デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

6章 政治・自治行政
1節 政治
3款 貴族院議員
■綱文

第27巻 p.562-566(DK270146k) ページ画像

明治23年9月29日(1890年)

是日栄一、貴族院議員ニ勅選セラル。翌明治二十四年十月二十九日辞任ス。


■資料

官報 第二一八二号 明治二三年一〇月六日 ○帝国議会(DK270146k-0001)
第27巻 p.562 ページ画像

官報  第二一八二号 明治二三年一〇月六日
    ○帝国議会
○明治二十三年九月二十九日
 貴族院令第一条四項ニ依リ貴族院議員ニ任ス
                  従四位 渋沢栄一


竜門雑誌 第二九号・第四六頁 明治二三年一〇月 ○青淵先生と穂積博士(DK270146k-0002)
第27巻 p.562 ページ画像

竜門雑誌  第二九号・第四六頁 明治二三年一〇月
○青淵先生と穂積博士 去る九月廿九日、吾が青淵先生と穂積博士は貴族院令第一条四項に依り貴族院議員に勅撰せられたり、実に本社の名誉といふへし


中外商業新報 第二五六〇号 明治二三年一〇月一日 勅任議員の任命(DK270146k-0003)
第27巻 p.562-563 ページ画像

中外商業新報  第二五六〇号 明治二三年一〇月一日
    勅任議員の任命
昨日午後二時、内閣に於て夫れ夫れ勅任議員の任命ありたるを以て昨日は取り敢へず号外を発行して府下の看客へ報道せしが、至急の際にて配達洩れの恐れなきにあらざれば、尚ほ玆に之を再録すること左の如し
  浜尾新     九鬼隆一    箕作麟祥
  堀真五郎    小畑美稲    山口尚芳
  丸山作楽    細川潤次郎   三浦安
  渡辺驥     柳楢悦     福原実
  原田一道    田中芳男    岡内重俊
  沖守固     渡正元     安藤則命
  村田保     中村正直    西周
  前田正名    野村素介    津田出
  重野安繹    川田剛
(以上元老院議官より勅任)

  加藤弘之    外山正一    菊池大麓
  古市公威    長与専斎    松本順
  尾崎三郎    平田東助    今村和郎
  伊東巳代治   金子堅太郎   曾禰荒助
  三宅秀     穂積陳重    山川浩
  小中村清矩   西村茂樹    富井政章
  松井直吉

 - 第27巻 p.563 -ページ画像 
又民間より勅任の人々は左の如し
  小幡篤次郎   渋沢栄一    奈良原繁
  森岡昌純    川田小一郎   藤村紫朗
  富田鉄之助   岩崎弥之助
尚ほ此他多くの任命ありたれど、其は明朝の紙上に掲載して報道すべし

又昨日右各勅任議員への辞令書は左の如し

図表を画像で表示--

                    姓 名  貴族院令第一条四項に依り  貴族院議員に任す   明治廿三年九月廿九日    内閣総理大臣従二位勲一等伯爵 山県有朋奉 





官報 第二五〇三号 明治二四年一〇月三一日 ○帝国議会(DK270146k-0004)
第27巻 p.563 ページ画像

官報  第二五〇三号 明治二四年一〇月三一日
    ○帝国議会
  貴族院
○明治二十四年十月二十九日
 願ニ依リ貴族院議員ヲ免ス
               貴族院議員 渋沢栄一


雨夜譚会談話筆記 上・第七三―七四頁 大正一五年一〇月―昭和二年一一月(DK270146k-0005)
第27巻 p.563 ページ画像

雨夜譚会談話筆記  上・第七三―七四頁 大正一五年一〇月―昭和二年一一月
                     (渋沢子爵家所蔵)
  第四回 大正十五年十二月十一日 飛鳥山邸ニ於テ
○上略
敬「貴族院議員に選ばれた当時、一度も御出席なく辞職せられたのですか」(予備調べを読む)
先生「其の時の議長は伊藤さんであつたと思ふ。私は常に言うて居る通り、政治に関係したくないので、此の時も直ちに断り度いと思うたけれども、「初めて出来た制度であり、其の勅選議員を忽ち打ち壊すやうなことをするのはひどい」と云ふから「では出席しない」と云ふと「出席しないでよい」との答であつたので、一度も議場へは出席しなかつたが、特に懇意な伊藤さんの議長の時辞職するのもと云ふので、其の儘にして居つたが、伊藤さんが議長を止め、蜂須賀さんが代つたので此の機にと思つたので辞職した。後深川から衆議院議員の候補に立てと薦められたが、同様の意味で断つた。 ○下略
  ○第四回ノ出席者ハ、栄一・渋沢敬三・白石喜太郎・高田利吉・岡田純夫。


