公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第5巻 p.120-130（DK050025k） ページ画像
明治32年7月13日（1899年）
第拾四期営業報告書ヲ大蔵省ニ提出ス。通常総会ニ引続キ臨時総会ヲ開キ、新商法施行ノタメノ定款変更ヲ決議ス。栄一之ニ参与ス。
東京貯蓄銀行書類 参（DK050025k-0001）
第5巻 p.120-121 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 参 （東京貯蓄銀行所蔵）
支配人(印)
取締役(印)監査役印(印)
本行定款ニ従ヒ来ル七月十三日即第二木曜日午後一時ヨリ第一銀行ニ於テ株主通常総会開会、引続キ臨時総会相開キ、新商法ニ適合セシムル為メ定款改正之件議決相受度、依テ株主ヘ之通知案添、此段及廻議候也
拝啓陳ハ来ル七月十三日第一銀行ニ於テ通常株主総会相開キ、且定款中新商法抵触之廉改正之為メ引続キ臨時総会開会仕候間、午後一時ヨリ御来会被下度、此段及御通報候也
追テ御来会難相成候得者委任状御差出相成度候
○
支配人(印)
取締役栄一印(印)監査役印(印)
当銀行明治三十二年上半期営業報告書及貸借対照表等々別冊之通取調申候、株主総会決議之上ハ成規之通大蔵大臣ヘ進達、新聞紙ヘ広告取計申度候、此段書類ヲ具シ及廻議候也
○新聞広告案略ス
進達願
貯蓄銀行条例第拾条ニヨリ当銀行第拾四期営業報告書調製差出候間、
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主務省ヘ御進達相願候也
明治三十二年七月十七日
株式会社東京貯蓄銀行
東京府知事 男爵 千家尊福殿
貯蓄銀行条例第拾条ノ規定ニ従ヒ別冊第拾四期営業報告書進達仕候也
明治三十二年七月十七日
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一
大蔵大臣 伯爵 松方正義殿
第拾四期営業報告書（DK050025k-0002）
第5巻 p.121-122 ページ画像
第拾四期営業報告書
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十二年一月一日ヨリ六月三十日ニ至ル半年間当銀行営業ノ成績ヲ蒐集シ別紙貸借対照表・損益計算書及ヒ財産目録ヲ添テ玆ニ報告ス
資本金
当銀行現在資本金拾万円株式千株一株百円ニシテ（内、払込高五万円払込未済高五万円）現在株主ノ姓名株数ハ冊尾ニ附載セリ
株主総会
当銀行ハ明治卅二年一月十二日定時総会ヲ開キ、明治三十一年下半季営業及ヒ計算ノ報告ヲナシ、且利益金分配ノ事ヲ議決シ、引続キ臨時総会ヲ開キ監査役一名満期ニ付左ノ通リ選挙重任セリ
監査役 重任 須藤時一郎
処務ノ要件
本年一月九日当銀行貯蓄預金払戻担保補足トシテ株式会社第一銀行株式二百株、此ノ払込金額壱万円日本郵船株式会社々債券面壱万二千五百円ヲ東京供托所ヘ預ケ入レ、同月十二日其旨主務省ニ届出タリ
営業ノ景況
当銀行貯蓄預金ノ増減ヲ前々期（卅一年上半季）ニ比スレハ、預リ高ニテ六割壱分壱厘弱、払戻高ニテ四割七分六厘強、期末ノ現在高ニ於テ三分六厘増加シ、又前期（三十一年下半季）ニ比スレハ、預リ高ニテ二割九分四厘強払戻高ニテ壱割五分九厘弱、期末ノ現在高ニ於テ二分七厘強増加セリ
