デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
6款 社団法人温故学会
■綱文

第46巻 p.388-392(DK460112k) ページ画像

大正14年7月28日(1925年)

是日当学会、宮内省ヨリ金千五百円ノ下賜ヲ受ケ、九月十四日、倉庫建築敷地トシテ、東京附豊多摩郡渋谷町下渋谷氷川裏三三八番ノ一ニ、御料地百八十七坪拝借ノ件帝室林野局ヨリ許可セラル。栄一尽力スル所多シ。


■資料

(中村弥六)書翰 斎藤茂三郎宛(大正一三年)七月一九日(DK460112k-0001)
第46巻 p.388 ページ画像

(中村弥六)書翰 斎藤茂三郎宛(大正一三年)七月一九日
                    (社団法人温故学会所蔵)
拝啓
時下益御清穆奉賀候、陳者群書類集版木蔵建設敷地ニ関し荊妻ヘ御話有之候ニ付、帝室林野管理局ニ就き取調候処、明治神宮外園ハ国有ニ而内務省の所轄ニ属し居候間、同園御希望ニも候半ヽ内務省ヘ御掛合相成候而可然存候、是ハ渋沢子爵を煩ハスを第一と存候、御熟考可被成候、右御報告まて 敬具
  七月十九日
                      中村弥六
    温故学会内
     斎藤茂三郎様
          侍史
 - 第46巻 p.389 -ページ画像 

温故学会書類(一)(DK460112k-0002)
第46巻 p.389 ページ画像

温故学会書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
(朱字)

    上申書
温故学会ハ贈正四位塙保己一ノ遺業ヲ継承シテ和学講談所ノ旧義ニ準拠シ、国史ヲ明カニシ国文ヲ弘メテ、尊厳ナル国体ヲ翊賛スルノ一助タラシメムト尽力仕リ居リ候モノニ御座候
保己一畢生ノ努力ヲ以テ成就シタル群書類従ノ原板壱万七千余枚ハ、之皆保己一ガ忠君愛国ノ精神ノ凝成セルモノ、今ニ於テ天下稀有ノ貴重物ニ付、此際適当ナル敷地ヲ選ヒ完全ナル倉庫ヲ建築シテ、永遠ニ之ヲ保管セントスルハ本会ノ切望スルトコロニテ御座候、併セテ図書館・講演場等ヲモ建設シテ、講学明道ノ為メニシ温故知新ノ趣旨ヲ発揚仕度ト存シ、江湖ノ義人ヨリ今其資金ヲ募集中ニ御座候、閣下幸ニ生等ノ微意ヲ諒トセラレ、御取成ヲ以テ無涯ノ聖恩ニ浴スルヲ得候ハバ本会ノ光栄不過之、右謹テ奉懇願候也
  大正十四年七月
            東京市四谷区寺町二十二番地
              社団法人温故学会
                維持会員
                 子爵 渋沢栄一栄一
                東京市日本橋区兜町二番地
               医学博士 井上通泰(印)
              東京府下青山北町七丁目二番地
               文学博士 芳賀矢一(印)
             東京市小石川区坂下町百十四番地
               林学博士 中村弥六(印)
                 東京市赤坂区檜町五番地
               工学博士 山田直矢(印)
          東京市牛込区水道端町二丁目四十八番地
                    内藤久寛(印)
              東京市麻布区材木町三十六番地
                 理事 斎藤茂三郎(印)
               東京市四谷区寺町二十二番地
    宮内大臣 一木喜徳郎殿


温故学会書類(一)(DK460112k-0003)
第46巻 p.389 ページ画像

温故学会書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
今般宮内省より本会事業御奨励の思召を以て金千五百円御下賜相成り候間、謹ミて御報告申上候
本日宮内省に出頭右御下賜金拝受仕り候 頓首
  大正拾四年七月廿九日
                 社団法人温故学会
                     理事 斎藤茂三郎
                         東京市四ツ谷区寺町二十二番地
  維持会員
    渋沢栄一殿
 - 第46巻 p.390 -ページ画像 

温故学会書類(一)(DK460112k-0004)
第46巻 p.390 ページ画像

温故学会書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
拝啓盛夏の候益々御清適奉賀候、陳ば嚮に御下賜金有之候ことは御知らせ申上候ところ、今回東京市に於ては、検校墓前に「史蹟塙保己一墓」と署し嵩高なる標木一基被相立候、誠にかさねかさね本会の光栄と奉存、右とりあへず御報まで申上おき候 頓首
  大正拾四年七月卅壱日
                 社団法人温故学会
                     理事 斎藤茂三郎
                         東京市四ツ谷区寺町二十二番地
    子爵 渋沢栄一様


