デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

  詳細検索へ

公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2020.3.6

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

2部 実業・経済

8章 政府諸会
1節 諮問会議
7款 製鉄鋼調査会
■綱文

第56巻 p.609-623(DK560139k) ページ画像

大正14年1月12日(1925年)

是ヨリ先、栄一、経営不振ニ陥リタル本邦製鉄鋼業ノ振興ニツキ、尽力スルトコロアリ。是日、当会設置セラレ、栄一、委員ヲ嘱託セラル。爾後当会ハ、諮問事項「我国製鉄鋼業ノ将来ニ対スル方針」ニ関シ、数次ノ調査会ヲ開キ、四月十一日、商工大臣高橋是清ニ答申ス。栄一、病気ノタメ右調査会ニ出席セズ。


■資料

東京朝日新聞 第一三五一三号 大正一三年一月一八日 製鉄合同促進 渋沢子の斡旋(DK560139k-0001)
第56巻 p.609 ページ画像

著作権保護期間中、著者没年不詳、および著作権調査中の著作物は、ウェブでの全文公開対象としておりません。
冊子版の『渋沢栄一伝記資料』をご参照ください。

製鉄鋼調査会書類(一)(DK560139k-0002)
第56巻 p.610 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(写)
  大正十四年一月十三日
              農商務次官 男爵 四条隆英
    内閣書記官長殿
曩ニ閣議決定相成候製鉄鋼調査会本月十二日左記ノ通成立致候条及通牒候也
      記
               農商務大臣    高橋是清
 製鉄鋼調査会長(閣議決定ニ基キ辞令ヲ用ヰス)
                大蔵次官    田昌
               農商務次官 男爵 四条隆英
 製鉄鋼調査会委員(同上)
              正三位勲一等 男爵 中村雄次郎
              正三位勲一等 子爵 渋沢栄一
              従三位勲三等 子爵 大河内正敏
                陸軍中将    吉田豊彦
              海軍造兵少将    野田鶴雄
              従四位勲四等    青木周三
              従四位勲三等 男爵 郷誠之助
              従五位勲二等    団琢磨
                        木村久寿弥太
 製鉄鋼調査委員ヲ嘱託ス


製鉄鋼調査会書類(一)(DK560139k-0003)
第56巻 p.610 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(一)        (渋沢子爵家所蔵)
(控)
    承諾書
製鉄鋼調査会委員タルコトヲ承諾致候也
  大正十四年一月
                      渋沢栄一
    農商務大臣 高橋是清殿


中外商業新報 第一三九六〇号 大正一四年一月一三日 製鉄委員全部決定す 十四日第一会合(DK560139k-0004)
第56巻 p.610 ページ画像

中外商業新報  第一三九六〇号 大正一四年一月一三日
    製鉄委員全部決定す
      十四日第一会合
高橋農相は先般来製鉄鋼調査会委員の詮衡に従事し交渉を進めて居たが、十二日各委員の承諾を得たので、来る十四日午後から富士見町農相官邸において第一回打合せ会を開催し
 一、製鉄鋼の国策樹立に関する方針如何
に就て諮問するはずである ○下略


中外商業新報 第一三九六〇号 大正一四年一月一三日 自分は白紙 委員は斯界の権威者揃 高橋農相談(DK560139k-0005)
第56巻 p.610-611 ページ画像

中外商業新報  第一三九六〇号 大正一四年一月一三日
  自分は白紙
 - 第56巻 p.611 -ページ画像 
    委員は斯界
      の権威者揃
        高橋農相談
製鉄鋼調査会委員の顔触れが決定したのに就て、高橋農相は左の如く語つた
 今般製鉄鋼調査会の委員を選ぶに当つては、実際事業の計画整理等に参劃して来た経済家・実際家を物色した、木村久寿弥太君の如きは多年製鉄事業の経営整理に努めて来た人で、かの兼二浦鉄山の如きは不振沈滞を極めて居たものであるが、木村君の努力に依つて今日の盛運を見るに至つたのである、郷君にしても、団君にしても、その他の諸君にしても皆多年斯業の国策に就いて考慮研究して居る人々で、渋沢子の如き従来鉄業の国策樹立の必要を唱導して来たことは人のよく知るところである、委員は大体かくの如くして選定したから斯界の権威者の集りである、我輩としては調査会には白紙でのぞみ、委員の請求があれば材料を提供して参考に供しやうと思ふ然して調査進行の結果法律案が伴ふ必要があるものとすれば、この議会に提出したい、ただこの問題の審議が長期に亘つて纏らないやうなことがあれば、国策として確たるものが得られるものかどうか疑問になつて来やう


渋沢栄一 日記 大正一四年(DK560139k-0006)
第56巻 p.611 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正一四年     (渋沢子爵家所蔵)
二月八日 晴 軽寒
午前七時半起床 ○中略 浅野総一郎氏来リ、製鉄調査会又ハ船舶事業ニ付意見ヲ陳述セラル
○下略
   ○中略。
二月十二日 晴 寒
午前七時半起床洗面シテ朝飧ヲ食シ、後日記ヲ編成ス、渡辺得男氏来リ、製鉄鋼調査会ノ経過ニ関シ書類取調ノ大要ヲ報告セラル ○下略
   ○中略。
二月十五日 晴 寒
午前七時半起床洗面シテ朝食ス、正雄来リテ ○中略 郷男爵ヨリ製鉄鋼調査委員会ノ経過ニ付要領ヲ伝言アリタレハ、爾後ノ状況ニ付テ知リ得タル要件ヲ縷述シテ、正雄ヲシテ回答セシム
二月十六日 晴 寒
   ○本文略ス。
(欄外記事)
朝、正雄来リテ ○中略 郷男爵ニ、製鋼所合同方法ニ付伝言スル所アリタリ


