ル悪シク遂ニ十一月ニハ七十九円内外ノ相場ヲ顕シタルモ、十二月ニ至リ売行始メテ活気ヲ生シ相場モ八十一円ニ恢復シタリ、又原料モ六月以来漸々下落シ清国ニ於テ棉花ノ輸出ヲ禁制スルヤノ風説アリシニモ拘ハラス清国綿百斤十七円、米国綿十九円五十銭ニ低落シタリ、斯クノ如キ状況ナルヲ以テ紡績業ニ与ヘタル影響甚タ少カラサルモノアリキ、次キニ事業上ニ困難ヲ感シタルハ職工ノ欠乏及石炭ノ騰貴ニシテ、東京紡績会社ノ如キハ十月以降職工欠乏ノ為メ操業意ノ如クナル能ハズ、従テ賃銀モ一割乃至一割五分ヲ増給スルニ至リタリ
製絨業 製絨業ハ事変ノ為メ好影響ヲ受ケシ者ノ一ナリ、今東京製絨株式会社ニ於ケル実況ヲ記シ大勢ヲ察スルノ一端ニ供セン、同会社平常製品ノ主タルモノハ紺絨ニシテ傍ラ市中ノ需用ニ応スル縞絨其他ノ毛織物ヲ製造シ来リシカ、二十七年秋以来ハ専ラ軍用ニ充ツル紺絨又ハ砲弾薬嚢地ノ類ヲ製造スルコトヽナリタル為メ、其操業頗ル多忙ヲ極メ随テ製造高大ニ増加セリ、蓋シ其増加ハ製品ヲ改良シ
 - 第20巻 p.664 -ページ画像 
専ラ販路ノ拡張ヲ図リタルニモ因ルヘシト雖トモ、軍需ノ増加其主因タルヘキハ勿論ナリ、今六月ヨリ十二月ニ至ル七ケ月間紺絨其他製造高ヲ前年ニ比スルニ左ノ如クニシテ、二十七年ノ二十六年ヨリ増加スルコト一倍以上ニ及ヒタリ

                  碼
  二十六年       五三、五二三
  二十七年      一一三、八三四

 又同社ニ於テ使傭スル男工ハ予備徴集ニ応シテ出軍シタルモノアリ又機械修繕部ニ要スル鍛工ノ如キハ軍需品製造ノ鉄工所ヘ転シタルモノアリ、又新規ニ雇入レントスルニ方リテハ軍夫募集ノ為メ無業ノ輩大ニ減シタルヲ以テ志願人少ク、女工ニ於テモ軍用品ニ属スル裁縫又ハ麺包其他種々ノ製造業ニ使傭セラルヽヲ以テ平時ニ比シ大ニ払底ヲ来セリ、此等ノ諸事情ノ為メ六月ヨリ十二月ニ至ル七ケ月間職工賃銀(一日平均十時間)ヲ前年ニ比スルニ左ノ如シ
        二十六年    二十七年(自六月至十二月)
          銭         銭
  男 工   二二・八〇     二三・二〇
  女 工    九・二六     一〇・〇八
 而シテ製造品ノ価格ニ於テモ戦事ノ影響トシテ石炭ノ価格五割内外騰貴シタルト、輸入材料ノ高価ナリシト、職工賃銀ノ増加シタルトニヨリ紺絨類ニ於テ製造費凡百分ノ五乃至七ヲ増加シタリ
絹織物業 絹織物ハ開戦以来世上一般ノ人気警戒ニ専ラナリシト、其価格ノ概シテ一割乃至一割五分騰貴シタルトノ為メニ其売行渋滞シ随テ機業家ハ皆内地物ノ織出シヲ控ヘ時機ヲ待ツノ有様アリシカ故其産出高ハ二割乃至三割ノ減少ヲ呈シタリトノ説アリシト雖トモ、輸出向絹織物ニ至テハ近年大ニ好況ヲ極メ輸出向機業家ハ頗ル繁忙ヲ告クルノ有様アリシヨリ見レハ、機業地一般平均ノ情況ハ平年ニ比シ寧ロ好良ナリシモノヽ如シ、之ヲ要スルニ絹織物業ノ如キハ事変ノ影響トシテ販路渋滞ノ観ナキニアラサリシモ、輸出好況ナリシ為メ平年ニ比スレハ却テ好結果ヲ収メタルノ実アリ
木綿織物業 木綿織物業ノ中ニハ事変ノ影響トシテ世上一般ノ大勢ニ伴レ多少販路渋滞ノ傾ヲ呈シタルモノアリト雖トモ、軍事用ノ為メ売行ノ大ニ増加シタルモノアリタレハ、織元ニ於テハ頗ル繁忙ヲ極メ随テ価格ノ騰進ヲ呈シタルモノアリ、而シテ七月頃ヨリ八・九月頃マテハ原料ノ不足ヲ感セサリシト雖トモ、十月頃ニ至リ一時印度上海綿ノ輸入杜絶シタルコトアリタル為メ紡績糸不足ヲ告ケ為メニ稍ヤ原料ノ欠乏ヲ来シタリ、然レトモ此欠乏ハ幸ニ一時ノ事ニシテ已メリ、又職工ノ賃金ハ多少増加シタルモノアルヘシト雖トモ、概シテ平時ト差シタル変動ナカリシモノヽ如シ、之ヲ要スルニ本業ノ如キハ軍事ノ為メ概シテ好影響ヲ受ケタルモノト謂フヘシ、其支那地方ニ輸出セシモノヽ如キハ為メニ販路ヲ杜絶セラレタル所アレトモ、製造者ハ力ヲ軍需品ニ転シテ却ツテ製造ノ数量ヲ増シタルモノアリ、今試ミニ日本織物株式会社及小名木川綿布株式会社ニ於ケル状況ヲ特記シテ其影響ノ如何ヲ明ニスルノ一助トスヘシ、即チ日本織物会社ニ在テハ製品ノ需要頗ル多クシテ常ニ製出額ノ不足ヲ告クルノ実況ナルヲ以テ、朝鮮事件起ルト雖トモ、更ニ内国ノ販路ニ渋
 - 第20巻 p.665 -ページ画像 
滞ヲ来サヽリシカ上、尚ホ此事件ノ為メ新ニ朝鮮ヘ販路ヲ開キ、且ツ米国ヘモ其輸出ノ端緒ヲ開クニ至リタリ、尤モ開戦以来運搬不便ノ為メ一時仕入品延着ノ事情アリシト雖トモ、格別営業ヲ害スル程ノコトナクシテ已メリ、只タ此事件ニヨリ金融必迫ノ結果トシテ手形割引ノ円滑ヲ欠キ、為メニ多少事業上ニ障害ヲ蒙ムリタル事情ナキニ非ス、又製造ノ原料ハ多少騰貴スル所アリシモ製品ノ価ハ上騰スルニ至ラサリシ、小名木川綿布株式会社ノ景況ヲ観ルニ製造品中「チヂラ」織ノ如キハ専ラ支那地方ヘ販売スルヲ目的トスルモノナルカ故、二十七年六月以後ハ輸出皆無ノ有様トナリタルヨリ其製造ヲ中止スルニ至リタレトモ、同社ニ於テハ之ニ代フルニ軍需品及朝鮮向輸出品ノ製織ヲ始メタルヲ以テ、製造額ハ前年ニ比シ却テ幾分ノ増額ヲ現ハシタリ、又内地同織物ハ世上一般ノ大勢ニ伴レ販路渋滞ノ傾ナキニアラサリシモ、差シタルコトナクシテ已メリ、而シテ其価格ハ原料ノ高底ニ因リ時ニ多少ノ変動アリシト雖トモ、要スルニ前年ニ比シ大差ナク、職工ノ人員及賃銀等モ亦タ前年ニ比シ変ル所ナカリキ
製紙業 朝鮮事件ノ起リシヨリ洋紙ノ需要ハ大ニ増加シタルカ為メ、各製紙会社ハ頗ル繁忙ヲ極メ平時ハ各商社共常ニ製造高ノ三分一位ヲ貯蔵スルノ状況アリト雖トモ、開戦以来日々需用ノ増加スルヲ以テ製造常ニ不足勝トナリ、為メニ各製紙会社ハ製紙機械ヲ増設セントスルノ計画アルヲ聞クニ至レリ、職工ノ賃金ハ昂低ナシ、労動時間ハ平時ニ於テモ昼夜ノ執業ナルヲ以テ一日ノ時間ハ変動セザリシモ、日曜・祭日等ノ休日ヲ廃シタル所アレハ職工ノ収ムル賃金額ハ稍々増加セシナルヘシ、而シテ製紙業上最モ困難ヲ感シタルハ運搬ノ不便ニシテ、其主要ナル原料ハ積嵩ノモノ多キヲ以テ其影響ヲ蒙ムルコト著シク、石炭並ニ製紙原料タル襤褸・稲藁等ノ如キハ之レカ為メ非常ニ昂騰シ、事変前ニ比スレハ殆ント一割ノ騰貴ヲ為シ、就中石炭ノ如キハ軍需品ナルヲ以テ一段ノ変況ヲ呈シ、概シテ倍価ヲ以テスルニ非ザレハ之カ供給ヲ得サルニ至レリ
印刷業 印刷業ハ朝鮮事件ノ為メ繁忙ヲ極メタルモノヽ一ニシテ頗ル好況ヲ呈シタリ、初メ朝鮮事件ノ起ルヤ営業上必ス不景気ヲ来スヘシト見込ミシ者多カリシモ、愈々戦争ノ端ヲ発スルニ及ンテヤ当初ノ予想ニ反シ大ニ繁劇ヲ告クルニ至リシモノハ、蓋シ新聞紙ノ著シク其刷高ヲ増加シタルト、加フルニ戦事ニ関スル雑誌雑書ノ刷高一時ニ増加シタルトニ起因スルナリ、尤モ之カ為メ或ル一部ノ印刷物ニハ多少縮少ヲ来シタル所アルカ如シト雖トモ、全体ヲ通シテ之ヲ観ルトキハ印刷業ノ如キハ戦争ノ為メニ却テ繁栄ヲ加ヘタルヲ疑ハス、其結果トシテ新ニ小活版所ヲ開業スルモノ少カラサルニ反シ、廃業ニ至リシモノヽ如キハ幾ント之ナキノ状況ナリシ、試ニ秀英舎ニ於ケル営業高ヲ記シテ其大勢ヲ示セハ左ノ如シ
 二十七年一月ヨリ五月迄(事変前)一ケ月平均   二十七年六月ヨリ十二月迄(事変後)一ケ月平均
                   円       円
 職業仕上金         七、九四六   九、一六三 即一割三分七増
 職業代金         一四、五〇五  一六、五〇四 即一割四分弱増
  備考 職業仕上金トハ仕上原価ニシテ、之レニ紙代・版代其他収益金等ヲ合算
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シタルモノヲ職業代金ト為ス
 転シテ職工ノ状況ヲ見ルニ印刷業ノ繁忙ナル際従軍夫トナルアリ、又ハ予後備兵トシテ徴集セラルヽアリ、為メニ常ニ其不足ヲ感シ、従テ賃金モ上進(大約一割)ノ傾キヲ呈シタリ、又其労働時間ハ一定ノ時限ニハ変動ヲ見サレトモ、職業ノ繁忙ヲ告クルニ従ヒ臨時夜業ニ従事スルハ勢ノ免レサル所ナレハ、職工ノ収受セシ労銀ハ多額ニ上リ生計上一般ニ多少ノ余裕ヲ与ヘタルモノヽ如シ
造船業 造船業ハ戦争ノ為メニ新造若クハ修繕等著シク増加シ、近年稀有ノ繁盛ヲ極メ、各造船所ニ於ケル製造価格ハ前年ニ比シ幾ント二倍ニ達スルモノ少ナカラスト云フ、而シテ本業ノ原料ハ概シテ不足ヲ告ケ、特ニ之カ燃料タル石炭ノ如キハ供給困難ヲ感シタルコト屡々ナリシヨリ、価格モ随テ大ニ騰貴シ或種ノ石炭ノ如キハ事変前ノ代価ニ倍スルニ至レリ、又職工ノ如キモ需用頗ル多ク其供給方ニ殆ント困難ヲ極メ賃金モ亦タ大ニ騰貴セリ、且ツ労働時間モ事業繁忙ノ結果トシテ勢之ヲ延長スルニ至リタレハ、職工ノ生計上多少ノ余裕ヲ生シタルモノヽ如シ、之ヲ要スルニ本業ノ如キハ朝鮮事件ノ為メ最モ好影響ヲ受ケタルモノヽ一ナルヘシ
製革業 製革業カ戦争ノ為メニ大ナル影響ヲ受クヘキハ当業者ノ予テ期シタル所ナレトモ、此事件ノ起ルニ及ンテ其影響ノ非常ナリシコト実ニ当業者ノ想像以外ニ出テタリ、蓋シ本業ハ他ノ工業ニ比シ其進歩甚タ幼稚ニシテ、製革場トシテ見ルヘキモノ二・三之ナキニアラスト雖トモ、皆自家製品ノ原料ニ供スルニ止リ、一般ノ需用ニ応スル製革業者ハ重ニ旧来ノ□□靼皮業者カ、稍ヤ進歩シ自家ノ手工ヲ以テ製革スル不充分ノ者ニ過キサレハ、其需用ノ年々増加スルニ拘ラス内地ノ製造ニ於テハ之ニ応スヘキ実ナカリキ、殊ニ製革ハ原料ヨリ仕上ケニ至ル迄テ少クモ四月乃至六月ノ時日ヲ費サヽレハ之ヲ用フルコト能ハサルヲ以テ、一朝巨多ノ需用発生スルニ及ンテハ其価格著シク騰貴スルコト実ニ必然ノ勢ニシテ、為メニ内地製ノモノハ非常ノ高価ヲ現ハシ遂ニ品物払底ヲ告ケ、甚シキハ製造中ニ係ル半製物ヲ使用スル程ノ勢アリシト云フ、是クノ如クナレハ輸入品ニ於テモ需要ノ巨多ナリシ為メ意外ノ高価ヲ現ハシタリ、今事変前後ニ於ケル価格ヲ対比スレハ左ノ如シ

  品目        数量      事変前ノ価上中下平均   事変中(二十七年十二月)ノ価上中下平均
                       円 銭             円 銭
 朝鮮産牛皮      和百斤      一八・〇〇           三三・〇〇
 本邦産牛皮      同        四〇・五〇           五八・〇〇
 同チヤリ革      尺四方一坪ニ付    ・一四             ・二八
 米国産厚牛皮(黒)  和百斤      六五・〇〇           八五・〇〇
 同(赤)       同        八五・〇〇           九八・五〇
 同(ヒネ)      同        四二・〇〇           五九・〇〇
 印度産厚牛皮     同        二三・〇〇           二九・〇〇

