デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

2章 交通・通信
4節 通信
1款 日本無線電信株式会社
■綱文

第52巻 p.101-109(DK520010k) ページ画像

大正14年10月20日(1925年)

是月一日、当会社創立ニ関スル相談会、東京銀行倶楽部ニ開カレ、栄一出席ス。次イデ是日、当会社創立総会、日本工業倶楽部ニ開カル。栄一設立委員長トシテ出席シ、取締役及ビ監査役ノ選任ニ当リ之ヲ指名ス。

同三十日、栄一当会社設立委員長ヲ免ゼラル。


■資料

日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0001)
第52巻 p.101 ページ画像

日本無線電信会社創立書類         (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  大正十四年八月十三日
            日本無線電信株式会社
             設立委員長 子爵 渋沢栄一
         (宛名タイプ)
    設立委員 子爵 渋沢栄一殿
前略 当会社株式募集の成績は御尽力の結果予想外の好成績に了り、二十五万株の公募に対し二百七十四万八千四百五十株、即ち約拾壱倍の募入超過と相成御同慶の至に不堪、右不取敢御報告而已如此御座候
                           早々
 猶申込株数に対しては八月末日までに割当確定、九月一日前後を以て右割当株数に拠り第一回株金払込の通知相発し候様、諸般手続可仕予め左様御承知戴度奉存候
  ○栄一ノ引受株ハ一、六〇〇株ナリ。第二期ヨリ渋沢同族株式会社々長渋沢敬三ニ名儀変更ヲナセリ。


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0002)
第52巻 p.101 ページ画像

日本無線電信会社創立書類        (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  大正十四年九月廿九日
         日本無線電信株式会社
          設立委員長 子爵 渋沢栄一
    (宛名タイプ)
    子爵 渋沢栄一様
敬啓 御協議申度次第有之、来る十月一日正午丸ノ内銀行倶楽部に於て小集相催候間、毎々御迷惑ながら御来会相願度、右御案内の為得貴意候 頓首


集会日時通知表 大正一四年(DK520010k-0003)
第52巻 p.101 ページ画像

集会日時通知表  大正一四年     (渋沢子爵家所蔵)
十月一日 木 正午 日本無線電信会社創立ニ関スル相談会(銀行クラブ)


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0004)
第52巻 p.101-102 ページ画像

日本無線電信会社創立書類       (渋沢子爵家所蔵)
             特別委員
    十月一日           団琢磨君
    銀行倶楽部ニ於て      ○郷誠之助君
    午餐旁相談ノ事       ○結城豊太郎君
 - 第52巻 p.102 -ページ画像 

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                   ○木村久寿弥太君  (栄一鉛筆)            各務謙吉君《(各務鎌吉)》  此集会ニ於テ他日創         矢野恒太君  立総会ニ於ル重役選         佐々木勇之助君  挙ノ方法及其人名等        ○藤田平太郎君  予メ打合致シ候事         ○原富太郎君                   ○湯川寛吉君 



          常務委員
                   岩原謙三君
                   串田万蔵君
                   内田嘉吉君
                   門野重九郎君
                   (栄一鉛筆)
                   渋沢中島東郷ノ三氏ヲ加ヘ合計十一名集会相成候事


(結城豊太郎)書翰 渋沢栄一宛(大正一四年)一〇月六日(DK520010k-0005)
第52巻 p.102 ページ画像

(結城豊太郎)書翰  渋沢栄一宛(大正一四年)一〇月六日
                     (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 昨日ハ拝鳳益御健祥ニ被為渉奉恭賀候、御内示之無線電信会社監査役之件、相談仕候結果御請致す事ニ相成申候間可然御取計被下度拝答旁々如此御座候 草々
  十月六日
                       豊太郎
    渋沢老大人
        侍曹


渋沢栄一書翰 控 松方幸次郎宛大正一四年一〇月一五日(DK520010k-0006)
第52巻 p.102 ページ画像

渋沢栄一書翰 控  松方幸次郎宛大正一四年一〇月一五日  (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然ば予て御賛助被下候日本無線電信会社創立の義は諸事好都合に進捗致、愈来二十日創立総会開催の運と相成候処当日の議題の内、重役選挙の義は委員長の指名により決定の事に可相成と存候に付ては、自然老生指名致候事と存候、右様の場合には是非貴台の御出馬を煩はし度に付、監査役に御指名致度と存候間、御多忙中誠に御迷惑の段万々御察し致候得共、抂けて御引受被下度候、右予め御願申上度如此御座候 敬具
  大正十四年十月十五日
                      渋沢栄一
    松方幸次郎殿


