デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治39年12月12日（1906年）

已ニ創立ヲ了シタルヲ以テ、栄一他ノ委員ト共ニ是日当会社設立委員ヲ免ゼラル。

官報　第七〇三八号　明治三九年一二月一三日
　　　　○叙任及辞令
　　　　　　　　　　　　正四位勲三等　男爵　渋沢栄一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○外七十九名氏名略
　南満洲鉄道株式会社設立委員被免（以下十二月十二日内閣）

（南満洲鉄道株式会社）営業報告書　第一回明治四〇年四月刊
　　　　第一回営業報告書
　　　　　明治三十九年度後半期　自明治三十九年十一月二十七日至明治四十年三月三十一日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　大連市児玉町
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　南満洲鉄道株式会社
○上略
　　　　重要記事
一明治三十九年六月七日勅令第百四十二号ヲ以テ南満洲鉄道株式会社設立ノ件発布セラル
一明治三十九年七月十三日陸軍大将子爵児玉源太郎当会社設立委員長仰付ケラレ、同時ニ委員八十名任命セラル
一明治三十九年七月二十四日児玉設立委員長薨去シ、翌二十五日陸軍大臣寺内正毅後任トシテ設立委員長仰付ケラル
一明治三十九年八月一日逓信・大蔵・外務ノ三大臣ヨリ設立委員長外委員八十名ニ対シ、南満洲鉄道株式会社設立ニ関スル一切ノ事務ヲ管理セシムルニ付命令書ヲ交付セラレタリ
一明治三十九年八月七日逓信大臣ヨリ設立ニ関スル事務処理方ヲ示達セラル
一明治三十九年八月十四日当会社定款並ニ工費概算ノ認可ヲ逓信大臣ニ申請シ、同十八日認可ヲ得タリ
一明治三十九年九月十日ヨリ設立委員ニ於テ第一回株式募集ノ事務ヲ開始ス
一明治三十九年十月五日第一回株式募集ノ締切ヲ為シタリ
一明治三十九年十一月一日第一回株式募集ノ終了ト共ニ、当会社設立ノ認可ヲ逓信大臣ニ申請シ、即日許可ヲ得タリ○中略
一明治三十九年十一月十三日男爵後藤新平当会社総裁仰付ケラル○中略
一明治三十九年十一月二十六日、中村是公副総裁仰付ラレ、国沢新兵衛・清野長太郎・久保田勝美・犬塚信太郎・田中清次郎・野々村金五郎理事ヲ命セラル
　同日創立総会ヲ招集シ、設立ニ関スル一切ノ事務ヲ報告シ、且ツ中橋徳五郎・河上謹一・滝兵右衛門・馬越恭平・岩下清周ヲ監事ニ選任シタリ
 - 第16巻 p.736 -ページ画像 
一明治三十九年十一月二十七日設立委員長ヨリ事務ノ引継ヲ受ケ、本社ヲ東京市麻布区飯倉狸穴町四番地ニ設置シタリ○下略

渋沢栄一書翰　井上馨宛（明治未詳年）八月六日　（井上侯爵家所蔵）
奉啓益御清適御坐可被成抃賀之至ニ候、然者過日拝借仕候満洲鉄道ニ関する書類疾く返璧可仕之処、彼是延引いたし恐悚之次第ニ御坐候、
即此処封入返呈仕候御査収可被下候、何れ近日拝光万御伺可申上候
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　不宣
　　八月六日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　井上老閣
　　　　　　　侍史