公開日: 2024.12.1 / 最終更新日: 2025.3.16
解題
雑誌に掲載せられたる栄一論
雑誌類に掲載せられた栄一関係の記事も頗る多い。本伝記資料編纂に当って蒐集されたそれらの切抜も夥しい量に上るが、問題を帯びた記事は本編に入っているので、本巻には栄一論とも言うべき数篇を選んで収録した。幸田露伴の講演筆記を除いては生前発表されたものであるから、厳正な批判に立つ発言は或いは少いと見られると思うが、当時の一般の栄一観を示していると言えよう。露伴の講演筆記はその「渋沢栄一伝」執筆後、更めて感想を述べたもので、栄一論中の白眉と言えよう。
諸家談話
本篇は本伝記資料編纂に当って改めて諸家の聞書を作った筆記類であって、直接栄一に接した人人の談話であり、栄一像を示す最も具体的な資料である。
来簡抄
栄一宛来簡は従来本伝記資料編纂室に保管されていたが、昭和四十年、本篇五十八巻の刊行終了後、第一銀行に移され、以後同行調査部で壱千余通が整理された。本巻に収録したのはその一部であり、用件を帯びた書簡は本篇に収めているので省いた。従って私的な書簡が主となった。冒頭に置いた「遣外使節一行通信」は明治四年、岩倉具視を全権大使として米・欧に派遣した、その随員の人達の通信で、内容は公的な書簡ではなく、極く私的な便りと言える。各書簡の活字化の方式は、別巻第三書簡の方式に従っている。
竜門雑誌総目次
竜門雑誌は、栄一を中心としてその周辺の人人の意見発表の機関として創刊された。竜門社の発展と共に他の寄稿も仰いでいるが、栄一の行動は細かに記録されていて不可欠の資料である。