デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

2編 実業界指導並ニ社会公共事業尽力時代

2部 社会公共事業

8章 其他ノ公共事業
2節 祝賀会・歓迎会・送別会
8款 徳川慶喜授爵祝賀会
■綱文

第28巻 p.738-741(DK280122k) ページ画像

明治35年12月7日(1902年)

是年六月三日徳川慶喜、公爵ヲ授ケラル。是日偕行社ニ於テ、旧幕臣ノ催ニヨル祝賀会行ハレ、栄一之ニ出席ス。


■資料

渋沢栄一 日記 明治三五年(DK280122k-0001)
第28巻 p.738 ページ画像

渋沢栄一 日記  明治三五年     (渋沢子爵家所蔵)
十二月七日 晴
○上略 午後一時前兜町事務所ニ抵リテ午餐シ、更ニ九段偕行社ニ抵リ、徳川公爵祝賀会ニ出席ス。公爵一家族悉ク来会セラレ種々ノ饗応アリ午後五時頃散会シ、王子別荘ニ帰宿ス。
   ○中略。
十二月九日 雨
○上略 午後五時華族会館ニ抵リ、徳川氏ノ一族ヨリ招宴セラルヽ饗宴ニ出席シ、夜餐後欧米視察談ヲ為ス ○下略


同方会誌 第二三号・第六八頁 明治三五年九月二一日 旧幕臣の慶喜公叙爵祝賀会発企(DK280122k-0002)
第28巻 p.738 ページ画像

同方会誌  第二三号・第六八頁 明治三五年九月二一日
○旧幕臣の慶喜公叙爵祝賀会発企 先頃慶喜公の栄爵を授けられ給ひしは、旧幕臣の感喜に堪えさる所なれは、其か慶意を表し併せて之れを期として旧君臣の情誼を温めんが為め、叙爵祝賀会を開き慶喜公並家達公の御臨席を仰がんとの議、旧幕出身者中の重立ちたる人々の間に行はれ、遂に七月二十七日上野東照宮社務所に於て発起者の会合を催すに至りぬ、当日集まる者参拾余名、先つ榎本子爵を推して議長となし大体の計画に就いて議する所あり、而して其準備に関する細事は現在発起者より委員を選出して之れに附託することに決し、議長指名の許に左の諸氏を委員に挙げ、正午を以て散会せり
 磯野直言 細谷安太郎 大鳥圭介 田口卯吉
 田口乾三 高松凌雲 中村正寿  山口勝
 矢吹秀一 福田重固 榎本武揚  江原素六
 赤松範一 榊原昇造 佐野延勝  島田三郎
 宮本小一 本山漸
尚同会は仮事務所を東照宮社務所内に置き、直に追加発起人の募集に着手し、十月を以て開催する目的なりと云ふ


同方会誌 第二四号・第六〇―六二頁 明治三六年九月一日 偕行社に於ける祝賀会当日の記(源保寿 会員)(DK280122k-0003)
第28巻 p.738-740 ページ画像

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竜門雑誌 第一七五号・第五二―五三頁 明治三五年一二月 ○徳川慶喜公受爵祝賀会(DK280122k-0004)
第28巻 p.740-741 ページ画像

竜門雑誌  第一七五号・第五二―五三頁 明治三五年一二月
○徳川慶喜公受爵祝賀会 去十二月七日正午より旧幕臣の重なる人々には、徳川十五代の将軍たりし慶喜公公爵を授け給はりし祝賀会を、九段偕行社に於て開催したるが、来賓として出席せられたるは慶喜公以下一門の方々にして、其芳名を録すれば左の如し
 - 第28巻 p.741 -ページ画像 
  公爵  徳川慶喜   伯爵  徳川達孝
  令息  同慶久    令夫人 同知子
  同   同誠     伯爵  徳川達道
  令嬢  同糸子    令夫人 同鉄子
  同   同栄子    伯爵  勝精
  公爵  徳川家達       徳川昭武
  令夫人 同泰子    男爵  徳川厚
  令息  同家正    令夫人 同里子
  令嬢  同綾子
  同   同綏子
来会者の重なるは榎本子爵・青淵先生、赤松・大鳥両男、松本・荒井矢吹・島田・江原・芳野・須藤・仁杉・田口・佐野の諸氏を始め、陸海軍籍に在る名士、旧交会・同方会・江戸会乃至碧血会などの会員五百余名にして、軈て榎本子爵先導して慶喜公以下来賓一同設けの席に就き、慶喜公は徐ろに立つて榎本子を側近く招き、当日の祝賀を忝なく思ふ旨を伝へられ、榎本子爵之を一同に申告するや、会員皆首を低れて敬礼し、更に徳川家達公よりも謝意を述べらる、次で榎本子の発声に応和して、老公の万歳、徳川家の万歳を三唱し、茲に祝賀の式を了れり、余興として一蝶斎の手品、丸一の大神楽あり、式楽として観世清廉の謡曲及び戸山陸軍軍楽隊の奏楽あり、午後四時には立食の饗応ありたりと云ふ



〔参考〕新聞集成明治編年史 同史編纂会編 第一一巻・第四二二頁 昭和一一年三月刊(DK280122k-0005)
第28巻 p.741 ページ画像

新聞集成明治編年史 同史編纂会編  第一一巻・第四二二頁 昭和一一年三月刊
    十五代将軍さまが――華族に
〔六・四 ○明治三五年時事〕 別項に記したる如く、昨日宮中に於て親授式を行はせられたる後、午前十一時田中宮内大臣・岩倉爵位局長・戸田式部次長・桂爵位局主事等参列して、左の授爵式を行はせられたり。
               従一位 徳川慶喜
特授公爵(特旨を以て華族に被列)
○下略