デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

1部 実業・経済

7章 経済団体及ビ民間諸会
1節 商業会議所
3款 東京商業会議所
■綱文

第21巻 p.471-477(DK210082k) ページ画像

明治32年10月28日(1899年)

是日栄一当会議所会頭トシテ、米・仏両国間ニ将ニ締結サレントスル交互条約ハ本邦輪出絹織物ノ米国ニ於ケル販路ヲ杜塞スルモノナルヲ以テ、之ニ対シ相当ノ挙措ニ出テンコトヲ外務大臣子爵青木周蔵・農務商大臣曾禰荒助ニ建議ス。


■資料

東京商業会議所月報 第八七号・第一―二頁 明治三二年一一月 【○同月 ○十月十三日…】(DK210082k-0001)
第21巻 p.471 ページ画像

東京商業会議所月報  第八七号・第一―二頁 明治三二年一一月
○同月 ○十月十三日、本会議所ニ於テ第八十七回臨時会議ヲ開ク、当日ノ出席者左ノ如シ
 井上角五郎君 ○外二十六名氏名略
午後四時開議、会頭渋沢栄一君議長席ニ着キ、左ノ二件ヲ議事ニ附ス
○中略
 一米仏交互条約ノ義ニ付政府ヘ建議ノ件 (同上 ○役員会議提出)
本件ハ役員会議ノ提出ニ係リ、其要旨ハ、米・仏両国間ニ於テ将ニ締結セントスル交互条約ハ我国ヨリ米国ニ輸出スル絹織物其他ノ販路ヲ阻碍スル虞アルニ依リ、相当ノ挙措ニ出テラレンコトヲ政府ニ建議スヘシト云フニ在リ、審議ノ末之ヲ可決シ、建議案字句ノ修正等ハ役員会議ニ一任セリ


東京商業会議所月報 第八七号・第二頁 明治三二年一一月 【○同月 ○十月二十七…】(DK210082k-0002)
第21巻 p.471 ページ画像

東京商業会議所月報  第八七号・第二頁 明治三二年一一月
○同月 ○十月二十七日午後四時、本会議所ニ於テ役員会議ヲ開キ、米仏交互条約ニ関スル件外数件ヲ審議シ、午後七時閉会セリ

 - 第21巻 p.472 -ページ画像 

渋沢栄一 日記 明治三二年(DK210082k-0003)
第21巻 p.472 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三二年     (渋沢子爵家所蔵)
十月十三日 曇
○上略 午後三時過更ニ商業会議所ニ於テ東京商業会議所臨時会ヲ開ク
○下略
   ○中略。
十月廿七日
○上略 午後五時商業会議所役員会ヲ開ク、要件数項ヲ議決ス、夜七時帰宿ス


東京商業会議所月報 第八七号・第二頁 明治三二年一一月 【○同月 ○十月二十八…】(DK210082k-0004)
第21巻 p.472 ページ画像

東京商業会議所月報  第八七号・第二頁 明治三二年一一月
○同月 ○十月二十八日、米仏交互条約ノ義ニ付外務・農商務両大臣ヘ建議書ヲ進達ス(建議書ノ全文ハ参照ノ部第五号ニ掲載ス)


東京商業会議所月報 第八七号・第四頁 明治三二年一一月 【○参照第五号 明治三十二年十…】(DK210082k-0005)
第21巻 p.472 ページ画像

東京商業会議所月報  第八七号・第四頁 明治三二年一一月
○参照第五号
 明治三十二年十月二十八日、米仏交互条約ノ義ニ付、外務及農商務大臣ニ進達シタル建議書ノ全文ハ左ノ如シ
    米仏通商条約ノ義ニ付建議
曇日、米・仏両国政府ハ通商ノ便ヲ計リ交互条約ノ議ヲ提出シテ久シク其商議中ナリシカ、頃者里昂帝国領事館ヨリノ報告ニ依レハ両国愈其議ヲ決シ、仏国カ米国ヨリ輸入スル若干ノ農産物ニ対シ最低ノ税率ヲ課スル報酬トシテ、米国ハ仏国ヨリ輸入スル純絹布・絹綿交織布並ニ紙製品・骨製品等ニ対シ現行ノ税率ヨリ五分乃至一割五分ノ減税ヲナスコトニ談判調ヒタリト云ヒ、尚里昂新聞ノ報スル所ニ依レハ此条約ハ来三十三年一月ヲ期シ実行セラルヘシト云ヘリ、此事愈実行セラルヽニ至ラハ、我国絹布ノ輸出貿易ニ及ホスヘキ影響蓋シ測ルヘカラサルモノアラン、抑モ米国ハ本邦ヨリ輸出セル絹布ノ大半ヲ購求スルモノニシテ、其需用ハ将来益々増加セントスルノ傾向アリト雖モ、我絹布ハ比年物価昂騰・労銀増加ノ余響ヲ蒙リ、内ニ在リテハ製産ノ費用ヲ増シ、外ニ在リテハ米国ノ関税法ニヨリ苛酷殆ント堪エ可ラサルノ重税ヲ課セラレ、辛シテ列国ノ製品ト競争場裏ニ角逐スルノ事実ナルヲ以テ、我絹布ノ米国市場ニ在テ仏国産ト輸贏ヲ争フ既ニ甚タ難事ニ属ス、況ンヤ交互条約ノ特典ニ依リテ其税率ヲ減セラルヽヲヤ、将来我絹布ノ米国ヨリ駆逐セラルヽ知ルヘキナリ、此問題タル内殖産ノ盛衰ニ影響シ、外輸出貿易ノ興廃ニ関スル大ナルヲ以テ我政府ハ此ニ注意シ、之ニ応スル相当ノ挙措ニ出テラレンコトヲ望ム
右本会議所ノ決議ニ依リ建議仕候也
  明治三十二年十月二十八日
            東京商業会議所会頭 渋沢栄一
    外務大臣 子爵 青木周蔵殿
                  (各通)
    農商務大臣   曾禰荒助殿



〔参考〕東京経済雑誌 第三九巻第九六三号・第一〇五―一〇六頁 明治三二年一月二八日 ○仏国に於る本邦製絹織物輸入税重課問題(DK210082k-0006)
第21巻 p.472-474 ページ画像