 之ヲ要スルニ本業ノ如キハ事変ノ為メニ大ナル好影響ヲ受ケタルモノヽ一ト云フヘキナリ
革細工業 軍用諸器具ノ中馬具其他総テノ革具厚麻製又ハ厚綿布製ノモノハ悉ク馬具職工ノ製造スルモノニ係ル、然ルニ近年乗馬飼養令
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ノ廃止ト共ニ一般ニ乗馬ノ風習大ニ衰ヘタルヨリ馬具職工ノ他ヘ転業セルモノアリ、随テ其徒弟ノ養成モ少ナキヲ致シタルニ、此事件ノ為メ俄然一時ニ多数ノ製造ヲ為スヘキ必要ヲ生シ、職工ヲ集ムルニ付テハ非常ノ困難ヲ極メタリ、尤モ概シテ革具ト云フモ之ヲ分類スレハ裁方・縫方・仕上ケ方・木地方等数種ノ分業トナルヲ以テ、最モ繁劇ヲ加ヘタル際ノ如キハ他業者中針ト庖丁ノ使用ニ慣レタルモノハ多ク革具職工トシテ雇役スルニ至リタルヲ以テ、意想外ニ巨額ノ製品ヲ短日月間ニ調製スルヲ得タリ、事情斯クノ如クナルヲ以テ其賃金ノ如キハ頗ル増加ヲ来セリ、左ニ林河村合名会社共伸社工場ニテ仕払ヒタル職工賃金ヲ記シテ其景況ヲ明ニス

          事変前ノ賃金   事変後ノ賃金(二十七年十一月前後)
              銭          銭
      一等     五〇        一二〇
 革具職工 二等     四〇         八〇
      三等     三〇         六五
      一等     五〇        一〇〇
 靴職工  二等     四〇         七〇
      三等     三〇         五〇

帽子製造業 夏帽子ハ朝鮮事件ノ為メ格別影響ヲ感セサリシカ冬帽子ニ至ツテハ大ニ其売行ニ減少ヲ来シ、東京製帽株式会社ノ如キハ二三割方ノ減少ヲ見タリト云フ、蓋シ近年帽子ノ需要ハ漸々増加ノ傾キアリテ、夏帽子ノ如キハ随分好気配ナリシヨリ前途ヲ見越シ著シク冬帽子ノ製造高ヲ増額シタル為メ、製品渋滞ノ度特ニ甚シキヲ致シ、之カ為メ一層ノ困難ヲ感シタルモノヽ如シ、而シテ其原料ハ外国為替相場変動ノ為メ騰貴シ、其燃料ハ戦事ノ影響トシテ大ニ騰貴シタルヨリ製造費ハ大ニ増加スル所アリタルニ、売価ニ至テハ前述ノ如ク売行ノ減縮セル為メ却テ下落ヲ呈シタレハ、製造者ノ経済頗ル不結果ヲ来セリ、之ヲ要スルニ本業ノ如キハ朝鮮事件ノ為メニ不利ノ影響ヲ蒙リタルモノヽ一ニ数フヘキナリ
燐寸製造業 従来燐寸ノ輸出先ハ重ニ香港ニシテ、之ニ亜クハ英領印度・新嘉坡・孟買・北米及ヒ南洋諸島ナリ、而シテ輸出総額ノ七分強ハ横浜在留ノ清商ニ売込ミ、同商ノ手ヲ以テ香港ニ向テ搭載シ去ルヲ常トセリ、然ルニ朝鮮事件起リ尋テ日清ノ交戦トナリシヨリ清国人ハ専ラ帰国ノ準備ニ汲々トシテ他事ヲ顧ミルノ遑ナク、約定ノ製品ハ横浜倉庫ニ堆積スルニ止リ、又製造中ノモノハ一切中止破約トナリタル等一時ハ大ナル不幸ヲ蒙リシカ、九月末ニ至リ清商ノ追追旧業ニ就キ其動止略ホ定マルニ従テ、漸ク販路ヲ開キ輸出恢復スルヲ得タリ、然ルニ海陸運輸ノ便梗塞シタル為メ屡々原料ニ欠乏ヲ生シタルノミナラス、職工ハ従軍人夫トナリ又軍需品製造ニ転スルモノ多カリシヨリ、下半季ハ著シク製造額ヲ減少シ、輸出額モ亦随テ減却シタリト雖トモ、戦争ノ結果トシテ清商トノ取引大ニ減少シ印度商トノ取引漸次盛大ヲ極ムルニ至リタルカ故ニ、本業将来ノ為メニ好結果ヲ得タル所アリト云フヘシ、従来清商トノ取引ニハ種々ノ弊害存在シテ我製造業者ヲ苦シメタルモノアリシニ、戦争ノ結果端ナク大ニ其取引ヲ減シ進ンテ印度商人ト直接取引ヲ為スモノ増加
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スルニ至リ、戦後ノ形勢マタ大ニ其販路ノ拡張ヲ示スモノアルハ本業前途ノ慶福頗ル大ナリト云フヘシ
石鹸製造業 石鹸製造業ハ内国売ヲ主トスルヲ以テ戦事ノ影響ハ之ヲ感セサリシ者ノ如シ、原料ハ内地及欧洲及濠洲ヨリ仰クヲ以テ支那貿易杜絶スルモ其影響ヲ蒙ラサリキ、又燃料ノ如キモ石炭ヲ使用スルハ実ニ僅々ニシテ多クハ薪材ヲ用ユルヲ以テ是亦タ其騰貴ノ影響ヲ感セサリキ、要スルニ本業ノ如キハ殆ント戦事ノ影響ヲ受ケサリシモノト云フヘシ
麦酒醸造業 麦酒醸造業ハ近来其需要日々増加ノ実勢アルカ為メ、平常ノ有様ヲ以テスルモ其醸造高ハ増進ノ勢ヲ呈スヘカリシニ、尚ホ戦争ノ影響トシテ其進歩ヲ一段助成シタル所アリシモノヽ如シ、今日本麦酒醸造株式会社ニ於ケル近年ノ醸造額及売上高ヲ聞クニ左ノ如シ

     二十六年上半期 二十七年上半期  前年同期ニ比シ増 二十六年下半期 二十七年下半期  前年同期ニ比シ増
         石       石        石        石       石        石
 醸造高 一、四四六   二、一〇六    増 六六〇    二、〇五七   二、九三四    増 八七七
 売上高 一、三三一   一、八九八    増 五六七    一、九三四   二、八二八    増 八九四

 蓋シ販路拡張ノ結果トシテ二十七年ハ二十六年ヨリ三割乃至三割五分方ノ増石アルヘシトハ当業者ノ予テ期シタル所ナレトモ、実際ノ結果ハ右ノ如ク四割以上ノ増加ヲ現ハシ一般意料ノ外ニ出テタリ、其原因ハ主トシテ軍隊・軍艦ノ発着頻繁ナリシト、祝捷会等ノ催シ頻々ナリシトニヨルモノ其多キニ居ルト云フ、即チ本業ノ如キハ戦争ノ為メニ却テ好影響ヲ受ケタルヲ知ルヘシ、然リト雖トモ、本業ノ原料タルマルト(麦芽)ホツプ等ノ価格ハ外国為替相場ノ為メニ廿七年後半期ハ前半期ヨリ一割以上ノ騰貴ヲ来シ、装製品中ノ錫箔等ノ如キモ亦外国為替相場ノ為メニ騰進シ又本業ノ燃料タル石炭ノ二十七年後半期ニ於テ戦事ノ影響ヲ受ケ非常ニ騰貴シ、且ツ運搬費職工ノ労銀モ共ニ一割近クノ騰貴ヲ呈シタルカ為メ其製造費ハ頗ル増加シタル所アリ、故ニ前記ノ如ク売上石数ハ予定ニ比シ凡一割ノ増加ヲ呈シタリト雖トモ、従テ其製造費ノ増加ヲ来シタル事実アルヲ以テ全体ノ利害ヲ比較スルトキハ幾ント得失ナキモノト謂フヘキ歟、只タ戦争中ト雖トモ、上海・新嘉披・釜山等ニ於ケル取引円満ニ行ハレ其発売高モ漸次増加ノ傾キアリシト、右ノ如ク内地売行ノ増セシコトヽハ本業ノ為メニ頗ル慶スヘキモノナクンハアラス
工業品中重モナル物品カ今回ノ事変ニ因リテ受ケシ影響ハ以上概記セシ所ノ如シ、更ニ建築・土工等ニ従事スル労働者ニ就テ観察スルトキハ、開戦前ニ在テハ震災ノ為メ多忙ヲ極メ賃金モ亦従テ増加シタリシカ、開戦後ハ震災工事ノ改修略ホ終リタルト、一般ニ建築・土工ヲ控ヘタルトニ因リ、一時稍業務不足ニ傾キタリ、然ルニ戦争其歩ヲ進ムルニ従ヒ労働者中従軍人夫トナルモノ多ク、特ニ大工・鳶人足ノ如キハ最モ不足ヲ告クルニ至リタルヲ以テ、此等労働者ノ業務ハ概シテ不足ナリシニ係ラス其賃金却テ増加シタルノ事実アリ、左ニ其概況ヲ記シテ参考ニ供ス
大工 開戦当時ハ賃金一日四十銭乃至四十五銭位ナリシカ、従軍人夫ニナリタルモノ多ク、職工ニ不足ヲ告クルニ至リタルヲ以テ、五十
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五銭ニ騰貴シタリ
石工 開戦以来従軍人夫トナルモノ多ク、又一方ニ於テハ多数募集アリタル等ノ為メ一時ハ頗ル好況ヲ呈セシカ、年末ニ至リテハ略ホ平常ニ復シタリ、尤モ賃金ハ一日六十五銭ヨリ七十銭位ニシテ差シタル高下アラサリシ
左官 戦事ニ拘ハラス震災ノ為メ好況ヲ呈シ、其賃金ハ一日六十五銭内外ナリキ
家根職 開戦以来稍ヤ閑散ナリシモ賃金一日五十銭内外ニシテ概シテ平常ニ異ナラサリシ
瓦職 左官ト同事ニシテ其賃金一日四・五十銭位ナリキ
煉瓦職 開戦以来差シタル好景況ノ方ニアラサリシモ、賃金ハ労働者不足ニ伴レ一般ニ増加シ、賃金一日四十五銭位ナリシモ漸次増加シテ遂ニ五十銭以上八十銭トナリタリ
土方 開戦以来人夫トシテ戦地ヘ出稼スルト、内地ニ於テ各種ノ雑役ニ従事スル等各所軍事用鉄道ヲ布設セラレタル為メトニ因リ好況ヲ来シ、其賃金概シテ一割又ハ二割方騰貴シ一日三十銭位ナリキ
鳶人夫 人払底ノ為メ稍ヤ好況ヲ来シ、事変前ハ平均一人一日ノ賃金廿七・八銭ナリシモ、事変後ハ三十三銭ニ上レリ
    第三 運輸ニ及ホシタル影響
     陸運
開戦以来各鉄道会社ハ軍用ノ為メ時々普通貨物ノ運送ヲ停止シタリト雖トモ、事変ノ起リタル当時ハ各地方トモ商況沈静ニシテ貨物ノ仕入レヲ見合ハス傾キナリシヲ以テ、予想ノ如ク甚シキ不便ヲ感セサリシカ、牙山戦捷ヨリ引続キ平壌・黄海ノ大捷報ニ接シタル為メ十月中旬頃ヨリ頓ニ人気ヲ振興シ、商況稍々回復ノ運ニ向ヒ各地ノ出荷一時ニ盛ンニシテ、百貨ノ輻湊実ニ甚シキヲ極メタリ、然ルニ此時ニ際シ軍隊ノ輸送正ニ頻繁ニシテ多クノ車輛ヲ要シタルヨリ多数ノ貨物到ル処ニ堆積シ、其結果遂ニ物価ノ平均ヲ失スルニ至リタレハ、各会社ニ於テハ漸次車輛ノ回復ヲ計リ、又ハ臨時列車ヲ仕立テ車輛ノ循環ヲ円滑ナラシメ、専ラ貨物ノ運輸ニ力ヲ尽シタル効空シカラス、十二月下旬ニ至ル迄ノ間ニ於テ各地ニ輻湊セル貨物ハ概ネ輸送シ了ルコトヲ得タリ、但タ鉄道貨物ハ従来年ヲ逐テ著シク増加スルノ例ナルニ係ラス、廿七年ニ於ケル増加ノ著シカラサリシハ要スルニ事変ノ影響ト謂ハサル可ラス、今左ニ二・三会社ノ実況ヲ特記シテ陸運ニ及ホセル影響ヲ明ニセン
日本鉄道株式会社 本件ニ因リ日本鉄道株式会社カ受ケシ影響如何ヲ観ルニ、二十七年七月ヨリ十二月マテ六ケ月間汽車運搬貨物ノ数量ハ之ヲ前年同時ニ比スレハ毎月僅少ノ増加ヲ見タリト雖トモ、従来鉄道ニテ輸送スル貨物ハ逐年一割半乃至三割ノ増加ヲ以テ進ムヲ例トシタルニ、廿七年後半ハ左表ニ示スカ如ク其割合著シク減少シタリ

  二十六年 二十七年 運送貨物数量比較
   七月      八月      九月      十月      十一月     十二月     合計
二十六年   噸       噸       噸       噸       噸       噸       噸
 凡六三、〇八二 凡六〇、九五〇 凡七〇、五七一 凡七三、三一四 凡七四、四五三 凡九〇、一五五 四三二、四七一
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二十七年
 〃六八、〇四五 〃六一、五九〇 〃六九、七七三 〃六七、〇九四 〃七五、六六〇 〃九五、八五四 四三八、〇一六
前年比較  割       割       割       割       割       割       割
  増  ・八〇 減   ・一〇 減   ・一〇 減   ・八〇 増   ・一六 増   ・六三 増   ・一三

