デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
2節 女子教育
2款 財団法人東京女学館 付 女子教育奨励会
■綱文

第45巻 p.32-37(DK450009k) ページ画像

昭和3年10月30日(1928年)

是日、当校校舎新築落成並ニ創立四十周年祝賀式ヲ挙行ス。栄一館長トシテ式辞ヲ述ブ。


■資料

東京女学館書類(二)(DK450009k-0001)
第45巻 p.32-33 ページ画像

東京女学館書類(二)           (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
拝啓 時下益々御清適奉欣賀候、陳者来三十日(火曜)午前十時東京女学館校舎新築落成の祝を兼ね、創立四十周年記念式挙行致候間、御来臨被下度、此段御案内申上候 敬具
               東京市外渋谷町羽沢御料地
  昭和三年十月十日            女子教育奨励会
                      東京女学館
 - 第45巻 p.33 -ページ画像 
    (宛名手書)
    渋沢子爵同令夫人 殿
   乍御手数御来臨の有無来る二十一日迄に御一報被下度奉願候


集会日時通知表 昭和三年(DK450009k-0002)
第45巻 p.33 ページ画像

集会日時通知表 昭和三年         (渋沢子爵家所蔵)
十月三十日 火 午 時 東京女学館創立四十年祝賀会並ニ校舎落成祝賀会


東京女学館書類(二)(DK450009k-0003)
第45巻 p.33 ページ画像

東京女学館書類(二)           (渋沢子爵家所蔵)
    式辞
東京女学館ハ大正癸亥ノ震災ニ因リテ其校舎空シク灰燼ニ帰シタルガ畏クモ
皇室ノ特恩ヲ垂レサセ給ヘルト、賛成諸君ノ援助トニ依リテ復興ノ事業完ク成リ、結構ノ壮麗設備ノ整頓昔日ニ優ルモノアリ、玆ニ其落成式ヲ挙ゲ、併セテ創立四十周年ヲ記念スルヲ得ルニ至レルハ予ノ欣喜措ク能ハサル所ナリ
回顧スレハ明治十八年太政官ヲ廃シ内閣ヲ置カレテヨリ世ノ風尚自ラ一変セルモノヽ如シ、当時ノ識者思ヘラク、古来東洋ノ慣習女子ノ教育ヲ以テ寧ロ害アルモ益ナシトセリ、近時文運興隆シテ男子ノ教育ニ於テハ稍見ルニ足ルモノアリト雖モ女子ノ教育ハ依然トシテ閑却セラル、此ノ如クニシテ如何ゾ欧米人士ト交際場裏ニ馳駆スルコトヲ得ンヤト、乃チ相謀リテ女子教育奨励会ヲ起シ、先ヅ泰西ノ交際法ニ嫻ハハシメ、依リテ以テ品位アル文明的婦人ヲ養成セントセリ、予ハ其計画ノ時宜ニ適セルヲ思ヒ驥尾ニ附シテ聊カ微力ヲ致シタリ、既ニシテ識者又思ヘラク、内ニ理智ヲ扶殖セズシテ徒ニ皮相ノ文化ヲ欲スルハ事ニ益ナクシテ却テ害アルベシ、須ラク学問技芸ヲ併せ修メテ華実ヲ兼ネ備ヘシムヘシト、仍リテ又力ヲ戮セテ女学校ヲ創立セリ、是レ本館ノ起原ニシテ、其首唱者ハ孰レモ当時政界学界財界ニ於ケル一代ノ名流ナリキ、而シテ予ハ固ヨリ教育上ノ知識経験ナキモ主トシテ其財務ヲ補助シタリ、爾来年ヲ閲スルコト四十余年、卒業生ヲ出スコト一千六百五十余人ニ及ベリ、其国家ノ進運ヲ輔ケ文教ノ開展ニ資セシコト蓋シ鮮少ニアラサルベシ、是ヲ以テ予ハ常ニ首唱者ノ先見ニ服スルト共ニ、自己モ亦与リテ微功アリシヲ快トスルモノナリ
然リト雖モ時勢ノ進歩ハ駸々トシテ止マラズ、女子ノ教育モ亦世ト与ニ改良発展セザルベカラザルヤ論ナシ、此時ニ当リ唱首ノ先覚者皆泉下ノ人トナリ、予独リ余喘ヲ保チテ叨ニ館長ノ名ヲ冒スハ啻ニ慚愧スベキノミナラズ、寧ロ恐懼ニ堪ヘザルモノアリ、冀クハ女子教育ニ志ヲ有セラルヽ大方ノ諸君及直接本学館ニ関係アル諸氏、予ノ微衷ヲ諒トセラレ、協同一致シテ校舎ノ改善ト共ニ教育ノ面目ヲ一新シ、以テ隆々ノ奎運ヲ裨補セラレンコトヲ
之ヲ以テ式辞トナス
  昭和三年十月三十日
                    子爵 渋沢栄一