製鉄鋼調査会書類(一)(DK560139k-0007)
第56巻 p.611-613 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(一)        (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
拝啓 来ル一月十九日(月曜)午後一時半ヨリ富士見町官邸ニ於テ製鉄鋼調査会開会致候ニ付御繰合御出席相成度、此段御通知申上候也
 - 第56巻 p.612 -ページ画像 
  大正十四年一月十五日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿
 追テ参考資料トシテ不取敢満鉄東亜経済調査局発行「世界製鉄業」六冊御送付申上候間御査収相成度候

(謄写版)
拝啓 来る二月四日(水曜)午後七時ヨリ富士見町官邸ニ於テ第四回調査会開会致候ニ付御繰合御出席相成度、此段御通知申上候也
  大正十四年一月三十日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル二月十日(火曜)午後七時ヨリ富士見町官邸ニ於テ第五回調査会開会致候間御繰合御出席相成度、此段御通知申上候也
  大正十四年二月六日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

拝啓 来ル二月十三日(金曜)午後七時ヨリ富士見町官邸ニ於テ第六回調査会開会致候間御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年二月十一日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル二月十七日(火曜)午後七時ヨリ富士見町官舎ニ於テ第七回調査会開会致候条御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年二月十四日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル二月廿七日(金曜)午後七時ヨリ富士見町官舎ニ於テ第九回調査会開会致候条御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年二月廿三日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル三月六日(金曜)午後七時ヨリ富士見町官舎ニ於テ第十回調査会開会致候条御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年二月廿八日
 - 第56巻 p.613 -ページ画像 
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル三月十三日(金曜)午後七時ヨリ富士見町官舎ニ於テ第十一回調査会開会致候条御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年三月九日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿

(謄写版)
拝啓 来ル四月九日(木曜)午後一時半ヨリ富士見町官舎ニ於テ第十二回調査会開会致候条御繰合御出席相成度、此段及御通知候也
  大正十四年四月四日
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
    委員 子爵《(宛名手書)》 渋沢栄一殿


渋沢栄一書翰 控 郷誠之助宛 大正一四年三月一二日(DK560139k-0008)
第56巻 p.613 ページ画像

渋沢栄一書翰 控  郷誠之助宛 大正一四年三月一二日  (渋沢子爵家所蔵)
大正十四年三月十二日付郷誠之助男宛総長親書写《(別筆朱書)》
爾来御疎情ニ打過候得共高閣益御清適之条奉賀候、老生事兎角宿痾之小発作有之、本月々初更ニ当地に移転療養致居候、敢而激甚と申候ニハ無之候へとも、何分にも全愈と難申苦悶罷在候、乍去際限も無之ニ付而ハ、本月十六日ニハ帰京之予定ニ付、幸ニ其以後に於て平常之執務出来候様なれハ拝顔之機会も可有之と楽居候、右様身体ニて是迄一回も会議に出席仕兼候、製鉄鋼委員之義ハ、農相之御内示も有之候趣ニて、特に御懇篤之貴諭に対し有名無実不本意之事とハ相考候へとも兎ニ角御受け申上候も、終ニ会議ニ出席も出来兼候始末ニ付、此際辞表提出之方可然歟と相考候間、一応御内意相伺候、但毎回送付之調査書類・議事録之類も詳細ニ閲覧致兼候ニ付、緊要と思惟致候分熟読いたし候ものも有之候、要するに政府をして先以て八幡工場を提供之決心先決問題と存候ニ付、老閣抔之御尽力にて右様相運候ハヽ、他之方法ハ自ら成立可致と愚考致候、既ニ特別委員之精査ニて製鉄事業之成立ハ本邦に可能性と断案せられ候趣、別而慶賀ニ堪へさる事ニ候、何卒此上之御高配深く御依頼申上候、右一書可得貴意如此御座候 敬具
  三月十二日               渋沢栄一
    郷男爵閣下
○下略