 元来同会社ノ鉄道沿線地方ハ生糸米穀ヲ以テ生業ノ重ナルモノトスルカ故ニ、其豊歉ハ直ニ地方ノ盛衰トナリ運送貨物ノ増減トナルノ事情アリ、而シテ二十七年ニ於ケル生糸ノ不作ナリシト米穀ノ豊穣ナルモ価格ノ引合ハサル為メ運送尠カリシ等ノ事情ハ運送貨物ニ少ナカラサル影響ヲ及ホシタレハ、貨物減少ノ一事ヲ以テ強チ事変ニ起因スルモノトハ断シ難キモ、要スルニ事変ノ為メニ及ホセシ影響尠少ナラスト謂フヘシ
 従来汽船ニヨリ輸送セル貨物ニシテ、軍用ノ為メ船舶欠乏シ汽車ニ托送スルモノ多少之ナカリシニ非ス、然レトモ汽車亦タ軍用ニ供セラレシコト多ク、為メニ托送貨物ノ運送シ能ハサル者頗ル多量ナリシ
 又同会社ニ於ケル営業用貨車ノ総数ハ殆ント一千ニ達スト雖トモ、冬期貨物輻輳ノ際ニハ動モスレハ車輛不足ヲ告ケ貨物渋滞ノ虞アルヲ免レスシテ、平時尚ホ貨車ノ余裕ヲ見ルハ甚タ稀ナリトス、然ルニ二十七年七月以降軍隊・軍馬・被服及其他ニ附属スル各種物品ノ輸送ニ要スル貨車ハ頗ル多数ニ達シタルヲ以テ、勢ヒ他ノ貨物ニ対シ貨車ノ不足ヲ感セサルヲ得ス、啻ニ此レノミナラス軍用ノ為メ屡屡列車ヲ停止或ハ変更シ、又故ラニ空貨車ヲ回送返還スル等ノ事情アリシ為メ、貨物輸送上ノ便否ノ如キハ之ヲ顧ルノ暇ナカリシナリ此等ノ結果ニヨリ各駅ニ於テ稍ヤ停滞貨物ヲ見ルニ至リ、十月以後ハ其渋滞益々甚シク地方ニヨリテハ堆積塡咽数週日ニ渉ルモノアリタリ、其間物品ノ毀損、価格ノ変動等ヨリ貨主ノ負担ヲ重カラシメタルモノ鮮少ナラサルヘシ
 同会社ノ汽車運賃ハ数年来一定ニシテ軍事ノ為メ敢テ変更スル所ナシ、然レトモ前項ノ如キ貨物渋滞ノ際ニ於テハ其保管料・蔵敷料其他之ニ随伴スル所ノ諸経費ハ間接ニ運送費ヲ高カラシメタル所アルヘシ
両毛鉄道株式会社 同会社ニ於ケル運輸ノ増減ヲ観ルニ其統計表ノ示ス所ニ拠レハ平均毎年旅客ハ一割、貨物ハ上半季(四月ヨリ九月マテ)ニ於テ一割六分、下半季(十月ヨリ翌年三月マテ)ニ於テ三割宛ヲ増加スルヲ例トシタルニ、二十七年上半季ニ至リ旅客ハ一割一分ヲ増シ、貨物ハ却テ七分ヲ減少シ、又同下半季ニ至リテハ旅客賃ニ於テハ一分五厘、貨物賃ニ於テハ九厘九毛ノ増加ヲ来シタルニ止リ、従来進歩ノ程度ニ達セサリシハ畢竟朝鮮事件ノ運輸上ニ及ホシタル影響ニ外ナラサルヘシ、又軍隊輸送ノ為メ一時機関車及ヒ客車ノ過半ヲ鉄道局ヘ貸渡シ、随テ一日ノ運輸六百四十八哩ヲ四百〇八哩ニ減少セシカ如キハ運輸ノ不便ヲ呈シタル一事情ナリトス、今二十三年以来旅客及貨物増減ノ割合ヲ示セハ左ノ如シ

          前同季ニ比シテ増減歩合            前同季ニ比シテ増減歩合
          旅客   貨物                旅客   貨物
 廿三年度下半季 一割八分 五割二分      廿四年度上半季 一割六分 四割八分
 廿四年度同   一割   四割七分      廿五年度同   九分   三割六分
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 廿五年度同   一割   二割五分      廿六年度同   七分   一割六分
 廿六年度同   八分  ▲三分四厘      廿七年度同   一割一分▲七分
 廿七年度同   一分五厘 九厘九毛
                            表中▲印ハ減其他ハ増

内国通運株式会社 ニ至テハ本事件ノ為メ蒙リシ影響ハ殊ニ著シク、一時ハ大ニ困難ヲ極メタルモノヽ如シ、例年下半期ノ間ハ一般商品ノ転送頻繁ナルノミナラス、殊ニ生糸出盛リノ季節ニ際シテハ各生産地ヨリ生糸屑物ノ類ヲ横浜ニ廻送スルモノ尠少ニアラス、然ルニ廿七年ニ於テハ恰モ此多事ノ時期ニ際シ一方ニ於テハ汽船ハ御用船トナリ、汽車ハ軍隊輸送等ノ為メ屡々其使用ヲ停止セラレ、又労夫ハ壮丁ニ募集セラレ或ハ軍夫トナルモノ多ク、加フルニ馬匹ノ徴発アリテ其頭数ヲ減シタルカ為メ運送ノ機関一時殆ント杜絶ノ姿ヲ呈シ、一方ニ於テハ二十七年度ノ外国貿易ハ概シテ此事件ノ影響ヲ蒙ラサルモノヽ如ク其取引ハ殆ント平時ニ異ナラサルヲ以テ、横浜等ヘ向ケ輸送スヘキ貨物ハ日ニ巨額ニ達シタリシカ、前記ノ困難ニ制セラレ空シク各地ニ滞積スルノ不幸ヲ来セリ、是ニ於テカ百方尽力其運送ヲ果サントスルモ汽船ノ運賃ハ騰貴シ、労働者ノ賃銀ハ増加シタルカ為メ其業務ノ操縦頗ル困難ヲ極メ、一時其困苦ハ名状ス可ラサルモノアリシカ如シ、然レトモ年末ニ至リテハ海陸運輸ノ機関幾分カ回復ヲ告ケ稍ヤ困難ヲ減殺スル所アリキ
     海運
朝鮮事件起リテヨリ陸海軍ノ御用船トシテ徴用セラレタル船舶ハ全国汽船総噸数ノ七分以上ニ及ヒ、其船数実ニ百三十余艘、噸数二十二万七千余噸(二十八年三月末日ノ調査ニ拠ル)ノ多キニ達セリ、此レカ為メ本邦海運業ニ及ホシタル影響如何、之ヲ調査スルハ固ヨリ容易ノ業ニアラスト雖トモ、御用船中五十七艘、十二万八千六百七十二噸五四ハ日本郵船株式会社所有ノ船隻ニ係ルヲ以テ、同会社カ操縦シタル船繰ノ梗概ヲ観察スレハ我海運業ニ及ホセル影響ノ大勢ヲ知ルニ庶幾カランカ、即チ左ニ日本郵船株式会社カ当時ニ処セシ顛末ト各地ニ及ホセシ影響トヲ列記シテ参案ニ便ス
   (一)御用船下命後各地方ニ及ホシタル影響
朝鮮事件ノ為メ政府カ日本郵船株式会社ニ向テ十艘ノ御用船ヲ命シタルハ二十七年六月四日ニシテ、恰モ内地各方面ニ於テ既ニ船舶ノ乏シキニ苦ムノ時ナリシ、是ニ於テ同会社ハ御用船十艘ノ内八艘ハ神戸・小樽間東西両線ノ定期航船ヲ以テ之ニ充テ、余ノ二艘ハ臨時使用船ヲ以テ之ニ充テタリ、神戸・小樽間ノ東西両線ハ共ニ本邦内地航路ノ二大幹線ニシテ運輸交通ノ上ニ於テ最モ重要ナル航路ニ属シ、平時十艘ノ船舶ヲ要スル処ナリ、然ルニ其内八艘ハ徴発セラレタルヲ以テ我内地ノ交通ハ忽チ中絶ノ姿トナリ、同会社ハ之カ為メ直ニ其補足船舶ノ準備ニ著手シタリシカ、未タ幾ナラサルニ六月九日ニ至リ更ニ四艘ノ御用船ヲ命セラレタルヲ以テ、前後合シテ十四艘、二万七千三十二噸ノ多キニ達シタリ、此際全国ノ枢要地ニ於ケル影響ヲ概述スレハ左ノ如シ
北海道地方 北海道ニ於テ船舶ノ需用最モ繁忙ヲ極ムルハ鯡肥料ノ季
 - 第20巻 p.672 -ページ画像 
節ニ在リテ毎年六月上旬ニ始リ七、八月ノ交ニ終ルヲ例トス、此船舶ノ需用繁忙ナル時ニ際シ俄ニ御用船ノ下命ニ接シ、其数十四、五艘ノ多キニ及ヒタレハ肥料ハ忽チ輸出ノ途ヲ失ヒ、為メニ一大恐慌ヲ起サントスルノ勢ヲ呈セリ
神戸大阪地方 同地方ハ本邦貨物ノ集散場タルヲ以テ、其影響ヲ蒙ムルコト他ヨリ著シキモノアリト雖トモ、北海道又ハ新潟方面ノ如ク季節物ノミヲ主トセサルカ故ニ俄ニ著シキ困難ヲ蒙ムルニ至ラス、加フルニ鉄道ノ便アル為メ交通ヲ杜絶スルカ如キ不便ナカリシト雖トモ、御用船ノ下命前ヨリ既ニ船舶ノ欠乏ヲ感セシ事情アルヲ以テ前途大ニ憂フヘキモノアルノ兆ヲ示セリ
東京横浜間 京浜ハ百貨集散ノ地ニシテ貨物運搬ノ大部分ハ船舶ニ拠ラサルヲ得ス、特ニ東京ノ商賈ハ貨物ヲ関西ニ需メテ東北地方ニ供スルノ仕組ナルヲ以テ、神戸・小樽間定期航海船ノ停止サルヽヤ需用供給ノ便玆ニ杜絶シタルヲ以テ、一時商賈ノ狼狽名状スヘカラサルモノアリタリ、然レトモ、爾後日本郵船株式会社ノ船繰其緒ニ就キタルト、東西ニ渉ル鉄道ノ便アリシトニ依リ、他ノ地方ノ如ク甚シキ影響ヲ被ルニ至ラサリキ
北陸地方 二十七年六月中ニ於テ新潟其他ノ諸港ヨリ東京掛米トシテ輸送スヘキ米穀五万石余ノ多キニ達シタリシ際ニ当リ、其積取ヲ約シタル船舶ノ突然御用船トナリシヲ以テ忽チ輸出ノ途ヲ失ヒ、同地方ノ商家ハ勿論、東京ニ於ケル受荷主等モ非常ノ困難ヲ感スルニ至レリ
四日市地方 同地方ヨリ輸出ノ重ナルモノハ製茶ニシテ其季節ハ六月ヲ以テ最モ盛ナリトス、而シテ該品ハ常ニ日本郵船会社ノ横浜・四日市間定期船ニ頼リテ横浜ヘ輸送シ来リタルニ、製茶ノ出盛季節ニ際シ定期船ノ数ヲ減シ日々ノ出帆ヲ欠クニ至リシヲ以テ、製茶商ノ不利ヲ感スル甚シカリシ、其他半田ヨリ輸出ノ木綿ノ如キモ亦少カラサル影響ヲ蒙レリ
御用船トシテ船舶十四艘徴用ノ結果ハ凡テ此クノ如キモノアリシヨリ日本郵船株式会社ニ於テハ其全力ヲ尽シテ船舶ノ補足ニ汲々シ、凡ソ外国船ニシテ速ニ之ヲ我国ニ回航セシメ、以テ目前ノ急須ニ充ツルコトヲ得ヘキモノハ其船価・借船料ノ高低如何ヲ問ハスシテ先ツ之ヲ占有スル所アリタレハ、旬日ヲ出テスシテ外国買入船十二艘、雇入船三艘(内二艘ハ朝鮮事件発生前ヨリ雇入シモノニ係ル)ヲ得ルニ至レリ、之カ結果トシテ忽チ運賃暴騰ノ鋒ヲ挫キ、各地方トモ稍々開航ノ途ヲ得、特ニ北海道ノ如キハ一般商人殆ント蘇生ノ想ヲ為スニ至レリ、是クノ如クニシテ日本郵船株式会社ハ此補足船ニ依テ北海道ヲ始メ神戸ヨリ西海岸ノ各地方、新潟酒田地方及四日市航路ニ船運ノ便ヲ復シタリト雖トモ、要スルニ一時焦眉ノ急ヲ救フノ船繰ニ係ルヲ以テ、啻ニ従前ノ如ク東西両海岸ヲ定時ニ航海セシムル事ヲ得サルノミナラス、中間ノ諸港ニ在リテハ依然船舶杜絶ノ不便ヲ免カルヽヲ得サリキ、然レトモ此間東京外十一ケ所(即チ東京・横浜・四日市・大阪・神戸・下ノ関・長崎・伏木・新潟・函館・小樽・石ノ巻)ノ枢要地ニ於ケル輸出数量ヲ見ルニ前年ニ比較シ寧ロ其数ヲ増加スル所ナキニアラス、即チ六月ハ二千四百噸余
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八月ハ一万噸余ヲ増額セリ
   (二)大輸送ノ為メ御用船トナリタル船舶及其影響
事局益々切迫シ八月一日清国ニ対シ遂ニ宣戦ノ公布アルニ及ヒ御用船ノ数益々多キヲ加ヘタリ、即チ六月二十四日以後八月二十一日迄ニ順次御用船トナリシモノ十二艘、此ニ至テ御用船ノ数前後二十六艘五万三千四百九十噸ニ達シタルヨリ、再ヒ各地方ノ商家ヲシテ船便ノ欠乏ヲ歎セシムルニ至レリ、御用船ニシテ単ニ此ニ止マラシメハ漸次外国船ヲ雇入レ又ハ之ヲ購入シテ其補足船ヲ準備スルノ途モ或ハ之ナキニアラサルヘシト雖トモ、八月末ニ至リ大輸送ノ事起リ、更ニ十二艘二万九千八百五十噸ノ船舶ヲ御用船ニ徴用セラルヽニ至リタレハ、船繰ノ困難実ニ意想外ニ出テタリ
以上数回ニ御用船トシテ借上セラレタル船舶合セテ三十八艘八万三千三百四十噸ヲ引去ルトキハ、日本郵船株式会社ノ手ニ残リテ内国航海ニ用フル船舶ハ僅ニ伊勢丸(千二百四十四噸)豊島丸(千百〇九噸)東海丸(千百十六噸)等ノ如キ数小船ニ過キサルニ至レリ、加之朝鮮事件発生以来同会社以外ノ船舶ニ於テモ、御用船ニ引上ケラレタルモノ八月下旬ニ至ルマテ大凡四十五艘三万六千五百五十一噸ノ多キニ達シ、即チ全国ヲ通シテ此時マデ御用船トシテ徴用セラレタルモノ総計八十三艘十一万九千九百三十二噸ニ及ヘルナリ、各地運輸交通ノ便杜絶スルニ至リシモノ固ヨリ必然ノ勢ト謂フヘシ、今大輸送ノ為メ各地方ノ被リタル影響ヲ概述スルニ左ノ如シ
北海道地方 同道ノ各漁場ハ例年遅クモ七月下旬ニハ出荷ヲ終リ、漁夫ハ七月中ニ引上クルヲ常トスレトモ、二十七年ハ曩ニ御用船下命ノ際大ニ其影響ヲ被リ、尋テ此大輸送ノ為メ八月ニ至ルモ貨物ノ輸出ハ勿論、漁夫ノ出立サヘモ出来サル始末トナリ、当時小樽港地方ニ堆積シタル貨物ハ殆ト五、六万石以上ニ上レリト云フ、又一方ニ於テハ漁夫ニ供給スル米穀ハ輸入少ナキ為メ其価格益騰貴シ、之ニ反シ輸出物価ハ日一日ト低落スルノミナルヲ以テ其困難頗ル甚シカリキ、又農産物ノ輸出ハ八月ヨリ十月ニ至ルノ間ヲ出盛リノ季節トナス、然ルニ此間ハ最モ運輸力欠乏ノ時ニシテ輸出ノ途殆ント杜絶シタル為メ相場日ニ下落ヲ来シ、此等農産物ノ生産者タル細農ノ困難実ニ名状スヘカラサルモノアリキ
北陸地方 御用船ノ下命頻々ニシテ貨物ノ停滞斯ク甚シキヲ加ヘタル際、新米出盛ノ季節迫リタレハ米穀商人等ハ古米輸途ノ急ヲ感スルニ至リタルニ、八月下旬ニ及ンテ此大輸送ノ事起リタルニヨリ同地方貨主ノ喫驚実ニ一方ナラサリキ、殊ニ二十七年ハ該地方稀有ノ豊穣ナリト唱ヘラレシ年柄ナルヲ以テ、貨主ハ新穀輸出ノ為メ自ラ運賃ノ割増ヲ為シテ日本郵船株式会社ノ支店ニ迫ルモノ日一日ヨリ多キヲ致セリ、又従来該地小汽船ニ使用スル石炭ノ如キハ常ニ北海道ヨリ輸入スルモノナルニ、北海道トノ交通絶ヘタル為メ当業者ハ石油滓ヲ焚用シテ目前ノ急ヲ救フニ至レルカ如キ、海運杜絶ノ困苦実ニ甚シキモノアリキ
神戸・大坂地方 同地方ハ鉄道ノ便アルヲ以テ他方ノ如ク甚シキ困難ヲ見サリシカ、大本営ヲ広島ニ進メラルヽニ至リ鉄道ハ全ク軍隊ノ
 - 第20巻 p.674 -ページ画像 
運搬ニ供セラレ、且大輸送ノ為メ海運ノ便又中絶ノ姿トナリ、特ニ九月ヨリ十一月頃迄ハ貨物出盛ノ季節ニシテ平年ニ於テモ船便ノ不足ヲ感スル程ナルヲ以テ、荷閊ヘノ困苦此ニ至リテ実ニ甚シキヲ致シ、十月初旬ノ調査ニ拠レハ神戸ニ於ケル停滞貨物九千噸以上ニ達シ、大坂ノ停滞貨物又九千六百噸ニ達セリ
船運杜絶ノ影響夫レ斯クノ如キモノアリ、故ニ東京外十一ケ所ノ枢要地ニ於ケル輸出額前年ヨリ減少スルコト九月ニ於テ三万四千噸余、十月ニ於テ二万一千噸ニ及ヘリ、即チ九、十ノ両月ニ於ケル輸出額ヲ前年ニ比スルニ実ニ五万五千噸余ノ減少ナリトス
   (三)雇外国船不開港場出入ノ特許並ニ東西定期汽船ノ回復
右ノ如ク海運ノ梗塞ハ実ニ其極点ニ達セリ、而シテ日本郵船株式会社ハ其所有船舶ヲ御用船ニ引上ケラルヽト同時ニ補足船ノ占用ニ汲々シ已ニ十五艘三万七千七百十九噸ノ船舶ヲ購入シ(政府ノ委託船トモ)又二艘二万百三十八噸ノ外国船ヲ雇入レ(九月下旬調)其他同社外ノ船主ニ於テモ亦四艘七千二百七十三噸ノ船舶ヲ購入セリ、然レトモ外国船購入ノ事ハ限リアル資本ヲ以テ一時ニ支弁シ得ヘキニアラサレハ救急ノ手段トシテ外国船籍ニアル船舶ヲ一時雇入スルノ外ナシト雖トモ、雇外国船ハ法律上開港場ノ外一切出入ヲ許サヽルヲ以テ、雇外国船ニシテ単ニ開港場ノ往復ニ止マラシメハ其効力タル未タ此一大恐慌ヲ防クニ足ラス、然ルニ政府此ニ見ル所アリ、九月二十二日ヲ以テ各府県知事ニ対シ当分ノ中六ケ月以内ヲ標準トシテ雇外国船ノ不開港場ニ出入スルコトヲ許可ストノ訓令ヲ発シタレハ、此報ヲ得テ全国ノ貨主共ニ愁眉ヲ開キ商勢俄ニ活動ノ勢ヲ見ルニ至レリ、是ニ於テカ日本郵船株式会社ハ大ニ外国船雇入ノ方法ヲ計画シタリト雖トモ、雇外国船ノ到着シテ之ヲ使用スルニ至ル迄ニハ早クモ一ケ月ノ日子ヲ要スルヲ以テ、其方法ノ実効ヲ奏スルニ至ル迄ニハ多少ノ時日ナキ能ハス、是ヨリ先キ同会社ノ購入セルモノ、及其筋ノ命ニヨリ購入ノ契約ヲナシタルモノ九月上旬ヨリ十月末迄ニ続々来着シ、即チ六艘二万一千余噸ニ及ヘリト雖トモ、一方ニ於テハ続々御用船ヲ命セラレ雇入外国船ノ到着ハ遅滞スルヲ以テ一層当業者ノ苦心ヲ加ヘ、加之各地ニ於ケル艀船及小汽船ノ徴発セラレタルモノ夥シク、又従来各港ニ於ケル艀人足ノ如キ多クハ軍夫トナリタルヲ以テ貨物積卸ニ非常ノ差支ヲ生シ、此等ノ諸因湊合シテ船繰上ニ変更ヲ来シタレハ、之カ為メ各地ニ於ケル貨物ノ停滞ハ日ヲ逐テ増加スルニ至リ、特ニ伏木地方ノ如キ十月ヨリ十一月ノ間ハ新米出盛リノ季節ニシテ、東京掛米トシテ十一月下旬迄ニ運送スヘキ者十三四万石ノ多キニ達シタルモ、廻船ノ数少ナキヲ以テ東京ノ米価ハ同地方ニ比シ一石ニ付四円ノ高価ヲ示スニ至レリ、玆ニ於テ日本郵船株式会社ハ四艘ノ大船ヲ差廻シ、一時ニ七万六千石余ヲ積取ラシメ其急需ニ応シタリト雖トモ、斯ク多額ノ米穀ヲ一時ニ東京ニ輸入スルハ実ニ異常ノコトナルヲ以テ其混雑名状スヘカラス、終ニ其筋ノ許可ヲ得テ越中島ニ仮倉庫ヲ建設シ其大半ヲ此ニ陸揚スルノ已ムヘカラサルニ至レリ、然ルニ爾来外国雇入船ノ到着スルモノ漸ク其数ヲ加ヘ来リ、当時契約中ニ係ル二十四艘六万六百余噸ノ船舶幾ント本邦ニ到着スルニ至リタレハ、爾後日本郵船株式会社ノ船繰漸ク
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其緒ニ就テ、六月以来殆ント中絶ノ姿ナリシ東西定期航船モ十一月下旬ヨリ漸ク旧ニ復シ、其他ノ方面モ亦船舶ヲ供スルヲ得、一般ノ船繰悉ク旧ニ復スルニ至リタリ、是ニ於テカ各地ニ堆積シタル貨物ヲ運送スル其期ヲ過タス、旬日ヲ出テスシテ船舶少シク余裕ヲ見ルニ及ヒ、運賃ノ如キモ漸々常体ニ復シタルモノヽ如ク、即チ東京外十一ケ所ノ枢要地ヨリノ輸出高ハ大ニ増加シテ前年ニ比シ十一月ハ四千噸余ノ増ヲ呈セリ、斯クノ如ク船舶需用急促ノ時ニ際シ此好果ヲ得タルハ本邦海運ノ為メニ特ニ当局者ノ苦心ヲ多トセスンハアラサルナリ
左ニ六月以降東京外十一ケ所ノ枢要地ニ於テ、日本郵船株式会社ノ船舶ニ依リテ輸出シタル貨物ノ数量ヲ掲ケ、前年ニ比較シテ其増減ヲ明ニス
  各地輸出比較月報

