デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

昭和4年4月8日（1929年）

是日当協会、今上天皇ノ即位大典ニ際シ、当協会役員・会員及ビ関係者中、陞爵・授爵・叙位・叙勲・褒章授与等ノ栄典ニ浴セシ、栄一等四十六名ノ祝賀会ヲ日本倶楽部ニ於テ開催ス。次イデ五月二十四日、当協会創立二十五周年記念祝賀会ヲ東京会館ニ開催シ、栄一等ニ対シ感謝状並ニ銀製木兎文鎮ヲ贈ル。栄一病気ノタメ両日共出席セズ。

帝国発明協会沿革略　同協会編　　第一二二―一二三頁昭和九年五月刊
　○昭和四年
　　　　栄典拝受祝賀会
客年　聖上陛下御即位大典に際し陞爵・授爵・叙位・叙勲並褒章授与の栄典に浴せられたる本会顧問清浦伯爵外四十五氏の栄典拝受祝賀会を、四月八日午後五時より丸の内日本倶楽部に於て開催す。主賓清浦伯爵外十氏、来賓中橋商工大臣・天岡賞勲局総裁・平塚東京府知事等十九名、其他本会役員・会員等八十余名の出席者あり、盛会裡に散会せり。而して本席上に於て、栄典拝受者本会監事鈴木三郎助氏は恩賜記念発明奨励基金の内に金拾万円の寄附を申出られたり。栄典拝受者氏名左の如し
　　　　　　栄典拝受者一覧
伯爵　　　　　　　正二、勲一、子　清浦奎吾　　顧問
男爵　　　　　　　　　従五、勲二　団琢磨　　　副会長
正六位　　　　　　　　　　　　　　今井五介　　評議員
 - 第46巻 p.363 -ページ画像 
同　　　　　　　　　　　　　　　　米山梅吉　　同
同　　　　　　　　　　　　　　　　牧田環　　　理事
従六位　　　　　従七、勲五、功五　長谷川正五　被表彰者会員
同　　　　　　　　　　　　　　　　植村澄三郎　評議員
旭日菊花大綬章　　正二、勲一、子　金子堅太郎　名誉会員
同　　　　　　　　正三、勲一　子　渋沢栄一　　同
旭日瑞光章　　　　　　正三、勲二　長岡半太郎　同
勲二等（瑞）　　　正四、勲三、男　岩崎小弥太　同
勲三等（同）　　　　　　　　正五　三井元之助　評議員
同（同）　　　　　　　　　　正六　川西清兵衛　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　若尾璋八　　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　藤原銀次郎　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　藤田謙一　　同
勲四等（同）　　　　　　　　正七　矢野恒太　　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　磯村豊太郎　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　鈴木三郎助　監事
勲五等（同）　　　　　　　　　　　和田嘉衡　　被表彰者評議員
同（同）　　　　　　　　　　　　　渡辺三郎　　被表彰者会員
同（同）　　　　　　　　　　　　　田熊常吉　　同
同（同）　　　　　　　　　　　　　島津源蔵　　被表彰者評議員
勲六等（同）　　　　　　　　　　　杉本京太　　同
　　○以下褒章被授与者二十二名略ス。
　　○竜門雑誌第四八八号所載「青淵先生動静大要」ニハ、四月中「青淵先生には本月も引続き在邸静養せらる」トアリ、他ニ資料ナキヲ以テ本会ニ栄一出席セザルモノト推定ス。

帝国発明協会沿革略　同協会編　　第一二四頁昭和九年五月刊
　○昭和四年
　　　　本会創立二十五周年記念祝賀会
五月二十四日午後三時より丸の内東京会館に於て、本会創立二十五周年記念祝賀会を開催せり。商工・大蔵・司法各大臣を始め、朝野の名士並本会役員・会員等三百余名臨席、阪谷会長の式辞に次で、会長より本会功労者に別記の如き記念品並感謝状を贈呈す。続く内閣総理大臣・商工大臣・宮内大臣・農林大臣・大蔵大臣・文部大臣・東京府知事・東京市長・東京商工会議所会頭の祝辞及清浦顧問外各所よりの祝電披露あり、終りて阪谷会長の挨拶ありて式を閉ぢ、午後六時より祝賀の宴を開き阪谷会長・商工大臣等の卓上演説あり、別室に於て発明奨励映画「絹の帝国」の映写、余興等ありて午後九時半頗る盛会裡に閉宴す。当日は記念品並発明者より寄贈の土産品を各出席者に贈呈せり。因に本祝賀会挙行に当り、式典及記念出版事業に付大方の賛助を得、金員並物品の寄贈ありたり。
表彰功労者氏名左記の如し
　一、感謝状並銀製（宝石入）木兎文鎮贈呈
　伯爵　清浦奎吾　　男爵　阪谷芳郎
　　　　久米金弥
 - 第46巻 p.364 -ページ画像 
　一感謝状並銀製木兎文鎮贈呈
　男爵　岩崎子弥太　　　　大谷嘉兵衛
　　　　高橋是清　　男爵　団琢磨
　　　　中松盛雄　　男爵　三井八郎右衛門
　子爵　渋沢栄一　　　　　宿利英治
　　○以下別種被表彰者五十六名略ス。