製鉄鋼調査会答申書(DK560139k-0009)
第56巻 p.613-622 ページ画像

製鉄鋼調査会答申書          (鉄鋼統制会所蔵)
(写)
曩ニ本調査会ニ諮問相成候我国製鉄及製鋼ノ将来ニ対スル方針ニ就キ別紙ノ通議定致候条、此段及答申候也
  大正十四年四月十一日
 - 第56巻 p.614 -ページ画像 
              製鉄鋼調査会長 高橋是清
   商工大臣
    高橋是清殿
(別紙)
近代産業ノ進歩発達ハ製鉄鋼業ノ興隆ニ負フ所最モ多キニ居ル主要工業ニシテ、其ノ基礎ヲ製鉄鋼業ニ有セサルモノ殆ト之アルコトナシ、殊ニ鉄道及建築ノ材料トシテ鉄鋼材ヲ需要スルコト逐年其ノ著シキヲ加ヘ、軍事上ノ必要モ亦益斯業ノ振興ヲ促セルアリ、之ヲ以テ欧米ノ列強ハ特ニ力ヲ之カ保護助成ニ致シ、嘗テハ之カ為ニ敢テ戦争ノ惨禍ヲモ辞セサリシ事アリ、将来ニ於テモ文運ノ進歩ハ更ニ益鉄鋼材ノ需要ヲ増加セシムヘキヲ疑ハス、諸レヲ中外ノ事実ニ徴スルモ、本邦ニ於テ純洋式製鉄鋼業ノ初メテ釜石ニ開設セラレタル明治十三年(千八百八十年)ニハ、製鉄鋼業ノ基礎タル銑鉄ノ世界ニ於ケル産額僅ニ約千八百万瓲ニ過キサリシモ、其ノ後逐年増加シテ欧洲ノ大戦前大正二年(一九一三年)ニハ約七千八百万瓲トナリ、最近世界ヲ通シテ不況ヲ呈スルノ時ヲ以テシ、仮令生産額ハ増加セサルモ、其ノ生産設備ニ於テハ尚且一億瓲ヲ超ユルニ至レリ、本邦ニ於テモ亦釜石創業ノ当時ヲ回顧スレハ、今日ノ銑鉄生産額約八十万瓲ヲ算スル如キハ、実ニ隔世ノ感アリト雖、今尚国内ノ需要ヲ充タサムカ為銑鉄・鋼材等ヲ合シテ時ニ年額百二十万瓲近クノ輸入ヲ為スノ状況ニアリ、然モ本邦鉄鋼材ノ需要額ハ之ヲ欧米ノ先進国ニ比スレハ其ノ及ハサルコト甚遠ク、例ヘハ鋼材一人当リ需要額ノ如キハ欧洲諸強国ノ約四分ノ一、米国ノ約九分ノ一(第一表参照)ニ該当スルニ過キサルヲ以テ、将来其ノ需要ノ更ニ増加スヘキハ明ナルノミナラス、尚製銑能力ニ就テ観ルモ、世界全体ノ一人当リ年産能力ニ比シ約四分ノ一(第二表参照)ニ過キサルノ状態ナルヲ以テ、今後国運ノ発達ニ伴ヒ益斯業ノ振興ヲ必要トスルハ疑ヒナキ所タルヘシ。
而シテ本邦製鉄鋼業ノ現状ヲ観ルニ、欧洲ノ大戦ニ際シ斯業頓ニ勃興シテ事業ノ新設拡張ヲ為スモノ前後相踵キ、大正七年(一九一八年)ニハ其ノ生産額優ニ戦前ニ倍加スルニ至レリト雖、戦局ノ終結ト共ニ世界各国ノ鉄価ハ遽ニ逆転シテ旧態ニ近ツキ、外国品ノ我国ニ輸入セラルヽノ勢□□トシテ防止《(欠字)》スヘカラサルモノアリ、之カ為戦時中鉄価暴騰ニヨリテ一度急激ナル発達ヲ促サレシ本邦ノ製鉄鋼業モ、一転シテ痛切ナル打撃ヲ受ケ、事業ノ休止、縮小ヲ為スモノ続出シ、最近民間ニ於ケル生産額ノ如キモ其ノ能力ニ比シテ僅ニ銑鉄約三割三分、鋼材約三割五分(第三表参照)ヲ占ムルニ止リ、本邦需要額ノ大半ハ依然トシテ外国品ノ輸入ニ俟チ、一箇年ノ鉄鋼材輸入総価額実ニ一億五六千万円ニ上ルノ状況ニアリ、随ツテ之カ対策ヲ講スルニ当リテハ、徒ニ保護救済ヲ事トスルカ如キノ姑息ニ出ツルコトナク、根本ノ問題トシテ、先ツ製鉄鋼業ノ果シテ本邦ニ於テ経済的ニ成立シ得ルノ可能性アリヤ否ヤニ就テ慎重調査ヲ進ムルノ必要アリ、若其ノ可能性アリト認メラレタル場合ニハ、更ニ進ムテ現在ノ如キ窮状ノ由テ来ル所ヲ明ニシ、以テ本邦製鉄鋼業ヲ振興セシムヘキ具体ノ方策ヲ樹立スルノ必要アルヘシ。
 - 第56巻 p.615 -ページ画像 