    六月
     二十六年六月      二十七年六月        増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京   七、〇九七・三〇   六、七九八・三〇              二九九・〇〇
 横浜   三、一七三・八九   五、六三三・七〇  一、四四九・八〇
 四日市 一一、五四〇・六〇  一一、五四九・四〇      八・八〇
 大坂   八、三七八・六〇   八、五一七・九〇    一三九・三〇
 神戸  一五、三九六・〇九  一三、五二七・六二            一、八六八・四七
 下ノ関  三、二一七・一〇   六、七五五・四四  三、五三八・三四
 長崎   五、八七四・九〇   三、七五九・〇〇            二、一一五・九〇
 伏木     九五八・〇〇     一九八・四〇              七五九・六〇
 新潟   三、五五八・七〇   一、七九五・六〇            一、七六三・一〇
 函館   八、三一九・七〇  一四、一一九・六一  五、七九九・九一
 小樽   四、九〇九・七〇   二、五五八・七〇            二、三四四・〇〇
 石ノ巻  一、六五九・八〇   二、二八七・四〇    六二七・六〇
  合計                      一一、五六三・七五  九、一五〇・〇七 増  二、四一三・六八
    七月
     二十六年七月      二十七年七月        増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京   六、五一九・二〇   七、四四二・〇〇    九二二・八〇
 横浜   五、九九二・一〇   三、九六四・五〇            二、〇二七・六〇
 四日市  六、〇三六・二〇   八、〇九四・四〇  二、〇五八・二〇
 大坂  一一、五八二・二〇   九、五二七・二七            二、〇五四・九三
 神戸  一二、一三二・〇九  一二、八一九・四七    六八七・三八
 下ノ関  一、二四六・〇〇   五、五三九・六〇  四、二九三・六〇
 長崎   五、〇六五・四〇   五、三九八・六〇    三三三・二〇
 伏木     六六四・六〇   一、〇九四・六〇    四三〇・〇〇
 新潟   四、〇三四・七〇   二、一六一・五〇            一、八七三・二〇
 函館  一〇、二五七・三〇   七、五三七・〇〇            二、七二〇・三〇
 小樽   二、一五四・九〇   七、七七二、四〇  五、六一七・五〇
 石ノ巻  一、〇六一・〇〇   一、二三六・一〇    一七五・一〇
  合計                      一四、五一七・七八  八、六七六・〇三 増  五、八四一・七五
    八月
     二十六年八月      二十七年八月        増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京   七、七九三・六〇   六、八七二・三〇              九二一・三〇
 横浜   四、二六九・三九   四、六八二・〇〇    四一二・六一
 四日市  八、〇四三・九〇   七、九八二・一〇               六一・八〇
 
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 大坂  一〇、四〇六・〇三   九、四九三・八〇              九一二・二三
 神戸  一一、七六七・一〇  一三、〇一八・五五  一、三五一・四五
 下ノ関  二、九七四・四〇   一、八三五・六〇            一、一三八・八〇
 長崎   三、九二九・九〇   三、〇九〇・四〇              八三九・五〇
 伏木   一、五六七・〇〇   一、一七六・一〇              三九〇・九〇
 新潟   二、四二七・七〇   五、一四九・九〇  二、七二二・二〇
 函館   六、九六〇・四〇  一三、九七八・四〇  七、〇一八・〇〇
 小樽   七、〇三二・六〇  一一、〇〇〇・九〇  三、九六八・三〇
 石ノ巻  一、八〇七・〇〇     九七三・二〇              八三三・八〇
  合計                      一五、四七二・五六  五、〇九八・三三 増 一〇、三七四・二三
    九月
     二十六年九月      二十七年九月        増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京  一〇、六九三・六〇  一〇、三八六・五二              三〇七・〇八
 横浜   七、一四四・六〇   三、八六二・八〇            三、二八一・八〇
 四日市  八、六三一・六〇   八、八一二・四〇    一八〇・八〇
 大坂  一二、一二七・二七  一〇、四六二・一〇            四、六七八・二三
 神戸  一六、七八〇・六六  一二、一〇二・四三            一、六六五・一七
 下ノ関 二一、八九七・九〇   六、一九九・三〇           一五、六九八・六〇
 長崎   九、四二八・四〇   五、〇三七・五〇            四、三九〇・九〇
 伏木   一、一三七・九〇   一、二一〇・五〇     七二・六〇
 新潟   二、八八四・九〇   一、七三四・〇〇            一、一五〇・九〇
 函館  一九、五六七・九〇  一六、八一四・九〇            二、七五三・一〇
 小樽   五、四六七・五〇   五、二四四・四〇              二二三・一〇
 石ノ巻  一、四三七・一〇   一、一六一・九〇              二七五・六〇
  合計                         二五三・四〇 三四、四二四・三八 減 三四、一七〇・九八
    十月
     二十六年十月      二十七年十月        増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京   八、三三〇・五〇  一一、六六三・〇〇  三、三三二・五〇
 横浜   六、八九三・七〇   五、九四一・九四              九五一・七六
 四日市  六、九五六・七〇   五、二七一・八〇            一、六八四・九〇
 大坂  一二、二一二・五〇   九、七〇三・六〇            二、五〇八・九〇
 神戸  二一、六三二・六三  一二、九〇二・〇七            八、七三〇・五六
 下ノ関  四、三一五・一〇
 長崎   三、八九九・一〇   三、五四二・〇〇              三五七・一〇
 伏木   一、八三八・二〇   三、七三七・四〇  一、八九九・二〇
 新潟   一、〇〇三・二〇
 函館  一二、八九四・六〇   五、七五五・五〇            七、一三九・一〇
 小樽   七、八三五・九〇   三、一七五・五〇            四、六六〇・四〇
 石ノ巻  一、〇一四・五〇     四七六・二〇              五三八・三〇
  合計                       五、二三一・七〇 二六、五七一・〇六 減 二一、三三九・三二
    十一月
     二十六年十一月     二十七年十一月       増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京  一〇、二六七・八〇  一五、三六九・〇〇  五、一〇一・二〇
 横浜   七、九七二・〇〇   四、四八〇・五二            三、四九一・四八
 四日市  七、二五二・八〇  一〇、〇九五・五〇  二、八四二・七〇
 大坂  一一、二二二・〇〇   九、五二七・六〇            一、六九四・四〇
 神戸  一九、五四〇・二一   八、八〇四・三〇           一〇、七三五・九一
 下ノ関  三、九八九・六〇  一〇、〇五〇・〇〇  六、〇六〇・四〇
 長崎   三、八二八・一〇   三、三〇六・三〇              五二一・八〇
 
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 伏木   六、二五八・三〇  一一、八七四・七〇  五、六一六・四〇
 新潟   一、四九二・一〇   二、八二四・九〇  一、三三二・八〇
 函館   九、二〇三・七〇   七、一六〇・二〇            二、〇四三・五〇
 小樽   四、二四一・八〇   六、二一〇・九〇  一、六六九・一〇
 石ノ巻  一、一八九・五〇   一、二一八・〇〇     二八・五〇
  合計                      二二、六五一・一〇 一八、四八七・〇九 増  四、一六四・〇一
    十二月
     二十六年十二月     二十七年十二月       増         減
           噸          噸         噸         噸
 東京  一〇、九四〇・六〇  一三、六〇〇・五〇  二、六五九・九〇
 横浜   六、五三六・四〇   五、一五〇・七〇            一、三八五・七〇
 四日市  八、一七一・五〇  一二、六〇二・三〇  四、四三〇・八〇
 大坂   七、九六八・〇〇  一二、八五四・三〇  四、八八五・三四
 神戸  一七、九八六・八九  二〇、九四九・八七  二、九六二・九八
 下ノ関  七、一七一・七〇   五、〇六四・三〇  二、一〇七・四〇
 長崎   三、七六八・二〇   五、九一六・二〇  二、一四八・〇〇
 伏木   七、五一五・〇〇   七、四五一・七〇               六三・三〇
 新潟     六四五・七〇   二、四二一・四〇  一、七七五・七〇
 函館   九、〇一八・六〇  一六、三九八・一〇  七、三七九・五〇
 小樽   四、七七八・二〇   八、七二三・一〇  三、九四四・九〇
 石ノ巻  五、〇四一・五〇   三、六八〇・七〇            一、三六〇・八〇
  合計                      三二、二九四・五二  二、八〇九・八〇 増 二九、四八四・七二