損益計算書
利益 金額 損失 金額 公債利息 五、七六〇・ 利息 三一、五二六・三七七 利息 三一、三〇四・一五八 割引料 五六一・九二〇 割引料 六、五七八・二五七 雑費 八、五一九・六〇四 雑益 一一八・ 純益金 有価証券売買益 一、五〇〇・ 積立金 二、五〇〇・ 前期繰越 八六八・三〇〇 配当金 二、二五〇・ （払込資本高百円ニ付四円五十銭ノ割） 後期繰越 七七〇・八一四 合計 四六、一二八・七一五 合計 四六、一二八・七一五
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明治三十二年六月三十日
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
第拾四期貸借対照表
資産 金額 負債 金額 貸附金 三四七、三四一・二六六 貯蓄預金 一、二一三、七五六・七九七 割引手形 二〇五、五〇〇・ 資本金 一〇〇、〇〇〇・ 公債証書 一九二、〇三九・ 積立金 一七、五〇〇・ 社債券 一三四、三七四・八〇〇 当期純益金 五、五二〇・八一四 会社株券 七四、〇五〇・ 預ケ金 一〇〇、〇〇〇・ 未収入社債券利子 五、七三七・七〇四 払込未済資本金 五〇、〇〇〇・ 営業用地所建物 四二、八四七・〇一二 同什器 一、一九九・一〇〇 金銀有高 一八三、六八八・七二九 内訳 正貨 一、一〇一・七二九 兌換券 一八二、五八七・ 合計 一、三三六、七七七・六一一 合計 一、三三六、七七七・六一一
明治三十二年六月三十日
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
財産目録
種類 摘要 金額 貸附金 証書百拾二通 三四七、三四一・二六六 割引手形 拾九枚 二〇五、五〇〇・ 国債証券 券面七万七千五百円 七三、三六二・ 地方債証券 同拾二万七百五拾円 一一八、六七七・ 社債券 同拾三万六千五百円 一三四、三七四・八〇〇 会社株券 同八万二百五拾円 七四、〇五〇・ 預ケ金 一ケ所第一銀行 一〇〇、〇〇〇・ 未収入社債券利子 自本年一月至同六月ノ分三口 五、七三七・七〇四 営業用地所 百弐拾弐坪二合五勺 二〇、〇〇〇・ 営業用家作土蔵 拾二棟建坪二百廿六坪四合七勺五才 二二、八四七・〇一二 同什器 金庫九個 一、一九九・一〇〇 払込未済資本金 現株主拾二名株式千株 五〇、〇〇〇・ 金銀有高 一八三、六八八・七二九 合計 一、三三六、七七七・六一一
明治三十二年六月三十日
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
東京貯蓄銀行書類 参（DK050025k-0003）
第5巻 p.122-123 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 参 （東京貯蓄銀行所蔵）
支配人(印)
- 第5巻 p.123 -ページ画像
取締役栄一印(印)監査役(印)印
新商法ニ適合セシムル為メ定款改正按別紙之通取調候、株主総会決議之上ハ大蔵大臣ヘ認可請求其他手続取運申度候、此段及廻議候也
大蔵大臣ヘ認可申請按
新商法施行相成候ニ就テハ当行定款株主総会ノ決議ニ依リ、別冊之通改正仕候、依テ御認可相成度、此段御願申上候也
