デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

大正2年7月31日（1913年）

是日、内務大臣原敬、有力実業家約三十名ヲ官邸ニ招キテ、東北振興ニ関シ懇談ス。栄一出席シ、益田孝・大倉喜八郎・根津嘉一郎・大橋新太郎ト共ニ、調査委員ニ挙ゲラル。次イデ十月二日、同官邸ニ於テ、実業家招待晩餐会開カレ、栄一出席ス。当会ノ設立成ルヤ、栄一、推サレテ会頭トナル。

竜門雑誌　　第三〇五号・第六〇頁　大正二年一〇月
○東北振興研究会　東北地方の産業振興策に就ては青淵先生にも多年留意せられたる処なるが、去六月下旬原内相邸《（七月）》に催ほされたる協議会に於いても調査委員に推挙せられ、尚ほ十月二日午後六時より原内相の招待に応じて同官邸に参集し協議したる由なるが、当夜は各自意見を述べたるに止まりて具体的案を決定するに至らず、目下地方官を経て蒐集しつゝある調査材料の纏まりたる上にて、更に会合を為し其の方針を定むる筈なりと云ふ。

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

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東北振興史　浅野源吾編　　上巻・第五〇七頁　昭和一三年八月刊
　○第七章　東北振興会最後の施設
　　　　東北振興研究会
　東北地方の産業振興策に就ては、渋沢男爵には多年留意せられたる処なるが、大正二年六月下旬原内相邸《（マヽ）》に催されたる協議会に於ても調査委員に推挙せられ、尚ほ十月二日午後六時より原内相の招待に応じて同官邸に参集し協議したるが、当夜は各自意見を述べたるに止まりて具体的案を決定するに至らず、目下地方官を経て蒐集しつゝある調査材料の纏まりたる上にて更に会合を為し、其の方針を定むる事と為せり。

東北振興史　浅野源吾編　　上巻・第一―三頁　昭和一三年八月刊
　　第一章　東北振興会の事業
　　　　東北振興会規則
第一条　本会ハ実業家中ノ有志ヲ以テ組織シ、東北振興会ト称シ、事務所ヲ東京ニ置ク
第二条　本会ハ福島・宮城・山形・秋田・岩手・青森六県管内ノ産業ヲ振興シ、福利ヲ増進スルヲ以テ目的ト為ス
第三条　本会ハ会頭一名、委員若干名ヲ置ク、会頭・理事及委員ハ総会ニ於テ之ヲ選挙ス
第四条　会頭ハ会務ヲ統轄シ、理事ハ会頭ノ命ヲ承ケ会務ヲ処理ス、委員ハ要件ヲ議決ス
第五条　総会委員会ハ会頭之ヲ召集ス
 - 第56巻 p.189 -ページ画像 
第六条　会員ハ毎年金五拾円以上ヲ醵出スルモノトス
　　　　附則
第七条　本会事務所ヲ東京市神田区錦町二丁目一番地大日本蚕糸会内ニ置ク

　　　　東北振興会役員
　会頭男爵　渋沢栄一　　委員　益田孝　　　男爵　大倉喜八郎
　　　　　　大橋新太郎　　　　志村源太郎　　　　根津嘉一郎
　　　　　　加藤正義　　　　　村井吉兵衛　理事　吉池慶正

　　　　東北振興会々員（イロハ順）
　　　男爵　岩崎久弥　　　　　井上準之助　　　　今井五介
　　　　　　今西林三郎　　　　池田成彬　　　　　飯田義一
　　　　　　磯村豊太郎　　　　原六郎　　　　　　原富太郎
　　　　　　早川千吉郎　　　　星野錫　　　　　　豊川良平
　　　　　　大谷嘉兵衛　　　　尾沢琢郎　　　　　若尾幾造
　　　　　　渡辺治右衛門　　　渡辺勝三郎　　　　渡辺福三郎
　　　　　　川崎八右衛門　　　梶原仲治　　　　　神田鐳蔵
　　　　　　高田慎蔵　　　　　田辺貞吉　　　　　田中平八
　　　　　　田中長兵衛　男爵　高橋是清　　　　　団琢磨
　　　男爵　園田孝吉　　　　　左右田喜一郎　　　中村房次郎
　　　　　　村井貞之助　　　　野田卯太郎　　　　久原房之助
　　　　　　窪田四郎　　　　　倉知誠夫　　　　　柳谷卯三郎
　　　　　　安田善三郎　　　　山本留次　　　　　松方巌
　　　　　　松方五郎　　　　　馬越恭平　　　　　増田増蔵
　　　　　　藤田謙一　　　　　藤原銀次郎　男爵　藤田平太郎
　　　男爵　古河虎之助　　　　小池国三　　　　　安部幸兵衛
　　　　　　朝吹常吉　　　　　佐竹源造　　　　　薩摩治兵衛
　　　　　　美濃部俊吉　男爵　三井八郎右衛門　　志立鉄次郎
　　　　　　白石元治郎　　　　日比谷平左衛門　　茂木惣兵衛
　　　　　　末延道成　　　　　杉原栄三郎　男爵　住友吉左衛門
○下略

青淵先生職任年表　（未定稿）　昭和六年十二月調　竜門社編
　　　　　　　　　　　　　　　　竜門雑誌第五一九号別刷・第一七頁　昭和六年一二月刊
　　　　大正年代
　年　月
　二　六　―東北振興会々頭昭和二、三。　○下略
　　　○右会頭就任年月ヲ大正二年六月トアルモ、当会設立ノ年月及ビ会頭就任時期ニ関スル資料見当ラズ。