デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

5章 教育
3節 其他ノ教育関係
15款 二松学舎 2. 財団法人二松学舎
■綱文

第45巻 p.605-609(DK450227k) ページ画像

昭和2年10月7日(1927年)

是日、当学舎ニ於テ、二松学舎専門学校設立ノタメ、寄付行為改正ノ件其他ニ関シ臨時評議員会ヲ開催、栄一舎長トシテ議事ヲ主宰ス。


■資料

二松学舎書類(一)(DK450227k-0001)
第45巻 p.605 ページ画像

二松学舎書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    臨時評議員会開会通知ノ件
来ル十月七日午後二時ヨリ本舎ニ於テ、臨時評議員会ヲ開キ、左記議案ヲ附議候条御出席相成度、若シ御差支有之御出席難相成候ハヾ、同五日迄ニ別紙委任状ヲ御送付相願度此段御通知申上候 敬具
      左記
 一、寄附行為改正ノ件
   (理由)昭和三年四月ヨリ、従来ノ二松学舎ノ外ニ、二松学舎専門学校ヲ設立経営セントスル為、本寄附行為ヲ改正スルノ要アリ
 二、本舎資産ノ処分及管理方法制定ノ件
   (理由)本舎寄附行為第五条ニ『本舎資産ノ処分及管理方法ハ評議員之ヲ決議ス』トアルニ、今尚其規定ナキハ妥当ナラズ、依テ案ヲ具シテ其決議ヲ乞ハントス
 三、所有ノ不動産ヲ担保トシ借入金ヲ為サントスル件
   (理由)専門学校ノ認可申請ニ付、基本金トシテ五分利公債証書拾万円ノ預入ヲ要スルモ、寄附金ハ目下尚募集中ニシテ充実スルニ至ラズ、依テ其購入資金九万円以内ノ借入金ヲナサントスルニ付、其承認ヲ求メントス
  昭和二年九月三十日
         財団法人二松学舎長 子爵渋沢栄一
  財団法人二松学舎評議員
    (宛名手書)
    渋沢栄一殿
…………………………………切取線………………………………
収入印紙弐銭
      委任状
拙者儀財団法人二松学舎評議員 氏ニ左ノ権限ヲ委任ス
 一、本月七日開会ノ財団法人二松学舎評議員会ノ議事ニ付、評決ヲ為スノ件
  昭和二年十月 日
                財団法人二松学舎評議員

 - 第45巻 p.606 -ページ画像 

集会日時通知表 昭和二年(DK450227k-0002)
第45巻 p.606 ページ画像

集会日時通知表  昭和二年        (渋沢子爵家所蔵)
十月七日 金 午後二時 二松学舎評議員会(同会)


