デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

6章 学術及ビ其他ノ文化事業
1節 学術
7款 帰一協会
■綱文

第46巻 p.653-655(DK460164k) ページ画像

大正10年9月6日(1921年)

是日当協会、臨時会トシテ、アメリカ合衆国ニュー・ヨーク神学校教授ハリ・イー・フォスディック招待講演会ヲ、飛鳥山邸ニ開ク。栄一出席ス。


■資料

集会日時通知表 大正一〇年(DK460164k-0001)
第46巻 p.653 ページ画像

集会日時通知表  大正一〇年       (渋沢子爵家所蔵)
九月六日 火 午後三時 帰一協会主催
            フオスデツク博士講演会(飛鳥山邸)


(帰一協会)協会記事四(DK460164k-0002)
第46巻 p.653-655 ページ画像

(帰一協会)協会記事四          (竹園賢了氏所蔵)
   九月臨時会記事
支那巡廻講演の途次来朝されし米国著名の説教家フオスデック博士を招待し、本会臨時会として同博士の講演を聴く事とせり
九月六日○大正一〇年市外王子なる渋沢子爵邸を借り、一般会員外同好の士にも通知状を発し、同日午后三時より開催せり
当日会員出席者左の如し(次第不同)
 一戸兵衛氏     井上雅二氏
 今岡信一郎氏    内ケ崎作三郎氏
 浮田和民氏     大岡育造氏
 尾島真治氏     尾高豊作氏
 加藤玄智氏     鎌田栄吉氏
 岸本能武太氏    日下義雄氏
 黒田恒馬氏     五代竜作氏
 - 第46巻 p.654 -ページ画像 
 コールマン氏    阪井徳太郎氏
 斎藤七五郎氏    阪谷芳郎氏
 佐野善作氏     塩沢昌貞氏
 渋沢栄一氏     渋沢敬三氏
 白石喜太郎氏    添田寿一氏
 添田令夫人     添田敬一郎氏
 頭本元貞氏     頭本令夫人
 テンニー氏     テンニー令夫人
 土肥修策氏     内藤久寛氏
 成田勝郎氏     野口日主氏
 馬場恒吾氏     福岡秀猪氏
 穂積重遠氏     堀越善重郎氏
 堀越令夫人     鵜沢総明氏
 増田義一氏     目賀田令夫人
 森村開作氏     山内繁雄氏
 渡辺得男氏     松井茂氏
協会員外出席者左の如し(順序不同)
 フオスデツク博士  フオスデツク博士令夫人
 瓜生外吉氏     瓜生令夫人
 渋沢武之助氏    渋沢令夫人
 内田嘉吉氏     渋沢秀雄氏
 串田万蔵氏     土方久徴氏
 井深梶之助氏    斎藤惣一氏
 小崎弘道氏     山本邦之助氏
 今村正一氏     明石照男氏
 小畑久五郎氏    川尻氏
 ダツチヤー氏    ダツチヤー令夫人
 ロツブ令夫人    モロー氏
 渋沢正雄氏     渋沢令夫人
 ヂヨンデイー氏
当日の講演大要左の如し
 人種平等に対するクリスト教徒の態度 フオスデック博士
今世界は各国が分立して各自御国自慢などのみして居るが、之は偏狭なる感情から生ずる忌むべきものである
而も之は文明が進歩し各国民の接触が烈しくなるに従つて、反対に之の感情が高まり、各所に小悶着を起しつゝある有様である、此の情は人間の本然に発し仲々強いもので、古代から存したのである、キリスト教は平等主義に立つて居るが、此の方は事実の問題として仲々真の解決は困難である、選挙権の拡張も此を匡す為めに役立つし、教育に際しても此の匡正を普及すべきである、一世紀なり二世紀なりの間、人御互が尊重し行くならば、或は戦争は過去の夢と消える時代が来るかも知れぬ
ウイルソンの国際連盟にハーデング内閣が加はらないのを見て、米国人の正義に対する誠意をうたがふものがあるが、之について一言弁じ
 - 第46巻 p.655 -ページ画像 
ねばならぬ、吾等米人は、ウイルソンの主義に賛成だが、その政策と方法に不賛成だ、其故にハーデング氏を立てゝ、他の方面から此の主義の実現を期して居るのである、即ち今回の太平洋会議が、軍備制限を眼目として立ちたるは、此の所以である、戦争の禍害は非常なものである、私は米国よりの一使者とし諸君に申す、軍備制限が今度の会義の結果否決せらるゝ様な事があるとせば、其は実に米人の心が破れる事となるのである、平等の真理を宣伝し、永遠の平和を謳歌したいと思ふ
茶菓
講演終了後別席にて渋沢子爵の厚意により一同茶菓の供饗を受け、散会せり


竜門雑誌 第四〇一号・第五二頁 大正一〇年一〇月 ○フオスデツク博士講演会(DK460164k-0003)
第46巻 p.655 ページ画像

竜門雑誌  第四〇一号・第五二頁 大正一〇年一〇月
○フオスデツク博士講演会 青淵先生の関係深き帰一協会にては、過般来朝せる米国紐育ユニオン神学校教授フオスデイツク博士を招聘し九月一日午後三時《(六)》より曖依村荘に於て其講演を聴取したるが、当日は青淵先生を始め、阪谷男爵・瓜生男爵、其他帰一協会会員・日米関係委員会々員並に基督教青年会関係の有力なる諸氏八十余名出席し、極て盛会なりしと云ふ


渋沢栄一書翰 ハリ・エマソン・フォスディック宛 一九二一年一〇月八日(DK460164k-0004)
第46巻 p.655 ページ画像

渋沢栄一書翰  ハリ・エマソン・フォスディック宛 一九二一年一〇月八日
         (ハリ・エマソン・フォスディック氏所蔵)
           VISCOUNT SHIBUSAWA
           2 KABUTOCHO NIHONBASHI
               TOKYO
                     October 8, 1921
Dr. Harry Emerson Fosdick.
  Union Theological Seminary,
  New York, N. Y,
Dear Dr. Fosdick:
  It remains undisputed that your visit to the Orient and the addresses given both in China and Japan have greatly contributed to the cause of the better and higher civilization. It has been my privilege to listen to your addresses in public and your conversations in private interviews. Your graphic and eloquent comment on the terrible results of the recent war, pointing out the woefulness of the material civilization unguided by the spiritual power exactly expressed what I wanted to express.
  ……………
              Sincerely Yours,
                 渋沢栄一(署名)
                  E. Shibusawa.
  ○本資料第四十巻所収「関東大震災ニ対スル外国ノ援助」ニ、ハリ・イー・フォスディックノ書翰ヲ収ム。