渋沢栄一書翰 控 稲畑勝太郎宛大正一四年一〇月一五日(DK520010k-0007)
第52巻 p.102-103 ページ画像

渋沢栄一書翰 控  稲畑勝太郎宛大正一四年一〇月一五日  (渋沢子爵家所蔵)
拝啓 益御清適奉賀候、然ば日本無線電信会社創立之義は諸事都合よく進捗し、愈来二十日創立総会開催の運と相成候処、当日の議題の内重役選挙の義は委員長の指名により決定の事に可相成と存候に付ては小生指名を引受る事と可相成と存候、右様の場合には予ての御内話も有之候間、貴台をも御指名致度候、尤も種々考慮の結果、地方有力者
 - 第52巻 p.103 -ページ画像 
各位には監査役を御願致度と有候間、貴台にも亦監査役御引受願度と存候に付、何卒御承引被下度候、右予め得貴意度如此御座候 敬具
  大正十四年十月十五日
                     渋沢栄一
    稲畑勝太郎殿


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0008)
第52巻 p.103 ページ画像

日本無線電信会社創立書類        (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  大正十四年十月六日
         日本無線電信株式会社
          設立委員長 子爵 渋沢栄一
         (宛名タイプ)
    設立委員 子爵 渋沢栄一殿
拝啓 秋冷の候弥御清勝奉賀候、陳者各位の御尽力に依り本月廿日於東京丸之内日本工業倶楽部、日本無線電信株式会社創立総会開催の運に至り候儀御同慶至極に奉存候、就ては同日の総会前特に御報告旁々御協議申上度次第有之、左記の通り設立委員総会開催可致候間、何卒御来会相願度右御案内の為得貴意候 敬具
  日時 大正十四年十月廿日午前九時半
  場所 東京丸之内  日本工業倶楽部


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0009)
第52巻 p.103 ページ画像

日本無線電信会社創立書類         (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    創立総会通知書
拝啓 陳者当会社創立総会ヲ左記ノ通リ開催可致候間御出席被下度、此段御通知申上候
  日時 大正十四年十月 日午 時
  場所 東京市  区   町  番地

  会議ノ目的
  一、設立委員ヨリ会社創立ニ関スル事項ノ報告
  二、取締役及監査役ノ選任
  三、取締役及監査役又ハ検査役ヨリ、株式総数ノ引受及第一回払込ノ有無並ニ財産出資及設立費用ノ正否等、設立手続ノ調査報告
  四、取締役及監査役ノ報酬
 追テ創立総会ニハ、株式引受人ノ半数以上ニシテ資本ノ半額以上ヲ引受ケタル者出席スルヲ要スル次第ニ付、万一自身御出席無之時ハ別紙委任状ヘ御引受確定株数ヲ記入シ御記名被下、予テ御届出相成居候印鑑ヲ御捺印ノ上御返送相成度此段為念申添候
  大正十四年九月 日
            日本無線電信株式会社
             設立委員長 子爵 渋沢栄一
          殿

 - 第52巻 p.104 -ページ画像 

日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0010)
第52巻 p.104-106 ページ画像

日本無線電信会社創立書類        (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
    日本無線電信株式会社創立総会次第
     十月二十日於日本工業倶楽部
   午前十時開会
一、設立事務報告
二、取締役及監査役ノ選任
   休憩
三、取締役・監査役ノ選任ニ対スル逓信大臣ノ認可報告、及取締役ノ設立事項調査報告
四、取締役及監査役ノ報酬決議
                       以上

