デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

9章 其他ノ公共事業
7節 関係団体諸資料
3款 埼玉県人会
■綱文

第49巻 p.564-565(DK490190k) ページ画像

昭和4年1月(1929年)

是年当会、創立十七年ヲ機トシテ財団法人組織ニ改メントシ、是月栄一、県人有志ノ寄付ヲ慫慂ス。


■資料

渋沢栄一 日記 昭和三年(DK490190k-0001)
第49巻 p.564 ページ画像

渋沢栄一 日記 昭和三年        (渋沢子爵家所蔵)
一月十五日 朝来雪後半晴 寒甚シ
午前八時起床、昨夜ヨリ風邪ノ気ニテ朝来入浴ヲ廃シ洗面後朝食ス、畢テ埼玉県人会幹事石川雄之助氏来訪、本会ノ基金募集ノ件及本会ニ理事ヲ置キ且会務拡張ノ件ヲ談ス、猶加藤・山川両副会長ト協議シテ立案スヘキ事ヲ諭示ス ○下略


基金募集趣意書 並寄附者芳名簿(DK490190k-0002)
第49巻 p.564-565 ページ画像

基金募集趣意書 並寄附者芳名簿    (財団法人埼玉県人会所蔵)
粛啓
埼玉県人会も創立以来十七年間先輩各位の懇篤なる御指導と会員諸君の熱心なる御努力とに依り真面目に諸事業を遂行せるの結果、幸に社会の各方面より次第に重視せらるゝに至り会員数亦実に一千有余名と相成申候、此上は徒に現状を以満足する事なく、更に内容を充実して郷土の為国家の為に奉仕貢献するの礎地を造り置くことこそ緊要事ならんと存候、我埼玉県は帝国領土中宮城に最も接近するの故を以て、県民は常に全国民に率先して皇室の藩屏たるべき大責任を有するものと確信仕居候、然るに近来我国体と相容れざる思想の海外より潜入するに及び、漸く帝国の一部に国民思想の動揺を見るに至りたるは遺憾千万にして実に国家の一大事なりと痛感致候、真先に皇室衛護の大任
 - 第49巻 p.565 -ページ画像 
に当るべき県人諸君に於ては常に健実の思想を抱懐し忠勤を擢つるの必要を認め、一昨年の秋季懇親会席上に於て聊か愚見を陳し置候処、幸にして会員諸君の御賛成と熱心なる御後援とに依り、客年四月以来思想問題研究部を特設して県下各地に講演会を開催したり、本年も亦引続き活動を為す事に相成居候
加ふるに本会は政界に実業界に学界に軍人方面に其他各方面の会員より成立し、恰も全埼玉県の縮図とも見らるべきものに有之候得ば、会員諸君が一致協力して郷土愛の為に貢献せらるゝに於ては、最も顕著なる効果あるべきは疑なき事と存候
就ては会員も増加し社会の信用も加はり、其結束も鞏固ならんとする創立十有七年を機とし、有力なる県人各位より基本金の御寄附を仰ぎ進んで本会を法人組織と為し其機能を充分に発揮せしめ度希望に有之候間、時節柄恐縮の至に候得共郷土愛の為相当の御寄附被成下度此段得貴意候 敬具
  昭和四秊一月      埼玉県人会々長 渋沢栄一
   ○寄付者名簿略ス。
   ○当会ノ法人組織ヘノ改組ハ栄一ノ生前ニハ実現サレズ。昭和九年八月財団法人ノ認可ヲ受ク。