デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正4年11月5日（1915年）

是日、東京銀行集会所臨時総会開カル。栄一旅行中ニツキ早川千吉郎議長トシテ議事ヲ司宰シ、御大礼ニツキ賀表奉呈ノ件ヲ決シ、十日、会長栄一及ビ副会長早川千吉郎・同松方巌ノ名ヲ以テ、松方巌宮内省ニ出頭シテ奉呈ス。

銀行通信録　　第六〇巻第三六一号・第六二頁大正四年一一月
　○録事
　　　　○東京銀行集会所社員臨時総会
大正四年十一月五日午後一時開会、出席社員四十五行、人員四十七名にして、理事会長男爵渋沢栄一君旅行欠席に付、理事副会長早川千吉郎君議長席に着き、当日の議題たる御大礼に付、賀表奉呈の件を議に附し、先づ賀表を奉呈するや否やを諮りたるに満場一致を以て奉呈の事に決し、次に理事の手許に於て起草せる文案を朗読して同意を求めたるに、是亦満場一致を以て原案の通り可決し、尚ほ字句の修正を要
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する場合は理事に一任することに決し、右にて議事を終り午後一時二十分閉会せり
　　　　○賀表奉呈
当集会所理事副会長松方巌君は、十一月十日宮内省に出頭の上、別項臨時総会の議決に係る左の賀表を奉呈せられたり
　　　　　　賀表
海宇恢廓。祥烟横空。日月光華。瑞靄満地。恭惟
皇上陛下。維聖維神。徳斉天地。允武允文。明照中外。嚮者成践祚之鴻儀。以纘万世一系之統。今也行即位之大典、而受率土黎民之慶。臣等不任踴躍歓忭之至。玆以組合銀行総会之議。謹上表称賀以聞。
　　大正四年十一月十日
　　　　東京銀行集会所会長　従三位勲一等男爵渋沢栄一
　　　　同　　　　　副会長　従五位勲三等　　早川千吉郎
　　　　同　　　　　副会長　正四位　　　　　松方巌
　　○栄一、十月二十三日渡米ノ途ニツキ、大正五年一月四日帰国ス。本資料第三十三巻所収「第三回米国行」参照。