デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第36巻 p.556-558(DK360200k) ページ画像

大正13年2月15日(1924年)

是日、当協会早稲田大学学生支部発会式兼講演会同大学ニ催サル。栄一、当協会会長トシテ演説ヲナス。


■資料

(青木節一)書翰 白石喜太郎宛(大正一三年)一月三〇日(DK360200k-0001)
第36巻 p.556-557 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

(国際聯盟協会)会務報告 第一八輯 自大正一三年一月二五日至同年二月二九日(DK360200k-0002)
第36巻 p.557 ページ画像

(国際聯盟協会)会務報告  第一八輯 自大正一三年一月二五日至同年二月二九日
                     (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    七、講演会
一、二月十五日午後三時より、早稲田大学々生支部の発会式を兼ねて講演会を開催、沢柳博士は「ウイルソンを想ふ」と題して一時間半の講演あり、次て松井外務大臣一場の感想談を述へて、学生の後援を希望せられ、内ケ崎教授は聯盟の将来に就て説かれた、早稲田大学ヲーケストラの援助的出演あり、最後に渋沢会長は、本協会に対する早大学生の協力を切望し、万歳声裡に散会。会衆三千人、同大学近来の盛況と称せられた、同日に学生支部に入会せる学生は三十名以上てあつた。
○下略


社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編 第一〇―一一頁 大正一三年四月刊(DK360200k-0003)
第36巻 p.557 ページ画像

社団法人国際聯盟協会会務報告 大正十二年四月より大正十三年三月に至る 同協会編
第一〇―一一頁
                      大正一三年四月刊
    一一、学生支部
 東京早稲田大学に於て、国際問題を研究しつゝある学生有志の間に本協会を後援し、国際聯盟の精神を普及する目的を以て団体成立し、同校教授内ケ崎氏を長として、国際聯盟協会早稲田大学支部が設立せられた。本協会が創立以来努力しつゝあつた学生方面に対する宣伝の一表現である。同学生支部は二月十五日、同大学に於て発会式を行ひ兼ねて講演会を開催し、松井外相・沢柳博士・内ケ崎教授及び渋沢会長出席、来会学生三千名に上り、未曾有の盛況を呈した。他大学に於ても協議進行中である。


国際知識 第四巻第四号・第一〇七頁大正一三年四月 ○国際聯盟協会の活動 △早大支部発会式(DK360200k-0004)
第36巻 p.557-558 ページ画像

国際知識  第四巻第四号・第一〇七頁大正一三年四月
 - 第36巻 p.558 -ページ画像 
 ○国際聯盟協会の活動
    △早大支部発会式
 二月十五日、早大第一高等学院に於て、早大支部発会式を兼ねて講演会を催す。渋沢会長・松井外相・沢柳政太郎博士・内ケ崎支部長出席、講演ある事とて、定刻前一時間早くも満員となり、入場し得ない者は窓外にて、その光景を偲ぶ外ないと云ふ盛況であつた。来会者三千名と註せられた。
 定刻、早大学生音楽団のマーチによつて開会し、支部常務委員中西仙司氏開会の辞を述べ、次で沢柳博士は「ウイルソンを憶ふ」の題下に、約一時間半に亘つて詳細にウ氏の偉業を述べられた。次て松井外相は国際聯盟協会の創立に尽力されたる当時を追懐せられ、「私共は本協会を生んだのである。之が生長するか夭折するかは、一に諸君の手にある。諸君は育て親たる重責を尽さねばならぬ」とて、本協会に対する学生の後援を希望せられた。
 外相の演説終るや、オーケストラは結婚行進曲を奏し、尚ほ早大校歌のオーヴァチユアを奏した。内ケ崎作三郎氏は次で起ち、国際聯盟の将来を論じて、国民殊に青年学生の支持の必要を痛論し、早大支部の前途を祝福され、最後に渋沢会長は聯盟協会の学生支部創立に対して、かくも多数の学生の出席を得、甚大なる後援を与へられたる事は支部の将来に光明を与ふる所以なる事を力説せられ、学生諸士の今後に於ける後援を求められるや、三千の学生拍手して之を迎へた。終つて全員起立の中に早大校歌の合唱あり、壮厳と感激とは満場に充ち満ちた。理想は純潔なるものゝみ持ち得る一の信仰である。人類文明の建設、その為めに必要なる世界の平和、かゝる大理想は先づ、学生の間に生れ生づべきものでなければならぬ。軍事研究団の発会式を弥次と喧燥との中に葬り去つた早大学生が、一の弥次もなく、中途退出者もなく、この会を始め且つ終らしめたのは、それは洵に「理想」の力であると。……学生は口々に云つてゐた。
 支部入会者は即日百名を越えた。同大学に於ける本協会今後の活動は、正に括目して待つべしである。