公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第5巻 p.130-135（DK050026k） ページ画像
明治33年1月11日（1900年）
第拾五期営業報告書ヲ大蔵省ニ提出ス。又本店営業所移転ノコトヲ議決ス。通常総会ニ引続キ臨時総会ヲ開キ、取締役三名監査役一名任期満了ニ付改選ス。栄一之等ニ参与ス。
東京貯蓄銀行書類 参（DK050026k-0001）
第5巻 p.130-131 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 参 （東京貯蓄銀行所蔵）
支配人(印)
取締役栄一印(印)監査役印(印)
本行定款之規定ニ従ヒ来ル明治三十三年一月十一日（即第二木曜日）午後一時ヨリ第一銀行ニ於テ通常総会開会、引続監査役改選会相開度候、依テ株主ヘ通知案添、此段及廻議候也
株主ヘ通知案
拝啓陳レハ来ル明治三十三年一月十一日第一銀行ニ於テ通常総会相開キ、且取締役三名監査役一名満期ニ付引続キ右選挙会開会仕候間、同日午後一時ヨリ御来会被下度、五十株以上株主氏名書相添、此段及御通報候也
追テ御来会難相成候ハヾ委任状御差出相成度候
東京貯蓄銀行
株主宛
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五十株以上之株主
現在取締役 渋沢栄一
現在取締役 西園寺公成
三井八郎二郎
現在監査役 須藤時一郎
現在取締役 吉田省三
監査役満期 佐々木勇之助
熊谷辰太郎
長谷川一彦
本山七郎兵衛
○取締役三名監査役一名ハ何レモ重任セリ。
東京貯蓄銀行書類 四（DK050026k-0002）
第5巻 p.131 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 四 （東京貯蓄銀行所蔵）
明治三十三年一月十一日
支配人(印)
取締役栄一印(印)監査役印(印)
当銀行明治三十二年下半期営業報告書及貸借対照表等別冊之通取調申候、株主総会決議之上ハ成規之通大蔵大臣ヘ進達、新聞紙ヘ広告取計申度候、此段書類ヲ具シ及廻議候也
○新聞広告案略ス
進達願
貯蓄銀行条例第拾条ニヨリ当銀行第十五期営業報告書調製差出候間、主務省ヘ御進達相願候也
明治三十三年一月十六日
株式会社東京貯蓄銀行
東京府知事 男爵 千家尊福殿
貯蓄銀行条例第拾条ノ規定ニ従ヒ別冊第拾五期営業報告書進達仕候也
明治三十三年一月十六日
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一
大蔵大臣 伯爵 松方正義殿
第拾五期営業報告書（DK050026k-0003）
第5巻 p.131-133 ページ画像
第拾五期営業報告書
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十二年七月一日ヨリ十二月三十一日ニ至ル半年間当銀行営業ノ成績ヲ蒐集シ、別紙貸借対照表・損益計算書及ヒ財産目録ヲ添テ玆ニ報告ス
資本金
当銀行現在資本金拾万円株式千株一株百円ニシテ（内、払込高五万円払込未済高五万円）現在株主ノ姓名株数ハ冊尾ニ附載セリ
株主総会
当銀行ハ明治三十二年七月十三日定時総会ヲ開キ明治三十二年上半季営業及ヒ計算ノ報告ヲナシ、且ツ利益金分配ノ事ヲ議決シ、引続キ臨
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時総会ヲ開キ、新商法ニヨリ定款変更ノ件ヲ議決セリ
処務之要件
一七月十七日、新商法実施ニ付定款変更願ヲ大蔵省ニ差出シ、八月十八日認可ヲ得タリ
一八月二十五日、定款変更、監査役、支配人、及公告ヲ為ス方法ノ登記ヲ受ケ、九月十五日其旨主務省ヘ届出タリ
一十月一日、貯蓄預金払戻担保品ノ中、担保過剰ニ係ル日本郵船株式会社々債券々面五千円償還当籖ニ付、下戻願ヲ東京府ヘ申請シ、同月四日右下戻ヲ受ケタリ
一十二月二十日、貯蓄預金払戻担保補足トシテ東京市公債証書券面五万円、東京供託所ヘ預ケ入レ、右代リトシテ兼テ供託シアル東京市公債証書券面四千円、函館区公借証書額面二万円、日本郵船株式会社々債券々面七千五百円ノ下戻願ヲ東京府ヘ申請シ、同月二十五日右下戻ヲ受ケタリ
一当銀行ハ日本橋区南茅場町五番地ニ営業所新築ノ事ニ決シ、木造二階建塗家一棟、金庫一棟及ヒ附属家一棟、此総建坪七拾壱坪壱合一勺ノ建築工事ニ本年四月十三日ヨリ着手シ、外部ハ略ホ完成ヲ告ケ目下内部ノ工事中ナリ、而シテ新築費トシテ仮ニ当半季末日迄ニ支出シタル金額ハ金六千八百二円五十四銭ナリ
営業ノ景況
当銀行貯築預金ノ増加ヲ前々期（三十一年下半季）ニ比スレハ預リ高ニテ六割五分五厘強、払戻高ニテ六割七分五厘強、期末ノ現在高ニ於テ三分五厘強増加シ、又前期（三十二年上半季）ニ比スレハ預リ高ニテ二割八分一厘弱、払戻高ニテ四割四分五厘強、期末ノ現在高ニ於テ六分三厘強増加セリ
