デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

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渋沢栄一　書翰　木村雄次宛（明治三七年）一二月三一日（木村家所蔵）
○上略
韓国各支店之業務ハ追々拡張いたし、此上財政顧問抔之考案決定之上ハ中央銀行之位地ニ立候様ニも可相成、随而種々之用向も可相生と存候間、各地支店ともニ充分ニ御注意有之候様企望仕侯、銀行券も弥増流通相増候様相成慶賀之事ニ候得共、何分印刷局之製造手間取候ニハ困却仕候、一方ニ好都合あれハ一方ニ色々之責任相生候ハ世間之状態免れさる次第ニて、既ニ貴地其外とも居留民公共之借用金被申込、昨日も本店ニて取調候処、低利ニて年賦貸と相成候高金三拾万円以上ニ相成候、其上十八銀行其外よりも所謂無心同様之申出有之、実ニ鬱陶敷次第ニ御坐候、右地方年賦貸之事ハ自然御序之節領事抔へも当行ハ随分色々之負担有之と申事を知らせ置候必要可有之と存候、但右等之義者廉立候而ハ自慢ニ相聴へ、却而不宜候ニ付、御注意之上程能場合ニ御話し置被成度と存侯
○中略
　　十二月三十一日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　木村雄次様
　　　　　　　　拝復
○下略

渋沢栄一　書翰　野口弥三宛（明治三八年）五月二二日　　（野口家所蔵）
○上略　十八銀行との取引ニ付而も、御滞京中御話せし事共尚清水氏へも縷々申述、向後京城又ハ仁川店抔ニて随分御注意相願度と存候、是又御申合可被下侯
○中略
　　五月廿二日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　野口弥三様
　　　　　　　拝答
 - 第5巻 p.427 -ページ画像 

渋沢栄一　書翰　佐々木勇之助宛（佐々木家所蔵）
　○（明治三一年）四月二五日
○上略
十八銀行とのコルレスハ昨夜承合候処、先以此処解約致度と申居候間其意ニ任せ候積ニ候
○中略
　　四月廿五日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　　　佐々木勇之助様

　○（明治三七年）一一月二日
　明治卅□《（マヽ）》年十一月二日
○上略
元山ニ出張所派出之義者、此程陸軍より度々之御催促有之候旨ニて、日本銀行ニ於ても頻ニ被申越侯間、即夫々取扱候都合之処、十八銀行より兼而予期せし如く頻ニ電報書状等申来り、歎願とも可申苦情とも可申有様ニ相見へ候、老生へも特ニ一書被差越候間、明日ニも回答書相発し、到底十八銀行ニ嘱托と申事ハ相叶申間敷旨断リ置候積ニ候得共、貴兄へも色々之面倒可申出と存候ニ付、御含置可成、温和ニ御接遇之方可然と存候、終ニハ幾分之低利資金位ハ承諾之外無之歟と被存候、是又釜山店より之申出も有之候旁、御考慮之上、可然御引合可被下候
○中略
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　渋沢栄一
　　　佐々木勇之助様
　　　　　　　　　梧下

渋沢栄一　日記　　明治三八年
二月十八日　晴　風寒シ
○上略　此日長崎永見寛二氏来リ、十八銀行ヨリ第一銀行ニ対スル請願ノ趣旨ヲ縷述ス、追テ回答スヘキコトヲ約シテ去ル
三月一日　晴　風寒シ
○上略　十一時第一銀行ニ出勤ス、長崎十八銀行永見寛二来リテ第一銀行ニ対スル請求ノ件ヲ談話ス
三月三日　曇　風ナシ
○上略　十二時銀行倶楽部ニ抵リ佐々木日下二氏ト供《（マヽ）》ニ長崎十八銀行永見清水両氏ヲ招宴ス