デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

2章 交通・通信
1節 海運
2款 東洋汽船株式会社
■綱文

第51巻 p.500-503(DK510106k) ページ画像

大正15年3月5日(1926年)

是日栄一、安田銀行代表結城豊太郎ヨリ、当会社ト日本郵船株式会社トノ合併成立ニツキ謝意ヲ表明セラレ、且記念品ヲ贈ラル。次イデ六月十二日、日本郵船株式会社社長白仁武・当会社社長浅野総一郎連署ニヨル礼状並ニ記念品ヲ受ク。


■資料

渋沢栄一 日記 大正一五年(DK510106k-0001)
第51巻 p.500 ページ画像

渋沢栄一 日記 大正一五年       (渋沢子爵家所蔵)
三月五日 朝雪後曇 寒
午前○中略結城豊太郎氏来リ、郵船・東洋併合成立ニ付債権者タル安田銀行ヲ代表シテ謝意ヲ述ヘ、屏風一双ヲ贈付セラル、浅野良三氏来リ東洋・郵船合併ニ付テノ契約書写ヲ持参ス○下略


(安田善次郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年三月(DK510106k-0002)
第51巻 p.500-501 ページ画像

(安田善次郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年三月 (渋沢子爵家所蔵)
(写)
謹啓 時下春暖相催し候処益御清祥之段奉慶賀候、陳者東洋汽船会社対郵船会社合同問題に関し先年来特別之御配慮相煩し候結果、今回円満有利に解決致し、東洋汽船と多大の債権関係を有する安田銀行の仕合此上無之、御恩誼之程深く奉感謝候、就ては御礼之印までに目録之通り御座右に呈し候間御笑納被成下候ハヾ光栄至極に奉存候、右御挨拶旁如斯御座候 頓首
  大正十五年三月
                     安田善次郎
    子爵 渋沢栄一殿
(別紙)
 - 第51巻 p.501 -ページ画像 
(写)
    目録
一、平福百穂筆六曲金屏風 壱双
      以上
  大正十五年三月
                     安田善次郎
    子爵 渋沢栄一殿


日本郵船会社対東洋汽船会社合併ノ件書類(DK510106k-0003)
第51巻 p.501 ページ画像

日本郵船会社対東洋汽船会社合併ノ件書類
                    (渋沢子爵家所蔵)
一、安田銀行手形債務 弐千弐百万円
一、社債(安田銀行ノ保証ナシ) 九百七拾万円
    外ニ償還期限マテノ利息六拾六万六千余円
一、東洋汽船株式会社カ其所有汽船八隻其他ノ譲渡ニ因リテ、日本郵船株式会社ヨリ交付ヲ受クヘキ同社株式ハ、全部之ヲ東洋汽船株式会社ノ所有タラシメ、之ヲ当行カ東洋汽船株式会社ニ対シテ現ニ有スル手形債務ノ担保タル右汽船八隻ノ代リ担保トスルコト
二、手形債務ノ利息ハ担保株式ノ配当金ヲ以テ之ニ充ツルコト
三、償還未済ノ東洋汽船株式会社々債及其利息ハ之ヲ当行ニテ負担シ貸金ニ振替ヘ、当行代ツテ社債権者ニ償還シ、其債務ニ対シテハ運送船全部ヲ担保トスルコト
四、担保株式ノ処分方法時機一切ハ当行ノ任意ヲ以テシ、之ヲ手形債務ノ元金償還ニ充ツルモノトス
  若シ其売却代金ニ余剰ヲ生シタルトキハ、社債ノ内入償還ヲナスコト
五、前項債務ハ会社ノ収益ヲ以テ返済スルコト


(浅野総一郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年三月二六日(DK510106k-0004)
第51巻 p.501 ページ画像