株式会社東京貯蓄銀行定款（DK050025k-0004）
第5巻 p.123-124 ページ画像
株式会社東京貯蓄銀行定款
第一章 総則
第一条 当銀行ハ明治二十三年法律第七拾三号貯蓄銀行条例ニ準拠シ貯蓄銀行事業ヲ経営スルヲ以テ目的トス
第二条 当銀行ハ株式会社東京貯蓄銀行ト称ス
第三条 当銀行ノ資本金額ハ拾万円トス
第四条 当銀行ハ本店ヲ東京市日本橋区ニ置キ、支店ヲ左ノ場所ニ設置ス
神田支店 東京市神田区
芝支店 東京市芝区
両国支店 東京市日本橋区
麹町支店 東京麹町区
第五条 当銀行ノ公告ハ所轄登記所ノ公示スル新聞紙ニ掲載スヘシ
第二章 株式
第六条 当銀行ノ株式ハ壱千株トシ壱株ノ金額ヲ百円トス
但シ其株券ハ記名式トシ無記名式トナスコトヲ得ス
第七条 当銀行ノ払込未済株金ニ対スル払込金額及ヒ払込期日ハ取締役会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
但其払込金額ハ一回毎ニ一株ニ付金弐拾五円以下トシ其払込期日ハ二週間前ニ各株主ニ通知スヘシ
第八条 株金払込ヲ怠リタル株主ハ其期日ノ翌日ヨリ払込タル日マテ一日金参銭ノ割合ヲ以テ遅延ノ利息ヲ仕払且其遅延ノ為メ生シタル損失ヲ償フヘシ
第九条 当銀行ノ株式ヲ売買譲与シタルトキハ双方連署ノ請求書ヲ作リ当銀行ヘ申出、株主名簿ニ登録ヲ請ヒ其株券ニ証印ヲ受クヘシ
前項ノ場合ニ於テハ株券一枚ニ付金五銭ノ手数料ヲ徴収ス
第拾条 当銀行ノ株券ヲ損傷紛失又ハ滅失セシトキハ其事由ヲ明記シ証人連署ノ証書ヲ差出シ新株券ノ交附ヲ請求スルコトヲ得
但紛失又ハ滅失ノ場合ニ於テハ其旨ヲ公告シ三ケ月ヲ経過スルモ尚発見セサルトキハ新株券ヲ交附スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ公告ノ費用ノ外株券一枚ニ付金弐拾銭ノ手数料ヲ徴収ス
第拾壱条 株券名儀書換ハ定時総会前三十日以内相当ノ期間ヲ定メ之ヲ停止ス
第三章 営業
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第拾弐条 当銀行ノ営業ハ貯蓄預金、諸預金貸附、手形割引、有価証券及ヒ地金銀ノ売買トシ、都合ニヨリ金銀貨貴金属諸証券ノ保護預リヲナスコトアルヘシ
第拾三条 当銀行ハ前条ニ掲タルモノノ外左ニ記載スル物件ヲ引取リ之ヲ所有シ又ハ之ヲ買取リ或ハ売払フコトヲ得
第一 営業上必要ナル地所家屋什器
第二 債務弁済ノ為メ引渡サレタル動産、不動産
第三 質又ハ抵当ニシテ裁判上競売トナリタル動産、不動産
第四章 役員
第拾四条 総会ニ於テ五拾株以上ヲ所有スル株主中ヨリ三名以上ノ取締役及二名以上ノ監査役ヲ選定ス
第拾五条 取締役ノ任期ハ三ケ年トシ監査役ノ任期ハ一ケ年トス
但満期再選スルコトヲ得
第拾六条 取締役若クハ監査役在任中欠員ヲ生スルモ法定ノ員数ヲ欠カス且ツ現任ノ役員ニ於テ事務ニ差支ナシト認定スル場合ニハ次期ノ総会迄選挙ヲ猶予スルコトヲ得
但其補欠当選者ノ任期ハ前任者ノ残期トス
第拾七条 取締役ハ同役ノ互選ヲ以テ取締役会長一名ヲ選定シ業務ヲ統理セシム
取締役会長ハ取締役会及ヒ株主総会ノ議長トス
第拾八条 取締役ハ其在任中自己所有ノ当銀行株券五拾株ヲ監査役ニ供託スルヲ要ス
第五章 総会
第拾九条 総会ニ於テハ予メ株主ニ通知シタル事項ノ外他ノ議事ニ渉ルコトヲ得ス