青淵先生六十年史 竜門社編 第二巻・第七〇九頁 明治三三年六月再版刊(DK270146k-0006)
第27巻 p.563-564 ページ画像

青淵先生六十年史 竜門社編  第二巻・第七〇九頁 明治三三年六月再版刊
 ○第五十八章 公益及公共事業
    第二十三節 貴族院議員及市区名誉職
○上略
一明治二十三年九月二十九日貴族院令第一条第四項ニ依リ貴族院議員
 - 第27巻 p.564 -ページ画像 
ニ勅選ス、先生頗ル国政ニ関与スルヲ好マス、之ヲ辞セント欲ス、内閣大臣及多数ノ知友、憲法実施ノ初年ニ当リ議会議員ノ人選其当ヲ得ルハ、国家前途最モ大切ナルヲ以テ切ニ応諾ヲ勧ム、先生抂テ之ニ従フ、然レトモ終ニ一回モ議院ニ出席セス、会期了ルノ後チニ辞セント欲ス、農商務大臣陸奥宗光商法修正ノ内議アルヲ以テ暫ク留ランコトヲ勧ム、明治二十四年十月ニ至リ先生終ニ議員ヲ辞ス


渋沢栄一書翰 穂積陳重宛 (明治二三年)一二月一日(DK270146k-0007)
第27巻 p.564 ページ画像

渋沢栄一書翰  穂積陳重宛 (明治二三年)一二月一日   (穂積男爵家所蔵)
華翰拝読、今日ハ常任委員撰挙之都合ニも可相成哉之様子ニ付、勉而出勤可致云々来示被下候得共、拙生ハ兼而覚悟いたし候如く、先以出勤ハ不致積ニて、近々辞表差出候心得ニ御坐候間、其御含ニ被成下度候、此段為念書中申上候 匆々不一
  十二月一日
                    渋沢栄一
    穂積陳重様



〔参考〕第一銀行秋田支店行員回文(DK270146k-0008)
第27巻 p.564 ページ画像

第一銀行秋田支店行員回文       (渋沢子爵家所蔵)
嗚呼今日ハ如何ナル日ソヤ、諸君モ已ニ業ニ御了知セラルヽナラン、我大日本帝国第二ノ開闢ト云フカ如キ帝国議会ノ開院式ヲ執行セラルル日ナルヲ、天帝ヲ感シ玉フニヤ朝来ノ雪ハ紛々銀世界ヲ造リ出サントス、是レ実ニ将来我日本帝国ハ黄金雪ノ如ク積リ、光ハ赫々万国ニ輝クノ日ハ近キニアラントス、於是苟モ臣民タルモノ今日ヲ空ク消費スルヲ得ンヤ、剰ヘ我銀行頭取渋沢公閣下ハ貴族院議員ニ勅撰セラレタルヲヤ、因テ一大祝宴ヲ挙ゲント欲ス、敢而諸君ノ御賛成ヲ希望ス
 但場処ハ志田屋ト定メ、会費ハ金五十銭ト予定ノ積リ
 午後四時ヨリ
  明治廿三年十一月廿九日
                       発起人
                        仁平(印)《(仁平)》
                        田所(印)《(田所)》
   各位      (印)
       御中(印)(印)(印)
   ○各位ノ下ニ押捺セル印ハ、鶴川・長谷川・禎三・藤原・佐□・西□ナリ。
   ○包紙表書
    明治二十三年十一月二十九日
    帝国議会初メテ開院式ノ当日(第一銀行秋田支店員)頭取渋沢閣下貴族議員ニ勅選アラセラレタルニ就キ大祝宴ヲ挙ケタル当時ノ回文在中(西野保存)
   ○右ノ発起人ノ仁平ハ仁平金吾、田所ハ田所直道ナリ・(明治二十六年末、各支店職員表ニ拠ル。)



