デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2018.12.20

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

3部 身辺

1章 家庭生活
4節 趣味
1款 和歌
■綱文

第57巻 p.178(DK570079k) ページ画像

大正8年9月(1919年)

是月栄一、棚橋絢子ノ乞ヒニ応ジ、魚形ノ木片ニ遊魚銘及ビ和歌ヲ題ス。


■資料

青淵先生詩文雑纂(DK570079k-0001)
第57巻 p.178 ページ画像

青淵先生詩文雑纂           (渋沢子爵家所蔵)
遊魚銘
これを仏体と観すれは、自ら敬虔渇仰の念を生し、遊魚と視れは、忽ち囲々洋々の想を起す、非情の木片も其接触によりてさまさまの感想を催すは人情の常ならむ歟、おのれ曾て拙詠あり、共通の趣あるに以たるを思ひ出つるまゝに
おもしろと見るもかなしとなかむるもこゝろなりけり秋の夜の月
  己未 ○大正八九月         青淵老人識
                         □□

    遊魚之銘の説明  棚橋絢子談 増山清太郎記 昭和九年十一月二日
大正三年講演を頼まれて讚岐の直島に渡つた際、八幡宮の宮司に背負はれて坂を登つて行くと、フト目に留つた木の枝に掛かつてゐた木片を手に取つて見ると、非常に面白い形をしてゐて、縦に見れば観音の像、横に見れば遊魚の姿に見える。帰途それを南禅寺の管長に見せると非常に喜んで呉れて、世人の為また夫の為に尽したのを観音が嘉せられるものとして、その木片に朱で「観魚」と書いて呉れた。帰京後それを携へて辱知の名士を訪廻り、銘を書いて貰つたのが一冊の帖となり、今は家宝としてゐる。順序は
 土屋弘   釈砕巌   釈宗演  跡見花渓 釈梧楼
 南条文雄  釈松雲   岡部長職 釈黙雷
 蜂須賀茂韶 同夫人   犬養毅  釈雷荼  清浦奎吾
 赤松連城  松浦厚   釈柏樹  釈黙仙  渋沢栄一
 入江為守  東郷平八郎 石黒忠悳 杉浦重剛