第二拾条 定時総会ハ毎年一月七月ノ両度ニ開会シ臨時総会ハ必要アルトキ之ヲ開ク
第二拾一条 株主ハ代理人ニ委任シテ議決権ヲ行フコトヲ得ト雖、其代理人ハ必ス当銀行ノ株主ニ限ル
第二拾二条 総会ノ決議ニ付可否同数ナルトキハ議長ハ裁決権ヲ有ス
第二十三条 総会ニ於テ議決シタル事件ハ決議録ニ記載シ取締役監査役署名ノ上之ヲ保存ス
第六章 計算
第二拾四条 当銀行ハ毎年六月十二月ノ終リニ於テ諸勘定ヲ決算シ諸報告ヲ調製ス
第二十五条 当銀行ノ損益計算ハ毎期総益金ヨリ諸税、支払利子、諸経費其他損失金ヲ引去リタルモノヲ純益金トシ、其二十分一以上ヲ準備金トシテ積立テ其残額ヲ株主ニ配当ス
但計算ノ都合ニヨリ後期ヘ繰越金ヲナスコトヲ得
東京貯蓄銀行書類 参（DK050025k-0005）
第5巻 p.124-130 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 参 （東京貯蓄銀行所蔵）
支配人(印)
取締役栄一印監査役印(印)
- 第5巻 p.125 -ページ画像
定款改正之議大蔵大臣認可相成候ニ就テハ成規之通登記手続取運度候此段及廻議候也
本支店所在地
広告之方法
監査役
支配人
役員転居
右
大蔵省指令第一七〇六号
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
三十二年七月十七日付願定款変更ノ件認可ス
明治三十二年八月十一日
大蔵大臣 伯爵 松方正義 大蔵大臣之印
（会長割印） 一銭(印) 委任状
一拙者共 ヲ以テ特定代理人トシ左ノ権限ヲ代理為致候事
一当銀行商法施行法第五拾二条ニ拠リ其登記申請書ヲ東京区裁判所ヘ呈供スル事
右申請書ノ誤謬訂正字句修正並ニ添付書類ノ謄本ヲ作成シテ之レヲ呈出シ其本書ノ還付ヲ請フ事其他本件ニ関スル一切ノ行為
右代理委任状依テ如件
東京市日本橋区坂本町拾九番地
明治三十二年 月 日 株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
登記申請
一支店
東京市神田区佐柄木町二拾一番地
〃芝区新幸町二番地
〃日本橋区横山町三丁目拾一番地
〃麹町区麹町五丁目拾六番地
一公告ヲ為ス方法
所轄登記所ノ公告スル新聞紙ニ掲載ス
一監査役
東京市浅草区北富坂町拾九番地 須藤時一郎
同本郷区弓町二丁目拾九番地 佐々木勇之助
此登録税金五円也
右商法施行法第五拾弐条ニ依テ登記相成候度、定款及ヒ監査役選挙ニ関スル決議録、就任承諾書相添、此段申請候也
東京市日本橋区坂本町拾九番地
株式会社東京貯蓄銀行
- 第5巻 p.126 -ページ画像
明治三十二年 取締役会長 渋沢栄一(印)
月日 取締役 西園寺公成(印)
取締役 吉田省三(印)
東京区裁判所
御中
登記申請
一本店
東京市日本橋区坂本町拾九番地
一支店
東京市芝区新幸町弐番地
〃日本橋区横山町三丁目拾一番地
〃麹町区麹町五丁目拾六番地
一公告ヲ為ス方法
所轄登記所ノ公告スル新聞紙ニ掲載ス
一監査役
東京市浅草区北富坂町拾九番地 須藤時一郎
同本郷区弓町二丁目拾九番地 佐々木勇之助
此登録税金壱円也
右商法施行法第五拾弐条ニ依テ登記相成度、定款及ヒ監査役選挙ニ関スル決議録、就任承諾書相添、此段申請候
東京市神田区佐柄木町廿一番地
明治三十二年 株式会社東京貯蓄銀行神田支店