附言ス、日本郵船株式会社ハ此多事ノ年ニ際シ、内国航業ノ頗ル困苦ヲ極メタル間ニ処シテ、外国航路ニ於テモ益々其拡張ヲ計リ、日清間復タ事アルヲ知ラサル如キ余裕ヲ示シタルハ本邦海運ノ為メ頗ル多トスヘキモノアリ、例ヘハ神戸・浦潮線、神戸・上海線、神戸・仁川線等ノ如キ外国航路ノ定期航海ヲ継続シ、特ニ孟買航路ノ如キハ、印度タヽ商会ト聯合営業ニ属シタルモノヲ同会社一手ニ引受ケ、四艘ノ大船ヲ以テ間断ナク航海セシメ、其他上海・浦潮線ヲ香港ニ延長シタルカ如キ、若クハ仙台丸ニ移民四百九十名ヲ搭載シテ遠ク南米グワテロープニ航シタルカ如キ、実ニ本邦海運上ノ一快事ト云フヘシ
   (四)運賃ノ高低
朝鮮事件ノ為メ我運輸交通ノ便減縮シタル結果トシテ運賃ニ非常ノ変動ヲ与ヘタリ、只タ日本郵船株式会社ハ平生定ムル所ノ運賃標準アリ特ニ其得意貨主ニ対シテハ大抵一手積ノ特約アルヲ以テ妄リニ其運賃ヲ引上ケ得可カラサル事情アリト雖トモ、同会社以外ノ諸船舶ニ至リテハ多クハ通常其航海不定期ナルト船体ノ堅牢ナラサルトノ故ヨリシテ、日本郵船株式会社ノ標準運賃額ニ対シ常ニ一割乃至二割ヲ減シテ運搬シ来リシモノ、此機ニ乗シテ大ニ其運賃ヲ引上クル所アリタリ、而シテ其引上方ノ割合ハ時機ニ投シテ各一様ナラス、甚シキハ通常運賃ノ二倍余ニ及ヒタルモノアリ、今其著シキ例ヲ示サンニ、小樽・神戸間肥料運賃ノ如キ通常百石、五十五円若クハ六十円ナリシヲ、日本郵船株式会社ノ汽船十四艘御用船トシテ初メテ引上ラルヽヤ俄ニ百円ト称シ実際九十円ヲ以テ運送シタリト云フ、爾来益々騰貴ノ勢ヲ呈シ貨主ハ愈々困難ノ地位ニ陥ラントスル時ニ際シ、日本郵船株式会社補足船ノ準備漸次緒ニ就キタルカ為メ此暴騰ノ鋒ヲ挫キ得タル状況アリ尋テ八月下旬ニ至リ大輸送ノ事起リ、同会社ノ汽船十余艘一時ニ御
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用船トシテ引上ラレ、且同会社以外ノ船舶ニシテ御用船トナリタルモノ漸ク多キヲ加フルニ至リテ、運賃ノ暴騰実ニ其極ニ達シタリ、即チ米穀運賃ノ如キ通常伏木・東京間、百石四十五、六円ナリシモノ、十月乃至十一月ノ如キ新米出盛リノ季節ニ際シテハ百円以上ニ騰貴シタルコトアリ、然ルニ十二月下旬日本郵船株式会社ノ船繰其旧ニ復シ、東西定期航海ヲ開始スルヤ旬日ヲ出テスシテ下落シ、十二月中旬ヨリ下旬ニ掛ケテ六拾円トナリ五拾円トナリ終ニ四拾円ニ低落シタリ、但シ日本郵船株式会社ハ他諸船主ノ如ク機会ヲ利用シテ運賃ヲ引上クルノ手段ハ取ラサリシニセヨ、亦其運賃ヲ引上ケタル所アリキ、蓋シ朝鮮事件ノ為メ御用船トシテ引上ケラレタルハ実ニ突然ニ出テタルヲ以テ、其補足船ノ準備ハ咄嗟ノ際ニ着手セサルヘカラス、是ヲ以テ同会社カ購求若クハ雇入シタル船舶ハ其価格及雇船料額ニ付掛引スルノ猶予ナク、且ツ外国船主ハ此機ニ乗シテ大ニ雇船料及売買価格ヲ引上ケタルヲ以テ通常ニ比シ二割方以上ノ費額ヲ要セリ、加之雇船ノ如キハ何レモ十数年以前ノ製造ニ係ル老船ニシテ、速力ハ遅緩ナルニ石炭ノ消費額ハ却テ多ク、従テ費額ヲ要スルモノ甚タ多キヲ以テ此失費ヲ償フノ途ナカル可ラス、特ニ貨主ノ船舶ヲ需ムルノ急ナルヤ、同会社ニ迫ルニ運賃ヲ引上クルモ更ニ厭フ所ニアラス先ツ船舶ヲ準備スヘキコトヲ以テセリ、事情此ノ如クナルヲ以テ各地トモ平均二割方ヲ目途トシテ其運賃ヲ引上クルニ及ヘリ、尚ホ十一月ノ頃船舶ノ必迫セルニ際シテハ少シク二割以上ニ出テタレトモ、其期間ハ僅ニ二旬ニ出テスシテ間モナク同会社雇外国船ノ来着スルアリ、之カ為メ全体ノ運賃忽チニ下落シ爾後一ケ月ヲ出テスシテ殆ント平常ノ運賃ニ回復シタリ
  以上記スル所ハ日本郵船株式会社カ事変ノ際ニ処セシ顛末及ヒ此事変ノ海運ニ及ホセシ影響ノ概況ナリトス、事変ノ為メニ我海運全般ニ及ホシタル影響ハ由テ以テ推知スルニ十分ナルヲ信ス、今左ニ海上保険業カ被ムリシ影響ヲ概記シテ参考ニ供ス、事甚タ緊切ノ関係ヲ有セサルカ如シト雖トモ、亦タ参照ノ便ナクンハアラス
海上保険業ハ常ニ航運ノ便否ト共ニ消長スルモノナルカ故ニ、朝鮮事件ノ為メ航運渋滞ヲ来シタル結果、延テ保険業ニ影響スルハ理ノ免レサル所ナリト雖トモ、翻テ其実際ヲ見レハ二十七年下半季間各保険会社カ取扱ヒタル保険額及保険料ニ於テハ却テ例年ニ優ルモノアルヲ観ル、其理由ヲ要言スレハ左ノ如シ
船体保険ノ申込ノ多カリシ事 軍隊及輜重輸送ノ為メ軍用船トシテ政府ヘ借上ケラレタル汽船ノ数ハ全国ヲ通シテ百艘余ニ及ヒ、為メニ内地航海ニ供スル船舶少ナク大ニ航運ノ渋滞ヲ来シタリ、時正ニ貨物運輸ノ期節ナリシヲ以テ百貨各地ニ堆積シ、貨主ハ争フテ自己ノ貨物ヲ運送セントスルヨリ運賃暴騰シ、事変前ニ比スレハ倍額以上ニ上レリ、御用船借上料モ亦通常運賃ノ比ニアラサルヲ以テ、或ハ高運賃ヲ利セントシ或ハ好借上料ヲ得ントシ、競フテ外国船ヲ買入レタルヨリ船体保険ハ異常ノ増加ヲ呈シタリ
被保険物件カ減少セサリシ事 貨物運送ニ使用サルヽ汽船ノ数頓ニ減シ其往復稀少トナリ、一時ハ貨物各地ニ堆積シ保険モ従テ其額ヲ減
 - 第20巻 p.679 -ページ画像 
シタリシモ、貨物各地ニ充満セルヲ以テ汽船ハ航海毎ニ貨物ヲ満載シテ発着スルコトトナリ、従来数艘ノ船舶ニ分載セラレタル貨物モ一、二艘ノ船舶ニ搭載サルヽニ至リ、小口ニ分レタル保険カ大口ニ合併シタル姿トナリシ為メ、総額ノ上ニ於テハ著シク減少ノ実ナク且同業者競争ノ結果トシテ保険料ノ低減ヲ来シ、従テ保険業ノ範囲ヲ拡メタルヨリ、朝鮮事件ノ為メ航運渋滞シ一般商業ノ取引緩慢ノ結果トシテ減シタル保険モ幾分カ補充セラレタルノ事情アルモノヽ如シ
保険料ハ朝鮮事件ノ影響ニ依リ昂低シタルノ実跡ナシト雖トモ、朝鮮貿易ニ従事スル商人中清国北洋艦隊ノ為メ捕獲襲撃ノ難ニ罹テンコトヲ患ヘ、戦事危険ノ担保ヲ請求スルモノアリ、保険会社モ両国交戦ノ情況ニ応シテ特ニ保険料ヲ徴収シ以テ其危険ヲ担保シタリ、又船体保険ニ於テハ、御用船トシテ使用サルヽモノハ貿易ノ為メニ航海スルモノト其難易同日ノ論ニ非ス、危険ノ度大ニ増加スルヲ以テ御用船借上中ハ割増保険料ヲ得テ其危険ヲ担保セリ
    第四 金融ニ及ホシタル影響
二十七年ハ春来金融頻繁ニシテ貸付金及割引利息モ二十六年ニ比スレハ総テ上進ノ方ナリシカ、六月ニ入リ朝鮮事件起リ清国トノ交渉モ終ニ破レテ砲烟弾雨ノ間ニ相見ントスルノ形勢ヲ呈スルヤ、自他一般経済上ノ前途ニ注意シ近時振興シタル新事業モ殆ント中止ノ姿ヲ呈シ、日本銀行ヲ首メ各銀行共屡々利息ヲ引上ケ、且新タナル供給ハ輙ク放資セスシテ専ラ将来ノ秩序安寧ヲ講スルノ方向ヲ取リタレハ、金融非常ニ逼迫シタルカ如キ感触ヲ与ヘ、諸商工業共大ニ沈淪シ、諸株式モ亦之レカ影響ヲ受ケテ大下落ヲ示シ其底止スル処ヲ知ラスシテ只管前途如何ヲ苦慮セシメタリシカ、彼ノ豊島及牙山戦捷ノ報ニ接シテ大ニ人意ヲ強フシタルト、又同盟銀行ノ深ク注意シタルトニ因リ、幸ニ大勢ヲ維持スルコトヲ得タリ、九月ニ入リテハ軍事公債第一回三千万円ノ募集アリタルニモ拘ハラス、金融ノ事情ハ漸次平穏ニ復スルノ有様ナルト又平壌及黄海大捷ノ報相続テ到来セシトニヨリ、一般ノ人心安堵ノ思ヲ為シタレハ金融ハ却テ引緩ミノ模様ヲ呈シ、十月ニ入リ次第ニ緩慢ヲ告ケ各銀行共供給ヲ促カスノ情態トナリ、十一月中旬ニ至リテハ当初不便ヲ感シタリシ彼ノ船舶航通ノ途モ殆ト復旧シテ北海道及北越又ハ伏木其外ノ諸港ニ堆積シタル米穀其他ノ貨物モ陸続入津シタルト、地租及酒造税上納ノ季節ニ接シ加之軍事公債第二回ノ募集目前ニ迫リシトニ依リ、夫是ノ準備ニテ稍引締ノ傾向アリタレトモ格別ノコトナカリシ
要之六・七・八ノ三ケ月ハ一般ニ前途ノ如何ヲ過慮シ頻ニ警戒ヲ加ヘタルヲ以テ意想外ニ緊縮ノ形勢ヲ示シ、九・十・十一ノ三ケ月ハ最初ヨリノ事情ヲ観察シ得テ稍安堵ノ見据立チタルヲ以テ、漸ク常体ニ復シタルモノト云フヘキナリ
以上叙述シタルハ朝鮮事件発生以来金融ニ及セシ影響ノ梗概ナレトモ二十七年ノ金利騰貴ハ唯該事件ノ為メノミナラス、其重ナル原因ハ各般事業ノ発達セシニ在リ、換言スレハ二十五年以来金融ノ緩慢ナリシ反動ト謂ハサルヘカラス、特ニ二十六年ノ如キハ最モ緩慢ニシテ、春
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来各銀行ニ遊金多クシテ其運転ニ困ミタリ、是畢竟明治二十三年ニ於ケル事業ノ失敗ニ伴フテ各自貯蓄心ヲ起シ、少シク纏リタル金円ハ之ヲ事業ニ放下セスシテ多クハ銀行ニ預托スルノ主義ヲ取リタルト、又一方ニハ事業経営ノ熱ヲ冷却シタルカ為メ資本ヲ借リ出スモノ少ナク通貨ノ供給大ニ需用ニ超過シタルノ結果ナルヘシ、然ルニ金融ノ緩慢打続ケハ其反動トシテ逼迫ノ時来リ、事業不振ノ時アレハ遂ニ又振興ノ時来ルハ自然ノ数ナリ、抑モ金融緩慢ナレハ金利低ク、金利低ケレハ資本ヲ借出シテ事業ニ注入スル者又ハ自家ノ資本ヲ低利ノ銀行ヨリ引出シテ事業ニ放下スル者増加シ、従テ諸種ノ工業起リ、諸因綜合シテ資本ノ運転頻繁トナリ、遂ニ金融逼迫シテ金利騰貴スルハ必然ノ勢ナリ、二十七年ノ金利騰貴ハ則チ此趨勢ニシテ決シテ怪シムヘキモノニ非ス、現ニ二十六年ノ下半季以来鉄道敷設ノ計画各地ニ起リ、二十七年五月第六議会ニ於テ私設鉄道許可ノ決議ヲ為シタル分ノミニテモ其資本額殆ト六千万円ノ多キニ上レリ、又彼ノ紡績事業ノ如キ、製糸事業ノ如キ、近来各地共ニ大ニ拡張シテ資本ヲ放下シタルコト少ナカラス、其他取引所ノ如キ、保険事業ノ如キ、電灯事業ノ如キ、到ル処ニ勃興シテ皆資本ノ需用ヲ増加セリ、故ニ仮令朝鮮事変起ラス征清ノ事ナシトスルモ二十七年ノ金利ハ必ス騰貴セシナラン、否外征ノ事ナカリセハ却テ之ヨリ甚シキ騰貴ヲ来シタルヤ知ルヘカラサルナリ
更ニ本文ノ参照トシテ二十三年一月ヨリ二十七年十二月ニ至ル迄東京銀行集会所同盟銀行ノ報告ニ係ル貸付金及割引・利息・預金・為替・荷為替等ノ統計ヲ左ニ添付ス