東京経済雑誌  第三九巻第九六三号・第一〇五―一〇六頁 明治三二年一月二八日
    ○仏国に於る本邦製絹織物輸入税重課問題
 - 第21巻 p.473 -ページ画像 
旧臘二十七日の官報に掲載せし外務省の報告に曰く
 本月二十三日仏国代議院に於て、羽二重を除き、他の本邦製絹織物に対し、一基に付九法の輸入税を課するの法案可決せり、羽二重に対しては、他日更に別段の決定あるまでは、依然無税たるべき旨、里昂駐在帝国二等領事山田忠澄より本月二十四日発の電報到着せり
此の報告は我が邦の製絹業者に一驚を与へたるが、京都なる西陣の製絹業者は直ちに青木外務大臣に向ひて、異議の申込を為さんことを請求し、東京商業会議所も亦外務省に向ひて請求する所あり、為に責木外務大臣は在仏国栗野公使に向ひて訓電を発し、公使は目下仏国政府に向ひて交渉中なりと云ふ、仏国元老院も亦代議院の如く本案を可決すべきや否や、又栗野公使交渉の結果は如何になりしや、余輩未だ之を審にせずと雖も、是れ決して我が官民の等閑視すべき所にあらざるなり
抑々現行条約は不対等にして、仏国は我が邦に於て最恵国均霑の権利を有すと雖も、我は仏国に於て之を有せざるを以て、前記課税法案の如く独り本邦製の絹織物に輸入税を重課すと雖も、我は条約に拠りて抗議することを得ざるべし、然れども来る七月より実施せらるべき日仏改正条約には左の如き規定あり
   第七条
 日本国及仏蘭西国に於て各他の一方より輸入する物品に課すべき関税は、同様の条件にて輸入する最恵国産出の同様の物品に課する所に異なり、或は之より多額なることなかるべし
 日本国及仏蘭西国より各他の一方へ向け輸出する物品に課すべき税金も均しく亦、最恵国へ向け輸出する同一の物品に課するものに異なり、或は之より多額なることなかるべし
 且両締盟国は各他の諸国に向ひ同時に之を適用するものに非らざれば輸出入の制限若は禁止をも設けざることを玆に約定す
西陣の製絹業者及び東京商業会議所が、異議の申込を外務省に請求したるは前記条約の規定を論拠と為すものにして、栗野公使が仏国政府に向ひて交渉を開きたる論拠も亦玆に在るべし、新聞紙の報道する所に拠れば、仏国は改正条約第七条第一項に「同様の条件にて輸入する」とあるを楯にして、欧洲各国と東洋諸国との間に区別を設け、東洋諸国よりする輸入品は、欧洲各国より輸入するものと同一視せず、即ち同様の条件にて輸入するものと見做さずして、異様の条件に依り輸入せらるゝものと認定し、以て最恵国条款を無視せんとするものなりと然れども斯の如く解釈せば、独り欧洲産出の絹織物と東洋製造の絹織物と相異なるのみならず、同じく欧洲産出の絹織物中にも、其の産出地方の異なると、其の絹織物の種類の異なるとに随ひて其の条件相異なるべし、故に此の見解は強て条約を曲解するものにして、斯の如き曲解は到底成立すべきにあらざるを以て意に介するに足らずと雖、日仏改正条約は其の第二十四条の但書に於て、前記第七条の約束は仏国政府に於て何時たりとも之を廃止する旨を通知することを得べし、此場合に於ては其の通知より一ケ年の後に該条は効力を失ふべしと規定せり、故に仏国政府に於て改正条約の第七条を廃止しても、本邦製の
 - 第21巻 p.474 -ページ画像 
絹織物に輸入税を重課するの決心を為すに於ては、此の課税は条約違反の廉を以ては到底制止することを得ざるべきなり、而して右第七条の効力を失ひたる場合には、日仏改正条約の議定書に附属せる輸入税目即ち仏国版図内の生産若は製造に係る「アニリン」染料外十有八種の物品に対する契約関税目も均しく効力を失ふべきは、議定書に於て規定せる所なるを以て、我が邦も亦仏国品に対し重税を課し得るや勿論なりと雖も、斯の如きは余輩の敢て希望する所にあらず、切に希望する所は仏国をして本邦の絹織物に輸入税を重課せしめざるに在り、然らば則ち仏国政府は果して改正条約の第七条を廃止しても、本邦製の絹織物に対し、輸入税を重課するの決心なるや否や



〔参考〕東京経済雑誌 第四〇巻第一〇〇三号・第九六三―九六四頁 明治三二年一一月四日 ○米仏互恵条約に対する東京商業会議所の建議(DK210082k-0007)
第21巻 p.474 ページ画像

東京経済雑誌  第四〇巻第一〇〇三号・第九六三―九六四頁 明治三二年一一月四日
    ○米仏互恵条約に対する東京商業会議所の建議
東京商業会議所は米・仏の間に締結せられたりと称せらるゝ互恵条約の件に関し、左の建議を外務・農商務両大臣へ提出することに決し、去月廿八日之を提出したりと云ふ
   ○建議書ハ前掲ニツキ略ス。
此の建議に於て東京商業会議所が、我が外務・農商務両大臣に希望せる相当の挙措とは何ぞや、若し米仏互恵条約の結果として、仏国より米国へ輸入せらるゝ仏国産の純絹布・絹綿交織布、並に紙製品・骨製品等が関税を五分乃至一割五分軽減せらるゝに付、我が邦より米国へ輸入せらるゝ同種類の物品も、亦五分乃至一割五分関税を軽減せらるる様、米国政府と交渉せられたしと云ふに在りとせば、此の建議は無用と謂はざるべからず、何となれば米仏互恵条約の結果は日米通商航海条約の規定に従ひて当然我が国へも均霑すべければなり、日米通商航海条約第二条中に曰く、通商及び航海に関しては政府官吏・公吏・一私人或は会社若は何等施設の名義を以てするか、又は其の利益の為に課せらるゝ所の税金或は取立金は、其の性質若は名称の如何を論せず、内国臣民或は人民若は最恵国臣民或は人民の払ふ所に異なるか、或は之より多額のものを払ふことなく、内国臣民或は人民若は最恵国臣民或は人民と同一の取扱を受くべきものとすと、故に我が邦より米国へ輸入せらるゝ物品は、仏国より米国へ輸入せらるゝ同種類の物品より多額の輸入税を課せらるゝことなかるべきなり、即ち米仏互恵条約の結果は我が邦にも均霑すべきものなり、然らば則ち建議を為すの必要何れに存するや、余輩は現行通商航海条約の如きは、殆ど暗記せざるべからざる東京商業会議所に於て斯る無用の建議を為したるに驚かざるを得ざるものなり



