デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2017.12.19

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

1章 金融
4節 保険
1款 東洋生命保険株式会社
■綱文

第51巻 p.288-289(DK510076k) ページ画像

大正13年5月30日(1924年)

是月二十九日、大蔵大臣勝田主計ヨリ栄一ニ、当会社専務取締役木村雄次ノ転任ヲ要望スル旨ノ来書アリ。是日栄一、右ノ意向ニ副ヒ難キ旨ノ書翰ヲ発ス。


■資料

(勝田主計)書翰 渋沢栄一宛大正一三年五月二九日(DK510076k-0001)
第51巻 p.288-289 ページ画像

(勝田主計)書翰  渋沢栄一宛大正一三年五月二九日
                      (渋沢子爵家所蔵)
                  (別筆朱書)
                  大正十三年五月廿九日
                 大蔵大臣勝田主計氏来状
拝啓 兼而木村君之件ニ付御高配相煩居候処、唯今同君来訪、貴子爵ノ認諾無之趣承知致シ、然ルニ過日来御懇談ノ次第モ有之、昨日大倉男ニ面会、貴子爵モ木村君割愛ニハ同意可相成模様ニ付、御懇談相願度申置候行懸モ御坐候ヘバ、是非御割愛ノ御決心被成下、万事大倉男ト御協議被下候バ幸甚ニ奉存候、右至急御内意拝承致度、如斯ニ御坐候 頓首
  五月廿九日
 - 第51巻 p.289 -ページ画像 
                      主計
    渋沢子爵殿
        侍史


渋沢栄一書翰 木村雄次宛大正一三年五月三〇日(DK510076k-0002)
第51巻 p.289 ページ画像

渋沢栄一書翰  木村雄次宛大正一三年五月三〇日   (木村雄次氏所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然者昨夜之宴会席に於て一寸申上候勝田大蔵大臣より之来書ニ対してハ、別紙写之通り今朝回答仕候間御了承被下もしも尚貴方へ勧説有之候とも程能く御辞退被下候様懇請仕候、右可得貴意匆々如此御坐候 拝具
  五月三十日
                      渋沢栄一
    木村盟兄
       玉案下
(別紙、別筆)
華翰拝読、益御清適奉賀候、然ハ過日御内示有之候木村雄次氏身上之件ハ、昨日大倉男爵とも御面話之趣にて、再応御懇切之貴諭拝承いたし候、右者先日拝眉之際にも申上候通、現ニ木村氏担当之東洋生命保険会社之事務目下整理之途中ニ有之、今日同氏退任致候ハヽ百事廃頽に帰し可申に付、従来同会社之相談ニ応し居候小生としてハ何分同意難致、又木村氏とても是迄一身に引受社務改善に苦心致来候を此儘抛却ハ致兼候筈と存候
事情前陳之通に付、折角之御示命には候へとも木村氏転任之事ハ此際御容謝被下度候、尚委曲ハ其中拝趨詳陳可仕候、右之段奉復旁可得貴意如此御坐候 敬具
  大正十三年五月二十九日
                      渋沢栄一
    勝田大蔵大臣殿
          閣下
  尚々過刻之尊翰ハ他之宴会席に於て落手致候に付貴酬延引に相成候、御海容可被下候、尤も其席にて木村氏にも会見致候間、本文之次第予め申示置候 匆々不一