二松学舎六十年史要 国分三亥編 第一二二―一二八頁昭和一二年一二月刊(DK450227k-0003)
第45巻 p.606-608 ページ画像

二松学舎六十年史要 国分三亥編  第一二二―一二八頁昭和一二年一二月刊
 ○第二編 財団法人二松学舎沿革
    第三章 財団法人二松学舎時代
○上略
 十月○昭和二年七日、評議員会開催、従来本舎経営の漢学専修二松学舎の外、更に二松学舎専門学校を設立せんとするを機とし、従来二松学舎が財団法人自体なりしを改めて、此等二学校を法人と分離して、法人は其設立経営に任する母体機関と為すこととし、其他幾多不備の点を変更せんが為め、寄附行為全部変更の件を議決し、三年二月八日文部大臣の認可を得たり。該寄附行為全文左の如し。
    財団法人二松学舎寄附行為
      第一 目的及事業
第一条 本財団法人二松学舎ハ、明治十年十月十日文学博士三島毅ノ創立セル二松学舎ノ事業ヲ永遠ニ存続シ、東洋固有ノ道徳文学ヲ維持拡張スルヲ目的トス
 前項ノ目的ヲ達スル為、左ノ事業ヲ行フ
 一、漢文学及国文学ヲ教授スル専門学校、及漢文学ヲ教授スル学校ヲ設立経営スルコト
 二、漢文学及国文学ニ関スル講義録及書籍ヲ出版スルコト
      第二 名称
第二条 本舎ノ名称ハ財団法人二松学舎ト称ス
      第三 事務所
第三条 本舎ノ事務所ハ東京市麹町区一番町四十六番地ニ置ク
      第四 資産
第四条 本舎ノ資産ハ左ノ如シ
 一、三島毅ノ出捐シタル書籍及其ノ著作権、其ノ他有志者ノ寄贈ニ係ル書籍並物品
 二、本舎維持員及大方有志ノ寄附セル土地金員
 三、本舎資産ヨリ生スル収入並各種ノ月収入
第五条 本舎資産ヲ分ツテ基本財産及普通財産トス
 基本財産ハ現金又ハ公債証書トシ、確実ナル銀行又ハ信託会社ニ預入シ、之ヲ処分スルコトヲ得サルモノトス
 普通財産ノ処分及管理方法ハ評議員之ヲ決議ス
第六条 本舎ノ経常費ハ基本財産及普通財産ノ果実、学校ノ授業料其ノ他ノ収入ヲ以テ之ヲ支弁ス、但シ基本財産ノ果実ハ専門学校ノ経常費ニノミ充当スルコトヲ要ス
      第五 維持員
第七条 金百円以上ノ寄附者及本舎ノ特別功労アルモノトシテ理事会ニ於テ推薦シタル者ヲ本舎維持員トス
第八条 現金ヲ以テセサル寄附ハ時価ニ依リ換算ス
第九条 維持員ハ本舎ニ意見ヲ提出スルコトヲ得
 - 第45巻 p.607 -ページ画像 
 前項ノ意見ハ理事之ヲ審査シ、必要ト認ムルトキハ評議員会ニ附議ス可シ
 意見提出者ハ評議員会ニ出席シ弁明スルコトヲ得
第十条 維持員ハ何時ニテモ理事ノ立会ヲ以テ本舎ノ会計帳簿ヲ査閲スルコトヲ得
      第六 役員及顧問
第十一条 本舎ニ左ノ役員ヲ置ク
 理事  五名乃至七名 内一名ヲ舎長トス
 監事  三名以内 主事一名 書記 若干名
 評議員 二十五名
第十二条 理事及監事ハ評議員会ニ於テ東京府下住居ノ維持員中ヨリ之ヲ選任ス、理事及監事ノ任期ハ各五年トス
第十三条 主事及書記ハ舎長之ヲ任免ス
第十四条 評議員ハ維持員会ニ於テ東京府下住居ノ維持員中ヨリ之ヲ選任ス
 評議員ノ任期ハ六年トス
第十五条 本舎ノ役員ハ相互兼務スルモ妨ケアルコトナシ、但シ理事ト監事トハ相兼ヌルコトヲ得ス
第十六条 理事・監事及評議員ニ欠員ヲ生スルモ在任者ノ数、本規定数ノ最寡数ヲ下ラサルトキハ補欠選任ヲ行ハサルコトヲ得
第十七条 任期アル役員ノ欠員ニ依リ補欠ノ為選任セラレタル者ノ任期ハ前者ノ残任期間トス
第十八条 理事ハ互選ヲ以テ舎長ヲ選任ス、舎長ハ舎務ヲ総判シ、外部ニ対シテ本舎ヲ代表シ、維持員会及評議員会ノ議長ト為ル
第十九条 理事ハ互選ヲ以テ常任理事一名ヲ選任ス、常任理事ハ舎長ノ指揮ヲ受ケテ舎務ヲ掌理シ、舎長差支アルトキハ之ヲ代理ス
