デジタル版『渋沢栄一伝記資料』

明治12年11月17日（1879年）

原六郎銀行定期預リ金ニ準備ヲ置クノ適当ナラザル理由ヲ述ベ衆ノ意見ヲ乞フ。栄一之ヲ是トシ議案トシテ衆議ニ付ス。衆亦異議ナキヲ以テ、後同盟連署シテ上申セシモ允准セラレズ。

東京経済雑誌
　○第一五号・第五一八頁〔明治一二年一一月二九日〕
　　　　○択善会第廿七回録事
○中略
第九次、原六郎君ハ銀行当座預《（定期）》リ金ニ於テ準備ヲ置クノ適当ナラサル理由ノ大意ヲ陳説シテ諸位ノ意見ヲ乞ヘリ、渋沢君同意ヲ告ケ、而シテ之ヲ議案トナシテ諸位ニ問フ、諸位異議ナク之ニ同シ、其稟請書ハ第一銀行ニ於テ之ヲ草シ、輸議ヲ経テ上申スヘキコトニ決定セリ
右会議畢テ十時ニ際シ会散ス

　○第一七号・第五八六頁〔明治一二年一二月二五日〕
　　　　○択善会第廿八回録事
○中略
一　前会大要ヲ決定シタル上申文案四件（銀行敗裂紙幣逓送ノ儀ニ付稟候、当坐小切手印税ノ儀ニ付再願、振出手形取付ノ儀ニ付願書、定期預リ金準備ノ儀ニ付願書）ハ後又輪議ニ付シ、各行異議ナク、独第百銀行ノ修整説アリシカ、但タ其原案ノ旨ヲ敷衍スルマテナレハ、尚之ヲ簡略シテ、乃チ原案ノ（上略）其功用ハ無之訳ニ相成独銀行ノ不利ナルノミ云々ヲ其功用無之候若シ二割五分ノ準備ヲ要セサル時ハ例ヘハ年八分ノ利足ヲモ可相払ノ処不得已五分五厘ノ利息ニ相止リ候ハ独預ケ人ノ不益而已ナラス云々ト改メ、直チニ本書ヲ清写シ、即今連日使ヲ走ラシテ各行ノ調印ヲ求ルヲ以テ、不日上申ニ至ルヘキ旨ヲ報道セリ

第一国立銀行半季実際考課状
　○第十三回・第一一頁〔明治一三年一月一八日〕
一又定期預リ金準備ナル者ハ実際毫モ効用ナキ理由ヲ具陳シ之ヲ廃止センコトヲ要請セリ、未タ准否ヲ領セス

　○第十四回・第一〇―一一頁〔明治一三年七月一九日〕
一三月十八日同省ヨリ又同時ニ同盟連署稟請スル所ノ定期預リ金ノ準備ヲ省除スルヲ允准セラレサル旨ヲ指令セラレタリ