〔参考〕東京経済雑誌 第四一巻第一〇一三号・第六三―六五頁 明治三三年一月二〇日 ○米仏互恵条約の締結(DK210082k-0008)
第21巻 p.474-477 ページ画像

東京経済雑誌  第四一巻第一〇一三号・第六三―六五頁 明治三三年一月二〇日
    ○米仏互恵条約の締結
昨年七月廿四日米都華盛頓に於て米・仏両国全権委員の間に調印せられたる米仏互恵条約は、旧臘六日米国大統領マツキンレーより米国元老院に提出せられたれば、其の協賛を経て大統領が之を批准するは近きに在るべし、批准の期限は調印後八ケ月以内にして、批准を交換せ
 - 第21巻 p.475 -ページ画像 
し後十日以内に実施せらるるの約定なり、此の条約の結果として米国は仏国及びアルゼリアより輸入する土地及び工業の生産物たる商品中関税を割引する所の品名及び割引率は左の如し

  品名                                              割引歩率
 絹織物類                                              五分
 綿織物類
  莫大小及び編み物                                         二割
  吊袴帯《ヅボンツリ》・パツセメンチリー                               五分
  絹綿交織                                             五分
  天鵞絨羅紗及び天鵞絨                                       五分
  精製の織布                                            五分
  レース                                              五分
 麻布及び大麻布類
  麻織                                               一割
  レース繍箔・装飾品・リンネル布                                  一割
 革類
  手袋(シヤマシヤンを除く)                                    一割
 巴里品(贅沢品)類
  模造玉                                              一割
  玉                                                五分
  控鈕                                               五分
  刷毛                                               一割
  骰子《サイ》・象棋の一種其他                                    一割
  玩具                                               二割
  扇子                                               一割
  琥珀・獣骨・象牙・蜂殻介・殻細工品                                一割五分
  控金《シメガネ》                                         一割
 食料品類
  直に使用し得べき又は漬物せる植物(豆其他菌類をも含む)                      一割
  砂糖又は酒精に漬けたる果物                                    一割
  灸りたる又は挽きたるチヨコレー草                                 五分
  通心麺・素麺其他                                         一割
  栗                                                二割
  梅子                                               一割
  柑欖油                                              一割五分
 化学品類
  顔料及び仮漆                                           一割
  石炭より搾れる油を混せたる顔料                                  二割
  グリセリン                                            一割
  膠                                                一割
  ボツタツシユ                                           一割
  曹達                                               一割
 薬品類                                               一割
 - 第21巻 p.476 -ページ画像 
 アルコールを混じ又は混ぜざる香料                                  一割
 石鹸(香石鹸をも含む)類                                      一割
 青白染料類                                             一割
 陶器及び硝子器類
  煉瓦及び瓦(仮漆又は釉を施せる又は装飾せる)                           一割
  壜                                                一割五分
  硝子壜及び其他の硝子器                                      五分
  窓硝子及び其他の硝子板                                      一割
  眼鏡・劇場用眼鏡・レンス其他                                   一割
 金属品類
  刃物                                               一割
  時計製造人用の器具・時計・釘・大釘・針                              一割五分
  ペン                                               一割
  ペン軸                                              一割
  其他全部又は一部が精製金属にて造られたる器物                           一割
  全部又は一部が粉飾せられたる器物金銀地又は糸金にて造られたる@館編物繍箔等            五分
 紙類
  謄写紙・漉紙・吸墨紙・合せ紙・金属又は其溶液を以て蔽へる紙・羊毛紙・写真用に供する日光に感ずる紙 一割
  固く造れる手紙用紙                                        一割
  状袋                                               一割
  帳面                                               一割
  画帖                                               一割
  紙製品                                              一割
 装飾用の羽毛等及び造花類                                      五分
 木材及び木造品類                                          一割
 植物及び種子類                                           二割
 藁帽子類                                              一割
 藁或は草の編物殊に帽子を製造装飾する用に供するもの                         一割
 セメント                                              一割
 氈毛(皮附かずの毛・帽子製造用)類                                 二割
 帽子・氈帽子類                                           一割
 楽器類                                               一割五分
 羽毛                                                二割
 礦水                                                二割
 リキウル酒                                             一割

