デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治25年11月15日（1892年）

是ヨリ先、社外船ト称スル回漕店ノ荷物取扱ニ関スル件ニ付キ協議ス、是日右ニ付テハ回漕業者ヨリ近日中ニ確答アルベキ旨ヲ報道ス。

集会録事　自明治二十四年一月至明治二十五年十二月　　（東京銀行集会所所蔵）
　　　　○第百二十六回定式会議録事　○明治二五年一〇月一五日
次ニ佐々木慎思郎氏ハ彼ノ社外船ト称フル回漕店ニテ荷物ヲ運搬スルニ甚タ簡易ノ取扱ヲ為シ、荷物到着ノ地ニ於テ送リ状（即日本郵船会社ニ所謂引換証書）ヲ要セスシテ其受渡ヲ為スモノ往々之アリト云、斯ノ如キ取扱方ハ其金融ニ関係アル銀行ニ於テ甚タ危険ノ恐アレハ、其回漕店主ニ照会シ、正当ノ手続ヲ以テ荷物ノ受渡ヲ為シ、簡略ノ弊習ヲ匡正センコトヲ要スル旨ヲ建議セシニ、衆皆同感ナルヲ以テ、速ニ其順序方法ヲ取調、然ル後各回漕店主ニ協議スヘキ者ト為シ、而シテ其取調ハ之ヲ渋沢委員長、佐々木勇之助、佐々木慎思郎、池田謙三、安田忠兵衛ノ五氏ニ委托シ、其立案ヲ以テ委員長及外二三氏ヨリ社外回漕店ヘ協議スヘキ事ニ議決セリ
右議竣テ晩餐ヲ了シ、同八時下退散セリ
　　　　　　当日出席員
　　　　　　　　　第一国立銀行　　渋沢栄一　○外二八名氏名略
　　　　○第百二十七回定式会議録事　　　　　　　　(印)
明治廿五年十一月十五日、同盟銀行第百廿七回定式会議ヲ開キ、渋沢委員長首メ来会総員二十七名ナリ
渋沢委員長ハ会長席ニ着キ、会議ニ先タチ前会ノ協議ニ係ル社外船ト
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称スル回漕店荷物取扱上ニ関スル事件ハ其後委員ニ於テ取調ヲ為シ、岡村博士ニ法律上ノ意見ヲモ問ヒ、而シテ本日池田謙三・佐々木慎思郎両氏等ト共ニ当市内各回漕店主任者ヲ招キ之ト熟議セシニ、各店ノ意見ハ我々カ希望スル所ノ送リ状ニ船長ノ記名調印ヲ為シ、若クハ共同荷預リ所ヲ設クルカ如キハ実際至難ノ事シテ、到底応シ難シト雖其荷物取扱上安全ノ方法ヲ設クル事ハ啻ニ銀行者ノ望ニ応スヘキノミナラズ回漕業者ノ信用及利益ヲモ増進スヘキ事ナレハ、今ヨリ数日間内ニ同業者ノ熟議ヲ経テ確答スヘキ事ヲ約シタル旨ヲ報道セリ