デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治20年10月10日（1887年）

日本銀行五周年記念ノタメ祝宴ヲ開ク。栄一之ニ列席ス。爾後屡々同行ノ祝宴等ニ出席ス。

中外物価新報　第一六六一号〔明治二〇年一〇月一三日〕
　　　　○日本銀行の祝宴
同行創立以来今年は早や五周年目に当るに付き、総裁吉原重俊氏には去る十日を卜し、芝紅葉館に於て各銀行会社等の重立ちたるもの数十名を招き五周年の祝宴を開らかれたり、当日来会の人々は松方大蔵大臣、土方宮内大臣、飯田内蔵助、侯爵池田章政、渋沢栄一、原六郎、木村正幹、三井武之介、原善三郎、間島冬道、大倉喜八郎、山中隣之助等の諸氏を始め其他四五十名なりしが、席上如燕の面白き講談、数番の手踊等ありて中々の盛宴なりし由

東京経済雑誌　第三九巻・第九七四号〔明治三二年年四月一五日〕
　　　　○日本銀行の園遊会
同会は去る八日午後二時より芝山内の紅葉館に於て催され、来賓は西郷、松方、芳川、曾禰、清浦の六大臣、伊藤侯、大山元帥、伊東海軍大将、尾崎、伊東の両枢密、大迫中将、土方、久松の二伯、曾我、小笠原の二子、小沢、末松、尾崎の三男、安広翰長、都筑、藤田、奥田、斎藤の各次官を始とし、貴衆両院議員、岩崎久弥、豊川良平等三菱派の重もなる諸氏、三井高保、同守之助等一門諸氏、渋沢栄一、益田孝　大倉喜八郎、近藤廉平、原六郎、今村清之助、浅野総一郎氏等の諸氏横浜外国銀行家、京浜間の銀行大会社の重役、大株主、商業会議所議員、新聞雑誌記者等を合せ無慮八百余名、園中便宜の所に煙草店、飲食店並に抹茶煎茶店等を設けて随意来賓の喫飲に任せ、又余興としては能楽堂に於て能狂言、新座敷には所作事あり、其他講談落語等あり午後四時よりは食堂を開き立食の饗応あり、賓主各歓を尽して一同散会せるは午後六時前後なりき

竜門雑誌　第一八六号・第三一頁〔明治三六年一一月二五日〕
　　　　日本銀行新旧総裁送迎会に於る青淵先生の演説
日本銀行新旧総裁送迎会は十一月九日東京銀行集会所の主催にて銀行倶楽部に於て開かれたるか、来賓山本旧総裁、松尾新総裁、高橋副総裁及び山口首藤両理事、木村営業局長、土方秘書役にて、来会者は青淵先生、豊川、園田、添田、相馬、大谷、三崎、池田、佐々木氏等八十余名、晩餐後青淵先生の挨拶あり、之に対して新旧両総裁の答辞及添田日本興業銀行総裁の挨拶あり、午後九時散会したり、青淵先生の挨拶大略左の如し
○下略
　　　○第六巻東京銀行集会所明治三十六年十一月九日ノ項参照。