温故学会書類(一)(DK460112k-0005)
第46巻 p.390 ページ画像

温故学会書類(一)           (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 今般畏きあたりより御下賜金の儀有之候ニつきては、別紙文案ニ依り印刷物を以て寄附者並ニ尽力者ニ其旨伝達仕り度と存じ候間、御了承被下度候
御下賜金は上申書を出さゞる前に御沙汰有之候間同書は本会ニ保管いたしおき候
右御下賜金は宮内省本金庫十五銀行ニ預金いたしおき候ニつき、取扱方ニ付不日御協議願ひ度存じ候 頓首
  大正十四年八月九日
                      斎藤茂三郎
    子爵 渋沢栄一様
           侍史
(別紙)
                      温故学会
今般其会ニ於ケル事業状況ヲ被聞食思召ヲ以テ金千五百円下賜候事
  大正十四年七月二十八日
                      宮内省
(別紙、謄写版)
拝啓 時下益御清昌奉賀上候、陳者本会事業之儀今回畏クモ 天聴ニ達シ 御思召ヲ以テ七月二十八日宮内省ヨリ金千五百円御下賜相成リ申候
皇恩無涯光栄不過之、一同感泣ノ至リニ奉存候、貴下本会ノ為深ク御賛襄被下候ニ付、此段謹ミテ御報申上候 敬具
  大正十四年八月
                 社団法人温故学会
                     子爵 渋沢栄一
                   医学博士 井上通泰
                   文学博士 芳賀矢一
                   林学博士 中村弥六
                   工学博士 山田直矢
                        内藤久寛
                     理事 斎藤茂三郎
 - 第46巻 p.391 -ページ画像 

温故学会書類(一)(DK460112k-0006)
第46巻 p.391 ページ画像

温故学会書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
拝啓
本会建築地として東京府豊多摩郡渋谷町大字下渋谷字氷川裏三百三十八番地ノ一、百八十七坪の御料地を拝借仕り候ことゝ相成り候間御了承被下度候
追而建築に付きては不日御協議相願ひ度奉存候 頓首
  大正十四年九月二十三日
                 社団法人温故学会
                     理事 斎藤茂三郎
                         東京市四ツ谷区寺町二十二番地
    子爵 渋沢栄一様
           侍史
(別紙)
監第一二四一ノ二号
                東京市渋谷区寺町二十二番地
                社団法人温故学会
                   理事 斎藤茂三郎
               維持会員代表 山田直矢
大正十四年九月五日付ヲ以テ氷川裏御料地ノ一部借地願ノ件許可致候条左記ノ事項ヲ遵守スル義ト心得ラルヘシ
  大正十四年九月十四日
                     帝室林野局長官
    記
一、貸付地及期間料金等左ノ通
  東京府豊多摩郡渋谷町大字下渋谷字氷川裏参百参拾八番ノ壱御料地宅地ノ内
  一、面積百八拾七坪
   使用目的  学会建設敷地用
   此貸付期間 自大正拾四年九月至同弐拾四年八月満拾ケ年間
   此貸付料金 壱ケ年拾八円七拾銭
二、本貸付ニ関シテハ御料地貸付規程ヲ遵守スルコト
                          以上


温故学会書類(一)(DK460112k-0007)
第46巻 p.391 ページ画像

温故学会書類(一)            (渋沢子爵家所蔵)
粛啓 寒気日々ニ相催候処益々御清適大賀之至ニ奉存候、陳は先日中は特ニ宮内省ニ御出頭御礼被下候由本会之欣幸不過之、厚く御礼奉申上候 草々敬具
  十二月六日○大正一四年
                    温故学会
                      斎藤茂三郎
                           拝
    子爵 渋沢栄一殿
           侍曹
 - 第46巻 p.392 -ページ画像 

社団法人温故学会事業概要 第四頁昭和二年六月刊(DK460112k-0008)
第46巻 p.392 ページ画像

社団法人温故学会事業概要 第四頁昭和二年六月刊
 ○会務経過
    三、御下賜金並御料地拝借
 大正十四年七月二十八日宮内省より金壱千五百円御下賜あり。同九月十四日建築敷地として東京府豊多摩郡渋谷町大字下渋谷字氷川裏三三八番ノ一御料地百八十七坪拝借の件帝室林野局より許可せらる。
   ○「帝室林野局ヨリ御料地拝借ノ時モ渋沢子爵ニハ大変オ世話ニナリ、ワザワザ林野局マデ行ツテ戴キマシタ。」(理事斎藤茂三郎談)