○中略
第拾五期貸借対照表
資産 金額 負債 金額 貸附金 二八八、五七八・二三二 貯蓄預金 一、二九〇、二七五・六八三 割引手形 三三五、三二〇・ 資本金 一〇〇、〇〇〇・ 公債証書 二三三、九六四・ 積立金 二〇、〇〇〇・ 社債券 二〇四、八一一・八〇〇 当期純益金 一三、三四〇・六二二 会社株券 八二、〇五〇・ 未収入社債券利子 七、〇七三・三三三 新築費勘定 六、八〇二・五四〇 払込未済資本金 五〇、〇〇〇・ 営業用地所建物 四三、九四七・〇一三 同什器 一、二三一・一〇〇 金銀有高 一六九、八三八・二八八 内訳 正貨 一、一二九・二八八 兌換券一六八、七〇九・ 合計 一、四二三、六一六・三〇五 合計 一、四二三、六一六・三〇五
明治三十二年十二月三十一日
東京市日本橋区坂本町十九番地
- 第5巻 p.133 -ページ画像
株式会社東京貯蓄銀行
損益計算書
利益 金額 損失 金額 公債利足 六、〇五七・五六〇 利足 三二、四五二・一四八 利足 三一、三四〇・四一六 割引料 一、〇七七・九三〇 割引料 一〇、九五五・四三七 雑費 八、三二三・五二七 社債券当籖益 二二〇・ 純益金 株券価格改算益 五、八五〇・ 積立金 一〇、〇〇〇・ 前期繰越 七七〇・八一四 配当金 二、二五〇・ （払込資本高百円ニ 付四円五十銭ノ割） 後期繰越 一、〇九〇・六二二 合計 五五、一九四・二二七 合計 五五、一九四・二二七
明治三十二年十二月三十一日
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
財産目録
種類 摘要 金額 貸附金 証書八拾三通 二八八、五七八・二三二 割引手形 五拾四枚 三三五、三二〇・ 国債証券 券面七万七千五百円 七三、三六二・ 地方債証券 同拾六万参千六百五十円 一六〇、六〇二・ 社債券 同二十万六千五百円 二〇四、八一一・八〇〇 会社株券 同八万二千四百円 八二、〇五〇・ 未収入社債券利子 三十二年下半季分四口 七、〇七三・三三三 新築費勘定 仮支出 六、八〇二・五四〇 営業用地所 百弐拾弐坪二合五勺 二〇、〇〇〇・ 同家作土蔵 拾二棟建坪三百廿六坪四合七勺五才 二三、九四七・〇一二 同什器 庫拾個 一、二三一・一〇〇 払込未済資本金 現株主十二名株式千株 五〇、〇〇〇・ 金銀有高 一六九、八三八・二八八 合計 一、四二三、六一六・三〇五
明治三十二年十二月三十一日
東京市日本橋区坂本町十九番地
株式会社東京貯蓄銀行
東京貯蓄銀行書類 四（DK050026k-0004）
第5巻 p.133-135 ページ画像
東京貯蓄銀行書類 四 （東京貯蓄銀行所蔵）
支配人(印)
取締役栄一印監査役印(印)
来ル四月一日当行営業所南茅場町新築ヘ移転致候ニ就テハ例ニ依リ公証人中沢文治ヘ委托シ登記之手続ヲナシ、且登記済之上成規之通大蔵大臣ヘ届方取計度、書類ヲ具シ此段及廻議候也
委任状
- 第5巻 p.134 -ページ画像
一拙者共 ヲ以テ特定代理人トシ左ノ権限ヲ代理為政候事
一当銀行本店ヲ東京市日本橋区南茅場町五番地ヘ移転 ニ付其登記ヲ東京区裁判所ヘ申請スル事
右申請書及添付書類謄本作製呈供添付書類本書之還付ヲ乞フ事其他本件ニ関スル一切ノ行為
右代理委任状如件
東京市日本橋区
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十三年 月 日 取締役会長 渋沢栄一
取締彼 西園寺公成
取締役 吉田省三
登記申請
（下欄朱書）
変更 原登記
一本店 一営業所
東京市日本橋区南茅場町五番地 東京市日本橋区坂本町十九番地
登録税 金五円
右朱書之如ク登記相成居候処、明治三十三年一月十一日臨時総会ノ決議ニ依リ、明治三十三年 月 日、東京市日本橋区南茅場町五番地ヘ移転 ニ付、登記変更相成度、株主総会決議録相添ヘ、此段申請候也
東京市日本橋区
株式会社東京貯蓄銀行
明治三十三年 月 日 取締役会長 渋沢栄一
取締役 西園寺公成
取締役 吉田省三
決議書
明治三十三年一月十一日臨時総会ニ於テ左ノ件ヲ決議ス
一本店ヲ明治卅三年四月一日日本橋区南茅場町五番地ヘ移転スル事
株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一
株主惣代 佐々木勇之助
進達願
当銀行本店営業所本月一日東京市日本橋区南茅場町五番地ヘ移転致、且三月廿八日登記相受候ニ就テハ、別紙二通主務省ヘ進達方御取計相成度奉願候也
明治卅三年四月五日
株式会社東京貯蓄銀行 図
東京府知事 男爵 千家尊福殿
当銀行本店営業所本月一日日本橋区南茅場町五番地ヘ移転致、且別紙之通三月廿八日登記相受申候間、此段及御届候也
- 第5巻 p.135 -ページ画像
図
明治卅三年四月五日 株式会社東京貯蓄銀行
取締役会長 渋沢栄一
大蔵大臣 伯爵 松方正義殿