月日 取締役会長 渋沢栄一(印)
取締役 西園寺公成(印)
〃 吉田省三(印)
東京区裁判所
御中
印鑑届
印鑑 [img 図]〓 東京市日本橋区坂本町拾九番地 株式会社東京貯蓄銀行 取締役会長 渋沢栄一 天保十一年二月十三日生
印鑑 [img 図]〓 東京市日本橋区坂本町拾九番地 株式会社東京貯蓄銀行 取締役 西園寺公成 天保六年十二月七日生
印鑑 [img 図]〓 東京市日本橋区坂本町拾九番地 株式会社東京貯蓄銀行 取締役 吉田省三 嘉永 年 月 日生
右司法省令第拾参号ニ依リ御届申上候也
- 第5巻 p.127 -ページ画像
明治三十二年 東京市日本橋区坂本町拾九番地
月日 株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
東京区裁判所
御中
決議録
明治三十二年一月十二日当銀行株主臨時総会ヲ東京市日本橋区兜町二番地株式会社第一銀行内ニ於テ開キ、須藤時一郎ヲ監査役ニ選挙ノ件全会一致ヲ以テ議決セリ
但当銀行株主ノ総数十二名ニシテ本日出席ノ株主総数ハ九名ナリ
右之通ニ候也
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
就任承諾書
明治三十二年一月十二日株式会社東京貯蓄銀行臨時総会ニ於テ監査役ニ撰挙相成候ニ付就任承諾仕候也
東京市浅草区北富坂町拾九番地
明治三十二年一月十二日 須藤時一郎(印)
株式会社東京貯蓄銀行
御中
決議録
明治卅一年一月十三日当銀行株主臨時総会ヲ東京市日本橋区兜町壱番地株式会社第一銀行内ニ於テ開キ、佐々木勇之助ヲ監査役ニ選挙ノ儀全会一致ヲ以テ決議セリ
但当銀行株主ノ総数拾弐名ニシテ本日出席ノ株主総数ハ九名ナリ
右之通ニ候也
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
就任承諾書
明治三十一年一月十三日株式会社東京貯蓄銀行臨時総会ニ於テ監査役ニ選挙相成候ニ付就任承諾仕候也
東京市本郷区弓町二丁目拾九拾地
明治三十一年一月十三日 佐々木勇之助(印)
株式会社東京貯蓄銀行
御中
大蔵省指令
定款変更ノ認可書
定款
写略之
右之通ニ候也
（会長割印） 弐銭(印) 株式会社東京貯蓄銀行
- 第5巻 p.128 -ページ画像
取締役会長 渋沢栄一(印)
取締役 西園寺公成
同 吉田省三
（会長割印） 一銭(印) 委任状
一拙者儀 ヲ以テ部理代人ト定メ拙者ノ名儀ニテ左ノ事件ヲ代理為致候事
一東京区裁判所ヘ当銀行支配人登記ヲ申請スル事
右登記申請書ヲ呈出シ及ヒ添付書類ノ謄本ヲ作成シテ本書ノ還付ヲ請フ事其他申請書中誤謬ノ訂正等本件ニ関スル一切ノ行為
右代理ノ委任状依テ如件
東京市日本橋区坂本町拾九番地
明治三十二年 株式会社東京貯蓄銀行
月日 取締役会長 渋沢栄一(印)
取締役 西園寺公成(印)
取締役 吉田省三(印)
会社支配人登記申請
一支配人ノ氏名住所
東京市日本橋区南茅場町五番地
吉田省三
一主人ノ氏名住所
東京市日本橋区坂本町拾九番地
株式会社東京貯蓄銀行
一主人ノ営業
貯蓄銀行営業
一支配人ノ用ユヘキ商号
株式会社東京貯蓄銀行
一支配人ヲ置ヒタル場所
東京市日本橋区坂本町拾九番地
一会社設立登記ノ年 月 日
明治廿七年二月廿一日
右登記相成候度、此段申請候也
東京市日本橋区坂本町拾九番地
