デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和6年11月15日（1931年）

是日栄一ノ葬儀ニ際シ、東京基督教青年会理事長長尾半平弔辞ヲ寄ス。次イデ十二月九日、当会講堂ニ於テ基督教関係団体主催栄一追悼記念会開カル。

竜門雑誌　　第五一八号・第二〇―三八頁　昭和六年一一月
　　　　葬儀○渋沢栄一
十五日○一一月
○中略
　一、青山斎場着棺　　午前九時四十分
　一、葬儀開始　　　　午前十時
　一、葬儀終了　　　　午前十一時三十分
　一、告別式　　　　　午後一時開始三時終了
○中略
　また東京市民を代表した永田市長の弔詞、実業界を代表した郷誠之助男の弔詞朗読があり、他の数百に達する弔詞を霊前に供へ、十一時半予定の如く葬儀を終了した。
○中略
　　　　弔詞
○中略
故正二位勲一等子爵渋沢栄一閣下ハ、本会ニ対シ、過去数十年間、常ニ変ラザル同情ト援助ヲ寄セラル、本会ノ今日アルハ、実ニ子爵ニ負フ所尠カラズ、大正十二年大震火災ニ際シ、我会館ノ灰燼ニ帰スルヤ子爵ハ率先シテ、本会館復興建築後援会ヲ組織セラレ、自ラ相談役トシテ各方面ニ奔走シ、以テ資金ノ調達ニ尽力セラレタリ、幸ニシテ本会ハ昭和四年ニ起工シ、同五年一月無事竣工ヲ告ケタルハ、偏ニ子爵ノ賜物ニ外ナラズ、多年子爵ガ国際問題、特ニ日米親善ノ為ニ渾身ノ努力ヲ抽デラレタルハ、周知ノ事実ナリ、世界各国青年ノ親睦、殊ニ日米青少年交誼ノ機会ヲ有スル本会ニ対シ、其復興ノタメ熱誠以テ尽瘁セラレタルハ、内外関係者ノ等シク感激措ク能ハザリシ所ナリ
今ヤ子爵ノ御永眠ニ対シ、本会理事者及会員一同ハ痛惜ノ情禁スル能ハス、玆ニ本会ヲ代表シ謹ミテ敬弔ノ意ヲ表ス
　　昭和六年十一月十五日　　　　東京基督教青年会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　理事長　長尾半平
○下略
　　○十二月九日、当会講堂ニ開カレタル追悼記念会ノ資料ハ本資料本編第三部身辺中ノ「追悼記念会」ニ収ム。