デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
1節 東京市養育院其他
6款 四恩瓜生会
■綱文

第30巻 p.382(DK300037k) ページ画像

大正8年2月9日(1919年)

是ヨリ先、当会会堂改築成リ、是日落成式ヲ挙行ス。栄一之ニ出席シ祝辞ヲ述ブ。


■資料

渋沢栄一 日記 大正八年(DK300037k-0001)
第30巻 p.382 ページ画像

渋沢栄一 日記  大正八年      (渋沢子爵家所蔵)
二月九日 快晴 厳寒
○上略 午飧後兼子ト共ニ、四恩瓜生会々堂改築落成ニ付、大塚阪下町ニ抵リ、多数ノ来会者アリ、数名ノ演説者アリタル後、余モ一場ノ祝辞ヲ述フ、畢テ午後四時過帰宅 ○下略


九恵 東京市養育院月報第二一六号・第一一―一二頁 大正八年二月 四恩瓜生会改築落成式(DK300037k-0002)
第30巻 p.382 ページ画像

九恵  東京市養育院月報第二一六号・第一一―一二頁 大正八年二月
    ○四恩瓜生会改築落成式
 去る二月九日午後二時より小石川大塚坂下町なる四恩瓜生会にては改築工事落成の式を挙行せられたり。
 当日は渋沢男爵夫妻を初めとし、来賓会員等二百有余名来会、三輪同主任の事業報告並に西沢会計監督の改築費決算報告に序で、地方局長・東京府知事・東京市長・小石川区長等の祝辞朗読を初めとし、境野東洋大学長・町民総代・社会事業研究会・仏教護国団・仏教青年会仏教少年会等の祝辞演説あり、最後に渋沢男爵の祝辞並に会長渋沢男令夫人の挨拶ありて、極めて盛会裡に式を閉づ、尚同日午後六時よりは少年会其他余興の開催ありたり。


竜門雑誌 第三七二号・第三九―四〇頁 大正八年五月 ○瓜生会館開館式(DK300037k-0003)
第30巻 p.382 ページ画像

竜門雑誌  第三七二号・第三九―四〇頁 大正八年五月
○瓜生会館開館式 瓜生会館開館式は二月九日午後二時より小石川区大塚坂下町の本会々堂内に於て挙行せられたる由なるが、当日青淵先生には同会々長たる令夫人と与に出席せられて、一場の懐旧談を為されたる由、其概要の左の如くなりしと伝へらる。
 「論語に徳孤ならず必ず隣ありとあるが、人の道徳行為は決して孤立するものでない、必ず増大してゆくものである。それを事実に証拠立てるのが本会である。十数年前此会が始めて此処に出来た頃は此町内も殆ど町とは思はれない野原の様であつたが、斯様に人家も櫛比し、会堂も立派に改築され、事業が益々発展してゆくといふのは、皆故刀自の徳風が次第々々に其隣ある所以である。本会が将来益々栄えて、広く社会を徳化すること期して望むべきである」