デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
3節 国際団体及ビ親善事業
13款 社団法人国際聯盟協会
■綱文

第37巻 p.219-221(DK370051k) ページ画像

昭和3年9月29日(1928年)

是日栄一、当協会会長トシテ当協会巡回講演ニ関シ東北地方関係官民有力者ニ、ソレゾレ書状ヲ発シテ其斡旋ヲ依頼ス。

又、当協会ハ近ク静岡県下ニ巡回講演ヲ行ハントスルニアタリ、是日、同県知事長谷川久一及ビ各地ノ市長及ビ商工会議所会頭ニ宛テ、其援助ニ対スル依頼状ヲ発ス。


■資料

国際聯盟協会書類 (三) 【昭和三年九月二十九日】(DK370051k-0001)
第37巻 p.219-220 ページ画像

国際聯盟協会書類 (三)          (渋沢子爵家所蔵)
  昭和三年九月二十九日
                国際聯盟協会会長
                    子爵 渋沢栄一
 秋田県知事  鯉沼巌     青森日報    太田鉄次
 青森県知事  吉村哲三    弘前新聞    工藤十三雄
 青森市長   中野浩     青森報知    関精一
 弘前市長   松下賢之進   秋田魁新報   安藤和風
 八戸毎日新聞 武藤勝美    秋田時事    池内広正
 秋田新聞   中村千代松   東奥日報    山田金次郎
 八戸新聞   北村益     八戸町長    関春茂
 弘前大正報  成田彦太郎
拝啓、時下秋冷の候愈御清適奉賀候、陳者本協会は国際聯盟思想の普及徹底に努力致居候は御承知被下候儀と存候処、今般子爵石井菊次郎氏一行を煩はし、貴管下地方に於て巡廻講演会を開催致す事と相成候に就ては、時節柄御繁用中とは拝察仕候得共、何分の御高配御声援被下度切望の至に御座候
先は右拝願申上度如斯御座候 敬具
  昭和三年九月二十九日        国際聯盟協会会長
 商工会議所会頭
  沼津 杉山周蔵     静岡県知事 長谷川久一
  静岡 尾崎伊兵衛     静岡市長 伴野欣平
  浜松 宮本甚七      沼津市長 和田伝太郎
 - 第37巻 p.220 -ページ画像 
               浜松市長 渡辺素夫
拝啓、秋冷の候愈御清適奉賀候、陳者今般貴管下地方に於て本協会巡廻講演会開催を計画致候処、多大の御高援を忝ふし洵に感謝の至りに不堪候、御承知の如く本協会は、聯盟の精神普及に努め、以て世界政局に於ける帝国の地位を支持し、且国民の利益を擁護するを目的とし、老生も微力且不案内ながら、此事業の為めに多年尽力致し来り候次第に御座候事情御諒察の上、将来共一層の御声援を賜はり度奉願上候
先は拝謝並に御依頼申上度如斯御座候 敬具


国際メール 第一九号・第二―三丁一九二八年九月二五日 本会の地方講演決定(DK370051k-0002)
第37巻 p.220 ページ画像

国際メール 第一九号・第二―三丁一九二八年九月二五日
(謄写版)
    ○本会の地方講演決定
 本会の大挙地方講演会は之を二派に分ち、一は東北奥地、他は東海道として、左の日割と講師が決定された。
 △東北講演 十月十日青森県八戸、十一日五戸にて講演、十二日午前小坂鉱山講演、午後花輪、十三日弘前、十四日青森に於て講演会開催、講師には子爵石井菊次郎氏、本協会主事奥山清治氏、神学博士ウヰリアム・アキスリング氏。


国際メール 第二一号・第一―三丁一九二八年一〇月二五日 静岡県下大講演会(DK370051k-0003)
第37巻 p.220-221 ページ画像

国際メール 第二一号・第一―三丁一九二八年一〇月二五日
(謄写版)
    ○静岡県下大講演会
 東海道の大半を占むる静岡県下に、大挙講演会を為すは本会としての意気組も大にありたる処なるが、同県官民之に対する熱心を示されたことも、また甚だ盛なるものがあつた。即ち、
 △浜松市講演会 は十三日開会し「国家経済より国際経済」乾精末氏、「私の見たる最近の支那」田川理事、「日本の世界的地位と国際聯盟」添田副会長の各講演ありたる処、聴衆九百名を超へて場に溢るるの盛況であつた。長谷川県知事は遠く静岡市より来松声援あり、県学務部友清・中山の両氏は、一行の為めに斡旋の労を執られた。此会の成功には同市の高浜助役・鈴木市会議長・米山市社会課長・宮本商工会議所会頭等の労に負ふ事多大であるが、特に遠州銀行平野常務取締が自行及銀行集会所関係をして、添田博士の講演に熱心を表したことも附言する。
 △静岡市講演会 は翌十四日教育会館に開催、長谷川県知事開会の辞を述べ、「日本の財政経済と国際聯盟」添田副会長、「最近の支那を一巡して」田川理事、「我国に於ける平和運動」阪谷副会長、「国際聯盟と日本」粕谷理事の講演あり、小島静岡市長の閉会の辞を以て終りたるが、是亦定刻に先つて既に満員の盛況であり、聴衆は知識階級と見られた。講演会の初中終尽力された人々の中に、小島市長・堀内県会議員・足立学務部長・中村事務官・杉山商工会議所理事・清水教育課長・友清県教育主事・友松修雄氏・岡部商工会議所議員・石川県視学・遠藤主事補等があつた。
 △沼津市講演会 は翌十五日市内の劇場にて開催、折からの雨にも
 - 第37巻 p.221 -ページ画像 
拘はらず是亦満員、入場者壱千余名を註するの盛況であつた。講演は「世界の将来と国際聯盟」添田副会長、「国際聯盟に対する所感」粕谷理事、「日本文化の国際的方面」内ケ崎理事、を以て終りたるが聴衆中には高女上級生五・六十名も見えた。沼津市有志の此会に対する熱心なる尽力は、遂に今回の大挙講演会をして、有終の実を挙げしむるに至つたものであるが、其主なる人々としては森田市長・矢部市助役・杉山会議所会頭・長沼会議所議員・森商工会議所理事・中島警察署長・小谷商業学校長・芝山商工会議所議員等があつた。