又仏国は右互恵条約の結果として、米国より仏国及びアルゼリアへ輸入する土地或は工業の生産物たる一切の商品へは、他の各外国より輸入する同種の物品に賦課する関税中の最低率を標準として賦課し、此の外には消費者の手中に入る以前に何等の税金をも賦課することなし但し此の規定は左の物品には適用せざるべし
 - 第21巻 p.477 -ページ画像 
 馬                            バター
 零陵香及び苷蓿の種子                   乾草
 鋳鉄                           獣皮
 長靴短靴及び其附属品                   陶器
 機械に使用すべき革帯                   索及び其他調革
 発電気及之に関する諸機械附属品共             機械・工具
 レギユレートルと称するアークランプ            砂糖
 チヨコレー草(乾・生共)                 鶏卵
 乾飴                           蜜
 板紙(面の粗なる分)
米仏互恵条約の米・仏両国への我が輸出貿易に及ぼすべき影響果して如何、今特に米国への輸出貿易に就て之を見るも、絹織物は五分、綿織物は二割、紙製品は一割を割引せらるゝと雖も、其の割引せらるゝは仏国及びアルゼリヤ産出の物品に限り、我が製品に及ばずとせば我が製品は仏国品の為に競争上敗を取るに至るべし、果して然らば此の特典を我が製品に均霑せしむるの方法如何、日米通商航海条約を見るに、其の第二条中には通商及び航海に関しては、政府官吏公吏一私人或は会社若は何等施設の名義を以てするか、又は其の利益の為に課せらるゝ所の税金或は取立金は、其の性質若は名称の如何を論ぜず、内国臣民或は人民若は最恵国臣民或は人民と同一の取扱を受くべきものとあり、我が邦より米国へ輸入せらるゝ物品は仏国より米国へ輸入せらるゝ同種類の物品より多額の輸入税を課せらるゝことなきを規定すと雖、其の第十四条には両締盟国は其の一方の通商及び航海を他の一方に於て総て最恵国の基礎に置く主意を有するに因り、通商及び航海に関する一切の事項に関し、其の一方より別国の政府・船舶・臣民或は人民に現に許与し、或は将来許与すべき一切の特典・殊遇若は免除は、他の一方の政府・船舶・臣民或は人民にも、若し別国へ無報酬にて許与したるときは無報酬にて、又若し条件を附して許与したるときは其と均一の条件を付して、之を許与すべき事を両締盟国に於て約定すとあるを以て、我邦にして米仏互恵条約の特典に均霑せんと欲せば此の二国に対して報酬を与へざるべからず、即ち我が政府も亦米・仏二国よりの輸入品に対し関税軽減の特典を与へざるべからざることなり、知らず、我が政府は米仏互恵条約の実施せらるゝ迄に、此の二国に対し如何なる処置を取らんとする乎