今即チ製鉄鋼業カ本邦ニ於テ経済的ニ成立シ得ルノ可能性アリヤ否ヤヲ検スルニ、職工ノ熟練、技術ノ進歩ハ既ニ相当ノ域ニ達セルモノアリト認メラルヘク、更ニ生産費及設備能力等ノ方面ヨリシテ之ヲ見ルモ、銑鉄ニアリテハ八幡製鉄所ノ例ニ拠レハ其ノ主要原料タル鉄鉱及骸炭ハ印度・支那等ニ比シテ高価ナルヲ免レサルモ、欧米ノ先進国ニ比シテ必スシモ不利ナラサルノミナラス(第十一表参照)生産費ニ於テモ大正十二年度ニハ工場原価約四十二円ヲ示シ、外国品中主トシテ本邦ニ輸入セラルヽ印度銑及支那銑沖著価格約五十円ナルニ比シ尚八円ノ差額アルヲ以テ、資本利子ヲ加算スルトモ優ニ外国品ト相頡頑シテ競争スルニ難カラサルヘシ、民間製鉄鋼所ノ生産費モ亦現在ニ於テハ八幡製鉄所ニ比シ固ヨリ高価ナルヲ免レスト雖、相当規模ノ工場ニアリテハ別記各種ノ振興策ヲ講スルニ於テハ概ネ八幡製鉄所ノ生産費ト大差ナキヲ得ヘク、従テ経済的ニ作業ヲ為スノ可能性アリト認ムルコトヲ得ヘシ、殊ニ本邦ノ製銑設備ヲ通覧スルニ経済的作業ニ適スト認メラルヽ百瓲以上(特ニ八十五瓲炉一基ヲ加フ)ノ熔鉱炉ノミヲ以テシテ年産能ク約百三十万瓲(第十表参照)ニ上リ、加フルニ八幡製鉄所カ漢冶萍公司ヨリ購入契約アル約二十五万瓲ヲ以テスルトキハ、百五十五万瓲ヲ算シ、現在ノ銑鉄所要量約百六十万瓲(第四表参照)ニ対シテ殆ト不足ヲ生スルコトナシ、鉄鉱所要量モ亦約二百六十一万瓲(第四表参照)ノ多キニ達スルモ、本邦及満洲ノ外支那・南洋ヨリモ相当多量ノ供給ヲ受ケ得ルノ見込アルヲ以テ、之カ供給ハ敢テ難事ニ非サルヘク、石炭所要量約三百六十万瓲(雑用炭ヲ含マス、以下之ニ做フ、第四表参照)ノ如キモ其ノ大部分ハ之ヲ自給シ得ヘシ、此ノ故ニ現在本邦所要ノ銑鉄及其ノ主要原料タル鉄鉱・石炭ニ於テハ、何レモ之カ供給ニ困難ヲ来タスコトナシト認メラルヘシ、然レ共若シ現在ノ需要鋼材ヲ全部自給スルモノトセハ、銑鉄約二百十万瓲、鉄鉱約三百六十万瓲、石炭約五百万瓲(第五表参照)ヲ要スヘク、更ニ将来本邦鉄鋼材需要増加ノ場合、例ヘハ大正二十四年ニハ銑鉄約四百三十万瓲(大正五年製鉄業調査会ノ需要額推定方法ニヨル、第六表参照)鉄鉱約七百九十万瓲、石炭約千七十万瓲(第七表参照)トナルヘキ見込アルヲ以テ、之カ供給ニ就テハ相当困難アリト認メラルヽト雖、石炭ハ本邦及満洲炭田ノ調査開発、骸炭製造技術ノ研究等ニ依リテ大体自給ノ目的ヲ達シ得ヘク、鉄鉱モ亦釜石其ノ他本邦鉄山ノ調査開発ニ力メ、砂鉄鉱及硫化鉄鉱萍製煉ノ研究ヲ累ネ、更ニ満洲ニ於ケル貧鉱処理ノ方法ヲ完成シ、進ムテ支那・南洋其ノ他ニ於ケル資源ノ確保ニ充分ナル努力ヲ致スニ於テハ、之カ供給ヲ充タス如キ必スシモ不可能ナリト言フヘカラス、製銑ノ設備ニ於テモ亦其ノ主要原料タル鉄鉱・石炭ノ供給確保セラレ且其ノ価格モ相当ナリトセハ、需要ノ増加ニ伴ヒ設備ノ新設拡張セラルヽニ至ルヤ疑ヒヲ容レス、之ニヨツテ之ヲ見レハ、本邦製銑事業ハ其ノ原料ノ供給、生産費将又設備能力ノ何レヨリ之ヲ見ルモ、経済的ニ成立スルノ可能性アルト言フコトヲ得ヘシ。更ニ転シテ普通鋼材ヲ顧ルニ、其ノ主要原料タル銑鉄及屑鉄ノ価格既ニ欧米諸強国ニ比シテ必スシモ高価ナラス(第十二表参照)、八幡製鉄所ノ生産費ノ例ニヨレハ、大正十二年度ニハ一瓲約一一二円ナリシ
 - 第56巻 p.616 -ページ画像 
モ、第三期拡張工事完成シ、作業ノ秩序井然タルニ至リ、且大量生産ノ実ヲ挙クルニ於テハ少クトモ十円ヲ低下シ得ヘキノ見込アリト謂フヲ以テ、生産費ハ之ヲ約一〇二円ニ低下セシムルコトヲ得ヘク、之ヲ外国品中最モ廉価ナル独逸品ノ輸入価格一一八円(第十三表参照)ト比較スルモ、既ニ十六円ノ差額アリ、従テ資本利子約十六円ヲ加算スルモ尚能ク競争ニ堪フルコトヲ得ヘシ、固ヨリ外国品ノ輸入価格ハ為替相場低落ノ為特ニ高価ヲ示スモ、為替相場ノ平調ニ復シタル場合ニハ独逸品ノ輸入価格ハ約九九円(第十三表参照)トナル訳合ニシテ、其ノ値開キハ十九円トナルモ、此ノ額ハ設備ノ改良、運賃ノ低減、関税ノ引上其ノ他大量生産ニヨル等各種ノ手段ヲ講スルニ於テハ、優ニ之ヲ償ヒ得ヘキモノト観ルヲ適当トスヘシ、只其レ民間ノ製鉄鋼所ハ其ノ組織・設備其ノ他ノ条件ニ於テ欠クル所尠カラサルヲ以テ、生産費ノ如キモ八幡製鉄所ニ比シ勢イ高価ナルヲ免レスト雖、相当規模ノ工場ニアリテハ別記各種ノ振興策ヲ講スルニ於テハ、八幡製鉄所ノ生産費ト大差ナキ程度ニ近ツクコトヲ得ヘク、従ツテ経済的ニ作業ヲ為シ得ルノ可能性アリト認メラルヘシ、因テ更ニ需要額ニ対スル設備ノ関係ヲ顧ルニ、現在ノ鋼材需要額約一六〇万瓲(第八表参照)ナルニ対シ、相当規模ノ製鉄鋼所ニ於ケル能力ハ約一五五万瓲ナルモ、其ノ中設備ノ過剰ナルモノアルヲ以テ、現在自給シ得ル鋼材ハ約一一八万瓲トナルヘシ(第八表参照)、而シテ之カ原料鋼塊約一六〇万瓲(第四表参照)ノ供給ハ、二五瓲以上ノ製鋼炉(特ニ十瓲転炉二基ヲ加フ)ノミニヨルモ既ニ其ノ能力一六〇瓲(第九表参照)ヲ超ユルヲ以テ、所要量ニ対シ充分ナリト謂フコトヲ得ヘシ、然レ共現在ノ需要鋼材全部ヲ供給スルカ為ニハ圧延設備約四二万瓲、製鋼設備約六〇万瓲ノ不足ヲ来シ、更ニ将来鋼材需要増加ノ場合、例ヘハ大正二十四年ニハ鋼材所要量約三〇〇万瓲(大正五年製鉄業調査会ノ需要推定方法ニヨル第六表参照)トナル見込ナルヲ以テ、圧延設備約一五〇万瓲、製鋼設備約二六〇万瓲ノ不足トナリ、之カ自給ヲ為スカ為ニハ設備ノ新設拡張ヲ要スヘシト雖、製銑事業ニシテ既ニ経済的ニ成立シ、廉価ナル銑鉄ノ供給相当ニ豊富ナルヲ得ハ、之ヲ基礎トシテ自ラ経済的ニ製鋼及圧延設備拡張ヲ看ルニ至ルヘシ、是ニ由テ之ヲ見ルニ、本邦普通鋼材ノ製造事業ハ其ノ生産費ニ於テモ、将又其ノ設備能力ニ於テモ、経済的ニ成立シ得ルノ可能性アリト謂フコトヲ得ヘシ。
更ニ特殊鋼・鍛鋳鋼品等ノ特殊製品ニ就キ点検スルニ、鍛鋳鋼品ノ製造、既ニ外国ニ対シ充分対抗スルコトヲ得、寧ロ其ノ設備ノ過剰ニ苦シミツヽアルノ実アリ、特殊鋼ノ製造モ亦其ノ設備ニ於テハ優ニ需要ヲ充タシ得ルヲ以テ、適当ナル方策ヲ講スルニ於テハ経済的ニ成立シ得ルノ可能性アルヤ言ヲ俟タス。
斯ノ如ク本邦製鉄鋼業ハ経済的ニ成立シ得ルノ可能性アリト認メラルルニ拘ラス、戦後既ニ六年ニ歳月《(ノ)》ヲ経タル今日、尚疲弊困憊ノ域ヲ脱スル能ハス、其ノ存在ノ基礎ヲスラ疑ハルヽニ至リシハ何カ為ナルカ今其ノ原因ヲ繹ヌルニ、本邦製鉄鋼所ノ多クハ戦時非常ノ際ニ於テ俄カニ新設拡張セラレタルモノナルカ為、投下資本ノ過大ナルニ比シテ何レモ設備ノ不完全ナルヲ免レス、且一方ニ扁シテ製銑・製鋼ヲ一貫
 - 第56巻 p.617 -ページ画像 
スルノ作業系統ヲ備フルモノ少ク而モ其ノ規模ハ概ネ小ニシテ大量生産ニ適セス、各製鉄鋼所ノ間モ亦何レモ其ノ聯絡統一ヲ欠キ、作業ノ分担、原料ノ配給等動モスレハ円滑ニ行ハレス、為ニ徒爾無益ノ競争ニ陥ルコト多キヲ免レサルモノ蓋シ其ノ主要ナルモノタルヘシ、此ノ如クニシテ其ノ事業ノ経営益困難ヲ加フルノ状況ニアリ。
実状既ニ斯ノ如シ、之ヲ以テ方今ノ如キ斯業ノ現状ニ関シ、単ニ之カ保護救済ノ途ヲ講スルモ本邦製鉄鋼業ノ健全ナル発達ハ到底之ヲ庶幾スルコトヲ得サルヘシ、故ニ之カ対策トシテハ斯業不振ノ根本ニ遡リテ左ノ諸方策ヲ講スルノ外ナカルヘシ、若能ク此ノ如キヲ得ハ、本邦製鉄鋼業ノ経済的ニ成立シ得ルコト決シテ困難ニ非スト認メラル丶ヲ以テ、速ニ之カ実施ノ要アリト認ム。
一、本邦製鉄鋼業ハ八幡製鉄所ヲ中心トセル半官半民ノ合同経営ニヨルヲ可ナリト認ム、仍テ準備ノ完了ヲ俟チテ可成速ニ之ヲ実行スルコト
 (イ) 合同ニ参加シ得ヘキ製鉄鋼所ハ一定ノ資格ヲ具備スルモノニ限ルコト
 (ロ) 合同実行ノ場合ニ於ケル評価ハ先進競争国ノ例ニ準シ相当ノ程度ニ於テ之ヲ決定シ、評価額以上ノ投資額ハ之ヲ認メサルコト
二、前項ノ趣旨ノ下ニ差当リ左ノ措置ヲ講スルコト
 (イ) 八幡製鉄所ニ官民聯絡ノ為特定ノ機関ヲ設クルコト
 (ロ) 原料生産、販売又ハ経営ニ関スル共同機関ヲ設クルコト
 (ハ) 一定ノ資格ヲ具備スル製鉄鋼所ニ限リ前号ノ機関ニ参加セシムルコト
三、政府ハ原料ノ取得ヲ確保スル為特別ノ方策ヲ講究スルコト
四、銑・鋼共ニ相当ノ保護関税率ヲ定メルコト
五、原料並ニ半製品ノ輸送ニ就テハ一定量ヲ超過スルモノニ限リ鉄道運賃ノ低減ヲ図ルコト
六、政府ハ国産ノ使用ヲ奨励スル為相当ノ手段ヲ講スルコト
七、海外ニ於ケル邦人関与ノ製鉄鋼所ニ対シテハ別ニ適当ノ方策ヲ講スル事

