公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第3巻 p.19-20(DK030008k) ページ画像
明治四年辛未一月二十一日(1871年)
静岡藩ニ世禄ノ返上ヲ願出ツ。二月十三日許サル。
世扶持返上願(DK030008k-0001)
第3巻 p.19 ページ画像
世扶持返上願 (渋沢子爵家所蔵)
(包紙上書)
世扶持返上之儀 辛未二月伺済 同月十三日静岡庶務掛より達来
奉願候書付
正月廿一日織田泉に出す
私義
去々己巳十一月五日租税正拝 命東京於て奉職以後従来原籍に属し候御扶持方之義も当地御藩邸より頂戴いたし居候得共、倩慎思仕候処既に其職務ニ応し相当之官禄下賜候上ハ縦令世禄之筋ニ候とも聊奉事之廉も無之筋安甘受仕候而は今日之御世態に奉対恐悚之至ニ奉存候間、何卒奉職中ハ右世扶持返上仕度此段御允許之程奉懇願候也
辛未正月 渋沢篤太郎
当官奉職中世扶持返上致し度と之儀知事殿江申達候処、尤奇特之筋ニ付被聞届候間此段御達申候也
静岡
二月 権大参事
(別紙)
過日御申立相成候御扶持方之儀ニ付別紙書付壱通、織田泉之殿より被相渡候間為持差進申候御落手可有之候、此段及御達候 以上
静岡藩邸
二月十三日 庶務掛
渋沢篤太郎殿
渋沢篤太郎殿 静岡藩邸 庶務掛
湯しま天神 中坂下
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青淵先生伝初稿 第七章一・第六一頁〔大正八―一二年〕(DK030008k-0002)
第3巻 p.20 ページ画像
青淵先生伝初稿 第七章一・第六一頁〔大正八―一二年〕
初め先生の租税正に任官するや、静岡なる妻子を東京に呼び迎へて湯島に居住せり。此時なほ静岡藩の士禄を受けたるが、身既に朝臣となりて藩禄を貪るは恐懼の至りなりとて、同年の春之を奉還せり。○下略