    日本無線電信株式会社設立事務報告書
不肖等本年五月下旬政府ヨリ設立委員ニ任命セラレ、爾来会社設立ニ関スル諸般ノ事務ヲ執行シ来リシカ、幸ニ各位ノ多大ノ御賛助ニ依リ予定ノ進捗ヲ見、本日玆ニ創立総会ヲ開催スルコトヲ得ルニ至リタルハ不肖等ノ衷心欣快ニ堪ヘサル所ナリ、今左ニ設立事務ノ経過ヲ略述シ各位ノ承認ヲ請ハントス
一、六月二十二日設立委員総会ヲ開キ、定款・設立趣意書・起業目論見書及収支計算書作成ノ件、並株主募集方法及株式割当方法等ヲ審議シ、特別委員ニ定款認可申請・株主募集及株式割当ノ実行、其他会社設立ニ関シ必要ナル一切ノ事項ヲ委任ス
一、日本無線電信株式会社法第十九条ノ規定ニ依リ、大正十四年七月十三日附ヲ以テ定款認可申請書ヲ逓信大臣ニ提出ス
一、同月十五日附ヲ以テ逓信大臣ヨリ定款認可ノ指令ヲ受ク
一、総株数四十万株ノ内、四万六千株ハ現物出資ニ対シテ政府ニ提供シ、官吏及特殊銀行ヲ代表スル委員等ヲ除キタル設立委員ニ於テ十万四千株ヲ引受ケ、残余ノ二十五万株ヲ一般ヨリ募集スルコトトナセリ
一、七月二十二日募集要項ヲ発表シ、七月二十七日ヨリ株式申込受付ヲ開始シ、八月十日ヲ以テ締切リタルカ、応募株数二百七十四万四千四百三十株口数六千六百五口ニ達シタルニ付、大体按分比例ニ依リ全部ノ申込者ニ洩レナク割当ヲ為スコトヽセリ
一、日本無線電信株式会社法第二十一条ノ規定ニ依リ、八月二十五日附ヲ以テ株式申込証ヲ逓信大臣ニ提出シ其ノ検査ヲ申請ス
一、八月二十九日附ヲ以テ、逓信省電務局長ヨリ申込証検査ノ結果支障無之旨ノ通牒ヲ受ク
一、八月二十九日附ヲ以テ、各株式申込人ニ対シ株式割当ノ通知ト共ニ第一回払込金ニ充当シタル金額ヲ差引キタル残余ノ申込証拠金返還ノ通知ヲ発ス
一、政府ヨリ其ノ出資財産全部ノ引渡ヲ受ケ、且第一回ノ払込完了シタルヲ以テ、九月三十日附ヲ以テ創立総会ヲ十月二十日午前十時日本工業倶楽部ニ於テ開催スヘキ旨各株式引受人ニ通知ヲ発ス
 - 第52巻 p.105 -ページ画像 
                          以上
    調査報告書
商法第百三十四条ノ規定ニヨリ当会社設立手続ニ付調査報告ヲ為スコト左ノ如シ
一、株式総数ノ引受
  総株式中設立委員ニ於テ引受ケタル十万四千株、及政府ノ財産出資ニ対スル割当株四万六千株ヲ差引キタル二十五万株ニ付テハ、大正十四年七月二十七日一般公募ヲ開始シ、同年八月十日之ヲ締切リタル処、応募株数ハ募集株数ニ約拾壱倍スルノ好成績ヲ得タリ、仍テ同月二十九日之カ割当ヲ確定シ、全株式ノ引受済ナルコトハ定款・引受証・株式申込証並ニ株式割当表ニヨリ之ヲ認ム
二、政府財産出資以外ノ株式ニ付、第一回払込金拾弐円五拾銭宛ノ払込アリタル事実ハ払込取扱銀行ヨリノ報告書ニヨリ之ヲ認ム
三、金銭以外ノ財産出資ノ正否
  政府出資ニ係ル財産即チ定款第九条記載ノ物件ノ明細書ハ別表ノ如クニシテ、右ハ設立委員ニ於テ已ニ引受ヲ了シ、尚之ニ対シテ全額払込済株式四万六千株ヲ与フルコトハ正当ナリト認ム
四、設立費用ハ合計金 ニシテ、費用明細書及受取証等ニヨリ何レモ正当ノ支出ナリト認ム

