デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15

3編 社会公共事業尽瘁並ニ実業界後援時代

1部 社会公共事業

1章 社会事業
2節 中央社会事業協会其他
11款 其他ノ関係諸事業 3. 財団法人東京盲人教育会
■綱文

第30巻 p.803-804(DK300098k) ページ画像

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■資料

慈善 第八編第三号・第七八―七九頁 大正六年一月 東京盲人教育会十週年記念大会(DK300098k-0001)
第30巻 p.803-804 ページ画像

慈善  第八編第三号・第七八―七九頁 大正六年一月
    ○東京盲人教育会十週年記念大会
同会は去る十一月十八日午後零時半より築地本願寺に於て挙行せられ来会者約八百名に達し、非常なる盛会を極む、最初に理事鶴高隆憲・松岡了眼の二氏より事業の経過報告ありて後、内務省渡辺地方局長・文部省赤司普通学務局長・井上東京府知事・奥田東京市長、及び本会会長男爵渋沢栄一氏等の祝詞あり、終つて文学博士高楠順次郎氏の講演ありて一先づ閉会し、更に数番の余興ありて、来会者一同に多大の
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興味と慰安を与へて、散会せしは夕景五時頃なりき。
      祝詞
東京盲人教育会玆に本日を以て創立十周年の記念式を挙げらる、顧ふに去る明治三十九年本会の設立せられし以来、理事者の熱心なる努力は、江湖の深厚なる同情と相俟ちて逐年事業をして堅実ならしめ、以て今日の盛大を致せり、曩に明治四十四年、内務大臣が本会事業の一たる私立盲人技芸学校に対し指定学校の特典を与へ、警視庁亦本校卒業生に対し無試験営業の免許を与へたるが如きは、亦以て本会の成績佳良なるを証するに足るものと謂ふべし、今や生徒の数約一百名に達し、又最近点字図書館の設立を見るに至りしは、斯業の為め洵に慶賀に堪へざる所なり、希くは此後益々精励努力し、幾多不幸なる盲人の福祉を増進せられむことを、聊か蕪辞を陳べて祝詞に代ふと云爾。
  大正五年十二月十八日《(マヽ)》
            中央慈善協会長 男爵 渋沢栄一



〔参考〕全国社会事業名鑑 昭和二年版 中央社会事業協会編 第六九〇頁 昭和二年一〇月刊(DK300098k-0002)
第30巻 p.804 ページ画像

全国社会事業名鑑 昭和二年版 中央社会事業協会編
                     第六九〇頁 昭和二年一〇月刊
    ◇東京盲人教育会財団
所在地  東京市京橋区築地三丁目一六
代表者  常務理事 松岡了眼
事業種別 盲教育(保護・一般診療)
経営組織 財団法人
設立年月 明治三十九年十月
維持方法 補助金・寄附金
宗教関係 仏教
沿革   明治三十九年十月創立。直に各郡区に巡回教師を派遣し、営業せる盲人の智能啓発に力む。翌四十年以来毎年夏期講習会を開催し、目的の遂行に努むると倶に、職業学校建設に力を尽す。同四十二年四月診療部を置きて一般診療に従事し今日に至る。其外点字図書館の建設に力め、聖恩記念点字図書館四十坪の建築を行ひ公開す。
○下略