公開日: 2016.11.11 / 最終更新日: 2022.3.15
第6巻 p.167-170（DK060050k） ページ画像
明治22年2月15日（1889年）
第九十二回ノ定式集会開カル。栄一出席シ、入社金逓減其他ノ議案ヲ発シテ協議シ、且各件ニ付キ決議ス。次会ニ於テ細目ヲ決議セリ。
会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月（DK060050k-0001）
第6巻 p.167-169 ページ画像
会議録事 自明治二十二年一月至明治二十三年十二月 （東京銀行集会所所蔵）
○同盟第九十一回定式集会録事
明治二十二年二月十五日、同盟第九十一回定式集会ヲ開キ、来会スル者二十五名ナリ、委員第一国立銀行頭取渋沢栄一氏ハ入社金逓減外四項ノ議案ヲ発シ、決議スル所左ノ如シ
其一入社金額ハ規程第三十条ニ明文アレトモ、或ハ其額ヲ多シトシ、躊躇シテ加盟セサルモノアルヲ聞ク、而シテ本会ノ創設ノ趣旨ハ同盟ノ多キヲ要スルヲ以テ、今ヨリ入社金額ヲ卒減シ、大ニ加盟者ノ為メニ便利ヲ図ラントスルノ旨ヲ以テ、乃チ旧定額ヲ廃シ、更ニ百円ヨリ五百円マテヲ極度トシテ之ヲ五級ニ別ツモノトシ、其細則ニ至テハ委員会ヲ以テ定ムヘキコトニ決議セリ
其二ハ規程第三十二条月費金ハ最低三円五十銭、最高三十円ニシテ、其差等甚タ妥当ナラサルヲ以テ更ニ最低ヲ五円、最高ヲ二十円ト定メ、而シテ其差等ヲ設クルニ至テハ委員会議ヲ以テ采定スヘキコトニ決議セリ
其三ハ同盟積立金額ハ本月一日ノ計算ニ拠レハ六千七百余円ニ達シ、従前各月番ニ於テ之ヲ管保セシカ、毎月交転ニ際シ煩冗ナキニアラサルヲ以テ、今此徒労ヲ除キ、明治十七年建築費補充トシテ特ニ醵出シタル所ノ金額ヲ将テ之ヲ爾来在盟ノ各行ニ還付シ、而シテ此際本集会所資産処分法ヲ設ケ、倘本集会所必用ナキニ至ル場合ニハ、其節現存ノ地所家屋其他一切資産ニ属スル物件ヲ挙テ各行入社金高ニ率分シテ之ヲ還清スヘキ明文ヲ設ケテ規程ニ増加スヘキコトニ決議セリ
○中略
二月十五日定式会来会者
第一国立銀行 渋沢栄一 ○外二五名氏名略
但第弐・第六・第九十・第九十三・正金・川崎ノ六行ハ参会セス
○第九十二回定式集会録事
明治二十二年三月十五日、同盟第九十二回定式集会ヲ開キ、来会スル者二十四名ナリ
委員 横浜正金銀行頭取 原六郎 ○外二名氏名略
会員 第一国立銀行 佐々木勇之助 ○外二〇名氏名略
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委員横浜正金銀行頭取原六郎氏ハ各位ニ告テ曰ク、前会発議ニ係ル入社金逓減月費金改正等ノ事件ハ本日委員会議ヲ以テ修正ヲ行ヒ、又去ル十七年建築費補充トシテ各行ヨリ別途醵出シタル金額割戻ノ期日ヲモ定メタリト、則両件ノ方法計算ハ左ノ如シ
一入社金ハ百円ヨリ五百円迄五等ニ分チ、規程第三拾条ヲ左ノ如ク改正スヘシ
第三拾条 凡国立銀行及私立銀行ニシテ本会ニ加盟スルモノハ、入社金トシテ其資本高ニ応シ、左ノ金額ヲ銀行集会所ヘ納付スヘシ
一資本金弐拾五万円迄ハ 金壱百円
一同 廿五万円ヲ超ヘ五十万円迄ハ 金弐百円
一同 五十万円ヲ超ヘ七十五万円迄ハ 金参百円
一同 七十五万円ヲ超ヘ百万円迄ハ 金四百円
一同 壱百万円以上 金五百円
但支店ハ其銀行資本高ヲ以テ本文割合ノ半額ヲ納付スヘシ
一月費金ハ旧規ヲ標準トシテ之ヲ増減シ、五円ヨリ廿円迄七級ニ分チ規程第卅二条ヲ左ノ如ク修正スヘシ
第三拾二条 凡銀行ノ本会ニ同盟シタルモノ通常経費ヲ支弁スル為メ左ニ定ムル所ノ月費金ヲ支出スヘシ、而シテ其支出金ノ割合ニ応スル株高ニ増株アルモノハ現在払込済ノ金額ヲ以テ計算スヘシ
一資本金拾万円迄ハ 金五円
一同 拾万円ヲ超ヘ廿万円迄ハ 金七円
一同 廿万円ヲ超ヘ三十万円迄ハ 金八円
一同 三拾万円ヲ超ヘ四十万円迄ハ 金拾円
一同 四十万円ヲ超ヘ五拾万円迄ハ 金十二円
一同 五十万円ヲ超ヘ百万円迄ハ 金十五円
一同 百万円以上 金廿円
但支店ハ其銀行資本高ヲ以テ本文割合ノ半額ヲ支出スヘシト雖トモ、資本高三十万円以下ニシテ其割合五円以下ニ当ルモノハ本文最下級ノ割合額ヲ出金スヘシ
右改正ノ項ハ来ル四月一日ヨリ実施スルモノトナシ、且其入社金額ハ新旧大ニ差等アルヲ以テ倘本会ヲ解散スル場合ニ至テハ此入社金額ニ照準シテ銀行集会所ノ資産ヲ分割収還スヘキコトニ議決セリ