    創立総会決議録
大正十年十月二十日午前十時、東京市麹町区永楽町弐丁目壱番地日本工業倶楽部ニ於テ当会社創立総会ヲ開ク
一、総株式数     四十万株
  株式引受人総数  六千五百八十七名
  出席引受人数            名○三、九五〇名
   但内本人     名○六五名 代理           名○三、八八五名
  議決権行使数            株○三二〇、六八四株
   但内本人     株○七四、九五九株 代理      株○二四五、七二五株
一、設立委員長子爵渋沢栄一氏ハ設立委員ヲ代表シテ開会ヲ宣シ、議事ニ入ル旨ヲ告ク
一、創立ニ関スル事項報告
  全設立委員ヲ代表シテ男爵中島久万吉氏ヨリ創立ニ関スル一般ノ経過ヲ報告シタルニ、満場異議ナク之ヲ承認シタリ
一、取締役・監査役ノ選任
  株式引受人     氏ヨリ議長ノ指名ニ一任スルコトノ動議ヲ提出シ、満場一致ノ承認アリタルヲ以テ、議長ハ左ノ通リ指名シタリ
               取締役
               同
               同
               同
               同
 - 第52巻 p.106 -ページ画像 
               取締役
               同
               同
               同
               同
               監査役
               同
               同
   同但右ノ中     氏○五島駿吉ハ株式引受人ニ非サルヲ以テ設立登記ノ日ヨリ一ケ月以内ニ、定款第二十一条ニ定ムル所要数ノ株式ヲ取得スルコトヲ条件トシテ予メ取締役ニ選任シ度旨宣言シ、満場異議ナク之ヲ承認シタリ
  尚満場一致ヲ以テ右決議ニ関シ、逓信大臣ニ認可申請ノ件ヲ設立委員長ニ委任セリ
  依テ一時休憩ノ後、右取締役及監査役ノ選任ニ付逓信大臣ノ認可アリタルコトヲ報告シタリ
一、取締役及監査役ヨリ設立手続ノ調査報告
  取締役及監査役全員ハ、商法第百三十四条所定ノ事項ニ付調査ヲ為シタル上別紙報告書ヲ作成シ、取締役内田嘉吉氏ハ全取締役及監査役ヲ代表シテ右報告書ニ基キテ総会ニ報告シ、満場異議ナク之ヲ承認シタリ
一、取締役及監査役ノ報酬ノ件
  株式引受人     氏ヨリ議長ニ一任スル動議アリ
  満場異議ナク議長ハ直チニ報酬金総額ヲ    円トシ、各員ニ対スル報酬金額ハ重役会ニ一任シ度旨宣言シ、満場異議ナク之ヲ承認シタリ
   大正十四年十月二十日
               議長
               株式引受人
               同


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0011)
第52巻 p.106-107 ページ画像

日本無線電信会社創立書類         (渋沢子爵家所蔵)
(封筒表)

   十四年九月廿五日
   中島男爵持参
   日本無線電信会社設立ニ関スル重要書類

        取締役候補

図表を画像で表示取締役候補

  (栄一墨書)              ○岩原謙三君  十四年九月廿六日             井阪孝君《(井坂孝)》  桑山次官来訪之節            ○東郷安君  本件に関し談話の一節          ○門野重九郎君  現大臣ハ田中二郎と申人を、犬      ○中島久万吉君  養前大臣ハ杉清蔵といふ人を推      ○内田嘉吉君  以下p.107 ページ画像   薦之由申聞らる、又稲田局長之      ○串田万蔵君  事ニ付而ハ必要とあらは現大臣       喜多又蔵君  ハ今一応篤と申談、可成同意之       弘世助太郎君  事ニ相勉可申との事            五島駿吉君 



        監査役候補
                 ○稲畑勝太郎君
                  松方幸次郎君
                  (安田家代表)


東京朝日新聞 第一四一五六号大正一四年一〇月二二日 年寄の冷水 渋沢翁の飲納め(DK520010k-0012)
第52巻 p.107 ページ画像

東京朝日新聞  第一四一五六号大正一四年一〇月二二日
    年寄の冷水
      渋沢翁の飲納め
◇長い間の懸案であつた日本無線電信会社も、二十日の総会で無事出来上つた。その席上創立委員長渋沢老人、付添ひのものが持つて来た散薬と水薬をのみながら気焔一席。
◇『私は大正五年財界を隠退して、会社組織のことは一切関係せぬことにしたにも拘らず、かうして創立委員長になつて世話することは自分を欺き世間からは出しやばると非難され甚だ心苦しい。
◇が中島さんの話もあつた通り、私もワシントン会議の時アメリカに行つてゐて、日本の通信上の不便を痛感した、海底電信のことも考へた、そこで皆さんの仲間入りして世話焼くやうになつた。
◇しかしもう私も老衰した、年寄の冷水を今後又一杯飲みたいなどとは断じて言はぬ、安心してもらひたい』○下略