 其ノ他ノ理事ハ毎月少クモ二回出勤シテ舎務ニ付協議ス
第二十条 監事ハ毎年ノ会計ヲ監査シ其ノ承認ヲ与フ
第二十一条 主事ハ理事ノ命ヲ受ケ舎務ヲ処理ス
第二十二条 書記ハ理事及主事ノ命ヲ受ケ庶務ニ従事ス
第二十三条 評議員ハ評議員会ニ出席シ、議長ノ附議セル議案ヲ議決ス
第二十四条 役員其ノ職務ヲ怠ルカ又ハ不当ノ行為アリタルトキハ、評議員会ノ決議ヲ以テ之ヲ免ス
 維持員ニシテ其ノ地位ヲ辱カシムル行為アルカ又ハ其ノ義務ヲ怠リタルトキハ、評議員会ノ決議ヲ以テ之ヲ除名ス
第二十五条 舎長ハ評議員会ノ決議ニ依リ若干ノ顧問ヲ委嘱ス
 顧問ハ評議員会ニ出席シテ意見ヲ述フルコトヲ得
 舎長ハ必要ニ応シテ顧問会ヲ開キ其ノ意見ヲ聴取スルコトヲ得
      第七 評議員会
第二十六条 評議員会ヲ分テ通常・臨時ノ二トシ、通常会ハ毎年会計年度ノ終リニ之ヲ開キ、臨時会ハ舎長必要ト認メタルトキ又ハ評議員五名以上ノ請求アルトキ之ヲ開ク
第二十七条 評議員会ハ五日前ニ議事ノ項目ヲ示シ舎長之ヲ召集ス、
 - 第45巻 p.608 -ページ画像 
但シ緊急ヲ要スルトキハ此ノ限ニ在ラス
第二十八条 評議員会ハ評議員半数以上出席スルニアラサレハ議事ヲ開クコトヲ得ス
 評議員会ノ議事ハ過半数ノ同意ヲ以テ之ヲ決ス、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
 評議員ハ評議員会ニ出席スルコト能ハサルトキハ、他ノ評議員ニ代理ヲ委任スルコトヲ得
第二十九条 評議員会ニ定数ノ出席者ナキトキハ仮決議ヲナシ、議長ハ遅滞ナク十四日間ノ期間ヲ置キ第二ノ評議員会ヲ召集スヘシ
 第二ノ評議員会ハ所定ノ出席者ナキ場合ト雖、前仮決議ヲ認可スルヤ否ヲ議決スヘシ
第三十条 評議員会ノ議事及決議ハ理事ニ於テ其ノ議事録ヲ作成シ、之レカ正確ナルコトヲ保証スル為ニ即時議長及出席評議員三名ノ署名捺印ヲ求ムヘシ
      第八 維持員会
第三十一条 維持員会ハ第十四条ノ場合其ノ他評議員会ニ於テ必要ト認メタルトキ舎長之ヲ召集ス
第三十二条 維持員維持員会ニ出席スルコト能ハサルトキハ、他ノ維持員ニ代理ヲ委任スルコトヲ得
 本議事ハ出席者ノ過半数ヲ以テ之ヲ決シ、可否同数ナルトキハ議長之ヲ決ス
 第三十条ノ規定ハ之ヲ維持員会ニ準用ス
      第九 会計
第三十三条 本舎ノ資産ハ資産原簿ニ記載シ、第五条ノ規定ニ依リ理事之ヲ処分管理ス
第三十四条 本舎ノ会計年度ハ四月一日ニ始マリ、翌年三月三十一日ニ終ル
第三十五条 本舎ノ会計ハ毎年五月末日迄ニ決算ヲ為シ、監事ノ承認ヲ経テ評議員会ニ附議シ、主務官庁及維持員ニ報告スヘシ
      第十 附則
第三十六条 本財団法人ハ維持員四分ノ三以上ノ同意アルニアラサレハ之ヲ解散セサルモノトス
第三十七条 本寄附行為ハ評議員四分ノ三以上ノ同意ヲ得、且主務官庁ノ認可ヲ受クルニアラサレハ之ヲ変更スルコトヲ得ス
第三十八条 本改正寄附行為ハ主務官庁ノ認可ヲ得タル日ヨリ之ヲ施行ス
 本寄附行為改正ノ際、現ニ理事・監事・評議員及維持会員タルモノハ、本改正寄附行為ニ因リ定メラレタルモノト看做シ、各役員ノ任期ハ其ノ施行ノ日ヨリ之ヲ起算ス
○下略


二松学舎六十年史要 国分三亥編 第六六頁昭和一二年一二月刊(DK450227k-0004)
第45巻 p.608-609 ページ画像

二松学舎六十年史要 国分三亥編  第六六頁昭和一二年一二月刊
 ○第一編 第二章 歴年沿革
    昭和二年
 - 第45巻 p.609 -ページ画像 
○上略
 十一月七日、財団法人二松学舎より二松学舎専門学校設置の件及山田準を校長たらしむるの件に関する申請書を文部大臣に提出す。○下略