 - 第45巻 p.34 -ページ画像 

校舎新築落成創立四十周年 祝賀式次第(DK450009k-0004)
第45巻 p.34 ページ画像

校舎新築落成創立四十周年 祝賀式次第    (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
    校舎新築落成創立四十周年 祝賀式次第
 一 敬礼
 一 君が代
 一 勅語奉読
 一 館長式辞
 一 新築工事報告
 一 文部大臣祝辞
 一 東京府知事祝辞
 一 東京市長祝辞
 一 新築後援会長祝辞
 一 卒業生維持会 総代祝辞
 一 生徒総代祝辞
 一 新築後援会ヘ感謝状贈呈
 一 大倉土木株式会社ヘ感謝状贈呈
 一 祝歌
      以上
                     女子教育奨励会
  昭和三年十月三十日
                     東京女学館
   ○「落成式の歌」「創立四十周年の歌」略ス。


集会日時通知表 昭和三年(DK450009k-0005)
第45巻 p.34 ページ画像

集会日時通知表 昭和三年          (渋沢子爵家所蔵)
十一月廿八日 水 午後二時 東京女学館建築後始末評議員会(事務所)


竜門雑誌 第四八三号・第一〇六頁昭和三年一二月 青淵先生動静大要(DK450009k-0006)
第45巻 p.34 ページ画像

竜門雑誌 第四八三号・第一〇六頁昭和三年一二月
    青淵先生動静大要
      十一月中
廿八日 東京女学館建築後始末評議員会(渋沢事務所)


東京女学館書類(二)(DK450009k-0007)
第45巻 p.34-35 ページ画像

東京女学館書類(二)            (渋沢子爵家所蔵)
    東京女学館建築費不足金調達並ニ弁済方法
一、東京女学館建築費中不足金左ノ如シ
 金四万壱千弐百拾九円拾銭 大倉土木株式会社ヘ支払未済金
 〔金弐千五百円 新築ニ関スル諸雑費〕
 合計金四万参千七百拾九円拾銭
一、不足金額ノ調達方法左ノ如シ
 本女学校関係者中ノ有志ヨリ左記条件ヲ以テ借入金ヲ為シテ右不足金ヲ調達スルコト
 イ、期限 五ケ年据置五ケ年間ニ随時返済
 ロ、利息 無利息
 ハ、担保 無シ
 ニ、借主 女子教育奨励会評議員
 - 第45巻 p.35 -ページ画像 
            東京女学館設立代表者
                  借主 長崎省吾
          女子教育奨励会評議員長
            東京女学館長
              保証人 子爵 渋沢栄一
          女子教育奨励会評議員
            東京女学館新築委員
              保証人    服部金太郎
          女子教育奨励会評議員
            東京女学館新築委員
              保証人    大倉粂馬
 一、本借入金ノ返済方法左ノ如シ
 イ、目下会員募集中ノ同館卒業生ノ組織セル東京女学館維持会員ノ醵出金ヲ以テ弁済ニ当ツ
  (参照)已ニ入会セル会員五百名ナルカ此レヲ壱千名トナシ、此醵出金毎月金壱円宛五ケ年間合計金六拾円ニシテ金六万円ヲ得ル見込
 ロ、ばざー及観劇会ノ収益金一ケ年約五千円アルヲ以テ(イ)ノ醵出金ガ万一予定ニ達セサルトキノ補充トナサントス
 一、服部・大倉・児玉・渋沢・ノ諸氏《(10,000 10,000 5,000 10,000 田中平八 5,000)》ヨリ借入金合計金〔弐万五千《(四万)》〕円《(ト学校ノ経済ヨリ千二百余円ヲ融通シテ)》〔ヲ〕以テ第一次ニ大倉土木株式会社ニ対スル支払《(ヲナスコト)》〔一部ニ充当シ残額ニ対シテハ右支払ノ翌日ヨリ年 分ノ利子ヲ付スルコト〕
 〔一、借入金不足額ハ極力借入ニ努ムルコト〕
 *(欄外別筆)
  西田敬止・国分操子ノ連名
   ○右記事中、〔 〕部分ハ削除、行間ノ( )部分ハ、加筆セラレタルモノニシテ、評議員会ニ於ル原案訂正ノ結果ヲ追記セルモノナルベシ
昭和三年十一月二十八日午後二時渋沢事務所ニ於テ
         東京女学館評議員会 出席者
                  子 渋沢栄一
                    長崎省吾
                    服部金太郎
                    田中平八
                    大倉粂馬
                    西田敬止
                    国分操子