    第一表 鋼材一人当需要額比較表

図表を画像で表示鋼材一人当需要額比較表

      鋼材需要額       同上人口一人当需要額               瓲       瓲 英国   五、〇〇〇、〇〇〇   〇、一二五 独逸   七、五〇〇、〇〇〇   〇、一二五 仏国   三、八〇〇、〇〇〇   〇、〇九七 米国  二七、五〇〇、〇〇〇   〇、二六〇 日本   一、七〇〇、〇〇〇   〇、〇二九 



 備考 日本ノ鋼材需要額一、七〇〇、〇〇〇瓲中普通鋼材一、六〇〇、〇〇〇瓲其ノ他一〇〇、〇〇〇瓲ヲ含ム

    第二表 製銑能力一人当比較表

図表を画像で表示銑能力一人当比較表

        銑能力(年額)      一人当製銑能力                  瓲       瓲 全世界   一〇五、四三〇、〇〇〇   〇、〇六〇 日本      一、三〇〇、〇〇〇   〇、〇一五 



 - 第56巻 p.618 -ページ画像 
 備考 全世界一人当製銑能力ハ世界総人口ニ対シ日本一人当製銑能力ハ属領ヲ含ム総人口ニ対ス

    第三表 民間製鉄鋼所製産能力及生産額比較表

図表を画像で表示民間製鉄鋼所製産能力及生産額比較表

     生産能力(年額)  生産額(大正十二年)  能力ニ対スル生産割合            瓲         瓲 銑鉄  九四八、〇〇〇   三一六、〇〇〇      三三% 鋼材  八四〇、〇〇〇   二九二、〇〇〇      三五% 



    第四表 現在自給シ得ヘキ鋼材一一八万瓲(第八表参照)ヲ供給スル場合ノ諸原料需要額見込積

図表を画像で表示現在自給シ得ヘキ鋼材一一八万瓲(第八表参照)ヲ供給スル場合ノ諸原料要額見込積

    用途    数量          摘要                  瓲 銑鉄 鋳物用    四〇〇、〇〇〇    鋼材用  一、二〇〇、〇〇〇    計    一、六〇〇、〇〇〇 鋼塊 鋼材用  一、六三〇、〇〇〇 鉄鉱 銑鉄用  二、三四〇、〇〇〇   一〇〇瓲炉(特ハ八五瓲炉一基ヲ加フ)    鋼塊用    二二〇、〇〇〇    計    二、五六〇、〇〇〇   以上現在生産力一三〇万噸ニ対スル分    銑鉄用  二、七二〇、〇〇〇   同右 石炭 鋼塊用    五七〇、〇〇〇    鋼材用    三〇〇、〇〇〇    計    三、五九〇、〇〇〇 



 備考
  一、鋼材用銑鉄ハ鋼材一瓲ニ付銑鉄及屑鉄所要量ヲ一瓲一五トシ給量一五万瓲ヲ控除算出セリ
  二、銑鉄用鉄鉱ハ銑鉄一瓲当一瓲八トシテ算出セリ
  三、鋼塊用鉄鉱ハ鋼塊一瓲当〇瓲一三五トシテ算出セリ
  四、銑鉄用石炭ハ銑鉄一瓲当二瓲〇九(骸炭使用量一瓲一骸炭一瓲当所要石炭一瓲九ノ割合)トシテ算出セリ
  五、鋼塊用石炭ハ鋼塊一瓲当〇瓲三五〇トシテ算出セリ
  六、鋼材用石炭ハ鋼材一瓲当〇瓲二五〇トシテ算出セリ

    第五表 現在ノ鋼材需要額一六〇万瓲(第八表参照)ヲ供給スル場合ノ諸原料需要額見込

図表を画像で表示現在ノ鋼材需要額一六〇万瓲(第八表参照)ヲ供給スル場合ノ諸原料需要見込

    用途    数量         摘要                  瓲 銑鉄 鋳物用    四〇〇、〇〇〇    鋼材用  一、六九〇、〇〇〇    計    二、〇九〇、〇〇〇 鋼塊 鋼材用  二、二二〇、〇〇〇 鉄鉱 銑鉄用  三、三一〇、〇〇〇  漢冶萍公司ヨリ購入契約アル銑鉄二五万瓲ニ対スル分ヲ除ク    鋼塊用    三〇〇、〇〇〇    計    三、六一〇、〇〇〇    銑鉄用  三、八五〇、〇〇〇  同右 石炭 鋼塊用    七八〇、〇〇〇    鋼材用    四〇〇、〇〇〇  以下p.619 ページ画像     計   五、〇三〇、〇〇〇 



 備考 第四表ニ同シ

    第六表 鉄鋼材需要額見込表

図表を画像で表示鉄鋼材需要額見込表

         大正十七年       大正十九年       大正二十二年      大正二十四年                  瓲           瓲           瓲           瓲    鋳物用    七四三、〇〇〇     八四一、〇〇〇     九八八、〇〇〇   一、一〇一、〇〇〇 銑鉄 鋼材用  二、二三〇、〇〇〇   二、四九八、〇〇〇   二、九〇〇、〇〇〇   三、二〇六、〇〇〇    合計   二、九七三、〇〇〇   三、三三九、〇〇〇   三、八八八、〇〇〇   四、三〇七、〇〇〇 鋼塊      二、九三三、〇〇〇   三、二八六、〇〇〇   三、八一四、〇〇〇   四、二一六、〇〇〇 鋼材      二、一一二、七〇〇   二、三六六、〇〇〇   二、七四六、〇〇〇   三、〇三六、〇〇〇 



 備考
  一、鋳物用銑鉄及鋼材ハ大正五年製鉄業調査会ノ需要額推定方法ニヨレリ
  二、鋼塊ハ鋼材需要額見込ヲ七割二分ニテ除シタルモノナリ
  三、鋼材用銑鉄ハ鋼材一瓲ニ付銑鉄及屑鉄所要量ヲ一瓲一五トシ屑鉄供給量ヲ控除算出セリ(屑鉄供給量ハ鋼材需要額一六〇万瓲ノ場合一五万瓲トシ其ノ割合ニテ鋼材ノ需要ニ伴ヒ増加スルモノトシテ算出セリ)