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 定期預金 月/年 二十三年            二十四年            二十五年            二十六年             二十七年              円               円               円                円                円 一月  五、六五八、三六〇・一五八   五、五五六、二八五・四九六   七、四二三、七四七・六六七    九、九六六、〇五三・四五六   一一、六五七、一六〇・五三五 二月  五、六四二、四〇五・八〇〇   五、九七二、七三一・五六一   八、五三五、七四〇・二一六   一〇、一三四、〇一三・九四五   一一、八一八、七三七・九三〇 三月  五、五七二、五七九・九九三   五、九九五、二八五・二〇〇   九、四七六、一二七・七一六   一〇、七八四、九六二・二四三   一一、〇七八、一八二・二八八 四月  五、四二二、七七三・二八七   六、一二〇、一二五・三四一   九、五二一、九二〇・七三八   一一、一〇七、三〇七・四一一   一一、二一五、六七〇・八〇四 五月  五、五〇九、三一二・四九〇   五、九〇九、七八九・一六一   九、三五九、四三一・三四四   一二、〇九二、四五五・六七二   一一、〇七三、一八九・五六一 六月  五、五六三、三三八・四七三   五、七四六、六一八・三一九   八、七六四、八一五・五一一   一二、五五六、九五〇・六九四   一〇、二九三、〇三七・六五九 七月  五、八〇七、七四五・三五一   五、二三三、三八八・〇二八   八、九三九、〇九五・二一五   一二、四七五、七〇六・三三八   一〇、四七六、〇二二・八二〇 八月  五、八一一、九五九・一五二   五、二二一、一二二・二五二   八、五〇五、五七四・一四四   一二、一五六、九〇一・六五〇   一〇、二一八、八八七・九二一 九月  五、六五二、五四六・三二九   五、六四〇、一五一・四二二   八、四〇二、四一七・九八三   一二、二三一、八八四・五九六   一〇、一九二、八〇四・一三九 十月  五、四六八、四四二・四三八   五、六四七、六九三・九三二   八、四〇一、八八九・七一三   一二、五〇五、九三七・三八七   一〇、〇七六、〇一九・二九四  以下p.681 ページ画像  十一月 五、三三二、二三〇・五三三   五、七一二、〇六九・七八五   八、四三八、九八八・六八九   一二、八六一、五一四・六九九   一〇、〇三八、二六〇・四五二 十二月 五、四四七、九五一・五二九   六、八九〇、四七〇・四〇一   九、四九七、一一一・〇一九   一一、六七三、〇三二・四一〇   一〇、〇二八、五六二・六九八 当坐預金 月/年 二十三年            二十四年            二十五年             二十六年             二十七年              円               円                円                円                円 一月  六、七六三、七四〇・三八九   八、〇八七、五七〇・五四八    八、六三五、五二一・九二一   一一、八一七、一〇〇・五五三   一四、〇七五、四二五・五八五 二月  六、〇五二、二九三・九六三   七、六六七、五二九・七二三    八、八〇八、一九〇・三〇三   一二、四三七、一二四・四七四   一四、〇一〇、七二二・六七九 三月  六、八〇七、一二三・六三二   七、七一八、七二五・二五九    九、二六一、〇〇五・八五二   一二、八七七、六六二・四三三   一五、六一六、三七六・三二五 四月  六、四六三、〇〇八・七三三   七、二七九、九〇九・三五一    九、四七一、七八七・六六八   一四、三四五、七三二・七二五   一五、三一六、九九六・一一〇 五月  六、七七五、八六〇・六三五   七、九四五、八七一・一三三   一〇、三四六、四一六・六八五   一四、六四一、七〇二・三〇五   一四、九一一、四二六・九三七 六月  五、五八〇、五九八・一一二   七、八四〇、五四八・〇九八   一〇、四三八、九四二・八八八   一五、五五八、四一〇・四〇九   一五、七五八、九七〇・二二六 七月  七、六六一、九四九・二九三   七、四七九、三七七・〇九七   一一、六一二、九四八・六八九   一六、五二九、七六四・六六二   一五、二八三、八〇九・五一八 八月  七、二七八、六九六・九九二   八、二五五、八〇三・二四七   一〇、六八三、〇九八・三四〇   一五、五二三、〇一六・〇九七   一五、八三一、三〇三・〇五八 九月  七、七七九、八八六・七八四   八、二九六、一八八・一一九   一一、三八八、三八九・五六七   一五、九五九、三四四・九二三   一六、八二一、六三六・三〇二 十月  七、三九六、六六〇・七七九   八、四六〇、三四一・三六二   一〇、九三〇、一八二・五四六   一五、一二三、九七二・三一三   一七、六九八、四八三・三九七 十一月 七、七七六、九五四・〇七〇   八、一六九、四六五・八七六   一二、〇二五、〇〇四・三四〇   一四、九九〇、七〇二・四五一   一九、七五五、一一〇・三二四 十二月 七、八三六、五八四・七二九   八、五四九、八八五・六六七   一一、二八四、九六八・三五六   一三、九五六、四六一・九九三   一八、一四六、五一八・一八〇 諸預金 月 年 二十三年             二十四年             二十五年             二十六年            二十七年               円                円                円               円                円 一月  一二、一四三、三四八・九一五   一四、四一一、九七三・六〇三   一〇、三一〇、七〇五・二六二   六、二六七、〇二〇・〇三〇   一〇、四一五、一七九・五七一 二月  一二、三〇八、三九六・七七九   一四、六一六、〇一八・二四四    九、七六九、三〇〇・一二七   六、四一二、八九九・〇七六   一〇、四七二、八六三・六三四 三月  一一、二七九、二一〇・六七二   一二、八七一、〇四七・八八九   一二、四二一、六六一・四九五   六、六〇八、一五三・三九七   一〇、七三二、九八一・五三九 四月  一三、三八三、二九九・六三八   一三、一三六、二三〇・二四三   一二、〇九六、九七一・三三九   四、六四九、五七二・三四二   一〇、一一七、八五三・四七二 五月  一三、三九四、六二六・三三六   一二、一八一、六八六・〇二一   一一、〇六三、五六九・九七八   四、四一六、四四四・三二三   一〇、二二六、五七七・二七九 六月  一四、三五四、七四八・一九五   一四、二九六、一五四・〇八六   一一、〇八七、四四一・三〇二   五、六九九、〇四六・七四九   一一、九三二、七一二・五六二  以下p.682 ページ画像  七月  一四、〇六〇、五二三・三九七   一三、五四〇、三九六・七二四   一〇、四六八、四九四・三八〇   八、三六九、四一八・七〇八   一一、五七〇、四九八・四一一 八月  一四、九〇八、七六七・二三四   一四、二六二、一七八・七三七   一〇、六九一、〇九三・六五六   九、二九二、五〇〇・七二三   一一、六四〇、七六三・四二六 九月  一四、五九五、八三五・七一四   一二、九〇一、九七〇・六〇九    八、四三八、七一七・二四一   九、九四一、六一七・四五九   一一、一八一、八六六・四六三 十月  一四、一八二、八五一・五一二   一二、八〇五、五七八・三四七    八、七三九、五二四・五二六   九、五七四、七八七・七〇八   一二、一四六、九五六・五一四 十一月 一四、二九三、八一六・三八八   一〇、二七三、一〇〇・八九八    五、一八五、八〇六・七二四   九、三六〇、九四七・七二五   一二、〇二八、五三二・七三八 十二月 一三、七五三、九四四・六三四   一一、四三〇、八三五・四〇〇    六、〇〇七、六四一・五七六   九、九五五、〇六二・四一六   一〇、九九一、六八六・七四四 貸付金 月 年 二十三年             二十四年             二十五年             二十六年             二十七年               円                円                円                円                円 一月  二七、七五三、九五九・〇八八   四八、二六九、四七二・七九七   四九、五八六、五二八・六七五   四五、九八四、八八九・六二七   四九、六八五、〇九八・七三七 二月  二三、七七九、五二五・七八五   四七、一九三、四六九・七九八   四九、四九六、三二〇・一六六   四五、三七七、一五〇・六二六   四九、二七五、九一七・七九五 三月  二三、〇〇五、九五九・四〇〇   四六、四〇一、四七〇・三三〇   四八、一九八、七〇七・九五二   四五、〇〇四、二六二・一六八   四八、三一六、九〇四・七五〇 四月  二二、六六九、七一八・八二九   四六、〇四三、九一三・七〇六   四八、一九三、三九五・六四四   四七、二九九、九〇一・四二四   四八、一〇九、〇六〇・一七九 五月  二四、〇二六、六三〇・四〇二   四四、六七九、八〇一・八六九   四八、六一二、八一五・五一五   四七、二〇五、二二九・二八九   四七、九六二、八八九・二九八 六月  二四、五九〇、九三七・六五四   四五、四八〇、八八〇・二二八   四七、六九五、二二五・〇七五   四七、〇一八、五九五・〇九六   四九、三九八、〇四一・七九九 七月  四五、三八七、七八八・七八〇   四四、八一五、六二九・四七五   四二、五三三、六四〇・九四六   四五、〇二六、〇四八・四〇六   四八、九八四、〇四二・七五三 八月  四六、三六〇、七七九・三〇六   四六、八三二、八三八・五八八   四三、七六〇、三七〇・九一六   四六、六九七、二四〇・五六〇   四九、二二五、〇六一・五三八 九月  四六、九九七、五六八・三二八   四八、一四五、三八二・六八八   四五、一〇七、五三〇・六三三   四七、九六七、八二五・五六七   五〇、五九三、七六八・五七一 十月  四八、〇三五、〇八一・三一三   四九、一八五、四一五・五四二   四五、五六五、八九二・六三八   四八、三七二、八七〇・一〇一   五〇、八〇七、九七四・六八〇 十一月 四八、六〇二、〇〇八・七二三   四九、三五〇、五七七・九一〇   四五、六〇三、一〇五・一五四   四九、三九三、〇六三・二五八   五二、二一二、一六六・一五三 十二月 四九、五八七、三五二・四三七   五〇、五四五、三四九・七一五   四六、二五八、九四〇・〇七五   五〇、九五三、四六一・六一九   五四、三二四、〇三四・一七五 当坐貸越 月 年 二十三年            二十四年            二十五年            二十六年            二十七年              円               円               円               円               円 一月  六、七六〇、四二八・二六六   七、八〇七、六一六・一三六   五、九四二、三六〇・五一七   四、四一九、五三六・七〇〇   五、八四六、八一七・〇〇七 二月  六、四九一、九六二・一四六   七、六一一、五〇〇・七九九   五、三四六、九九七・二八九   四、三五一、一六〇・六八四   五、六八九、三二八・三八七  以下p.683 ページ画像  三月  六、二四六、五八〇・六〇九   七、一〇七、五七〇・五八四   四、五五五、四七九・二四七   四、四七六、六六〇・八二九   五、八八八、九九三・二五六 四月  六、四九三、四四五・四三七   七、〇一四、八八九・三八四   四、七一一、五〇二・一一〇   四、〇二二、九六五・九〇六   六、四二九、八六〇・二〇三 五月  六、七五七、〇〇三・七八八   六、一〇〇、八九八・五七六   四、四六七、二二三・七八三   三、八一八、七六〇・四三四   六、一九一、一二〇・二九七 六月  六、五二五、四一六・八四〇   六、〇三一、三九九・三五八   四、五九四、五二九・九九七   五、三八三、九一九・九二七   七、一九四、二七三・一八四 七月  六、八四九、四六三・二二五   六、〇一一、九五〇・七九四   四、二八四、三八〇・〇〇八   六、一七七、九八七・二九〇   六、九〇四、八八五・四五七 八月  六、九〇四、六四四・九三九   五、九七〇、四一九・七八四   四、六七四、五四八・七三三   六、四六七、四二九・六六七   六、五九七、六六五・五九九 九月  七、二九五、〇六三・七五五   六、〇六三、九五八・四一二   四、五六四、三〇五・三八二   六、四二〇、五一四・三五五   六、七六六、二四五・九三一 十月  七、三七一、七五三・二四二   五、八五四、二一七・八八六   四、五六九、八八九・五七七   六、四〇二、四七四・九九四   五、七八四、〇一六・一七七 十一月 八、一九六、二五八・六六八   五、八五七、〇三九・四二五   五、一〇一、六八三・四〇七   六、〇二八、四四〇・二四〇   六、二四九、二九四・〇八〇 十二月 七、九六三、〇七四・〇五三   六、〇一六、九六〇・〇五六   四、一八四、六三四・〇一二   六、〇二五、八一四・二八八   六、八四二、八一八・三八二 割引手形 月 年 二十三年            二十四年            二十五年            二十六年             二十七年              円               円               円                円                円 一月  二、八一八、五四七・二六五   四、一八一、五三二・八〇四   五、五四六、四二五・五〇二    七、二六六、四九八・八三六   一〇、五〇八、五三四・〇七〇 二月  二、六四二、四九七・五五四   四、三四六、六七二・六八八   五、五九五、一〇〇・七一八    七、一八一、九七九・五四七   一〇、〇五七、三三四・七〇三 三月  二、八四七、二二七・七四一   四、二三七、四七一・九一五   六、〇五二、八八三・二〇七    六、九九七、五一九・九二一    九、七二九、〇二四・九六七 四月  二、八一二、二六〇・三三一   四、〇一〇、七二〇・三一三   五、九四五、八八五・八六一    六、四五八、一三〇・六五九    九、四一〇、七九三・三八一 五月  二、七四八、六一一・四〇五   四、一三四、九九五・三三四   六、三一四、九五六・一〇二    五、七三六、七九一・六一二    九、七八一、九八五・四〇五 六月  三、〇九六、七八二・四九二   四、五七六、六九〇・三一四   七、九八六、〇四六・〇四一    八、七四〇、六四二・二二八   一一、八八一、二三七・八八一 七月  三、〇八七、一二六・〇六八   四、五六四、八一三・三五一   八、〇六八、二九〇・一四二   一一、二四〇、九一九・三一一   一一、五二一、五一八・三三〇 八月  三、五九九、三四八・一一一   四、四一一、二五六・三四七   七、六八三、一三五・一〇一   一一、三九三、一八八・二七三   一一、五〇〇、二八六・三二〇 九月  三、八一〇、四五三・九一三   四、四五九、二六四・四〇四   七、一〇七、六五八・五六二   一一、〇九〇、〇六三・一八七   一一、六三九、九七五・五八二 十月  四、二一一、六四八・八一九   四、三〇九、四七二・二六二   六、九一〇、八六九・七〇一   一〇、九一二、〇七五・四七九   一一、二八二、八一八・五一六 十一月 四、四四四、七七二・〇三〇   四、八九五、五二一・七四七   六、五七三、四一九・七一四   一〇、六六九、七八九・〇〇一   一一、三二五、四二四・二八七 十二月 四、六七八、七九五・六〇二   五、五〇三、〇二五・〇五一   七、五〇二、二八四・四〇六   一一、〇五〇、三一五・九五一   一〇、九一四、七一六・〇五八  以下p.684 ページ画像  為替(各地方ヘ取組高) 月 年 二十三年            二十四年            二十五年            二十六年            二十七年              円               円               円               円               円 一月  二、八七五、四四二・五七三   二、九八〇、三六二・二八五   四、七三七、二二五・三一三   三、三二八、一九八・〇五五   三、六七八、七九五・四六五 二月  二、八二五、五三四・六〇九   三、三〇六、一二三・五五〇   二、六九四、五五五・二二九   三、三三二、九四〇・七七三   三、一四七、一二九・三一一 三月  二、八二二、一五六・四五二   三、二六六、六四五・一一三   二、九六三、四五七・一四八   三、五〇九、四一三・六八六   四、〇〇〇、七二〇・一四〇 四月  二、八六〇、九一五・〇三四   三、〇五六、七八九・三〇三   二、五五八、七〇〇・八二四   三、一六九、八二三・七六八   二、八七三、二五〇・八〇〇 五月  三、二一三、四八八・九五四   三、五五二、五〇三・四四二   三、〇八三、四八五・六七七   三、九七〇、九〇九・八三二   六、八四四、〇三五・四七〇 六月  三、七四四、三二四・一三六   二、九七七、四四〇・二三二   二、八〇六、九〇三・九五七   三、五九八、九七四・九四五   三、七六三、五五六・〇四五 七月  三、一九〇、三五八・〇六〇   二、八〇七、七八八・八一三   三、二二八、〇六三・八九二   四、二三六、二五八・五八三   四、三一〇、八三一・八七八 八月  三、一七八、三五三・六七四   三、〇四七、八五四・六一三   三、五九八、九九七・九三九   三、九三一、五〇三・〇二一   四、八〇三、九六九・〇八二 九月  二、九二六、三五五・〇七〇   二、九五七、〇三七・〇三二   三、一〇〇、九九二・六一八   三、三四九、〇八七・九四六   五、〇二六、〇五六・七二八 十月  三、〇四八、〇四〇・四九三   三、六七六、七〇五・九二六   三、〇七〇、八三七・三二三   三、四七〇、二九九・八七七   五、〇七一、四五五・一四三 十一月 三、三八五、四二一・五〇〇   四、八四四、二七七・〇〇六   三、七七〇、〇七六・〇七一   三、七七二、六九九・八四七   五、五八二、七一三・四四一 十二月 四、四五四、一七七・〇六八   四、六八五、二三〇・〇五六   五、四八一、二〇二・六五四   六、一〇三、二七九・〇四九   七、六九二、六二六・四一六 割引(同上) 月 年 二十三年          二十四年            二十五年            二十六年            二十七年            円               円               円               円             円 一月  一五五、九五六・七〇二     四五八、〇九一・九二五     五三九、六一二・二〇七     一一三、八五三・六九〇   四一二、三三七・〇〇七 二月  一七二、二六八・三五五     二六六、一六七・八九二   一、〇八九、八四八・三六六     二七三、六七三・九三九   三三九、一〇七・〇三九 三月  二八八、二五六・九一七     四一八、一八九・五六八     九三〇、三七四・二一六     二〇六、八七二・一二五   二四四、七四九・七八四 四月  一一四、八九六・六二五     三一五、八六二・四七二   一、〇七八、七四四・四八二     一三九、三〇四・〇七七   三七四、四五一・六三九 五月  一四〇、四三一・七二三     八五九、四一八・七一二   一、一四三、七二二・六八〇     一九二、〇五九・六五五   一八二、三三〇・七七一 六月  三三七、四二九・九二一   一、二〇七、二二九・三〇八   一、八四九、四〇七・七一六     四一三、九三二・六三九   三五九、一八五・七八四 七月  六二五、五七五・九四八   一、〇六七、九二八・七九九   一、二九三、八五五・八七九     七一三、九九一・五五六   二一二、〇九三・三五三 八月  五七七、二一七・八五三   一、一五一、二九五・一〇八   一、二四二、二三六・六八五     六九七、三三〇・八二〇   二三四、九五八・三四四  以下p.685 ページ画像  九月  九六八、七八七・五二九     七三一、九八〇・九四九     一七七、七〇二・二三五     三八五、〇三〇・七二〇   二一一、八七三・六四二 十月  七〇七、九七七・七九二   一、二一四、五九二・六七三     四二一、八八三・七二七     七八八、七八〇・一二五   二六三、一九二・〇一一 十一月 四九六、九八六・二四九   一、三八三、九二八・五六五     五七〇、六九四・一五六   一、一七二、八五一・〇八七   二三二、〇三六・四九五 十二月 七〇二、七九九・三五四     八一六、二九一・三九一     三六五、二七一・三五〇     四八四、七七一・一七八   二五二、九九五・二五六 荷為替(同上) 月 年 二十三年          二十四年          