集会日時通知表 大正一四年(DK520010k-0013)
第52巻 p.107 ページ画像

集会日時通知表  大正一四年     (渋沢子爵家所蔵)
十月三日  土 午前八半時 桑山鉄男氏来約(飛鳥山邸)
  ○中略。
十月五日  月 午後二時 東郷安男来約(事務所)
  ○中略。
十月八日  木 午前九時 内田嘉吉氏来約(あすか山邸)
  ○中略。
十月十四日 水 午前十一半時 中島久万吉男ト御会見(帝国ホテル)
        正午    日本無線会社ノ件(帝国ホテル)
  ○中略。
十月十六日 金 正午前 中島久万吉男ト御会見(銀行クラブ)
  ○中略。
十月二十日 火 午前九半時 日本無線電信株式会社創立委員総会(日本工業クラブ)


日本無線電信会社創立書類(DK520010k-0014)
第52巻 p.107-108 ページ画像

日本無線電信会社創立書類        (渋沢子爵家所蔵)
(印刷物)
拝啓 時下弥御清祥奉賀候、陳者去十月二十日開催ノ当会社創立総会ニ於ケル決議事項ハ全部滞リナク議了シ、十一月二日設立登記完了致
 - 第52巻 p.108 -ページ画像 
候間御了承相成度候、尚取締役及監査役ハ左記ノ通リ就任シ、会社事務所モ表記ヘ移転致候間、此段御報告旁御通知申上候 敬具
                取締役社長 内田嘉吉
                常務取締役 東郷安
                同     五島駿吉
                取締役   岩原謙三
                同     井坂孝
                同     門野重九郎
                同     中島久万吉
                同     串田万蔵
                同     喜多又蔵
                同     弘世助太郎
                監査役   稲畑勝太郎
                同     松方幸次郎
                同     結城豊太郎
  尚株券ハ目下発行手配中ニ有之大正十五年一月末出来ノ予定ニ有之候間御諒承置相成度候
 大正十四年十一月二十一日
              日本無線電信株式会社
               取締役社長 内田嘉吉
        殿


官報 第三九五七号大正一四年一一月二日 叙任及辞令(DK520010k-0015)
第52巻 p.108 ページ画像

官報  第三九五七号大正一四年一一月二日
    叙任及辞令
             正三位勲一等 子爵 渋沢栄一
日本無線電信株式会社設立委員長被免(十月三十日内閣)


集会日時通知表 大正一五年(DK520010k-0016)
第52巻 p.108 ページ画像

集会日時通知表  大正一五年     (渋沢子爵家所蔵)
四月九日 金 午前九時 中島久万吉男来約(飛鳥山邸)
  ○中略。
四月十四日 水 午後二半時 東郷安男ト御会見(事務所)


(増田明六)日誌 大正一五年(DK520010k-0017)
第52巻 p.108 ページ画像

(増田明六)日誌  大正一五年     (増田正純氏所蔵)
十月十一日 月 晴                出勤
正午日本無線電信会社内田社長に招かれ、帝国ホテルに於て午餐の饗を受く、同社設立前渋沢子爵の許にありて幾分か御手伝したる廉を以て子爵の御相伴に招かれたる次第なり、来会者ハ社長内田嘉吉氏・専務東郷男・取締役中島久万吉男を主人側として、渋沢子爵ハ主賓、小生ハお相伴合計五名なり、鄭重なる饗ニ預かり午後二時子爵の自動車ニ同乗して事務所に帰る
○下略


渋沢栄一翁 白石喜太郎著 第八六三頁昭和八年一二月刊(DK520010k-0018)
第52巻 p.108-109 ページ画像

渋沢栄一翁 白石喜太郎著  第八六三頁昭和八年一二月刊
 ○第六篇「晩秋」三 世話業
 - 第52巻 p.109 -ページ画像 
    その三 日本無線電信会社
○上略
 斯く記し来ると、唯単に形式的に設立委員長となり、創立総会の議長のみを勤めたのみと解釈される恐がないでもない。見様によつては左様であつたかも知れない。然し政府との交渉が順調に進み、株式の募集が稀に見る成績を挙げたゞけでは会社は出来ない。重役の選任、幹部の決定が問題である。設立委員長たる子爵が重役にならない以上副委員長たりし中島男爵が当然社長たるべきであつた。然るに実際は内田嘉吉が其位置に据つた。其間子爵が如何に苦心したかは想像に難くないであらう。詳細を記すことを避け、唯単に形式的の設立委員長でなかつたことを明記して置きたい。
○下略