    第七表 鉄鉱及石炭需要額見込表

図表を画像で表示鉄鉱及石炭需要額見込表

     用途    大正十七年      大正十九年      大正二十二年     大正二十四年    鋳物用銑鉄  一、三三七、〇〇〇  一、五一四、〇〇〇  一、七七九、〇〇〇  一、九八二、〇〇〇 鉄鉱 鋼材用銑鉄  三、五六四、〇〇〇  四、〇四七、〇〇〇  四、七七〇、〇〇〇  五、三二一、〇〇〇    鋼塊       三九六、〇〇〇    四四四、〇〇〇    五一五、〇〇〇    五六九、〇〇〇    合計     五、二九七、〇〇〇  六、〇〇五、〇〇〇  七、〇五四、〇〇〇  七、八七二、〇〇〇    鋳物用銑鉄  一、五五三、〇〇〇  一、七五八、〇〇〇  二、〇六六、〇〇〇  二、三〇一、〇〇〇    鋼材用銑鉄  四、一三九、〇〇〇  四、七〇〇、〇〇〇  五、五三九、〇〇〇  六、一七八、〇〇〇 石炭 鋼塊     一、〇二六、〇〇〇  一、一五〇、〇〇〇  一、三三五、〇〇〇  一、四七六、〇〇〇    鋼材       五二八、〇〇〇    六九二、〇〇〇    六八七、〇〇〇    七五九、〇〇〇    合計     七、二四六、〇〇〇  八、二〇〇、〇〇〇  九、六二七、〇〇〇 一〇、七一四、〇〇〇 



 備考
  一、鋼材用銑鉄ニ要スル鉄鉱ハ第六表鋼材用銑鉄ノ中漢冶萍公司ヨリ購入契約アル二五万瓲ヲ控除セルモノニ対スル分トス
  二、銑鉄用鉄鉱、三、鋼塊用鉄鉱、四、銑鉄用石炭、五、鋼塊用石炭、六、鋼材用石炭ハ第四表備考ニ同シ

    第八表 現在ノ鋼材需要額及之ニ対スル設備ノ過不足表

図表を画像で表示現在ノ鋼材需要額及之ニ対スル設備ノ過不足表

      需要額       現在圧延能力    過        不足 大形鋼  三二〇、〇〇〇   四四〇、〇〇〇  一二〇、〇〇〇 中形鋼  二〇〇、〇〇〇   二〇七、〇〇〇    七、〇〇〇 小形鋼  二八〇、〇〇〇   二五五、〇〇〇            二五、〇〇〇 厚鈑   一〇〇、〇〇〇   三一〇、〇〇〇  二一〇、〇〇〇 中鈑    八〇、〇〇〇   一〇七、〇〇〇   二七、〇〇〇 薄鈑    五〇、〇〇〇    二四、〇〇〇            二六、〇〇〇 極薄鈑  三一〇、〇〇〇    四三、〇〇〇           二六七、〇〇〇  以下p.620 ページ画像  線材   一七〇、〇〇〇   一〇五、〇〇〇            六五、〇〇〇 鋼管    六〇、〇〇〇    三九、〇〇〇            二一、〇〇〇 帯鋼    一〇、〇〇〇                      一〇、〇〇〇 其他    二〇、〇〇〇    二〇、〇〇〇 計  一、六〇〇、〇〇〇 一、五五〇、〇〇〇  三六四、〇〇〇  四一四、〇〇〇                          (四二万瓲ト見做ス) 



 備考 鋼材需要額一六〇万瓲ニ対シ四二万瓲ノ能力不足アルヲ以テ現在本邦ニ於テ供給シ得ル圧延能力ハ一一八万瓲トス

    第九表 製鋼設備表

図表を画像で表示製鋼設備表

                   平  炉       転炉   タルボツト               六〇瓲  五〇瓲  二五瓲  一〇瓲  二〇〇瓲 八幡製鉄所         一一基  六基   一二基  二基    二基 株式会社浅野小倉製鋼所              三 大阪製鉄株式会社                 二 住友合資会社伸銅所尼崎工場            三 株式会社川崎造船所葺合工場            六 同所兵庫工場                   二 株式会社神戸製鋼所                二 日本鋼管株式会社                 九 富士製鋼株式会社                 一 釜石鉱山株式会社                 三 三菱製鉄株式会社(兼二浦)      三 九州製鋼株式会社           二 計             一一  一一    四三   二     二 



 備考 二五瓲平炉ハ年七〇〇回出鋼ヲ適当トスルヲ以テ年産能力
                  七五二、五〇〇瓲
    五〇瓲以上ノ平炉ハ年五〇〇回出鋼ヲ適当トスルヲ以テ年産能力
                  六〇五、〇〇〇
    転炉ハ年三〇〇日一日二五回出鋼ヲ適当トスルヲ以テ年産能力
                  一五〇、〇〇〇
    タルボツト炉ハ年三〇〇日作業ヲ適当トスルヲ以テ年産能力
                  一二〇、〇〇〇
     計          一、六二七、五〇〇
                  (一六三万瓲ト看做ス)