〔参考〕法令全書 明治二二年 内閣官報局編 刊 【朕大日本帝国憲法ノ明文ニ依リ、…】(DK270146k-0009)
第27巻 p.564-566 ページ画像

法令全書 明治二二年 内閣官報局編 刊
朕大日本帝国憲法ノ明文ニ依リ、枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ貴族院令ヲ発布ス、此ノ勅令ヲ実施スルノ時期ハ、朕カ更ニ命スル所ニ依ルヘシ
 御名御璽
 - 第27巻 p.565 -ページ画像 
 明治二十二年二月十一日
            内閣総理大臣  伯爵 黒田清隆
             枢密院議長  伯爵 伊藤博文
              外務大臣  伯爵 大隈重信
              海軍大臣  伯爵 西郷従道
             農商務大臣  伯爵 井上馨
              司法大臣  伯爵 山田顕義
         大蔵大臣兼内務大臣  伯爵 松方正義
              陸軍大臣  伯爵 大山巌
              文部大臣  子爵 森有礼
              逓信大臣  子爵 榎本武揚
勅令第十一号
貴族院令
第一条 貴族院ハ左ノ議員ヲ以テ組織ス
 一 皇族
 二 公侯爵
 三 伯子男爵各々其ノ同爵中ヨリ選挙セラレタル者
 四 国家ニ勲労アリ、又ハ学識アル者ヨリ特ニ勅任セラレタル者
 五 各府県ニ於テ土地或ハ工業・商業ニ付多額ノ直接国税ヲ納ムル者ノ中ヨリ一人ヲ互選シテ勅任セラレタル者
第二条 皇族ノ男子成年ニ達シタルトキハ議席ニ列ス
第三条 公侯爵ヲ有スル者満二十五歳ニ達シタルトキハ議員タトヘシ
第四条 伯子男爵ヲ有スル者ニシテ、満二十五歳ニ達シ各々其ノ同爵ノ選ニ当リタル者ハ、七箇年ノ任期ヲ以テ議員タルヘシ、其ノ選挙ニ関ル規則ハ別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
 前項議員ノ数ハ伯子爵各々総数ノ五分一ヲ超過スヘカラス
第五条 国家ニ勲労アリ又ハ学識アル満三十歳以上ノ男子ニシテ勅任セラレタル者ハ終身議員タルヘシ
第六条 各府県ニ於テ満三十歳以上ニシテ土地或ハ工業・商業ニ付多額ノ直接国税ヲ納ムル者十五人ノ中ヨリ一人ヲ互選シ、其ノ選ニ当リ勅任セラレタル者ハ七箇年ノ任期ヲ以テ議員タルヘシ、其ノ選挙ニ関ル規則ハ別ニ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条 国家ニ勲労アリ又ハ学識アル者、及各府県ニ於テ土地或ハ工業・商業ニ付多額ノ直接国税ヲ納ムル者ヨリ勅任セラレタル議員ハ有爵議員ノ数ニ超過スルコトヲ得ス
第八条 貴族院ハ天皇ノ諮詢ニ応ヘ、華族ノ特権ニ関ル条規ヲ議決ス
第九条 貴族院ハ其ノ議員ノ資格及選挙ニ関ル争訟ヲ判決ス、其ノ判決ニ関ル規則ハ、貴族院ニ於テ之ヲ議定シ上奏シテ裁可ヲ請フヘシ
第十条 議員ニシテ禁錮以上ノ刑ニ処セラレ、又ハ身代限ノ処分ヲ受ケタル者アルトキハ、勅令ヲ以テ之ヲ除名スヘシ
 貴族院ニ於テ懲罰ニ由リ除名スヘキ者ハ議長ヨリ上奏シテ勅裁ヲ請フヘシ
 除名セラレタル議員ハ、更ニ勅許アルニ非サレハ再ヒ議員トナルコトル得ス
 - 第27巻 p.566 -ページ画像 
第十一条 議長・副議長ハ議員中ヨリ七箇年ノ任期ヲ以テ勅任セラルヘシ
 被選議員ニシテ議長又ハ副議長ノ任命ヲ受ケタルトキハ、議員ノ任期間其ノ職ニ就クヘシ
第十二条 此ノ勅令ニ定ムルモノヽ外ハ、総テ議院法ノ条規ニ依ル
第十三条 将来此ノ勅令ノ条項ヲ改正シ又ハ増補スルトキハ貴族院ノ議決ヲ経ヘシ



〔参考〕法令全書 明治二三年 内閣官報局編 刊 【朕嚮ニ公布セシムル所ノ貴族…】(DK270146k-0010)
第27巻 p.566 ページ画像

法令全書 明治二三年 内閣官報局編 刊
朕嚮ニ公布セシムル所ノ貴族院令、並ニ貴族院伯子男爵議員選挙規則及貴族院多額納税者議員互選規則ヲ本年ヨリ施行スルコトヲ命ス、但シ未タ一般ノ地方制度ヲ準行セサル北海道・沖縄県及小笠原島ニ於テハ、仍貴族院多額納税者議員互選規則施行ノ効力ヲ及ホサス
貴族院令第四条ニ依リ、伯子男爵ハ本年ノ選挙期ニ於テ各々左ノ員数ヲ選挙スヘシ
  伯爵     十五人
  子爵     七十人
  男爵     二十人
 御名御璽
  明治二十三年二月二十七日(官報二月二十八日)
        内閣総理大臣兼内務大臣 伯爵 山県有朋