一建築費補充醵出金割戻ノ期日ハ来ル三月廿一日ヨリ廿五日迄ノ間月番銀行ヨリ払戻スヘキヲ以テ銀行集会所ヨリ各行ヘ送致スル書式ニ照シ領収書ヲ造リ之ト引替ニ其金額ヲ収領スヘキコトニ定ム
一同盟銀行春季宴会ハ毎年四月第二日曜ヲ以テ開クヘキノ例ナリシカ、同日ハ差支ヲ生スルモ多カルヘク想像スルヲ以テ第二土曜日ヲ以テ嬉ノ森八百松ニ於テ開宴スヘキコトニ議決セリ
銀行名称 従前月費金 改正月費金 比較増減 第一銀行 二拾五円 二十円 五円 減 第二〃 拾五円 十円 五円 減 以下p.169 ページ画像 第三銀行 弐拾円 十五円 五円 減 第四〃 四円五拾銭 五円 五十銭 増 第五〃 九円 第六〃 四円五十銭 五円 五十銭 増 第十〃 四円五十銭 五円 五十銭 増 第十二〃 四円五十銭 五円 第十三〃 七円五十銭 五円 二円五十銭減 第十九〃 三円五十銭 三円七十五銭 廿五銭 増 一円五十銭 増 第二十〃 九円 七円五十銭 一円五十銭 減 第廿七〃 九円 十円 一円 増 第卅二〃 六円 五円 一円 減 第卅三〃 九円 十円 一円 増 第卅五〃 十円 六円廿五銭 三円七十五銭 減 第四十一〃 四円五十銭 五円 五十銭 増 第六十〃 九円 十円 一円 増 第七十四〃 拾二円 十二円五十銭 五十銭 増 第八十九〃 四円五十銭 五円 五十銭 増 第九十〃 三円五十銭 二円五十銭 一円 減 五円 一円五十銭 増 第九十三〃 三円五十銭 三円七十五銭 廿五銭 増 五円 一円五十銭 増 第九十五〃 七円 七円五十銭 五十銭 増 第百〃 七円 十円 三円 増 第百十二〃 五円 五円 ○ 第百十三〃 三円五十銭 三円七十五銭 廿五銭 増 五円 一円五十銭 増 第百十九〃 拾五円 拾円 五円 減 第百卅二〃 五円 五円 ○ 正金〃 弐拾五円 廿円 五円 減 三井〃 弐拾五円 廿円 五円 減 安田〃 九円 拾五円 五円 減 川崎〃 弐拾円 十円 一円 増 久次米銀行 七円五十銭 五円 二円五十銭減 合計 三百〇七円 二百五十五円
此外新規加入ノ見込アル分
第卅九銀行 七円五十銭 第四十〃 七円五十銭 第七十七〃 五円 第七十八〃 五円 第百四十七〃 五円 小計 廿五円
総計 ○記入ナシ
中外商業新報 第二〇九一号〔明治二二年三月一七日〕 京浜同盟銀行入社金及月費の減額（DK060050k-0002）
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中外商業新報 第二〇九一号〔明治二二年三月一七日〕
京浜同盟銀行入社金及月費の減額
京浜同盟銀行は目下三十二行あれとも此外に未た同盟に加入せさる銀行数行あり、此等の銀行は是迄何故に加入せさるやと尋ぬれは敢て同
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盟を好まざるにあらさるも之に同盟するには入社金なるものを要し、銀行の資本金に応して之を出さしむるの成規にて其出金高は最高二千円より最低百円と定めたるを以て少しく資本金の多き銀行なれは其支店を入社せしむるにも三五百円の入社金を要する故自然加入を躊躇するの工合あり、為めに折角同盟加入を希望する銀行にても加入せさるの有様にて遺憾少からさりしを以て、玆に右入社金の割合を減すべしと云ふの説にて、前会に於ては之が委員を撰び、委員の見込に由て之を減額し、本月の定式集会に於て之を衆員に報道する筈なりしを以て右委員は一昨日午後六時頃より定式集会を開くの前に於て其減額の事を議決し、引続き定式集会を開きて其決議を報道したるが今度は入社金を百円以上五百円迄として之を五等に分ち出金せしむることになれり、又各同盟銀行にては銀行集会所の諸経費を支払ふ為に月費と称して是迄銀行の大小に応し三円五十銭より二十五円迄を出し来りたることなるが其経費と称するものは多くはみな各同盟銀行員が同所へ集会の節飲食せし入費にて大銀行なりとて別に多人数出席する訳にもあらされば自然大銀行に重くして小銀行に軽く、彼地の権衡を失ふこと甚しければとて、是も其割合を改正すべしとの儀ありしが是も当日委員より従前の割合を改め、五円以上二十円として之れを七級に分ち取り立てる旨を報告され異議なく之に定まりたる由、而して右は弥よ来る四月一日より実施する趣なれば爾来は同盟銀行へ加入の銀行も定めし其数を増加なし随て其勢力をも増すに至ることなるへし