デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
7款 帰一協会
■綱文

第46巻 p.479-481(DK460121k) ページ画像

大正2年5月2日(1913年)

是日及ビ六月六日、栄一、上野精養軒ニ於ケル当協会例会ニ出席ス。


■資料

帰一協会記事 一(DK460121k-0001)
第46巻 p.479 ページ画像

帰一協会記事 一              (竹園賢了氏所蔵)
    第九例会
五月二日○大正二年午後五時上野精養軒ニ於テ本会第九例会ヲ開ク、出席者氏名左之如シ
 加藤正義氏      成瀬仁蔵氏
 服部宇之吉氏     古谷久綱氏
 筧克彦氏       片山国香氏《(片山国嘉)》
 グリーン氏      渋沢栄一氏
 矢野恒太氏      ギユーリツク氏
 佐藤鉄太郎氏     塩沢昌貞氏
 川島令次郎氏     阪谷芳郎氏
 井上哲次郎氏     姉崎正治氏
 矢野茂氏
当日ノ研究題目並ニ主題者ハ左ノ如シ
 古神道ノ神々及神社ノ性質    筧克彦氏
七時十五分講演終了、八時十五分食事終ル
食後姉崎博士ハ、会員諸君ノ中ニハ、本会ヲ単ナル講演会及討論会トスルハ物足ラス、開会前数分間黙祷若シクハ聖典ノ朗読ヲナシテハ如何ト申サル人アリ、如何スベキカニ付キテ会見ニ諮ラル。之ニ就テソハ宗教的儀式ヲ強フルノ嫌アリトノ反対アリシカ、結局左ノ如ク決定セリ、曰ク
 今後例会ノ席上ニ於テ、講演及討論ノ外ニ古賢先聖ノ格言若クハ自己ノ金科玉条ト信スル名句ヲ朗読スル事ヲ得ベシ。其ノ朗読者ハ必スシモ前以テ一定スルヲ要セズ。出席者中ノ希望者ニ任スベシ、時間ハ五分間位(長クモ十分間以内トス)時トシテ幹事ヨリ右朗読者ヲ依頼スル事アルベシ
次ニ討論会ニ移リ、諸氏ノ筧氏ニ対スル質問及筧氏ノ之ニ対スル答弁アリテ、十時散会セリ、猶此日開会前評議員会ヲ開キタリ、列席者、筧・成瀬・服部・ギユーリツク・姉崎・片山・渋沢・井上ノ諸氏ナリキ、席上左記諸氏ヲ本会々員ニ推薦スル事ヲ決定セリ、即
 本郷房太郎氏(中島・阪谷両氏紹介)
 宮岡恒次郎氏(成瀬・姉崎両氏紹介)
 頭本元貞氏 (成瀬・渋沢両氏紹介)
 菊池大麓氏 (渋沢・阪谷両氏紹介)
 阪井徳太郎氏(姉崎・成瀬両氏紹介)
 添田寿一氏
 笹川潔氏  (姉崎・筧両氏紹介)
次回ノ講演ヲ本多日生師ニ依頼スル事トナリ、五月十九日其ノ承諾ヲ得タリ
 - 第46巻 p.480 -ページ画像 

帰一協会記事 一(DK460121k-0002)
第46巻 p.480-481 ページ画像

帰一協会記事 一              (竹園賢了氏所蔵)
    第十回例会
  評議員会
六月六日○大正二年開会前評議員会ヲ開ク、出席者左ノ如シ
 井上哲次郎・片山国嘉・浮田和民
 姉崎正治・ギユーリツク・成瀬仁蔵
入会申出並ニ紹介者左ノ如シ
 加藤咄堂氏 (井上・姉崎両氏紹介)
 柴田一能氏 (佐藤・姉崎両氏紹介)
 本野一郎氏 (姉崎・成瀬両氏紹介)
 野田寛氏  (井上・姉崎両氏紹介)
 五島清太郎氏(成瀬・姉崎両氏紹介)
 馬場恒吾氏 (姉崎・成瀬両氏紹介)
 本多日生氏 (八代・佐藤両氏紹介)
       以上
例会出席者左ノ如シ
 加藤正義氏    渋沢栄一男
 姉崎正治氏    成瀬仁蔵氏
 石橋甫氏     八代六郎氏
 荘田平五郎氏   浮田和民氏
 佐藤鉄太郎氏   加藤玄智氏
 川島令次郎氏   土岐僙氏
 片山国嘉氏    本多日生氏《(次回ヨリ会員)》
 矢野茂氏     中島力造氏
 井上哲次郎氏   シドニー・ギユリキ氏
姉崎氏の報告、ピーボデーイ博士ト会見ノ事、同博士七日出発、姉崎成瀬両氏見送リノ事、会報ノ件
次ニ姉崎氏ハ「前回提出サレシ議、即開会前格言・訓言等ノ朗読ヲナス事トナシヽカ、其ノ方法ハ未ダ決定セサルモ、予ハ今月一ノ試トシテ朗読セントス、而シテ希望者ハ次回ヨリ少キトモ一週間前ニ幹事迄ニ回付スヘキ旨ヲ述ベラル」其ノ朗読文ハ別紙ノ如シ
之ヨリ講演ニ移ル(五時五十分開講)研究題目並主題者左ノ如シ
 法華経ヨリ見タル仏教        本多日生氏
                    (速記者野村寅次)
七時十五分講演終リ、八時廿分迄食事
次ニ批評並意見ニ移リ
浮田氏――本多日生氏ノ仏教ハ基教ト異ル事ナシ
本多氏――三国伝来ノ経路ヲ見レハ仏教・基教ノ融和ハ困難ニアラズ
姉崎氏――基督教ノ第四福音書ハ、其ノ内容・結構、法華経ト相似タリ、彼ノ緒言ハ則チ仏性論ナリ
井上氏――批評
ギユーリツキ氏――両者ニハ性質上ノ差異存ス
中島氏――キリスト教ハ常識哲学、仏教ハ独乙ノ唯心論ナリ、両者ノ
 - 第46巻 p.481 -ページ画像 
差ハ此等ノ点ヨリ来レリ、若シ基教ノ哲学ガアレキサンドリアノ哲学ナラバ、仏教ト合同シヤスシ
渋沢男――予ハ子供ノ時ヨリ仏教ニハ人倫ナシト思ヒテ嫌ヒタリ、而ルニ本多師ノ説ヲ聞キ、儒教ト異ル事殆トナキカ如シ
井上氏――人格ノ考ハ仏教ハ儒教ホド明ナラズ
其他姉崎・荘田・佐藤諸氏ノ批評意見アリテ閉会ス、時ニ午後十時廿分ナリ