デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.485-487(DK360186k) ページ画像

大正12年6月20日(1923年)

是日、当協会主催特命全権大使松井慶四郎、国際聯盟常設軍事諮問委員及ビ軍備制限混成委員陸軍中将稲垣三郎、同海軍中将安保清種招待午餐会、丸ノ内中央亭ニ開カレ、栄一出席ス。次イデ当協会第三十八回理事会開カル。同ジク出席シテ、イギリス国シンガポール軍港建設問題等ニ関シテ協議シ、之ヲ四名ヨリ成ル特別委員ニ附託ス。


■資料

国際知識 第三巻第七号・第九八頁大正一二年七月 本協会招待会記事(DK360186k-0001)
第36巻 p.485-486 ページ画像

国際知識 第三巻第七号・第九八頁大正一二年七月
    本協会招待会記事
 本協会は六月二十日正午、丸ノ内中央亭に過般、海牙に開催せられた戦時法規改正委員会に、我国代表として出席せられた松井大使、並に国際聯盟の常設軍事諮問委員、及び軍備制限混成委員として、本年五月まで欧羅巴に滞在せられたる安保海軍中将・稲垣陸軍中将の帰朝を機とし、之等名士の招待会を開催した。協会側より総裁徳川公、会長渋沢子、阪谷・添田両副会長、其他理事多数出席、其他朝野の名士
 - 第36巻 p.486 -ページ画像 
多数出席あつた。床次前内相・若槻前蔵相などの顔も見えた。午餐後別室に於て、安保中将の国際聯盟と海軍縮少並にルール問題、欧米に於ける航空機の現況等、興味ある講話ありて、午後三時散会した。
    (安保中将の講話の内容は、追て本誌に掲載の予定)
   ○稲垣中将ノ「国際聯盟に於ける軍縮経過概要」ト題スル一文ハ、「国際知識」第三巻第七号(大正一二年七月)誌上ニ掲ゲラレタリ。


社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編 第三―四頁 大正一三年四月刊(DK360186k-0002)
第36巻 p.486 ページ画像

社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編
                      第三―四頁
                      大正一三年四月刊
 ○三、総会・理事会・委員会
    理事会
○上略
(三十八回)六月二十日、会員より英国新嘉坡軍港建設問題、及びモーニングポースト紙の極東問題に関する論説につき研究すべしとの提案に基き、緊急召集協議したる結果、四名より成る特別委員に附託。
 一九二三年九月一日震災により、理事会も委員会も会合する機を得ず。
○下略


(国際聯盟協会)会務報告 第二八輯 自大正一三年一二月四日至同一四年二月五日(DK360186k-0003)
第36巻 p.486 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第二八輯 自大正一三年一二月四日至同一四年二月五日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    二、理事会
(イ)第四十九回理事会 十二月四日於工業倶楽部
 出席者 徳川総裁 阪谷・添田両副会長、林・岡・山川・田川・宮岡・頭本各理事、加藤主事
協議決定事項
○中略
三、新嘉坡築塞問題に対する本協会の態度を声明する為め、左の如き意見を英国協会宛申送ることゝせり
「日本協会は、英国政府のシンガポール要塞建設の計画の実行は、
 一、日本及英国間の伝統的親交関係を害し、面白からざる影響を与へ、
 二、一部軍国主義者等に軍備競争の宣伝資料、並に口実を提供し、国際聯盟の精神に反することゝなり、且つ華府条約の効果を減却するに至るものなりとの見地より、英国朝野の慎重なる考慮を促したき希望を有するものなり。」
○下略
   ○「モーニング・ポスト」ノ論説ノ内容ヲ明ニセズ。


(国際聯盟協会)会務報告 第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日(DK360186k-0004)
第36巻 p.486-487 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告 第二九輯 自大正一四年二月六日至同年三月三一日
                      (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    一一、本協会の新嘉坡築塞反対決議に関する英国
 - 第36巻 p.487 -ページ画像 
      外務大臣の応答
本協会は昨年十二月四日の理事会に於て、英国協会の問合せに応じ本協会は
 「英国の新嘉坡要塞建築は、国際聯盟の精神に反し、日英親善関係を沮害し、華府条約の効果を滅殺し、軍国主義者に軍備競争の口実を伝ふ」るものとの見地より、反対の意思を表明し、英国協会幹部は之を英外相に伝達したるが、英外相は二月二十八日左記の如き回答をなせり。
 「同計画は多年、英国海軍政策の骨子を為せるものにして、独乙海軍の脅威去りし今日、其の常態に復せる迄にて、何等新計画に非す皮相の俗論に謬まられたる反対論は、日本にも英国にもあるも、英国の海軍としての立場、殖民地通商上に於ける新嘉坡の重要なる地位並に華府条約の結果、英国は香港を棄てゝ新嘉坡迄一千五百浬、其有効なる海陸防備を退却せしめたり、思慮ある日本の陸海軍当局及主要政治家は、英国の本決定理由あること、並日本への脅威又は不信とならざることを能く承知す」