デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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渋沢栄一　日記　　明治四四年　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
一月二十二日　晴　寒
○上略
朝、安藤農商務技師来リ、米国インヘリアル・バレーノ土地ニ係ル状況ヲ報告セラル
一月二十三日　曇　寒
○上略
朝、中村千代松氏及木内荒治・安藤広太郎氏来リ、米国インヘリヤルヴハレーノ実地踏査ノ状況ヲ話ス

渋沢栄一　日記　　明治四五年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
二月二十八日　曇　軽寒
○上略　午前十時兜町事務所ニ抵リ、英人グレゴル氏、米国人ボルズ氏来訪、濠州ヘ移民ノ事ニ付種々ノ意見ヲ交換ス○下略

渋沢栄一　日記　　大正一〇年　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
二月十四日　晴　寒
○上略　午餐後事務所ニ抵リ○中略　四時過蘭人ヤンソン氏来リ、蘭領印度ニ出稼スル邦人ノ事ニ付種々ノ注意談アリ○下略

 - 第55巻 p.683 -ページ画像 

紹介状往翰（一）　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
（控）
拝啓　益御清適奉賀候、然ば海外協会中央会津崎尚武氏御面会願上度由にて御紹介方申出候に付、本書相付候間、参上の節は寸時御引見被下度候、右得貴意度如此御座候　敬具
　　大正十四年二月廿一日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　日本郵船株式会社
　　　　社長　白仁武殿

（安東義喬）書翰　　渋沢栄一宛昭和四年一二年一〇日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（渋沢子爵家所蔵）
拝啓　時下御機嫌如何に候哉奉伺上候、小生出発ニ際し御暇乞の為め参上致候折ハ、誠に御美事なる法帖頂戴し難有家宝として永く大切に保存仕り御高風を慕はんと存居候、出発後航海に二ケ月間余を費し、印度洋・太西洋等無事通過仕り、九月中旬目的のアルジエンチン国に到着仕り、首府より更に三百里も北方ニ登り、パラグワイの境に接し居候チヤコと申す州の東方パラグワイ河に瀕せる、ロマ・アルタと申す土地の農場に入り込み、爾来植民計画の進行をはかり居候処、此地幸ニ健康地に有之、来る邦人には誠に適せる風土の様ニ被存、これだけは喜居候、地味も無肥料にて作物出来、棉作には最も適し候こととて是亦至極結構に存居候、何分植民事業は御話の通り大分困難の事業に有之、相当波瀾可有之覚悟仕居候、将来共何分宜敷願上候、先ハ右得貴意度如斯に候　草々
　　四年○昭和　十二月十日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　安東義喬
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ゴム印）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ESTANCIA LOMA ALTA
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　LAS PALMAS
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　CHACO
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Argentina
　　　　渋沢子爵閣下

渋沢栄一伝記資料　第五十五巻　終