デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

2章 交通・通信
3節 航空
1款 財団法人帝国飛行協会
■綱文

第51巻 p.569-573(DK510121k) ページ画像

大正5年6月2日(1916年)

是日、当協会、国民飛行会、ニュー・ヨーク日本協会協賛会及ビ日米関係委員会ノ四団体合同主催ニ係ル、アメリカ合衆国飛行家アート・スミス送別晩餐会、帝国ホテルニ開カル。栄一出席シ、主催者ヲ代表シテ挨拶ヲ述ブ。


■資料

集会日時通知表 大正五年(DK510121k-0001)
第51巻 p.569 ページ画像

集会日時通知表 大正五年         (渋沢子爵家所蔵)
六月二日 金 午後六半時 アート・スミス氏送別会(帝国ホテル燕尾服又ハ羽織袴)


日本航空史 高橋重治編 坤・第六四〇―六五一頁昭和一一年四月刊(DK510121k-0002)
第51巻 p.569-573 ページ画像

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冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

日記から アート・スミス著 アート・スミス飛行会編 第一七七―一七九頁 大正五年九月刊(DK510121k-0003)
第51巻 p.573 ページ画像

日記から アート・スミス著アート・スミス飛行会編 第一七七―一七九頁大正五年九月刊
    宴会
○上略
 六月二日、大隈伯・渋沢男・長岡中将・中野武営の諸氏は余の為めに送別会を催した、場所は帝国ホテルで余が生れて以来出席せる最も荘麗なる光輝ある宴会であつた。
 知名の来賓中に蜂須賀侯爵・金子子爵・三井男爵・近藤男爵・後藤男爵・島村中将・奥田市長・添田博士・田中館教授等の歴々があつた其他出席の五十名の人々は官界或は実業界に在つて何れも錚々たる名士で、日本国内で誰知らぬ者もない人々であつた。
 此宴会に出席するに当つて余の感じたる最大の愉快は此宴会が四大団体の主催に成ることであつた、四大団体とは即ち帝国飛行協会、紐育の日本協会の評議員会、国民飛行協会及日米関係委員会であつた、此内二団体は日本に於ける飛行の発達奨励を目的とするもの、二団体は日米間の親善を図るものであつた、此等の四団体、特に日本の知名の人士を網羅せる団体の主催の宴会は余に取つて大なる意義を有するのである。
 渋沢男爵・奥田市長・長岡中将及田中館博士は出席者の好意を余に伝達し、最も鄭寧懇篤なる演説を余の為めになされた。
 此る好意と賞讚の演説に対して答辞を述ぶることは、余に取つて大事業であつた、余の心は感謝に溢れ心魂に徹して、人々の厚意を感じたけれども、之を言ひ表はす適当の言葉を見出すことを得なかつた。
○下略