デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

3章 国際親善
5節 外賓接待
15款 其他ノ外国人接待
■綱文

第39巻 p.99-100(DK390039k) ページ画像

大正2年10月20日(1913年)

是日、アメリカ合衆国サン・フランシスコ在留本邦人母国観光団、東京商業会議所ヲ訪問ス。栄一、会頭中野武営等ト共ニ之ヲ迎ヘテ、歓迎ノ辞ヲ兼ネ一場ノ演説ヲナス。


■資料

東京商業会議所月報 第六巻・第一〇号大正二年一〇月 録事 加州母国観光団ノ当会議所訪問(DK390039k-0001)
第39巻 p.99 ページ画像

東京商業会議所月報 第六巻・第一〇号大正二年一〇月
    録事
  加州母国観光団ノ当会議所訪問
桑港主催本邦人聯合母国観光団ノ一行八十五名ハ、十月二十日午前十時当会議所訪問、渋沢男爵・中野会頭ノ歓迎ノ辞、団長大塚氏ノ答辞アリ、終テ楼上ニ於テ茶菓ノ饗応アリ、午前十一時半散会セリ


中外商業新報 第九八七五号大正二年一〇月二一日 母国観光団入京 同勢八十五名(DK390039k-0002)
第39巻 p.99-100 ページ画像

中外商業新報 第九八七五号大正二年一〇月二一日
    ○母国観光団入京
      同勢八十五名
桑港主催北米在留本邦人聯合の母国観光団八十五名の一行は、団長大塚寅喜・理事鈴木宇兵衛の両氏に率ゐられて、十九日午前横浜に入京《(港カ)》し、二十日午前八時二十七分の汽車にて同地発、同九時二十分新橋に着せり、一行は直ちに芝南佐久間町を経て議事堂及外務省を通過し、桜田門より二重橋に至り皇居を拝したる後、十時三十分東京商業会議所を訪ひ、渋沢男並に中野武営氏と議事堂に面会したるが、男及び中野氏は一行に対し
△歓迎の挨拶 をなしたる後夫れぞれ一場の演説を試みたり、その要旨は日米問題に関しては吾人微力と雖ども同志会等を組織して尽力しつゝあれば、諸君も亦大に考慮する所ありて、相互之が円満なる解決を見むことを望む、我国民は将来啻に北米といはず南米にも南洋にも益々植民発展せざる可らず、而して諸君は実に我が海外移民の先駆者たり、又代表者なれば我国家の権威と国民の価値とを充分に外人に認識せしめられ度しと言ふにあり、之れに対し団長大塚氏一行を代表して謝辞を述べ、夫れより一行は会議所を辞し人力車を駆つて十二時富士見軒に至り、博文館主大橋新太郎氏の招待会に臨席、主客談笑の間に昼餐を終り午後一時三十分
 - 第39巻 p.100 -ページ画像 
△靖国神社に参拝 し夫れより早稲田大学を参観し、大隈伯邸を訪問して伯及び島田三郎氏等に一場の訓話を請ひ、午後五時同邸を辞して六時帝国劇場を見物し、同夜は朝日館に宿泊せり


竜門雑誌 第三〇六号・第五四頁大正二年一一月 桑港在留本邦人母国観光団(DK390039k-0003)
第39巻 p.100 ページ画像

竜門雑誌 第三〇六号・第五四頁大正二年一一月
○桑港在留本邦人母国観光団 北米桑港を中心として在留せる本邦人の母国観光団一行は、十月十九日午前横浜に入港し、廿日朝上京十時三十分東京商業会議所を訪問したるが、青淵先生及同所会頭中野武営氏等之を迎へて、歓迎の辞を兼ねて一場の訓示的演説を為し、之に対し団長大塚氏一行を代表して謝辞を述べられたり