    第十表 製銑設備表

図表を画像で表示製銑設備表

                瓲              三〇〇  二七〇  二五〇  二三五  二〇〇  一五〇  一三〇  一一五  一一〇  八五  銑鉄日産額    銑鉄年産額                    基 八幡製鉄所              二        一     三                           一、三七五    四六〇、六二五 東洋製鉄株式会社      一                        一                        四五〇    一五〇、七五〇 釜石鉄山株式会社                          二                             四〇〇    一三四、〇〇〇 株式会社日本製鋼所                                        二    一   一     四二五    一四二、三七五 株式会社浅野造船所(鶴見)                          一                        一五〇     五〇、二五〇 三菱製鉄株式会社(兼二浦)                          二                        三〇〇    一〇〇、五〇〇 本渓湖煤鉄公司                                     二                   二六〇     八七、一〇〇  以下p.621 ページ画像  鞍山製鉄所                  二                                        五〇〇    一六七、五〇〇 計             一    二   二    一     五    四    二    二    一   一   三、八六〇  一、二九三、一〇〇 



    第十一表 鉄鉱価格比較表

図表を画像で表示鉄鉱価格比較表

              含有分   瓲当価格   備考               % 米国           五五   一〇、八〇   湖岸渡シ大正十三年 英国           五〇   一一、二五   西国鉱石ニシテドツク渡シ大正十三年 英国ミツールスボロー   三〇    五、四七   白国鉱石大正十三年 白国、仏国        三五    三、〇〇   大正十三年 印度           六二    二、二七   大正十二年 支那                 三、五〇   大正十二年見込 日本八幡製鉄所      六〇    八、六八   海岸渡シ大正十二年 



    骸炭生産費比較表

図表を画像で表示骸炭生産費比較表

             瓲当生産費    備考                 円 米国           八、三〇   大正十三年 英国蘇国及ウエールス  一七、五〇   同 英国ミツドランド     八、五〇   同 白国・仏国       一四、二〇   同 印度           七、八〇   大正十二年 支那          一四、三〇   大正十二年見込 日本八幡製鉄所     一四、三四   大正十三年 



    第十二表 銑鉄価格比較表

図表を画像で表示銑鉄価格比較表

      瓲当価格    備考 米国   五二、四七   大正十三年 英国   四五、七三   〃 独国   五七、一〇   〃 仏国   四六、六一   〃 白国   五〇、七四   〃 日本   四二、〇〇   大正十二年 (八幡製鉄所工場原価) 



    屑鉄価格比較表

図表を画像で表示屑鉄価格比較表

      瓲当価格            備考 米国   四七、六〇          大正十三年 英国   自三六、八六至四二、一〇   同 日本   自三五、〇〇至四〇、〇〇   同 



    第十三表 鋼材(独)輸入価格推算表

図表を画像で表示鋼材(独)輸入価格推算表

        金額(瓲当)   備考 沖著価格   九五、〇〇    為替換算率ハ一志八片 関税     一四、二五 揚賃      八、七〇 其他 計     一一七、九五 



 - 第56巻 p.622 -ページ画像 
    為替相場平調トナリタル場合ノ鋼材(独逸品)輸入価格推算表

図表を画像で表示為替相場平調トナリタル場合ノ鋼材(独逸品)輸入価格推算表

        金額(瓲当)    備考 沖著価格   七八、四五 関税     一一、七〇 揚賃      八、七〇 其他 計      九八、八五 





〔参考〕製鉄鋼調査会書類(一)(DK560139k-0010)
第56巻 p.622-623 ページ画像

製鉄鋼調査会書類(一)          (渋沢子爵家所蔵)
(謄写版)
  第一回調査会
    大正十四年一月十四日午後二時五十分開会同五時散会
    於農商務大臣官邸           渋沢委員欠席
諮問事項
 会長ヨリ閣議決定ニ係ル諮問事項ニ付説明アリ
議事規則案(別紙)
 一、二、三、可決
 四、秘密会トナスコトニ決定
   新聞発表モ農商務省委員ニテ之ヲ専ラ担任シ、会議ノ承認ヲ経タル文案ニ付文書ニ依リ発表スルコトニ決ス
速記ノ件
 速記ハ取ラサルコトトシ、係員ニ於テ議事摘録ヲ作成シ、委員ノ検閲ヲ経ルコトニ決定
会合度数
 一週二回ヲ原則トシ、尚必要ニ応シ開会スルコトニ決定
調査参考書
 大河内委員ヨリ、特ニ製鉄所関係参考書殊ニ生産費原料関係生産品(副産物ヲ含ム)等ニ付詳細ナル調書提出ノ希望アリ
 団委員ヨリ外国銑鋼ノ生産費殊ニ印度タタノ生産費等ノ詳細ヲ承知シ度旨ノ希望アリ
調査項目及順序
 吉田委員ヨリ本問題ハ重大案件ニシテ其ノ調査範囲広汎ニ亘ルヲ以テ、調査ノ項目及順序ヲ確定スル必要アリトシテ一ノ私案ヲ提出ス
 ○下略

(謄写版)
  第二回調査会
    一月十九日午後一時五十分開会     渋沢委員欠席
会議ニ先チテ吉田委員ヨリ久慈砂鉄鉱ニ関スル調査報告アリ
(別紙要領)
調査順序
 四条委員ヨリ調査順序ニ付吉田・野田・郷・団・木村ノ各委員ヨリ意見書送付アリタルヲ以テ、前回ノ決議ニ基キ之ヲ別紙ノ如ク取纏メタリ、即チ我国ノ製鉄鋼ニ対スル国策ノ樹立ニ付テハ、先ツ製鉄
 - 第56巻 p.623 -ページ画像 
鋼業カ果シテ経済的ニ我国ニ於テ成立スヘキヤ否ヤヲ考究スルヲ要ス ○下略

(謄写版)
  第三回調査会
    一月廿八日午後七時半開会    渋沢・木村委員欠席
曩ニ各委員ニ配付シタル参考書ニ付、委員・幹事間ニ左ノ要領ノ質疑応答アリ
○下略