(浅野総一郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年三月二六日
                     (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 漸ク春暖相催候処愈御清穆被為在候段奉慶賀候、陳者今回東洋汽船会社ニ於テハ御高配ニ依リ日本郵船会社ト一部ノ合併ヲ決行スルノ運ト相成候ニ付テハ、同社創業以来御尽力被下候旧役員ノ方々ト一夕御懇話申上度、来三十一日午後五時より拙宅ニ於テ小宴相設候間、御多忙中誠ニ恐縮之至ニ御座候得共、御繰合御賁臨之栄ヲ賜ハリ候ハヽ幸甚ニ御座候、先ハ御案内申上度如此ニ御座候 敬具
  大正十五年三月二十六日
                      浅野総一郎
    子爵 渋沢栄一殿閣下


(白仁武浅野総一郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年六月一二日(DK510106k-0005)
第51巻 p.501-502 ページ画像

(白仁武浅野総一郎) 書翰 渋沢栄一宛 大正一五年六月一二日
                    (渋沢子爵家所蔵)
               (別筆朱書)
               大正十五年六月十二日
               日本郵船会社々長白仁武氏
                              来状
               東洋汽船会社々長浅野総一郎氏
 - 第51巻 p.502 -ページ画像 
粛啓
今般日本郵船株式会社に東洋汽船株式会社南北両米定期航路を合併の儀に就ては、閣下は海運国策上の大局より深く御高慮を運らされ、井上準之助氏・男爵郷誠之助氏と倶に居中御斡旋被成下、以御蔭右無滞完了致候段洵に感謝に不堪所に御座候、是れ独り両社の欣幸に止まらず亦邦家の為め御同慶の至りに奉存候
玆に下名は各自会社を代表して謹て感謝の意を表し、併せて右記念として別紙目録の通り贈呈仕候間、御受納被成下候はゞ、幸甚此事に奉存候 敬具
  大正十五年六月十二日
                  日本郵船株式会社
                   社長 白仁武
                  東洋汽船株式会社
                   社長 浅野総一郎
    子爵 渋沢栄一閣下
(別紙)
    目録
銀製
舶用伝令器型置物 壱基
  大正十五年六月十二日
                  日本郵船株式会社
                   社長 白仁武
                  東洋汽船株式会社
                   社長 浅野総一郎
    子爵 渋沢栄一閣下


竜門雑誌 第四五四号・第一〇五頁大正一五年七月 青淵先生動静大要(DK510106k-0006)
第51巻 p.502 ページ画像

竜門雑誌 第四五四号・第一〇五頁大正一五年七月
    青淵先生動静大要
      六月中
十二日 ○上略 日本郵船会社より案内(上野精養軒)


中外商業新報 第一四四七五号大正一五年六月一三日 郵船と東汽の合併完了報告 安達逓相並に斡旋役を招待して(DK510106k-0007)
第51巻 p.502-503 ページ画像

中外商業新報 第一四四七五号大正一五年六月一三日
    郵船と東汽の
      合併完了報告
        安達逓相並に斡
        旋役を招待して
日本郵船と第二東洋汽船会社の合併はこの程全部の手続きを完了せるにつき、日本郵船・東洋汽船両社長が主催となつて、十二日正午上野精養軒に当時合併成立に多大の援助を為された安達逓相並に産婆役を務めた渋沢子・郷男・井上準之助の四氏を招待し、合併報告を兼ねて午餐会を催した、席上白仁郵船社長及び浅野東洋汽船社長の挨拶に対し、安達逓相・渋沢子爵から答辞を兼ねて希望意見を述べられ、午後二時半散会した、安達逓相の希望意見大要左の如し
 我国の如き島国は海商立国主義を以つて進まねばならぬとは余も夙
 - 第51巻 p.503 -ページ画像 
に認めその発達助成に努めてゐる、今回東洋汽船社長浅野総一郎氏が多大の苦心と努力とを払つて開設した北米航路を、日本郵船会社が併合した、ついては浅野氏の努力に対し、かつまた国家海運の為め、郵船会社当事者に於て充分使命を完ふするやう希望すると同時に、その維持発展を期待するものである
   ○栄一答辞筆記ヲ欠ク。