二十五年          二十六年          二十七年            円             円             円             円             円 一月   九三、一八六・四三〇   二五三、四五八・一〇七   四九二、六五三・八九六   二二一、八〇四・六二二   二一四、一八五・九四八 二月   五〇、九四八・三五一   一八九、六一六・七〇八   三四七、〇三九・一一三   一七六、〇二九・〇五一   四三五、一〇〇・五〇九 三月  一六三、七二二・七一〇   四二四、三〇一・一四六   四三八、一二〇・一六八   二四八、二四六・八二〇   二九一、九七三・六六八 四月  三三〇、一七一・三一五   三五〇、五三三・一三四   三七八、六九二・四〇二   一八六、九五三・六七六   二二四、〇七六・一三〇 五月  一三三、九二三・七一九   三六八、四八一・二四四   一七三、三五六・六三二   三三七、九八四・三〇三   二八一、四三二・一〇九 六月  三一五、七五四・四六五   一八九、四〇七・二一八   一三〇、七一六・六六八   二四五、二五〇・八六〇   一五七、八九九・五五〇 七月  二〇七、九七七・八〇三   六八八、八四二・八二七   一四〇、一四八・一四六   二七二、六八八・二七六   二〇一、七五四・〇三九 八月  一二三、〇二〇・六六〇   二六八、四一七・六四三   二二〇、五七四・七三五   一八八、三〇八・六六八   一七八、〇〇五・一九二 九月  一二九、九四六・六五五   四七三、四九七・〇七一   一七〇、一九八・五〇七   三三八、三二三・八一七   一四七、二五二・一九八 十月  一五〇、六七六・三三一   一九六、〇三六・九二〇   六二三、五二六・〇六九   三九七、二七七・五五四   二六一、二五三・六八三 十一月 一六九、三三四・五六七   二七八、一八〇・八八四   二一九、一六九・五五六   一九三、二九二・三〇七   一六九、〇三八・五三八 十二月 一六九、七九二・一二〇   二五四、八二九・八九五   二三二、三八九・六四一   二四六、三一六・四六五   一五九、四六四・四一九 為替(各地方ヨリ取組高) 月 年 二十三年            二十四年            二十五年             二十六年            二十七年              円               円               円                円                円 一月  五、五〇二、三七七・四一六   五、七三六、八三五・六〇八   七、二九五、五四六・三七四    八、三二一、五七八・八六七   一〇、〇〇五、一五九・〇四三 二月  六、七〇四、三五七・三六一   八、一〇四、八〇一・六七七   五、四七六、四八六・七〇四    五、二一〇、八一五・二六八    五、九二六、九〇六・〇二三 三月  四、〇一九、四二〇・八二六   三、九二五、四六七・五五三   七、四五二、一九一・六三六    七、四六四、三八二・一八四    八、二六二、一二二・九五九  以下p.686 ページ画像  四月  六、九二二、七三六・九九三   七、四四六、七七二・二八三   七、三一六、〇六八・四〇三    八、一六四、八一四・九三八    八、六七六、五一八・四八二 五月  八、〇四四、一一四・四六九   四、二四四、七七四・八二二   四、六八七、七六九・二一一    四、六一〇、一六八・六八六    五、八八一、四九九・二四三 六月  四、二三六、二一四・三六六   六、一五〇、〇二二・一三八   六、九四七、四七二・五五九    八、〇二三、一五六・三二九    七、七八一、六七二・〇三四 七月  三、六一三、〇三三・三八〇   四、二五七、〇二八・六二三   四、五六一、五三五・三一六    六、三七七、四〇一・〇四二    六、六〇五、八一九・一五八 八月  四、五三四、四九二・一五四   五、二〇一、三二四・五五七   七、一七四、七二〇・六七七   一〇、一七五、六五七・三一三    八、一〇三、九〇四・六七二 九月  六、八三七、七三一・三四三   六、四五五、三八六・三七二   六、九八八、〇一五・九四三    六、七七九、四四三・四一六    七、四〇八、六七八・九〇九 十月  五、〇四三、七九九・三九三   六、七九二、八九六・五五四   九、一五七、九九三・二九六    九、〇八〇、九九八・一四五    九、二一九、三三五・〇五一 十一月 六、七八二、一九四・五一八   五、一九五、三〇九・一五七   六、二四九、九二〇・二九〇    七、四七七、一二五・〇四四    七、八九五、六六八・三九八 十二月 七、八六二、三六六・二四四   八、四二四、三五二・〇四一   八、〇七五、九六六・二八四   一〇、一四六、九二三・八二一   一一、三一四、七六二・九八一 割引(同上) 月 年 二十三年            二十四年            二十五年            二十六年            二十七年              円               円               円               円               円 一月    七二三、八七〇・三八七     五四九、七九三・八四五   一、五三九、六〇二・五二二     九一四、〇五六・五二二     九六一、二三二・五六九 二月    八一一、三五四・三六六     九一五、六四七・〇八五     八九四、七五六・九二六     五七四、九七五・三七九   一、二三一、七三九・一六一 三月    九〇四、〇二一・〇九五     八八九、六八五・八七三   一、〇八七、六三四・三二八     六二七、八四三・七九七     六六一、八八六・〇四〇 四月    六〇一、三七二・八一〇   一、七四八、〇二〇・四六六   一、二〇八、五二三・五六七     一八七、二三四・四〇五     四六七、七三五・一五八 五月  一、二〇一、五六三・〇二二   一、一九七、三三一・九一〇   一、四一六、八五六・一三五     二〇四、四一四・三九五     八八五、七一七・七五二 六月  一、二五七、五四四・三七五   一、七四九、〇七九・三三一   一、四七六、七四七・一二五     四二九、九一一・四九五   一、五三〇、〇五二・〇六一 七月    九六二、三一四・二三〇   一、一九三、六四六・一〇九   一、一二七、三四二・四二一     七二七、一四二・〇五一     八〇三、一四九・四三三 八月    七〇三、三九九・〇六五   一、五八一、五四五・六一六   一、七四三、六五八・一三五   一、二一八、二一六・一八四     七四二、九九七・三八七 九月    八三一、七九三・四四五   一、八六〇、七八七・一五六   一、三〇〇、五四〇・五六〇     六〇七、五九五・八三五     二八三、四九四・三七六 十月    八八一、六〇七・七八六   一、四〇一、一九〇・四六三   一、〇五三、一三五・九〇一   一、一六三、〇四八・〇七七     四二四、六〇九・四一二 十一月   八二八、八八八・九〇六   一、五九六、五八六・八五〇   一、二八七、〇四〇・〇五八   一、〇四六、二四八・九〇六     六七二、六一八・七〇三 十二月 一、二六八、三三七・五九〇   二、〇三〇、三九五・七五七   一、一五二、三〇七・〇〇九     七三〇、七六〇・七三八     五三八、五八三・五六五 荷為換(同上)  以下p.687 ページ画像  月 年  二十三年          二十四年            二十五年            二十六年            二十七年             円               円               円               円               円 一月 一、〇一一、一八四・四九二     六七三、〇六二・六九七     五二一、一〇三・六六七   一、二二二、二一四・二四八     九三一、六二〇・七四五 二月   三六六、七二三・八三一     五一八、〇六三・〇七六     三一一、四〇二・一九一     九四六、七六九・五八四     四〇九、一七九・一九五 三月   六〇九、九九二・四〇九     七二〇、一六九・五〇三     三二六、五三〇・三一四     八七六、五六八・九四二     八九五、三七〇・二三三 四月   七九二、二一五・五八一     八五八、六四一・九七五     九〇六、九六三・四九〇     九〇六、九六三・四九〇     九二九、〇八五・九六六 五月   六九九、一八二・三八七     七三四、一五六・三五九     五七一、二〇三・八六九   一、〇二四、七二三・七一六     六九四、二九〇・四八五 六月   五四七、九四一・七七〇     六五二、三七七・一二〇     五二二、四七二・七五五     八七四、七九五・一一二   一、一八七、四二〇・二七三 七月   七一四、七五二・二八九   一、一四一、二九一・二五七     八五二、一三八・七六五   二、〇〇六、四三二・九五〇   二、〇四九、二八九・二八三 八月   九七九、三八二・八二二   一、二五〇、九三二・八六七   一、四四〇、六七五・一八一   二、三九三、〇三九・〇一四   二、五六四、三一四・五五七 九月   八一四、八七一・三九三   一、〇二四、一二一・五〇六   一、三九七、七〇三・八三八   二、一三六、〇四四・一四九   二、二三六、八五〇・六七三 十月   九八六、〇五八・八八六     八一〇、四九二・九二五   一、二四四、八七三・六七一   一、九四六、三一二・二六九   二、二五五、九〇〇・九〇三 十一月  八二九、六九五・四三九     七六三、〇八五・二四〇   一、六六一、六九一・六〇八   一、三四二、四〇九・四八八   二、八八六、四〇八・三三九 十二月  九四二、八七四・二〇五   一、二一四、〇六四・六八二   一、八一二、九一七・四二〇   一、三五三、八五六・三〇七   二、一六四、五一九・九三六 貸付金(抵当貸千円以上一万円)     二十三年                    二十四年                  二十五年                 二十六年                  二十七年      最高      最低      平均      最高      最低     平均      最高     最低     平均     最高     最低     平均      最高     最低      平均     割 分厘毛   割 分厘毛   割 分厘毛   割 分厘毛  割 分厘毛   割 分厘毛  割 分厘毛  割 分厘毛  割 分厘毛  割 分厘毛  割 分厘毛  割 分厘毛   割 分厘毛  割 分厘毛   割 分厘毛 一月  一・一八四   一・〇二〇   一・一〇二   一・〇三〇   ・八九八    ・九九四   ・九〇八   ・七八七   ・八七一   ・九〇九   ・七七四   ・八二二    ・九三六   ・七七七    ・八四一 二月  一・二一五   一・〇六五   一・一四〇   一・〇八〇   ・九六一   一・〇二〇   ・九〇四   ・七八九   ・八六五   ・八三五   ・七四〇   ・七九二    ・九四二   ・七九二    ・八五六 三月  一・一六三   一・〇六〇   一・一一一   一・〇九〇   ・八九〇    ・九九〇   ・九〇五   ・七七四   ・八四五   ・八五二   ・六七四   ・七三九    ・九三四   ・七九五    ・八六八 四月  一・一五八    ・九九七   一・〇七七   一・一一〇   ・九二四   一・〇一七   ・八九五   ・七九〇   ・八四二   ・八一八   ・六六八   ・七三五    ・九五〇   ・八二二    ・八七四 五月  一・一五八    ・九六三   一・〇六〇   一・〇五五   ・八七二    ・九六四   ・九一八   ・七七五   ・八二五   ・七四九   ・六二〇   ・六八〇    ・九五一   ・八一四    ・八七五 六月  一・〇九四    ・九〇二    ・九九八   一・〇四四   ・八六一    ・九五二   ・九〇六   ・七六八   ・八三七   ・六九七   ・五六五   ・六二〇    ・九七六   ・八四三    ・九一八 七月  一・一一五    ・九二四   一・〇二〇   一・〇〇四   ・八〇五    ・九〇五   ・八九五   ・七七二   ・八二七   ・七二五   ・五七九   ・六四〇   一・〇三二   ・八九〇    ・九七一 八月  一・一〇四    ・九三五   一・〇二〇    ・九七九   ・七八五    ・八八八   ・八九一   ・七四一   ・八二二   ・七四二   ・五六七   ・六四〇   一・〇七六   ・九五九   一・〇三四  以下p.688 ページ画像  九月  一・〇七〇    ・九四〇   一・〇〇五    ・九六〇   ・八二三    ・八八七   ・八九八   ・七七八   ・八三六   ・七三七   ・六五三   ・六九二   一・〇五一   ・九三四   一・〇〇三 十月  一・一三〇    ・九二五   一・〇二七    ・九七七   ・八一七    ・八七八   ・八九五   ・七六九   ・八二八   ・八四九   ・六五五   ・七二二   一・〇六二   ・九一八    ・九八七 十一月 一・一〇〇    ・九四〇   一・〇二〇    ・九九六   ・八〇七    ・八九一   ・八九九   ・七六六   ・八三三   ・八一〇   ・六八六   ・七四二   一・〇四七   ・九二九    ・九九三 十二月 一・一四〇    ・九〇一   一・〇二二    ・九六九   ・七八〇    ・八七八   ・九〇三   ・七三七   ・八一〇   ・九二六   ・七五五   ・八〇六   一・〇八二   ・九二〇    ・九九一 当所割引《(座)》     二十三年              二十四年              二十五年              二十六年              二十七年     最高    最低    平均    最高    最低    平均    最高    最低    平均    最高    最低    平均    最高    最低    平均     銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛   銭厘毛 一月  三五〇   二七二   三一一   三〇〇   二三〇   二六五   三三〇   一七五   二四一   二四八   一八〇   二一一   二七〇   二一四   二四三 二月  三六三   二六八   三一五   三〇〇   二四〇   二七〇   三二〇   一七〇   二三九   二四五   一八一   二一二   二七八   二二三   二四五 三月  三五〇   二六七   三〇八   三〇〇   二三〇   二六五   三〇〇   一七〇   二三七   二四〇   一八二   二一〇   二八〇   二二一   二四七 四月  三四〇   二六七   三〇三   三一〇   二四〇   二七五   三〇〇   一八〇   二三四   二二七   一六四   一九四   二七四   二三四   二四九 五月  三三〇   二四二   二八六   三五〇   二二〇   二八五   二八〇   一七五   二二六   二〇七   一五〇   一八〇   二八〇   二二六   二四四 六月  三一七   二二七   二七二   二七〇   二二〇   二四五   二八〇   一七〇   二二六   二〇二   一四五   一六五   二九四   二三五   二五九 七月  三三〇   二三〇   二八〇   二九二   二一四   二五三   三〇〇   一七〇   二二五   一九五   一四〇   一六〇   三〇〇   二四八   二七四 八月  三二八   二四〇   二八四   三三〇   一七五   二五〇   三〇〇   一七〇   二二二   二一二   一四五   一七〇   三〇五   二六〇   二八三 九月  三二五   二四二   二八三   三三〇   一八五   二四八   三〇〇   一七〇   二三七   二一〇   一六〇   一八三   二九九   二八一   二八六 十月  三二八   二四四   二八六   三三〇   一七五   二四二   三〇〇   一七〇   二二一   二三七   一六八   一九八   三〇五   二六〇   二八三 十一月 三三八   二三五   二八六   三三三   一八〇   二四四   二五〇   一九〇   二二〇   二四二   一七九   二〇四   三〇五   二五五   二七七 十二月 三四〇   二五〇   二九五   三三三   一七〇   二五〇   二五〇   一八五   二一七   二五九   一九五   二二五   三〇七   二五八   二八四 当座預金     二十三年                 二十四年                 二十五年                 二十六年                 二十七年      最高     最低     平均     最高     最低     平均     最高     最低     平均     最高     最低     平均     最高     最低     平均      分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛    分厘毛 一月  ・三八二   ・三〇一   ・三二〇   ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・二八〇   ・三七二   ・四〇四   ・三二二   ・三六五   ・三六五   ・二八九   ・三二六 二月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四二五   ・三二〇   ・三七二   ・四五〇   ・二八〇   ・三七〇   ・四〇〇   ・三三〇   ・三六八   ・三七一   ・二八九   ・三四三  以下p.689 ページ画像  三月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四二五   ・三二〇   ・三七二   ・四五〇   ・二八〇   ・三六七   ・三九四   ・二八八   ・三四九   ・三七〇   ・二九四   ・三三九 四月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四二五   ・三二〇   ・三七二   ・四五〇   ・三〇〇   ・三六七   ・三七八   ・二七四   ・二九六   ・三七二   ・三〇〇   ・三三四 五月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四二五   ・三二〇   ・三七二   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七二   ・三〇三   ・一九三   ・二六〇   ・三六九   ・三〇一   ・三三四 六月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四二五   ・三二〇   ・三七二   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七〇   ・二八四   ・二一四   ・二五五   ・三八八   ・三一六   ・三四六 七月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四七〇   ・三〇〇   ・三八五   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七〇   ・二八〇   ・二〇〇   ・二三一   ・三九五   ・三〇九   ・三五九 八月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・三〇〇   ・三六五   ・四五〇   ・三〇〇   ・三六八   ・三〇九   ・二〇一   ・二五七   ・四一二   ・三四〇   ・三七五 九月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七〇   ・四五〇   ・三〇〇   ・三六八   ・三一八   ・一八七   ・二五五   ・四一八   ・三三二   ・三八〇 十月  ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七二   ・四五〇   ・三〇〇   ・三六六   ・三二八   ・二〇五   ・二六七   ・四一七   ・三三五   ・三六六 十一月 ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七八   ・四〇〇   ・三三五   ・三七〇   ・三一三   ・二二二   ・二六九   ・四一四   ・三三二   ・三六八 十二月 ・四〇三   ・三四〇   ・三七一   ・四五〇   ・三〇〇   ・三七三   ・四〇四   ・三二一   ・三六四   ・三四二   ・二一五   ・二九五   ・四一五   ・三二八   ・三七〇 