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十二年 月 日 取締役会長 渋沢栄一(印)
東京区裁判所御中
決議書
明治三十二年八月一日当銀行取締役会ニ於テ吉田省三ヲ支配人ニ選任ノ件ヲ議決セリ
右之通ニ候也
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
- 第5巻 p.129 -ページ画像
取締役 西園寺公成(印)
取締役 吉田省三(印)
就任承諾書
明治三十二年八月一日株式会社東京貯蓄銀行取締役会ニ於テ同行支配人ニ選任相成候ニ付右御受致候也
東京市日本橋区南茅場町五番地
明治三十二年八月二日 吉田省三(印)
株式会社東京貯蓄銀行
御中
（会長割印） 一銭(印) 委任状
一拙者共 ヲ以テ特定代理人トシ左ノ権限ヲ代理為致候事
一当銀行取締役吉田省三明治三十二年八月十日東京市日本橋区南茅場町五番地ニ移転届出ニ付変更登記申請書ヲ東京区裁判所ヘ呈供スル事
右申請書ノ誤謬訂正字句修正併ニ添付書類之謄本ヲ作成シテ之ヲ呈出シ其本書ノ還付ヲ請フ事其他本件ニ関スル一切ノ行為
右代理委任状依テ如件
東京市日本橋区坂本町拾九番地
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十二年 月 日 取締役会長 渋沢栄一(印)
取締役 西園寺公成(印)
取締役 吉田省三(印)
変更登記申請
（下欄朱書）
変更 原登記
一取締役氏名住所 一取締役氏名住所
東京市日本橋区南茅場町五番地 芝区芝公園地廿一号ノ拾五番
吉田省三 吉田省三
（朱書）
此登録税 金五円也 （支店ハ各壱円ツヽ）
右朱書之通登記相成候処、明治三十二年八月十日取締役吉田省三願書之通移転之旨届出候ニ付、登記御変更被成下度、別紙届書相添、此段申請候也
東京市日本橋区坂本町拾九番地
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一(印)
明治三十二年 月 日 取締役 西園寺公成(印)
取締役 吉田省三(印)
転居届
東京市日本橋区南茅場町五番地
拙者儀明治三十二年八月十日前記ノ地ニ移転致候間此段及御届候也
株式会社東京貯蓄銀行
明治卅二年八月十日 取締役 吉田省三(印)
- 第5巻 p.130 -ページ画像
株式会社東京貯蓄銀行御中
○定款略ス。
公告ヲ為ス方法監査役氏名及取締役転住之件ニ付別紙之通登記相受候間、此段及御届候也
図
明治卅二年 株式会社東京貯蓄銀行
九月十五日 取締役会長 渋沢栄一
大蔵大臣 伯爵 松方正義殿
○別紙略ス。
○商法施行法第五十二条ニハ「商法施行前ニ本店ノ所在地ニ於テ設立ノ登記ヲ為シタル株式会社ハ商法施行ノ日ヨリ三ケ月内ニ本店ノ所在地ニ於テハ支店、支店ノ所在地ニ於テハ本店並ニ他ノ支店及ヒ会社カ公告ヲ為ス方法並ニ監査役ノ氏名、住所ヲ登記スルコトヲ要ス」ト規定シアリ、又明治三十二年五月十三日附司法省令第十三号、商業登記取扱手続第七条ニハ「印鑑ハ附録第二十一号雛形ニ依リ之ヲ調製スヘシ」ト規定シアリ、附録第二十一号ハ次ノ如シ。
附録第二十一号
（用紙厚紙堅五寸横一寸）
郡市町村番地 [img 図]〓 印鑑 氏名 何年何月生 （注意）会社ノ代表者ナルトキハ氏名ノ肩ニ会 社ノ営業所ノ所在地、会社ノ商号並ニ代表者 ノ資格ヲ記載スヘシ