東京女学館書類(二)(DK450009k-0008)
第45巻 p.35-36 ページ画像

東京女学館書類(二)         (渋沢子爵家所蔵)
(控)
    東京女学館校舎新築落成御届
本会ニ於テ予テ東京女学館校舎及運動場敷地トシテ拝借ノ東京府豊多摩郡渋谷町南豊島御料地内字羽沢一番地、一番地ノ二、百四番地面積弐千七百坪ノ内ヘ鉄筋コンクリート式建物校舎三階乃至五階総建坪壱千弐百拾五坪参合八勺建築中ノ処、今般右工事落成致候ニ付別紙図面
 - 第45巻 p.36 -ページ画像 
五葉○略ス 相添ヘ及御届候也
            東京府豊多摩郡渋谷町字羽沢一番地
             女子教育奨励会評議員長
  昭和三年 月 日       子爵 渋沢栄一
    帝室林野局長官 三矢宮松殿


集会日時通知表 昭和五年(DK450009k-0009)
第45巻 p.36 ページ画像

集会日時通知表 昭和五年        (渋沢子爵家所蔵)
九月十日 水 午 時 東京女学館役員会(渋沢事務所)


東京女学館移転新築費収支決算報告(DK450009k-0010)
第45巻 p.36-37 ページ画像

東京女学館移転新築費収支決算報告    (渋沢子爵家所蔵)
拝啓、益々御清適奉賀候、然らば東京女学館校舎新築に付、去る大正八年御賛助を得、夫々計画致居候折柄大震火災の為め俄に旧校舎全部灰燼に帰し候に付、暫く計画を放置し、応急施設をなし授業継続の必要に迫られ、現在の地に仮校舎を建築致すの已むを得ざるに至り、之が為め多額の支出を為したる次第に御座候、斯くして校舎新築の儀は意外に遅延致候処、新築後援会並に有志の方々の深甚なる御援助により所期を果たし、昭和三年四月永久的新校舎完成致候段真に拝謝の至に御座候、就ては御礼並に御報告可申上候処事務万端を主宰し来り候西田敬止氏突如病歿致候為め、不得其意荏苒今日に至り候段不悪御諒承被成下度候、右乍遷延御報告旁々御挨拶申上度如此御座候 敬具
  昭和五年九月
               女子教育奨励会評議員長
                   子爵 渋沢栄一
                建築資金募集委員長
                      服部金太郎
    東京女学館移転新築費収支決算書
     収入ノ部
一金四拾六万九千五百参拾壱円四拾弐銭也
      内訳
 一金拾九万五千〇八拾九円四銭也    新築寄附金
 一金弐万九千九百参拾九円五拾四銭也  新築後援バザー収入
 一金拾四万七千七百拾参円六拾八銭也  新築後援会寄附金
 一金四万壱千円也           文部省ヨリ借受金
 一金四万円也             借入金
 一金壱万五千七百八拾九円拾六銭也   銀行預金利子
    支出ノ部
 一金四拾六万九千五百参拾壱円四拾弐銭也
      内訳
 一金五万円円也            感化院移転料
 一金六万六千百五拾九円六拾九銭也   仮校舎並附属建物建築及設備費
 一金参万五百弐拾七円八拾参銭也    雨天体操場外建築並附帯工事費
 一金四千六百五拾九円七拾五銭也    運動具外諸設備費
 一金参拾万五千七百拾九円拾銭也    本校舎新築並附帯工事費
 一金壱万壱千八百参拾五円五銭也    諸設備費
 - 第45巻 p.37 -ページ画像 
 一金六百弐拾円也           印刷通信其他諸雑費
                          以上



〔参考〕渋沢栄一 日記 昭和三年(DK450009k-0011)
第45巻 p.37 ページ画像

渋沢栄一 日記 昭和三年          (渋沢子爵家所蔵)
二月二十八日 晴 寒気強カラズ
午前八時起床直ニ洗面シテ朝食ヲ畢リ女学館教授国分操子女史ノ来訪ニ接シ、女学館ノ新築実況及向後其維持方法ニ付女史ノ意見詳細ニ説明セラレ、且維持会創立ノ一案ヲモ談話セラル○下略