朝鮮事件ノ金融ニ及ホシタル影響ハ以上記述セシ所ノ如シ、金融事情ト密接ノ関係ヲ有スル株式市場ノ概況ヲ観察スレハ左ノ如シ
    株式市場ニ及ホシタル影響
金利ノ昂低、金融ノ伸縮ハ諸般ノ商工業一トシテ其影響ヲ受ケサルモノナシト雖トモ、公債株式ノ如ク最モ直接ニ最モ迅速ニ感スルモノハアラス、今二十七年中ニ於ケル株式市場ノ概況ヲ述ルニ先チ、開戦以来株式ニ影響シタル日時ヲ択ヒ二・三ノ株式ニ付テ其昂低ヲ表示シ、以テ観察ニ便セントス



                                 炭礦鉄道株 関西鉄道株 日本郵船株 鐘淵紡績株 東京株式取引株
                                    円     円     円     円       円
六月一日                              八四・九  五八・三  六八・三  五七・三   二七七・〇
同二十五日    (鶏林ノ風雲穏カナラサル風説ノ立チシ時)     六九・七  四九・二  六六・三  四八・六   二二四・九
同末日                               七三・六  五二・六  六六・三  四九・七   二五一・一
    全月平均                          七七・五  五四・六  六七・六  五三・四   二五七・九
七月十三日    (平和ノ風説アリタル為メ漸々昇進シ来リタル日)  七七・四  五三・九  六九・八  五一・〇   二四八・二
日《(七月十四カ)》(破裂スヘシトノ噂ニテ漸々下落シタル日)     七〇・四  四六・九  六七・五  四三・五   二一四・三
    全月平均                          七三・二  五〇・三  六八・二  四七・七   二二九・三
八月二日     (宣戦ノ詔勅公布ノ日)              六六・八  四五・七  六六・五  四〇・七   二〇〇・四
同六日      (成歓・牙山ノ勝報ニ接シタル結果)        六七・四  四七・四  六五・四  三八・四   二〇二・二
同十七日     (軍事公債発令ノ結果)              五八・七  四二・〇  五二・七  三四・〇   一五八・一
同末日                               六三・二  四五・八  六〇・二  三六・三   一八五・八
    全月平均                          六四・四  四五・一  六二・五  三七・三   一八九・六
九月十七日    (平壌陥落ノ日)                 六七・一  四八・二  六〇・六  三八・八   一九二・七
同二十六日    (黄海ノ戦勝等ヨリ漸々昇リタル日)        七一・四  五一・〇  六六・四  四三・九   二一三・六
同末日                               七〇・五  四九・八  六五・四  四二・六   二〇七・五
    全月平均                          六六・四  四七・五  六一・六  三三・八   一九三・三
十月十九日    (第二軍事公債内国募集ノ噂ノ結果)        六六・九  四八・一  六五・二  三八・二   一九四・五
同三十日     (九連城略取ノ結果)               七三・五  五一・〇  七二・一  四二・〇   二一三・二
    全月平均                          六九・七  四九・二  六六・三  三九・九   二〇三・〇
 - 第20巻 p.690 -ページ画像 
十一月五日    (鳳凰城陥落ノ結果)               七九・四  五二・六  七六・二  四三・四   二三二・一
同二十日     (旅順陥遠カラサルヲ気構ヘタル結果)       八六・〇  五二・七  七九・二  四七・八   二三九・四
同二十二日    (第二軍事公債募集ノ発令アリタル日)       八三・九  五一・六  七七・四  四六・三   二三八・二
同二十四日    (旅順陥落ノ日)                 八〇・六  五〇・八  七五・九  四四・六   二三四・五
同末日                               八二・二  五一・五  七六・九  四五・六   二三七・三
    全月平均                          八二・〇  五二・二  七六・〇  四五・二   二三四・七
十二月二十一日  (公債募集ノ好結果)               八一・九  四七・七  七四・五  四五・五   二二七・五
同末日                               八一・六  四七・九  七五・〇  四四・三   二二九・三
    全月平均                          八〇・四  四八・四  七四・五  四四・四   二二八・六



前表ニ示スカ如ク、公債・株式ノ市価ハ金融ノ伸縮ト逆行スルノ状勢アルヲ見ルヘシ、即チ前項ニ記スルカ如ク一月以来金融ハ単ニ引締リノ一方ニ偏向セシヨリ公債株式ハ漸時低落ヲ来シ、三・四月ノ交ニ於テ生糸ノ好況ナルヲ気構ヘ、稍ヤ市況回復ノ兆アリシモ、四月下旬ニ至リ再ヒ低落ノ趨勢ヲ来セリ、降テ六月ニ入リ朝鮮事件起リテ金融ノ前途一層危惧ノ念ヲ懐クニ及テヤ、市場ノ人気ハ各会社ノ実収如何ニ係ハラス、一般ニ売競ヒテ日一日ト下落ヲ示シ、同月二十四・五日頃ニ至リ、事局愈々不穏トナリ危機一髪ノ勢ヲ現スヤ、玆ニ非常ノ暴落ヲ来シ、其甚シキハ一株ニ付三十五円、少ナキモ三円内外ノ大下落ヲ惹起シ、市場殆ント恐慌ノ惨状ニ陥ラントセリ、爾後七月十三日ニ至ルマテ朝鮮事件モ稍ヤ平和ニ終局スヘキ望アルモノヽ如クナリシカハ相場少シク引締リノ模様ヲ呈セシモ、十四日ニ至リ再ヒ低落ニ傾向セリ、此際其動揺ヲ感スル事少ナクシテ比較的ニ稍ヤ価格ヲ維持シタルモノハ郵船会社ノ株式及公債証書ナリキ、蓋シ前者ハ直接ニ朝鮮事件ニ付キ船舶供給上其収入ノ多カルヘキヲ仮想シタル結果ナルヘク、後者ハ多ク資産家若クハ銀行ノ所有ニ帰シテ所謂投機者流ノ手中ニ存スルモノ少ナキカ故ナルヘシ、而シテ八月一日ニ至リ終ニ宣戦詔勅ノ発布アルヤ、金融ノ前途愈々多難ナルヘキヲ気構ヘ相場一層低落ニ傾ケリ、然ルニ四日ニ於テ成歓・牙山ノ勝報ニ接スルヤ大ニ人気ヲ回復シタルモ、久シカラスシテ再ヒ低落ニ傾キ頗ル不振ノ市況ヲ呈セリ、斯クテ十五日ニ至リ軍事公債条例ノ公布アリタルヲ以テ市場ノ趨勢低落ノ一方ニ傾向シ、十六日ノ如キハ市場殆ント恐慌ノ状ヲ呈シ、株式ノ低落甚シク殆ント底止スル所ヲ知ラサル勢アリキ、是ニ於テ銀行家ハ専ラ金融調和ノ方針ヲ取リタル為メ人心大ニ緩和シタル折柄、生糸ノ売行稍ヤ活気ヲ呈シタル等旁々辛クモ下落ノ潮勢ヲ支持スルヲ得タリ九月以還ハ金融緩和ノ兆候ヲ示シタルヨリ相場稍ヤ上進ニ向ヒ、加フルニ平壌・黄海ノ捷報踵テ到リ大ニ市場ノ人気ヲ興奮セシメタルモ、十月ニ入リテハ戦報モ人耳ニ慣レ、加之軍事公債増募ノ噂アリテ再ヒ低落ニ傾キシカ、二十八日九連城略取ノ報ニテ少シク引戻リ、続テ十一月ニ至リ鳳凰城ノ陥落、金州ノ攻撃等捷報踵ヲ接シテ至リシヨリ頗ル活気ヲ呈シ、廿一日ニ至リ炭鉱株八十八円、東京株式取引所株二百四拾七円ニ昂進スルニ至レリ、然ルニ其翌日ニ至リ軍事公債追募ノ公布アリテ為メニ俄然低落ノ勢ヲ呈セシモ、廿四日ニ於テ旅順口陥落ノ報ニ接シタルヨリ相場昂進シタリ、爾来年末ニ至ルマテ売買者双方気迷ノ内ニアリテ捗々シキ取引ナカリキ、以上叙述スルカ如ク種々ナル変象ヲ来シタルヲ以テ、相場ノ変動甚シク取引出来高ハ常ニ減少シテ
 - 第20巻 p.691 -ページ画像 
頗ル不振ノ状況ナリキ、左ニ廿七年毎月ノ出来高ヲ表示シテ参考ニ供ス
    東京株式取引所定期売買出来高

         二十七年        二十六年
               株          株
  一月     一五九、二二四    二二五、四一六
  二月     一六〇、七二一    一七七、三九三
  三月     一五五、五一六    一七五、五五七
  四月     一四六、八一七    一五七、八七二
  五月     一六一、一二四    二七七、五二八
  六月     二二七、五二二    二六九、五四一
  七月     一八一、九四一    三五九、六九一
  八月     一八〇、二五二    三〇〇、一六〇
  九月     一一四、三九六    一三九、三九六
  十月     一〇八、〇七九    二一一、三七四
  十一月    一六二、四七九    一八四、〇四六
  十二月     八一、四〇六    一七八、三七九
   計   一、八四二、四二一  二、六五八、七一九